家計における支出の中で節約に効果的なのが、電気やガスなどの毎月かかる「固定費」です。固定費は一度削減すればその後も安定して節約が期待できるため、家計の見直しに大きな効果があります。
しかし、固定費は必要以上に削減すると生活の満足度が低下する恐れがあるため、過度な節約にならないよう注意する必要があります。
そこでこの記事では、固定費の中でも生活に欠かせない電気代に着目しました。
現在支払っている電気代が高いのか気になる方や節約方法を知りたい方に向けて、電気代の平均や節約のコツ、料金プランの選び方をご紹介します。
総務省が公表している2019年の「家計調査 家計収支編」によると、各家庭の月間平均電気代は9,100円/月となっています(※)。現在支払っている電気代が高いかどうか気にされている方は、この数値を参考にするとよいでしょう。
ただし、ここでご紹介している金額はあくまでも平均値です。実際に支払う電気代は各ご家庭の消費電力によって異なるため、一緒に暮らしている方の人数や部屋の広さ、地域によってかなりの幅があります。
例えば、同調査では世帯人数別の月間平均電気代も公表しており、一人暮らしは5,700円/月、2人家族は9,654円/月、3人家族は1万1,116円/月となっています(※)。
また、同じ地域であっても季節によって消費電力が異なるケースがある点にも注意しましょう。一般的に1年間で最も電気代の支払いが増えるのは暖房器具の使用頻度が増える1~3月です。夏も電気を消費するイメージが強い季節ですが、室内外の気温差がより大きい冬のほうが電気代は高くなる傾向にあります。
※出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)
電気代について調べている方の中には、「そもそも電気代はどうやって計算されているのか」という疑問を持っている方もいらっしゃるでしょう。電気代の計算は複雑なイメージがありますが、実は計算式自体はそれほど難しくはありません。
基本的な計算方法は「1時間あたりの消費電力(kW)×使用時間(時間)×料金単価(円/kWh)」となっています。「消費電力の大きい電化製品を長時間使うほど電気代は高くなる」というイメージです。
電気を使っている電化製品を一つずつ上記の式に当てはめていけば、理論上はご家庭で支払う電気代を自分で計算することができます。
スペック上の消費電力は電化製品本体に貼ってあるシールなどで確認できますが、実際の消費電力は必ずしも一律であるとは限りません。例えば、電子レンジなら温める食品によって毎回微妙に消費電力は変わります。単純にスペック上の消費電力をベースに家中の電化製品の電気代を計算しても、実際の請求額とは差が生じるでしょう。
電気代を考えるときに前提として理解しておきたいのは「昔に比べて電気代の単価が高くなっている」ということです。経済産業省の調査によると、家庭向けの電気代は2010年から2017年にかけて約16%も上昇しています(※1)。
また、前述した総務省による「家計調査 家計収支編」も電気代の上昇を裏付けており、ご家庭の月間平均電気代は2010年の8,421円/月から2019年には約8%増の9,100円/月と上昇傾向にあります(※2)。
電気代の値上がり傾向が続いている主な理由として、東日本大震災以降に火力発電の比重が高まったことと国際的なエネルギー需要が増加していることなどが挙げられます。
東日本大震災では福島第一原子力発電所で事故が発生し、周辺地域に深刻な被害をもたらしたため、それまでのエネルギー政策が一から見直されることになりました。その過程で、日本国内にある全ての原子力発電所が一旦停止したことで、火力発電の比重が高まりました。
火力発電では電気を作るために石油やLNGなどの資源が大量に必要です。しかし、経済成長著しい新興国を中心としてエネルギー資源の需要が高まっており燃料の価格が高騰しています。
こうした背景によって電気を作り出すためのコストが増えている結果、最終的に消費者が支払う電気代が高くなる傾向が続いています。
(※1)出典:資源エネルギー庁ウェブサイト
(※2)出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)
電気代について調べている方の中には、2021年になってから広がった「電気代がいつもの10倍になるかもしれない」というニュースに驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。背景にあるのは料金プランの一種である「市場連動型プラン」の特性です。
2016年に始まった電力小売自由化により、新しく市場参入した「新電力」と呼ばれる企業はさまざまな料金プランを消費者に提案して既存の大手電力会社との差別化を図り、顧客を獲得してきました。多彩な料金プランが展開されることで、消費者の選択肢が広がったのは間違いありません。この中で登場した「市場連動型プラン」とは、電気を作り出すために必要なコストに連動して電気代が変わるプランのことをいいます。
市場連動型プランでは、日本卸電力取引所(JEPX)(※)の市場価格が安いときは消費者が支払う電気代も安くなりますが、外的要因によって市場価格が高騰するとそれに連動して支払う電気代も高くなります。
2021年初頭は日本中を寒波が襲い、暖房などのために消費する電力が急増しました。加えて、日本国内における発電の主力燃料であるLNG(液化天然ガス)が不足した結果、資源価格の高騰で市場連動型プランの電気代が高くなることが懸念され「電気代が10倍になる」といううわさも流れたようです。
このように、市場連動型プランにはメリットとデメリットの両方があります。ただし新電力会社と契約すると必ず市場連動型プランになるわけではなく、あくまで料金プランの一種にすぎず、採用している会社も数社にとどまります。Looopでんきのようにそもそも市場連動型プランを扱っていない新電力会社も数多くあります。
※日本卸電力取引所(JEPX):電力小売自由化の流れを受けて設立された日本で唯一の電力取引市場
電気代は基本的に電気の使用量に比例して高くなります。しかし、実際には使用した分の電気代に加え「基本料金」が発生することもあり、電力会社によって料金体系はさまざまです。ここからは一般的な電気代の算出方法を詳しく解説します。
オール電化を除いて、ほとんどのご家庭で用いられているのが「従量電灯プラン」です。従量とは「使用量に応じて課金する方式」を意味します。ただし実際には、多くの電力会社で従量部分以外にも「基本料金」が発生し、「燃料調整費」や「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」などの費用も加算されます。
したがって、従量電灯プランの基本的な計算式は「基本料金+実際に使った電力量料金+燃料調整費+再エネ賦課金」になります。全国一律に設定される再エネ賦課金を除き、各項目の金額は電力会社や料金プランによって異なるため、少しでも安くしたい方は切り替えを検討してみることをおすすめします。
従量部分の料金が各電力会社や料金プランによって変わるように、基本料金も「アンペア制」と「最低料金制」の2種類があります。「アンペア制」とは電気の流れを表す単位であるアンペア数に比例した契約形態です。契約するアンペア(A)数が大きいほど、一度に使用できる電力量は増えますが、その分基本料金も高くなります。
一方、「最低料金制」はアンペア数にかかわらず、毎月一定額の料金を支払う仕組みとなっています。ただし、最低料金に一定の電気使用量の料金が予め含まれているプランの場合は、使った電気が少なければ基本料金だけの支払いで済むことがあります。
従来からある東京電力や関西電力といった大手電力会社は、基本的にアンペア制と最低料金制のどちらかを採用しているため、契約している方は一度調べてみるとよいでしょう。また近年では、「Looopでんき」のように基本料金を設定していないシンプルな料金プランを提供している会社も増えています。
ここまで、電気代の平均額やその決まり方について解説してきました。ここからは電気代を節約する方法を4つご紹介します。
ご家庭で使われる消費電力においては、エアコンなどに代表される冷暖房機器の使用が大きな割合を占めます。そのため、電気代節約の観点からは、「いかに電気を節約して室内を快適な温度に保つか」をまず考えることが重要です。
例えば、外気による影響を受けやすい場所としては窓が挙げられます。窓はしっかり閉めていてもちょっとした隙間から外気が入り込んで室温を変えてしまうため、ホームセンターなどで販売している隙間を埋めるシールなどを貼っておくと省エネに効果的です。
また、断熱対策では空気の層を作ることも効果的であるため、厚めのカーテンをつけるのもよいでしょう。その際はすきま風が通らないように、窓枠よりも少し大きめのサイズを選ぶことをおすすめします。さらに、冷暖房機器の効率を良くするために空気を循環させるサーキュレーターを併用すると節電に効果的です。
使うときに便利だからという理由で、電源をつけっぱなしにしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、電化製品のスイッチはつけっぱなしにしているだけで待機電力がかさみ、電気代に影響することがあります。使わないときはスイッチをオフにする習慣をつけることも節電には重要です。
また、電化製品によってはスイッチをオフにしていてもコンセントに刺しているだけで微量の電力を消費している機器もあります。長期間使わない場合はコンセントも抜いておくとさらに効果的に節電できるでしょう。ただし、テレビの主電源をオフにすると予約録画機能が使えなくなるなどといった問題が起こる可能性があるため注意してください。
ただし、エアコンのスイッチを頻繁にオン・オフするのはかえって電気代がかかるケースがあるため、あまりおすすめできません。エアコンは設定温度に達するまでが最も多く電力を消費するからです。30分~1時間外出する程度なら、電源をつけっぱなしにしたほうが電気代は安く済むケースもあります。
基本料金がアンペア制の場合、契約アンペア数が大きいほど基本料金は高くなるため、契約を見直せば節約につながるケースもあります。実際に使っている電化製品の数や規格によっても異なりますが、一般的に1~2人世帯なら30A、3人世帯なら40A、4人世帯なら50Aが目安です。もしも、目安となるアンペア数より大きなアンペア数で契約していた場合は変更を検討してみるとよいでしょう。
ただし、必要なアンペア数より契約アンペア数を下げるとブレーカーが落ちやすくなり、生活する上で不便を感じるかもしれません。契約アンペア数は多くの場合、年に1回しか変更ができないため注意してください。
かつて電気代の支払い方法は口座振替が主流でしたが、近年ではクレジットカード払いも定着しつつあります。クレジットカード払いのメリットは、なんといってもポイント還元が期待できることです。例えばポイント還元率が1%であれば、1万円につき100円分のポイントが貯まります。これは実質的に100円の値引きを受けているのと同じであるため、積極的な活用を検討してみましょう。
ただし、利用する電力会社によっては口座振替割引を実施しているケースがあり、そちらのほうがお得になる可能性もあります。口座振替割引がある場合には、クレジットカード払いのポイント還元率と比較検討して、よりメリットの大きいほうを選ぶようにしましょう。
電気代を安くする方法は節電だけではありません。電気料金プランを見直すことでも節約につながることがあります。
2016年の電力小売自由化以降に登場した新たな電力会社(新電力)はお得なプランを豊富に提供しており、自分に合ったものを選びやすくなっています。電化製品の使い方には個人差がありますが、料金プランの見直しなら誰でもすぐに実行可能です。
料金プランの見直しにコストはかからない上に、一度見直せば長期的な電気代の節約につながります。料金プランにはどのようなものがあるのかを予め把握しておきましょう。
これまでの電気代は「基本料金+電力量料金」という形が一般的でした。しかし、近年では基本料金0円のプランも登場しています。基本料金0円プランのメリットは「シンプルで分かりやすい」ことです。
基本料金0円プランなら使った電気量を明確に把握でき、節約意識の向上も期待できます。
また、基本料金0円プランならアンペア数が電気代に与える影響はありません。そのため、もともとアンペア制の電力会社と大きなアンペア数で契約しているご家庭ほどメリットを実感できるはずです。
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オール電化の住宅にお住まいのご家庭は夜間の電気代が安いプランが特におすすめです。オール電化の住宅は深夜の時間帯に電気給湯器でお湯を沸かすなど、深夜の安い電気を利用することで電気代を抑えるしくみになっています。
夜間の電気料金が安いプランは日中に割高になっているケースもありますが、仕事などで昼間はほとんど誰も家にいないような共働き世帯なら大きなメリットを感じられるでしょう。Looopでんきでも夜間の電気代が安くなるスマートタイムプランを提供しています。
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近年では、電気だけでなく、そのほかのサービスとあわせて利用することで割引が受けられるケースも増えてきました。
例えばガスやインターネットなどと一緒に利用することで割引料金を適用しているケースです。どれも生活インフラとして欠かせないものであるため、まとめて賢く利用してみるとよいでしょう。
窓口が一本化されれば、請求管理や問い合わせが楽になるというメリットもあります。Looopでんきでも、でんきとガスの同時契約で割引になるサービスを実施しています(※関東エリアのみ)。
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ここまでご紹介してきたように電気代は契約する電力会社の見直しで大きく節約できる可能性があります。しかし、実際にどれぐらい安くなるかは、電気の使用状況や住んでいる地域、契約する料金プランによって変わるため一概にはいえません。そこで頼りになるのが料金シミュレーションです。
せっかく電力会社を変えても、プラン選びを間違えると電気代が高くなる恐れもあるため、切り替える前に一度料金シミュレーションで確認することをおすすめします。
Looopでんきは利用者に分かりやすい基本料金0円のお得な料金プランを提供しており、価格はもちろん、サービス満足度でも高い評価を得ています。また、東日本大震災へのボランティア活動をきっかけに創業した会社で、太陽光発電などの再生可能エネルギーによる発電にも力を入れているのが特徴です。
お得な料金プランを利用したい方や自然エネルギーをもっと身近に利用したい方は、まずLooopでんきのシミュレーションを試してどれぐらい安くなるかを確認してみてはいかがでしょうか。
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