「電気代を節約したい」。多くの方がこのような悩みを抱えていると思います。しかし、漠然と「安くしたい」と考えているだけでは、効果的な節約術は身に付きません。このページでは、電気料金がどのような仕組みで計算されているのかを詳しく解説していきます。電気使用量の単位である「kWh(キロワットアワー)」と電気料金の関係や、基本料金が電気料金に与える影響を理解すれば、具体的なアクションに結び付きやすいはず。皆さまの節約のヒントにしてください。
電気の使用量を図る単位「kWh(キロワットアワー)」とは?
「家計をラクにするために少しでも電気代を節約したい」。そう考えている方は少なくありません。ところで皆さまは、電気料金がどのように計算されているかをご存じでしょうか。「電気をたくさん使うと電気料金は高くなる」ということはわかっていても、その計算方法を詳しく知っている方は多くはないでしょう。
電気料金の計算方法について理解するためには、「kWh(キロワットアワー)」という単位を覚えておく必要があります。なぜなら、ご家庭の電気料金は「1kWhにつき●円」という形で計算されることが多いからです。大手電力会社や新電力が公開している料金表や、電気事業者から受け取る検針票に記載されているので、この単位に見覚えがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
では、kWhとは何を表す単位なのでしょうか。これは以下の計算式を見てみるのがわかりやすいかもしれません。
つまり、1kW(1,000W)の電力を1時間使ったときに使用した電気の量(電力量)が1kWhということです。
例えば、消費電力1,000Wのドライヤーを6分間使用したとしましょう。このときの計算は以下のようになります。
・電力:1,000W=1kW
・時間:6分=0.1時間
・電力量:1kW×0.1時間=0.1kWh
消費電力1,000Wのドライヤーを6分間使ったときに使用された電気の量は0.1kWhになります。下記の図のように、ドライヤーを動かすために必要な電気の大きさが「W」、一定時間動かすために必要な電気の量が「kWh」で表されると考えるとわかりやすいかもしれません。
電気にまつわるその他の単位、A(アンペア)とV(ボルト)
【A(アンペア)】
「A(アンペア)」は、電流(1秒間に電気が流れる量)を測る単位です。電気の契約においては、「同時に使用できる電気の量」を示す際に使用され、契約時に「20A」「30A」といった形で選択することができます(「契約アンペア数」「契約アンペア」などと呼ばれる)。契約アンペア数が大きくなるほど基本料金が高くなるのが一般的です。
※Looopでんきでは、電気事業者切り替え時の契約アンペアの変更はできません。あらかじめご了承ください。
【V(ボルト)】
「V(ボルト)」は、電圧(電気を流す力)を測る単位です。国や地域によって送られてくる電気の電圧は異なり、その電圧に電化製品が対応していない場合には、使用することはできません。海外旅行に電化製品を持っていくときに、「変圧器」という機器が必要になる場合があるのはこのためです。
kWh(電力量)から電気料金を計算してみよう
それでは、使用した電気の量(kWh)が電気料金にどのように影響するのかを見ていきましょう。ここでは一般的なご家庭で使用される電気料金プランである「従量電灯」プランを前提として説明をします。
一般的な電気料金は「kWh×料金単価」で計算できる
「従量電灯」プランの電気料金は「1kWhあたり●円」という形で計算されます。わかりやすく図にすると以下のような計算です。
例えば東京電力の一般的な料金プランである「従量電灯B」では、使用電力量が120kWhまでの場合、料金単価は19円88銭です。このとき、10kWhの電気を使用したとすると、電気料金は198円80銭となるわけです。
料金単価は使用した電気の量に応じて増えていく
電気事業者によって異なりますが、1kWhあたりの料金単価は使用した電気の量が多くなるほど、高くなるように設定されているのが一般的です。例えば東京電力の「従量電灯B」では以下のようになっています。
東京電力の「従量電灯B」の1kWhあたりの電気料金単価 | |
---|---|
使用電力量 | 料金単価 |
120kWh以下 | 19円88銭 |
120kWh超 300kWh以下 |
26円48銭 |
300kWh超 | 30円57銭 |
実際の電気料金には基本料金(最低料金)なども加算される
ここまでは、「使用した電気の量との関係」という意味合いで電気料金について説明をしてきましたが、これは正式にいうと「電力量料金」と呼ばれるもの。実際に電気事業者に支払う電気料金には、「基本料金(最低料金)」と「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」などが加算されます。
基本料金(最低料金)は定額ですが、再エネ賦課金は使用した電気の量に合わせて変動します。また、電力量料金も「燃料費調整額」というものが加算・減算されます。その他料金に含まれるものとして、容量拠出金相当額があります。
特に基本料金(最低料金)は電気料金の節約に大きな意味を持つケースがあるので、電気料金の全体の構造も覚えておきましょう。
基本料金0円のプランも登場中!
電力の自由化とともに誕生した、新しい電気事業者である「新電力」の中には基本料金0円のプランを提供している会社もあります。使った電気の分の料金だけを支払えばいいので、ライフスタイルによっては電気料金をグッとお得にできるケースもあるようです。電気代を少しでも安くしたいと考えているなら、チェックしてみたほうがいいでしょう。
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電気をたくさん使う電化製品はどれ?消費電力の目安をチェック
電気料金の計算方法がわかったら、どうすれば電気料金を節約できるかを考えてみましょう。電気料金は「使用した電気の量(kWh)×料金単価」で計算できます。そして、使用した電気の量(kWh)は「電化製品の消費電力(W)×使用時間(h)」で計算できると説明しました。つまり、電化製品ごとの消費電力とその使用時間を把握し、使用方法を改善することが、効果的な電気料金の節約につながるといえます。
主な電化製品の消費電力はどのくらい?
下の表は主な電化製品の消費電力の目安をまとめたものです。エアコンや電子レンジ、ドライヤー、ドラム式洗濯乾燥機など、熱を発する電化製品は消費電力が大きい傾向にあり、電気料金に及ぼす影響も大きくなりがちであることがわかります。
主な電化製品の消費電力の目安 | |||
---|---|---|---|
電化製品 | 消費電力の目安 | 電化製品 | 消費電力の目安 |
エアコン(暖房最大時) | 2,000W | ドライヤー | 1,200W |
電子レンジ | 1,500W | 電気ポット | 800W |
アイロン | 1,500W | こたつ | 600W |
オーブン | 1,400W | 冷蔵庫(400Lクラス) | 300W |
炊飯器 | 1,400W | 液晶テレビ | 300W |
ドラム式洗濯乾燥機 (乾燥時) |
1,300W | ゲーム機 | 100W |
ホットプレート | 1,300W | 照明 | 60W |
食洗機 | 1,300W | 空気清浄機・加湿器 | 60W |
掃除機 | 1,300W |
主な電化製品の消費電力の目安 | |
---|---|
電化製品 | 消費電力の目安 |
エアコン (暖房最大時) |
2,000W |
電子レンジ | 1,500W |
アイロン | 1,500W |
オーブン | 1,400W |
炊飯器 | 1,400W |
ドラム式洗濯乾燥機 (乾燥時) |
1,300W |
ホットプレート | 1,300W |
食洗機 | 1,300W |
掃除機 | 1,300W |
ドライヤー | 1,200W |
電気ポット | 800W |
こたつ | 600W |
冷蔵庫 (400Lクラス) |
300W |
液晶テレビ | 300W |
ゲーム機 | 100W |
照明 | 60W |
空気清浄機・加湿器 | 60W |
電化製品ごとの使用時間に着目して節約を図ろう
電気料金を節約したいなら、電化製品の使用時間にも意識を向けることが大切。特に重要なのが、不必要なときにもうっかり稼働させてしまいがちな電化製品です。
例えばエアコン。「子どもが自分の部屋のエアコンをつけたまま遊びに行ってしまっていた」「寒い冬の朝に布団から出るために寝室のエアコンをつけ、そのまま仕事に出てしまった」といった経験のある方もいるのではないでしょうか。電気料金の節約のためには、長時間の外出時は各部屋のエアコンの電源をチェックする習慣をつけるといいでしょう。
乾燥機付き洗濯機の使用法にも要注意です。洗濯物が少ないときに、乾燥機を何時間も回しっぱなしにしていたという経験がある方も少なくないのでは?いうまでもありませんが、洗濯物が乾いているなら、乾燥機を使用し続ける必要はありません。もしかすると、月に数時間の無駄な稼働時間があるかもしれません。
この二つの電化製品は消費電力が大きいので、少し気を使うだけで電気料金の節約につながります。日々の生活を見直してみてください。
一方、消費電力は大きいものの、使用時間が短い電化製品もあります。例えば、電子レンジやドライヤーです。1回の平均的な使用時間は長くても十数分程度ではないでしょうか。使用回数が増えれば、もちろん使用する電気の量も増えてしまいますが、節約のために使う回数を極端に減らせるというものでもありません。
こういった種類の電化製品は、極端に気をつかわずに必要に応じて使用すればOKです。電化製品は生活に欠かせないもの。神経質になりすぎるとストレスが溜まって、電気の節約に気を配ること自体を嫌になってしまいかねません。節約にはゆとりも必要なのです。
1日中稼働させておく電化製品の電気代の節約方法は?
冷蔵庫や空気清浄機、加湿器のように1日中稼働させておかなければならない電化製品もあります。こういったものにかかっている電気料金の節約を考えるなら、思い切って買い替えてしまうのも一つの手です。電化製品は新しいものほど消費電力が少なくなる傾向があり、使用する電気量の抑制につながります。
電気料金の節約の第一歩!今の電気使用量を知ろう
ここまでの説明で電気の使用量と電気料金の関係、電化製品と電気代の関係についてはおおむね理解できたはずです。しかし皆さまは、実際に今、日々の生活の中でどれだけの電気を使っているかを把握できているでしょうか。現状を知らなければ節約をスタートすることはできません。そこで、毎月の電気使用量を確認する方法も紹介しておきましょう。
電気事業者から受け取った検針票をチェック
電気事業者から受け取った検針票にはその月に使用した電気の量が、「ご使用量」欄に「●kWh」という形で記載されています。ここを確認すれば電気の使用量は一目瞭然です。ただし、契約しているプランや時期によっては、「kWh」表記ではなかったり検針票が発行されないケースもあります。その場合は、以下に紹介する方法でチェックしてください。
電気事業者のWebサイトでチェック
検針票が発行されない場合、Webサイトで月々の電気使用量を確認できるようになっているのが一般的です。契約している電気事業者のWebサイトにアクセスして確認してみましょう。
電気事業者によってはアプリでチェックできることも
契約している電気事業者が、電気の使用量をチェックするためのアプリを提供していることもあります。いつでも手軽に確認ができるので、スマートフォンにインストールしておくといいでしょう。
電気使用量を「見える化」できるスマートメーター
電気の使用量は各ご家庭に設置されている電気メーターで計測されているのですが、現在、電力会社によって従来型のものから「スマートメーター」への置き換えが進められています。スマートメーターには通信機能が搭載されており、電気の使用量をPCやスマートフォンなどに配信・表示することができます。
電気料金を節約するには、まずシミュレーションから始めよう!
電気料金は毎月支払うものだけに、家計には大きな影響を与えます。おうち時間が増えている昨今、電気料金が高くなって驚いたという方も多いのではないでしょうか。このページで紹介した情報を基にぜひ節約に取り組んでみてください。
電化製品の電気料金が気になる方は、家電の買い替えや使い方を工夫するだけでなく、電力会社の変更や電気料金プランの見直しも検討してみませんか。
Looopでんきでは、基本料金・燃料費調整額・解約手数料0円の「スマートタイムONE」を提供しています。
このプランは基本料金が0円のため、ご自宅で使用する電気の量が多い方や、現在のプランで基本料金が高い方に最適です。
また、解約手数料が0円で契約期間の縛りもないため、お試しで数か月間、Looopでんきをご利用いただき、現在の電力会社と比較することも可能です。
Looopでんきをご利用いただいているお客さまの声を紹介します。
(30代 / 女性 / 3人暮らし)
基本料金がかからないので、大きいアンペアで契約していてもお得感がある。
でんき予報などアプリが充実していて、自分の使い方で料金を安くすることも出来る。
(40代 / 男性 / 1人暮らし)
明らかに他社より安くなるし、色々なイベントもあり楽しい。基本料金が無いのも魅力です。
まずは、電気料金プランを見直して、今の生活のままで電気代が安くなるのか試してみてはいかがでしょうか。
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Q kWh(キロワットアワー)の計算方法は?
kWh(電力量)は、「kW(電力)×h(時間)」で計算できます。例えば、1kWの電力を1時間使用した電気の量(電力量)が1kWhとなります。
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Q kWh(電力量)から電気料金を計算するには?
一般的な電気料金は「kWh×料金単価」で計算できます。特に「従量電灯」プランの電気料金は「1kWhあたり●円」という形で計算されるので、料金単価に当てはめて計算すると良いでしょう。