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エアコンをつけっぱなしにした場合、気になるのは電気代です。エアコンの電気料金を電力消費量から計算する方法を紹介します。エアコンをつけっぱなしにするメリット・デメリットや電気代を節約する工夫も、併せてチェックしましょう。

エアコンの電力消費量はどのくらい?

一口にエアコンの電力消費量といっても、使い始めとしばらく運転を続けてからでは大きな違いがあります。電力消費量に差が生まれるエアコンの仕組みと、消費電力に対する考え方を確認しましょう。

電力消費量は一定ではない

エアコンが使う電気の量は、常に一定ではありません。スイッチをONにした直後が最も多くの電気を使い、設定温度と室温の差が小さくなるにつれて電力消費量は少なくなります。

これは室温と設定温度の差が大きいときほど、エアコンがフル回転するため多くの電気を使うからです。

運転する時間が同じなら、頻繁にON/OFFを繰り返したり設定温度を変えたりするよりも、一定の温度でつけっぱなしにした方が消費する電力を抑えられます。

エアコンの電気料金を計算してみよう

電化製品の消費電力は取扱説明書に明記されており、それに基づき電気料金を計算できます。日中の12時間つけっぱなしにした場合の電力使用量と、冷房と暖房のどちらがより電気代がかさむのか解説します。

日中だけつけっぱなしにした場合

エアコンが消費する電力使用量を計算する式は、「消費電力(W)÷1000×1日の使用時間(時間)×1kWhあたりの電力量料金(円/kWh)」です。

シャープの6畳用エアコン「AY-P22S」のスペックを参考に、日中12時間、冷房をつけっぱなしにした場合の電気料金を考えます。

  • 消費電力(冷房):590(180~820)W
  • 従量料金単価(目安単価):31円/kWh(税込)

6〜7畳の室内で使った場合の電気料金は、単純計算で「590÷1000×12×31=219.48円」となりますが、実際には使い始めとしばらくたってからで電力使用量は変わります。

最初の1時間は最大出力、残りの11時間は最低出力で運転する仮定の方が実際に近いでしょう。運転開始1時間は「0.82(kW)×31円/kWh=25.42円」、残り11時間は「0.18(kW)×11時間×31円/kWh=61.38円」で、1日あたり86.8円です。

日中12時間つけっぱなしにした場合、月に約2,600円の電気料金がかかる計算になります。

※出典:仕様 / 寸法 | P-Sシリーズ | エアコン:シャープ

※出典:よくある質問 Q&A|公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会

冷房と暖房どちらが高くなる?

住んでいる地域や生活スタイルにもよりますが、一般に夏より冬の方がエアコンにかかる電気料金は高くなると考えられます。冬場は設定温度と外気温の差が大きくなるためです。

夏に外気温35℃の日に室温を28℃まで下げたい場合、差は7℃です。一方、冬の外気温5℃の日に室温を20℃まで上げようとすれば、15℃もの差があります。

外気と設定温度の差が大きいほど、エアコンの消費電力は増えます。特に冬の寒さが厳しいエリアでは、暖房にかかる電気料金が冷房に比べて高いと考えましょう。

電気料金についてもっと詳しく知りたい方はこちら

エアコンつけっぱなしのメリット

エアコンをつけっぱなしにすると、どのようなメリットがあるのでしょうか?代表的なものを3つ紹介します。

暑さや寒さの不快感がなくなる

エアコンをつけっぱなしにしていると室温を一定に保てるので、夏の帰宅時や冬の朝などに暑さ寒さを感じずに済みます。

夏には帰宅した際に部屋が蒸し暑いと、不快感や疲れに悩まされるケースは少なくありません。

人体が温度調節する際には、体温の上昇を視床下部が感知して交感神経が刺激され、発汗や血管の拡張を促します。同時に副交感神経も刺激されることで心臓の拍動を抑える反応が起こり、体に負担がかかるのです。

エアコンをつけっぱなしにしていれば体温の上がりすぎを未然に防げるため、不快感や疲れを低減できます。

※出典:自律神経による調節|NHK高校講座テレビ学習メモ

電源のON/OFFを気にせずに済む

エアコンをつけっぱなしにすることによって、ON/OFFを気にするストレスから解放されるかもしれません。外出先でエアコンのスイッチが気になってしまうのは、電気代が高額になってしまう心配があるからです。

あらかじめ電気代がいくらになるか把握しておけば、エアコンをつけっぱなしにしていても、電気代の心配は無用といえます。さらにリモコンを探す手間が省ける点も、エアコンをつけっぱなしで使うメリットでしょう。

快適に眠れる

エアコンをつけっぱなしにすることで、1日中室温が安定するため、安眠できる環境を整えられます。人が安眠できる気温の許容範囲は13〜29℃で、体に近い寝床の中を33℃前後に保てる温度です。

許容範囲内で夏は低め、冬は高めに温度設定することで、寝苦しさや寒さを感じず深い眠りを実現しやすくなるでしょう。

湿度の高さも深い眠りを妨げるとされています。つけっぱなしで快適な室温を保ちつつ、エアコンの除湿機能や除湿機を活用すれば、より安眠効果を高められるでしょう。
※出典:健康づくりのための睡眠指針2014|厚生労働省健康局

エアコンつけっぱなしのデメリット

エアコンの運転を止めずに使い続けると、主に快適な室温を保てるという点でメリットを感じるでしょう。ただ、デメリットもあるので、良い面と比較してつけっぱなしにするかどうかを決めましょう。

空気が乾燥する

エアコンを使うと湿度が低くなり、空気が乾燥してしまうのには、エアコンが室温を調節する仕組みが関係しています。

エアコンは室内の空気を取り込み、冷媒で温度調節して空気の水分を奪うことで温度を調節します。そのため空気中の水分が失われ、室内の湿度が低くなってしまうのです。

湿度が低い環境は、目やのどの粘膜を乾燥させ、風邪やインフルエンザなどに罹患しやすい状態をつくります。エアコンをつけっぱなしにする場合、適正な湿度を保つ工夫が必要です。

※出典:インフルエンザの感染を防ぐポイント 「手洗い」「マスク着用」「咳(せき)エチケット」 | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン

エアコンの寿命が短くなる

エアコンをつけっぱなしにしても、事故につながるリスクは高くありません。ただし稼働時間が長くなることで、エアコンの使用期間が短くなる可能性が考えられます。

エアコンは、「長期使用製品安全表示制度」の対象製品です。エアコンを安全に使い続けられるラインである「標準使用期間」は10年とされることが多く、1年間の使用時間は冷房で1,008時間、暖房は1,183時間という想定です。

1日中つけっぱなしにした場合の年間稼働時間は「365日×24時間=8,760時間」なので、使用時間の合計2,191時間で割ると、約3.9年で想定される使用時間を超えてしまう可能性があるのです。

※出典:長期使用製品安全表示制度について|家庭用エアコン|関連製品|一般社団法人 日本冷凍空調工業会

自動お掃除機能が使えない

近年のエアコンに搭載されている「自動お掃除機能」「内部クリーン機能」は、エアコンのスイッチをOFFにしてから作動します。つまり、エアコンをつけっぱなしにするということは、クリーン機能を使うタイミングがないということです。

クリーン機能は、フィルターに付着したほこりを自動で掃除する機能で、エアコンの運転効率を保つ役割があります。

フィルターにほこりが溜まったまま使い続けると、エアコンの運転効率が低下し電気料金が余計にかかる上、故障の原因になるケースも少なくありません。フィルターはこまめに掃除するよう心がけましょう。

つけっぱなしでも電気料金を抑えるには

エアコンをつけっぱなしにした場合のメリット・デメリットを踏まえて、電気料金を抑えるためにどのような方法があるのか解説します。

エアコンを自動運転にする

多くのエアコンは、手動で温度調節するだけでなく、自動運転機能を備えています。リモコンに「自動」というボタンがあったり、液晶ディスプレイに「自動」と表示されたりするのが一般的です。

自動運転は、エアコンが室内と室外・天井付近と床の温度をセンサーで感知し、快適な運転モードを選んで室温を調節します。効率的な運転を続けられるので、手動でON/OFFするより無駄な消費電力を使わずに済み、電気代を抑えられます。

空気を循環させ外気温の影響を遮断する

エアコンの消費電力量が増えるのは、室温と設定温度の差が大きく、負荷がかかる場合です。そのため、できるだけ室温を上げない(または下げない)工夫が、電気代の節約につながります。

遮熱カーテンや遮光カーテン・反射タイプのブラインド・遮熱フィルムなどを活用すると、室温に対する外気温の影響を抑制できます。

また、暖かい空気は天井近くに、冷たい空気は床面近くに溜まる性質があるため、サーキュレーターや扇風機の活用も効果的です。空気を循環させることで室温を均一に保てば、節電につながります。

外から設定温度を操作する方法

インターネットとスマートフォンの普及により、外出先でも自宅の電化製品を操作できるようになりました。スマートリモコンとWi-Fi温度計の仕組みや機能を紹介します。

スマートリモコンを使う

エアコンをつけっぱなしにしていても、外気温が上下することで必要以上に室温を下げてしまったり上げてしまったりと、不経済な事態が生じる心配があります。

外出中も室内の温度を管理し、必要以上にエアコンを稼働させないために、スマートリモコンの活用もおすすめです。

Wi-Fiを使って電化製品とスマートフォンをつなぎ、スマートリモコンを使うと、外出先でも電化製品をコントロールできます。電化製品とスマートリモコンのセットアップが必要ですが、リモコンがあればエアコンだけでなく扇風機や照明などの操作も可能です。

Wi-Fi温度計を活用する

温度と湿度を外出先からコントロールするために、スマートリモコンと併用したいのがWi-Fi温度計です。その名の通り、Wi-Fiを使ってスマートフォンで室温を確認できます。

Wi-Fi温度計で温度と湿度を確認し、スマートリモコンでエアコンやサーキュレーターを操作できるので、外出先でもペットの見守りなどに重宝します。

近年はさまざまな機種が販売されており、価格もそれほど高価ではありません。各部屋に設置して室温を管理するのもおすすめです。

つけっぱなしは電気料金とメリットを比較して

エアコンのつけっぱなしは、電気代が高額になるような気がして気が引けるといった意見も少なくありません。しかし、体温調節が苦手な赤ちゃんや高齢の方、自分で温度調節できないペットにとって、安定した室温は快適に過ごす上で欠かせない要素です。

大人にとっても、深い眠りを確保するには、温度の乱高下は避けたいものです。エアコンのつけっぱなしを検討する際は、電気料金とライフスタイルに合わせたメリットを比較してみましょう。

電化製品の電気料金が気になる人は、家電の買い替えや使い方を工夫するだけでなく、電力会社の変更や電気料金プランの見直しも検討してみましょう。

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ご自宅で電気を使用するタイミングを工夫したり、使用量を調整したりすれば電気料金の節約につながります。これを「ピークシフト」や「ピークカット」と呼びます。

以下は、ピークシフト・ピークカットの取り入れ方の例です。

・電気料金が安い時間帯に「電化製品を使用する家事」を済ませる
・タイマー機能の付いた洗濯機や食洗機などを導入し、電気料金が安い時間帯を狙って稼働させる
・電気料金が高い時間帯には、外出を楽しむ

まずは、市場連動型のプランを無理なく生活サイクルへ取り入れられるかどうかイメージしてみてはいかがでしょうか。