冬の風物詩として、こたつをイメージする方は多いでしょう。洋室での生活が多くなっても、温かいこたつのある部屋で過ごす生活は魅力的です。
そこで、こたつを使用するときに気になるのが電気代です。こたつの電気代は高い、という意識を持つ方も多いようですが、実際はどうなのでしょうか。
この記事では、こたつにかかる電気代の目安やほかの暖房器具との比較、こたつのメリット・デメリット、こたつの電気代を節約する方法などを紹介します。
こたつの電気代はいくらかかる?
各社のカタログを見ると、4人以上用のこたつは消費電力500~600Wが一般的です。しかし、この数値は最大の消費電力を示したもので、保温しているときはそれほど高くありません。
実際には「弱」の状態で使用すると100W前後、「強」であっても200~300W程度です。
電気料金を1kWhあたり27円/kWhとすると、1時間あたりのこたつの電気代は100W使用の際で2.7円、200W使用した場合は5.4円になります。
保温状態の場合はヒーターも切れるため、電気代もより安く抑えられます。こたつは長時間の使用にも適した電化製品といえるのです。
また、ほかの電化製品と比較しても、こたつの電気代は安い傾向にあります。
例えば7〜10畳用のエアコン(暖房)をつけていた場合、電気代の目安として1時間あたり15.6円ほどです。最新のモデルであれば省エネ性能は高くなっていますが、空間全体を暖めるため電気代も高くなる傾向にあります。
電気毛布は消費電力が75Wのモデルを強設定で使用した場合、1時間あたりの電気代は約2円です。ホットカーペットは、3畳用で450Wのモデルを強設定で使用した場合、1時間あたりの電気代は約12円になります。
暖房器具 | 1時間あたりの電気代(目安) |
---|---|
こたつ | 2.7〜5.4円 |
エアコン(暖房) | 15.6円 |
電気毛布 | 2円 |
ホットカーペット | 12円 |
※出典:エネルギー資源庁「省エネ性能カタログ2020年版」
※出典:電気掛敷毛布 KDK-7507M 詳細(スペック) | KOIZUMI
※出典:電気カーペット KDC-3006 詳細(スペック) | KOIZUMI
最も電気代が安い暖房器具は電気毛布ですが、それぞれにメリット・デメリットがあるため状況に応じて使い分けるのが良いでしょう。
ここからは、こたつのメリット・デメリットについて見ていきます。
こたつのメリット・デメリット
冬の暖房器具を電気代で比較すると、こたつは有能な電化製品であることがわかります。
しかし、電化製品の良し悪しは電気代だけで判断するものではなく、それぞれの特徴や役割が異なります。
そのため、こたつにとって得意な分野もあれば、ほかの電化製品を使用した方が快適になるケースもあるでしょう。
ここでは、こたつのメリットとデメリットを具体的にご紹介します。
こたつのメリット
こたつは足を入れる狭い空間だけを集中的に温めてくれるものです。そのため、温まりたいときに電源を入れたらすぐに効果が得られます。寒い日に外で長く過ごしてから帰宅した際など、エアコンをつけて部屋が暖まる前にほかのこたつで足だけ温めることも可能です。
また、先述したようにほかの電化製品よりも電気代が比較的安い点もこたつのメリットの一つです。冬場に消費する電力量は多くなる傾向がありますが、こたつを有効的に使うことで電気代の節約にもつながります。
そして、部屋が乾燥しにくいこともこたつの大きな特徴でしょう。冬は空気の乾燥にも気を遣う季節です。空気が乾燥すると喉の炎症を起こしやすくなり、そこにウイルスが入ると病気の原因にもなります。
さらに空気の乾燥は肌荒れなどの要因にもなると言われているため、エアコンの温風で部屋全体を暖める場合は、湿度にも注意が必要です。
しかし、狭い範囲を集中して温めるこたつであれば、部屋の空気を乾燥させることはありません。
こたつのデメリット
こたつは足元を集中的に温める暖房器具のため、部屋全体を暖められません。そのため、こたつから一歩出ると寒さを感じることになります。こたつの温かさとの温度差によって、普段以上に寒さを感じる可能性もあるでしょう。
また、外に出たときの寒さを嫌ってこたつから出られない生活が続くと、健康面でも悪影響が出やすくなるため注意が必要です。
例えば、こたつの中では気温と体温が同時に上がるため気づかない間にに体から水分が失われて、脱水症状のリスクが高まります。さらに、こたつで寝てしまう場合は体勢も悪くなりやすく、腰や体を痛めるケースもあります。
こたつを使用する際はエアコンと併用したり、適度に水分を摂ったりすることが大切です。
そして、こたつは上掛け布団を含めると多くのスペースが必要となります。部屋の多くの面積を占めるほか、使用しないときは布団を収納する場所も確保しなければなりません。
こたつの電気代を節約する方法
こたつの電気代はほかの電化製品よりも比較的安いですが、使い方を工夫すればさらに節約できる可能性があります。
多くの電力量が必要となる冬場では、できるだけ節約したいところです。
ここではこたつをさらに効率良く使う方法や購入するこたつの機能、設定温度について意識するポイントを紹介します。
ラグ、カーペットを敷く
洋室でこたつを使用する場合は、こたつをフローリングにそのまま置くことは避けましょう。こたつをフローリングに直接置くと、熱はフローリングから逃げていくため、効率良く温められません。
そこでフローリングにラグやカーペットを敷き、その上にこたつを置くと熱を逃がさず温めることが可能です。その際にカーペットとフローリングの間に断熱シートを敷くと、内部の熱が断熱シートによって閉じ込められるため電気代の節約にもつながります。
和室でも同様に畳の上にラグやカーペットを敷いてからこたつを置くと良いでしょう。
こたつ布団を重ねて設置
こたつ布団は、こたつの効果を得るためには欠かせません。そしてこたつ布団の使用方法やサイズなどを意識すれば、保温効果を高められます。
こたつ布団を選ぶときには、サイズや厚みに注目しましょう。サイズが小さな上掛け布団を使用すると、床とやぐらに隙間ができて熱が逃げてしまいます。こたつの中を効率良く温めるためには、こたつのテーブルよりも縦横の合計が110cm以上大きいサイズの上掛け布団を選びましょう。
上掛け布団のサイズが大きければ、出入りの際にも熱は逃げにくくなり、さらに保温の効果も高くなります。また、こたつ布団を重ねて設置することも同様の効果が得られるでしょう。
人感センサー付きのこたつを選ぶ
こたつを使用しているとよく起こるのが「スイッチの切り忘れ」です。ほかの暖房器具と違い、こたつはスイッチが入っているかどうか、外からの見た目では判別しにくいでしょう。
誰も使用していないのにスイッチが入った状態では電気代が無駄になるほか、火災が発生するリスクも高まります。うっかりこたつのスイッチを切るのを忘れてしまうことがある人は、人感センサー付きのこたつがおすすめです。
人感センサー機能がついていると、人の動きを感知してスイッチのオン・オフが行われます。少しの間席を立ったときなどにも、人感センサーがあれば自動でスイッチを切り替えてくれるため、消し忘れ防止だけでなく使用している時間帯にも電気代節約に役立つでしょう。
設定温度を「中」以下にする
寒い日にこたつを使うときには、設定温度を「強」にして一気に温めたくなりますが、長時間入っているうちに足元が熱くなってきた経験はないでしょうか。設定温度が高いと熱くなりすぎてこたつを快適に使用できません。また、消費電力も余分にかかってしまいます。
こたつの中は狭い空間のため、必要以上に温度を上げなくても十分効果が得られます。設定温度を「中」以下にすることで消費電力を低く抑えることが可能です。
エアコンなどの暖房器具を併用している場合には、こたつの設定温度は「弱」でも良いでしょう。
また併用する暖房器具も設定温度を下げると、より電気代が節約できます。
月々の電気代を安くする方法
月々の電気代を安くするためにこたつの使い方を工夫するのは効果的な方法です。しかし、ほかの電化製品も含めてご家庭の電気料金を節約したいのであれば、現在の電気料金プランや契約アンペア数を見直してみましょう。
また、電気料金の支払い方法をクレジットカード払いにすればポイントも貯められてよりお得です。ここでは、電気代を安くするための方法として電気料金プランやアンペア数の見直し、クレジットカード払いについて説明します。
電気料金プランの見直し
現在契約している電気料金プランを理解し、ライフスタイルに合ったものを選ぶと電気代も安くなります。
各電力会社ではさまざまな料金プランが用意されています。プランごとに特徴があり、オール電化住宅向け、電気とガスをまとめたものなど、それぞれのご家庭に適したものを選ぶことが重要です。
例えばオール電化住宅に住んでいる場合、日中は家を空けている時間が長くて夜に電気を集中的に使うのであれば、夜の電気代が安いプランを選ぶと良いでしょう。
電気料金プランはどれを選ぶべきか迷っている方は、Webサイトで簡単に料金シミュレーションができるので、ご自身にぴったりなプランが診断可能です。気軽にできるので一度試してみてはいかがでしょうか。
契約アンペア数の見直し
契約アンペア数は、一度に使用する電気量の多さを表します。10A〜60Aの中で選択でき、数値が大きいほど多くの電気を使用できますが、その分料金は高くなります。
ご家庭で使用する電気が少ないのであれば、契約アンペア数を見直してみるのも有効です。仮に40Aで契約している場合、30Aに契約を切り替えるだけでも電気代に含まれる基本料金が下がります。ただし、契約アンペア数が低いと一度に使える電気量も下がるため、注意しましょう。
一般的に、ワンルームマンションで1人もしくは2人住まいで電気使用量が少ない場合は30Aがおすすめです。家族が増えて電化製品を多く利用するご家庭なら40A~60Aが目安となります。
契約アンペア数は、ご家庭で使用する電力量を把握してから見直すのが良いでしょう。
クレジットカード払いに変更
電気代は支払いの方法を見直すだけでもお得にできます。
電気代の支払い方法は口座引き落とし、銀行振り込み、クレジットカードの3種類から選べるのが一般的です。
電力会社によっては口座引き落としを利用した場合に一定額を割引してくれるケースもありますが、クレジットカードで支払うと毎月のカードの利用料に応じたポイントの還元が受けられます。
クレジットカードの還元率や電気代にもよりますが、一般的にクレジットカードで支払った方がお得になるので、ポイント還元率の高いカードを積極的に活用しましょう。
まとめ
冬に活躍するこたつは電気代が安く便利な電化製品です。使い方を工夫すればさらに電気代を節約しながらこたつのメリットを生かせるでしょう。
また、こたつの電気代だけでなくご家庭の電気料金を下げたいと考えている方は思い切って電力会社を乗り換えるのも有効な手段です。
電化製品の電気料金が気になる方は、家電の買い替えや使い方を工夫するだけでなく、電力会社の変更や電気料金プランの見直しも検討してみましょう。
Looopでんきでは、市場価格に合わせて電気料金が変わる「スマートタイムONE」を提供しています。
ご自宅で電気を使用するタイミングを工夫したり、使用量を調整したりすれば電気料金の節約につながります。これを「ピークシフト」や「ピークカット」と呼びます。
以下は、ピークシフト・ピークカットの取り入れ方の例です。
- 電気料金が安い時間帯に「電化製品を使用する家事」を済ませる
- タイマー機能の付いた洗濯機や食洗機などを導入し、電気料金が安い時間帯を狙って稼働させる
- 電気料金が高い時間帯には、外出を楽しむ
ピークシフト・ピークカットを実際に普段の生活へ取り入れているお客様の声を紹介します。
(40代 / 女性 / 5人暮らし)
電気の使用量アプリをうまく使い、節電出来ているので、おすすめしたいです。アプリは分かりやすいし、使用料金もでているので目安になりやすいです。
(40代 / 女性 / 3人暮らし)
ゲーム感覚で電気の節約を楽しめたのは初めてで楽しんでいた自分がいました。
周りの友人にもこの楽しさを共有したいので100%勧めたい。
まずは、市場連動型のプランを無理なく生活サイクルへ取り入れられるかどうかイメージしてみてはいかがでしょうか。
でんきナビでは市場連動型プランって何?という方に向けて、様々な疑問に答える記事をご用意しています。
市場連動型のメリット・デメリットについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
電気の市場連動型とは?メリット・デメリットから電気の上手な使い方まで
市場連動型プランの節約方法について詳しく知りたい方は、以下の記事で詳しく紹介しています。
市場連動型は節約効果が高い?電気料金の効果的な節約方法をチェック
世帯別の電気代について詳しく知りたい方は、以下の記事で詳しく紹介していますので合わせてご覧ください。
市場連動型の電気代とは?世帯別の目安と自分に最適な新電力の選び方