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1日のうち電気料金が安くなる時間帯はいつ頃なのでしょうか。原油価格の上昇を受けて電気料金などが値上がりする中、光熱費をできるだけ抑えたいところです。夜間に電気を上手に使って料金を節約する仕組みや方法、市場連動型プランについて解説します。

電気料金が安くなる時間帯はいつ?

電気料金は、使用時間や使用量が同じでも電力会社との契約中のプランによって金額が異なることがあります。

まずは、主な電力プランの特徴を押さえておきましょう。また、大手電力会社の時間帯別電灯プランを例に挙げて、適用される時間帯を比較します。

契約中のプランによる

プランは「契約種別」ともいいます。各電力会社ごとに呼び方は異なりますが、正式な名称はおおむね以下の通りです。

  • 従量電灯
  • 定額電灯
  • 時間帯別電灯
  • 季節別時間帯別電灯
  • ピークシフト電灯

これらの契約種別のうち、時間帯別電灯や季節別時間帯別電灯、ピークシフト電灯などがおもに夜間に電気料金が安くなるプランです。従量電灯はいつ電気を使っても単価は変わらず、使用量に応じて料金が上がっていく仕組みで、多くの家庭で使われています。

電気料金は以下の4つの項目で構成されています。

項目 特徴
基本料金 電力の使用量とは関係なく毎月一定の金額がかかる。アンペア(A)で表記し、数値が大きいほど料金も高くなる
電力量料金 使用電力量に基いて算定し、「燃料費調整額」を燃料費の変動に応じて加算あるいは差し引いて計算する
再生可能エネルギー発電促進賦課金 再生可能エネルギーで発電した電力を電力会社が買い取る際に発生した費用(契約者に按分する)

時間帯別電灯プランで電気料金が安くなる時間帯

使用量に応じて金額が変わる従量電灯のほか、使用する時間帯によって電気料金が変わるプランがあります。それが「時間帯別電灯」です。

時間帯別電灯は、電力使用量が少なくなる夜間の時間帯に電気料金を安くすることで、1日における使用量の平準化を目的としたプランです。

時間帯別電灯プランを採用している電力会社の一例を見ていきましょう。

電力会社 プラン名 時間帯
東京電力 夜トクプラン(夜トク8) 午後11時~翌午前7時
関西電力 はぴeタイムR 午後11時~翌午前7時
東北電力 よりそうプラスナイト8 午後11時~翌午前7時
中部電力 スマートライフプラン 午後10時〜翌午前8時
九州電力 電化でナイト・セレクト21 午後9時〜翌午前7時
中国電力 ナイトホリデーコース 午後9時〜翌午前9時
四国電力 時間帯別eプラン 午後11時〜翌午前7時
北陸電力 くつろぎナイト12 午後8時〜翌午前8時
北海道電力 eタイム3プラス 午後10時〜午前8時
沖縄電力 時間帯別電灯 午後11時〜午前7時


電力会社ごとに電気料金が安くなる時間帯は異なりますので注意が必要です。

※出典:東京電力エナジーパートナー夜トク8
※出典:関西電力はぴeタイムR
※出典:東北電力よりそうプラスナイト8
※出典:中部電力スマートライフプラン
※出典:九州電力電化でナイト・セレクト21
※出典:中国電力ナイトホリデーコース
※出典:四国電力時間帯別eプラン
※出典:北陸電力くつろぎナイト12
※出典:北海道電力eタイム3プラス
※出典:沖縄電力時間帯別電灯

電気料金が夜間に安くなる理由

家庭における電力使用量は、時間帯によって増減するのが一般的です。電気事業連合組合の「最大電力発生日における1日の電気の使われ方の推移」から、2022年1月21日の記録をもとに1日の電力使用量の推移を見てみましょう。

電気使用量は午前6時から徐々に増加し、午前10時にピークを迎えます。その後は使用量が多少減少しながらも、横ばいです。午後6時からは再度使用量が増えて、午後8時の時点でピーク時に近い使用量となります。

その後は徐々に減少し、翌午前0時~翌午前6時までの時間帯は1日のうちで使用量の少ない時間となります。

1日のうちでピーク時との使用量の差は小さくなってきているものの、電気使用量の少ない時間帯に関しては1975年から20年近く変わっていません。電力は、使用量の多い時間の需要をまかなえる量を発電しています。時間帯で発電量を調整することはできません。

電力の仕入単価は需要と供給のバランスにより上下します。例えば電力使用量が増える時間帯は仕入単価は高くなり、減る時間帯は安くなるといった具合です。

産業用の電気使用の減少や多くの方が就寝している夜間には電力に余剰が生じることから、仕入単価が下がるのを利用して料金を安くしたプランが時間帯別電灯といえます。

※出典:最大電力発生日における1日の電気の使われ方の推移| 電気事業連合会

時間帯別電灯プランはどうやって選ぶ?

時間帯別電灯プランは以前からある電力会社に加え、新電力会社も扱っています。新電力会社について詳細を確認しましょう。

大手のほかにもいろいろな電力会社がある

従来の電力会社との契約の仕組みは、電力会社が自動的に決まってしまうため、契約者は電力会社を選べませんでした。電力会社同士の自由競争により、料金を含めサービスの質の向上を目指したのが「電力の小売全面自由化」です。

電力小売自由化は2004年に始まり、2015年からは一般家庭も対象となりました。そこで電力の小売業として参入したのが「新電力会社」です。新電力会社は「電気とガス」「電気と携帯電話」など、さまざまな組み合わせでまとめ割プランを提供しています。

2022年9月時点で、小売電気業者の登録数は733件に至っています。

※出典:資源エネルギー庁 登録小売電気事業者一覧

新電力会社は安心して使えるの?

新電力会社と契約した場合、電力の供給力や信用力に不安を感じる方は少なくありません。新電力会社と電力会社の関係性を詳しく見ていきましょう。

電気は発電所で作り、送電線を伝って変電所に送られ、配電線を通って各家庭へと届きます。このプロセスの間には、おもに以下の3つの部門が関わっています。

  • 発電部門
  • 送配電部門
  • 小売部門

今までのいわゆる大手電力会社は、このすべての部門を一手に担っていました。一方で新電力会社は、小売部門に参入した会社です。

小売部門は消費者と直接やり取りし、料金設定や契約手続き、電力の調達を行います。電力の供給や配送は大手電力会社が行うため、停電や供給不足といった問題は解消されています。

新電力会社のメリット・デメリット

新電力会社の多くは、ガス会社、通信会社など異業種からの参入です。新電力会社と契約すると、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。以下を確認しましょう。

メリット デメリット
・電気料金が安くなる可能性がある
・セット割引でお得になる可能性がある
・ポイント還元を受けられる
・ニーズに対応したプランが選べる
・環境に配慮した電力を使える
・途中解約で違約金が発生する可能性がある
・新電力会社の倒産や撤退の可能性がある


新電力会社は、電力プランの料金体系を消費者のニーズに合わせて設計するため、安い料金が期待できます。電気にガス、携帯電話、インターネットを組み合わせた割引プランを提供している会社も、少なくありません。

太陽光や風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーから作られた電力を供給する会社を選ぶことで、契約することが環境への配慮につながります。

一方で、新電力会社の中には、途中解約すると違約金が発生する所もあります。つまり、自由に乗り換えができない点はデメリットです。

また新電力会社が倒産した場合や事業から撤退した場合、新たに電力会社を探さなければならない点もデメリットといえるでしょう。

夜間の電気料金はどれくらいになる?

電力会社ごとに時間帯別電灯プランを見ていきましょう。それぞれ以下のような単価設定になっています。

電力会社名 プラン名 昼間の料金単価(1kWh) 夜間の料金単価(1kWh) 割引時間帯
東京電力 夜トクプラン(夜トク8) 32円74銭 21円16銭 午後11時~翌午前7時
関西電力 はぴeタイムR 28円96銭 15円20銭 午後11時~翌午前7時
東北電力 よりそうプラスナイト8 34円83銭 11円12銭 午後11時~翌午前7時
中部電力 スマートライフプラン 38円71銭 16円30銭 午後10時〜翌午前8時
九州電力 電化でナイト・セレクト21 26円84銭 13円21銭 午後9時〜翌午前7時
中国電力 ナイトホリデーコース 40円96銭 18円21銭 午後9時〜翌午前9時
四国電力 時間帯別eプラン 31円98銭 14円49銭 午後11時〜翌午前7時
北陸電力 くつろぎナイト12 34円94銭 12円50銭 午後8時〜翌午前8時
北海道電力 eタイム3プラス 40円67銭 14円63銭 午後10時〜午前8時
沖縄電力 時間帯別電灯 35円31銭 12円05銭 午後11時〜午前7時

昼間の料金単価は、各社最も高い料金単価を記載しています。昼間の料金単価と比べると夜間の料金単価は安く設定されているため、夜間により多くの電力を使用する方にとってはお得なプランです。

※出典:東京電力エナジーパートナー 夜トクプラン
※出典:関西電力はぴeタイムR
※出典:東北電力 よりそうプラスナイト8
※出典:中部電力スマートライフプラン
※出典:九州電力電化でナイト・セレクト21
※出典:中国電力ナイトホリデーコース
※出典:四国電力時間帯別eプラン
※出典:北陸電力くつろぎナイト12
※出典:北海道電力eタイム3プラス
※出典:沖縄電力時間帯別電灯

時間帯別電灯プランの契約で気を付けたい点

時間帯別電灯プランは夜の電気料金がお得になることがわかりました。しかし昼の電気量単価が通常のプランより割高である点など、注意すべきポイントがあります。

昼間・夜間の単価を確認する

時間帯別電灯プランの注意点は、夜間の料金単価が安い代わりに、昼間の単価が高くなる点です。

どのくらい差があるのか、東京電力の時間帯別電灯プランと従量電灯Bを比較してみましょう。40A 、夜間使用量200kWh、昼間使用量116kWhと仮定した場合で見ていきます。

※以下は2022年10月現在の料金単価になります。

夜トク8 料金単価(税込)
基本料金(4kW) 858円00銭
電力量料金 午後11時〜翌午前7時 1kWh 21円16銭
午前7時〜午後11時 1kWh 32円74銭
従量電灯B 料金単価(税込)
基本料金(40A) 1,144円00銭
電力量料金 最初の120kWhまで(第1段階料金) 1kWh 19円88銭
120kWhをこえ300kWhまで(第2段階料金) 1kWh 26円48銭
上記超過(第3段階料金) 1kWh 30円57銭

料金単価と計算式を元に、それぞれの料金を計算してみましょう。

計算式:基本料金+電力量料金+再生可能エネルギー発電促進賦課金=料金

電力量料金に含まれる燃料費調整額は2022年11月分の電気料金の燃料費調整単価を採用して計算していきます。

  • 従量電灯Bの場合

1,144円+(120×19.88+180×26.48+16×32.16+316×5.13)円+(316×3.45)円=11,495円

  • 夜トク8の場合

858円+(200×21.16+116×32.16+316×9.72)円+(316×3.45)円=12,981円

昼間使用量よりも夜間使用量の方が多いにも関わらず、夜トク8の方が料金が高くなっています。このように、夜間に多く電気を使うからといって、必ずしも時間帯別電灯プランが安くなるわけではないので注意が必要です。

※出典:東京電力エナジーパートナー 燃料費調整のお知らせ(2022年11月分)
※出典:東京電力エナジーパートナー 従量電灯B 料金単価
※出典:東京電力エナジーパートナー 夜トクプラン 料金のご案内
※出典:東京電力エナジーパートナー 主な電気機器のアンペアの目安

消費電力の大きな家電を知る

時間帯別電灯プランを最大限に利用するには、家電の消費電力を調べて、消費電力の大きなものは夜間に使うように工夫することも大切です。

例えば下記のように、それぞれの家電を動かす際の消費電力量は、Wの単位で示されます。

  • 食器洗浄機:1100W
  • ドラム式洗濯乾燥機:280W
  • 乾燥機:1120W
  • アイロン:1200W
  • ドライヤー:1200W
  • IHクッキングヒーター:5800W
  • 電子レンジ:1400W

食器洗浄やアイロン、乾燥器は夜間に使うか、家電製品のタイマー機能を使って夜間に作動させるなどするのがよいでしょう。また朝の調理を電気料金が安い時間内に終わらせることも、割引効果を高める上で重要でしょう。

時間帯別電灯プラン向きのライフスタイル

時間帯別電灯プランには、世帯のライフスタイルによって向き不向きがあります。時間帯別電灯プランに向いている世帯の特徴を確認しましょう。

オール電化住宅や蓄電池を導入している

オール電化住宅とは、すべての住宅設備の熱源を電気でまかなっている住宅のことです。一般的にIHクッキングヒーターや電気温水器、床暖房、蓄熱ヒーターなどを備えています。

深夜の電力を使ってお湯を沸かしためておく電気温水器や、夜間の電力を活用して蓄熱する床暖房など、電気料金が安くなる時間帯で電力をまかなえるケースが多いのが特徴です。

蓄電池は、停電時など電力会社からの供給が途絶えた際に役立つ装置です。時間帯別電灯プランを利用している場合、夜間に充電して蓄電することで電気料金を抑えられます。

昼間は自宅にだれもいない

仕事やレジャーなどで日中は家を空け、家事を夜間にすることが多いという場合は、時間帯別電灯プランが向いています。

時間帯別電灯プランの昼間の電気料金は、使用量やシーズンによりますが、従量電灯の料金と比べ高額な料金に設定されているプランがほとんどです。

よりそうプラスシーズン&タイムの電力量料金(東北電力)
昼間(冬季ピーク) 43円14銭(1kWhあたり)
昼間(夏季ピーク) 43円14銭(1kWhあたり)

そのため、昼間は外出して電気をほとんど使わない生活サイクルの方に適しています。

※出典:よりそうプラスシーズン&タイム|東北電力

単価が変動する市場連動型プランも

市場連動型プランも、電気料金を抑える効果が見込めます。市場連動型の特徴と市場価格の見方を確認しましょう。

市場価格を見て電気使用量をコントロールしよう

市場連動型プランとは、電気の市場価格に連動して、単価が高くなったり安くなったりと変動するプランのことです。

市場連動型プランを利用すれば、時間帯別電灯プランと同じような効果を期待できます。単価が高い時間帯に電気を使うのは避け、安い時間帯に電気を使うことで、トータルの電気料金を抑えられるためです。

電気の使い方をコントロールして節約するには、定期的に単価の変動を把握しておかなければなりません。

単価が安い時間帯の確認方法

市場連動型の電気料金の単価は、日本卸電力取引所(JEPX)の価格と連動しているのが特徴です。

単価はエリアや時間帯によって異なり、基本的に需要と供給のバランスに従って変動しますが、国際情勢の変化や異常気象の影響を受けることもあるため注意が必要です。

市場価格は、契約先の電力会社のホームページなどで公開されています。翌日の市場価格が確認できるので、計画的に電気の使用量をコントロールしましょう。

ライフスタイルに合わせてプランを選ぼう

電力会社が横並びだったかつては、消費者が電力会社を選ぶなど考えられませんでした。電力小売自由化のおかげで、私たちの電気料金に対する意識は変わりつつあります。

今や自分の生活に合った料金プランを好きに選べる時代です。ライフスタイルと照らし合わせ、賢く電力会社を選びましょう。

Looopでんきでは、市場価格に合わせて電気料金が変わる「スマートタイムONE」を提供しています。
※現在、Looopでんきへの新規お申し込みを一時停止させていただいています。

ご自宅で電気を使用するタイミングを工夫したり、使用量を調整したりすれば電気料金の節約につながります。これを「ピークシフト」や「ピークカット」と呼びます。

以下は、ピークシフト・ピークカットの取り入れ方の例です。

・電気料金が安い時間帯に「電化製品を使用する家事」を済ませる
・タイマー機能の付いた洗濯機や食洗機などを導入し、電気料金が安い時間帯を狙って稼働させる
・電気料金が高い時間帯には、外出を楽しむ

まずは、市場連動型のプランを無理なく生活サイクルへ取り入れられるかどうかイメージしてみてはいかがでしょうか。