サステナブルとは、持続できる・維持が可能、という意味の英単語「Sustainable」のことですが、近年「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」が注目されていることから、「地球環境の持続可能性」を意味する言葉として日常的に使われるようになってきました。
この記事では、サステナブルの意味と日常的に使われる言葉となった理由など、あらためて基礎を振り返るとともに、実現するためにできる習慣を11パターンご紹介します。地球環境の持続可能性のために貢献できることを今日からぜひ始めてみましょう。
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サステナブルとは
サステナブルが意味することとは何か、言葉の意味についてあらためて解説します。
言葉の意味は
サステナブルという言葉は本来、短期的な利益や一時的な快適さではなく、長期的に見て将来にわたり継続できるかという視点を指す言葉として使われます。
「サステナブルな会社の経営基盤を作る」「サステナブルな製品供給を目指す」など、環境だけにとどまらない意味を持つ言葉としても使われます。
広まったきっかけは地球サミット
サステナブルという言葉が広まったきっかけは、1つの国連の会議でした。
1992年リオデジャネイロで開催された国連環境開発会議(地球サミット)で採択された「アジェンダ21」の基本概念が「Sustainable Development」=持続可能な開発、であったことをきっかけに広まりました。
持続可能な開発とは、環境と開発は不可分の関係にあるが、開発は環境や資源という土台の上に成り立っており、持続的な発展のためには、環境の保全が必要不可欠であるとする考え方を示す言葉です(※)。
「アジェンダ21」だけでなく、同じ地球サミットで採択された「リオ宣言」にも「サステナブル」は中心的な考え方として反映されています。
※出典:環境省 環境白書 地球サミットの背景とその準備過程
SDGsとして世界に発信
さらに、「アジェンダ21」「リオ宣言」のあと、国連では2015年に「持続可能な開発計画(SDGs・Sustainable Development Goals)」が採択されました。サステナブルという言葉はSDGsのキャッチーなピクトグラムとともに、あらゆるメディアで使用される言葉・概念となりました。
SDGsには各国が取り組むべき目標として、次の17のゴールがあります。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤を作ろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任、つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう(※1)
17の目標の中には発展の基礎となる社会的な仕組みに関するもののほかに、気候変動、エネルギー、海洋など多くの地球環境にかかわるものがあります。
「安全な水」や、「つくる責任・つかう責任」のように、社会的な仕組みと地球環境への問題意識の双方の要素が入っているものもあります。
サステナブルという言葉は本来分野を限定して使われる言葉ではありませんが、このようにSDGsの中心的課題が地球環境であることから、地球環境に関する持続可能性としての意味がよりクローズアップされているのです。
また、サステナブルという言葉が広く知られるようになるのとともに、持続可能な発展には、土台である環境の持続的な保全が欠かせない、という理解自体も、日本では子どもから大人まで広がっています。
現在では、国を始め多くの学校・企業・自治体でも、何らかの取り組みがSDGsに基づき行われています。
例えば、「温室効果ガスの排出を2030年度に2013年度比▲46.0%の水準にすること」は国による主要な取り組みです。この取り組みは、国が決定する貢献(NDC: Nationally Determined Contribution)として、国連にも提出されているものです。(※2)
また身近なところでも、各種のリサイクルの取り組み、電気自動車の利用、省エネルギーや再生可能エネルギーの利用など、モノをつくる側・使う側双方でSDGs達成に向けた取り組みの例が見られています。
※1 出典:日本ユニセフ協会「SDGs17の目標」
※2 出典:外務省「日本の排出削減目標」
サステナブルが注目される理由
特に地球環境に関連する持続可能性が注目されるのは、現実に地球温暖化などの深刻な地球環境問題が進行しているからにほかなりません。
地球温暖化は、熱波・集中豪雨・山火事などの災害の間接的・直接的な原因となっており、私たち地球に暮らす人々を脅かしています。世界的規模での対策の必要性が叫ばれ、環境と開発の両立が大きな課題となっています。中でも自然災害は、環境に対する人々の危機感と関心を喚起しています。
また、新型コロナウイルス感染症の流行も、環境問題への関心を高める要因となっていることが、ある調査でわかっています。その調査では、新型コロナ流行後の環境問題への意識や行動に何かしらの「変化があった」との回答が64.9%にのぼりました。さらに、「変化があった」とする回答のうち環境問題の解決に向けた前向きな意識や行動の変化をあげた回答が45.2%にものぼったといいます(※)。
こうした反応は、環境保全意識の高まりのあらわれと考えられます。地球環境に対する取り組みは、SDGsブームなどの一時的な行動で終わらせてはいけません。
毎日の生活の中で習慣化させ、生き方そのものがよりサステナブルであることが必要といえるでしょう。そこで、次の章では、今日からできて簡単に・楽しく生き方をサステナブルに変えられる習慣をご紹介します。
※出典:旭硝子財団 日本人の環境危機意識調査
今日から実践! サステナブルな11の習慣
今日からすぐに取り組めるサステナブルな習慣を11パターン紹介します。どれも簡単に取り組めるので、ぜひ今日から始めてみてください。
1.食品ロスをなくす
食品は食卓に届けられ、私たちの口に運ばれるまで「生産・保管・加工・輸送・消費・廃棄」の流れがあり、そのすべてにエネルギーが投入されています。食品ロスがあると、その過程でCO2などの温室効果ガスを無駄に排出してしまったということになります。
無駄な温室効果ガスの排出を予防するため、食品ロスがないように気を付けてみましょう。具体的には、食べきれないほどの食材を買わないようにすること、冷蔵庫を確認して重複した買い物を避けることがあげられます。
また、スーパーの棚は消費・賞味期限が近いものが手前に陳列されますが、棚の奥から取ると手前の消費・賞味期限が近い商品が売れ残る可能性が高まります。売れ残りは食品ロスとなります。陳列順にしたがって商品を手に取る「マイルール」を作ることが食品ロスの削減につながります。
2.地元産のものを買う
地元産のものをできるだけ買うようにすると、輸送の際に排出される化石燃料からの温室効果ガスを少なくすることができます。
そこで、食料などを買うとき、できるだけ地元産のものを選ぶことを習慣化しましょう。地元のものを購入することで、地球環境をサステナブルにする貢献ができて、地元経済の活性化にもつながるので、一石二鳥です。
3.マイボトル、マイカトラリーを持ち歩く
家でマイボトルに飲み物を入れて持ち歩けば、石油を原材料とするペットボトルの飲料を買わなくてすみます。
マイ箸、マイスプーン、マイフォーク、マイストローを持ち歩くと、石油を原料とするプラスチック製のカトラリーの利用を避け、地球環境をサステナブルにすることに一役買うことができるのです。
4.プラスチック製を使わない
モノを買うとき、できるだけプラスチック製を避け、木製・布製などのものを選ぶことを習慣にしましょう。
プラスチック製品は便利な反面、海洋汚染の原因・温室効果ガスの排出原因・エネルギー資源の枯渇の原因となるので、使いすぎには注意が必要です。
ペットボトルやほかのプラスチック製品の利用を避けることにより、生物に悪影響を与える海洋プラスチック汚染を防止し、エネルギー資源の枯渇や、プラスチックの生産時・焼却時に排出される温室効果ガスの悪影響も避けることができます。
5.生ごみで堆肥をつくる
各ご家庭で生ごみを堆肥にして利用すれば、ごみを減らすことができます。各自治体は増え続けるごみの処分に頭を悩ませており、ごみを減らすことができれば処分場も減らすことができ、環境への負荷を減らすことができます。
特に生ごみには水分が多く含まれており、これがごみ焼却炉の温度上昇を妨げる原因となっています。現在ではごみ焼却炉の温度を上昇させるために、重油などを投入しており、ごみの焼却のためにCO2が排出されている状況にあります。焼却炉の温度が上昇がしやすくなるように、生ごみを減らすことはサステナブルな行動なのです。
6.モノを長く使う
モノを買ってすぐに捨ててしまうことを繰り返すと、自然資源が無駄になるうえに、輸送時に排出される温室効果ガスによる地球温暖化を進めてしまうことになります。
モノは一度買ったら大事にし、長く使用するようにしましょう。洋服ならば流行り廃りを追いかけず、丈夫で長く着られるものを選ぶとサステナブルなだけでなく、長い目で見た場合かえって経済的なことも多いと考えられます。
7.リユース、リサイクルをする
使わなくなったモノは別の形で再利用しましょう。リサイクルショップに持っていったり、フリマアプリを活用して個人間売買したりすることができます。これも自然資源の無駄をなくすことに通じ、サステナブルな社会に貢献します。
近くのリサイクルショップに持ち込んで販売することができれば、輸送による温室効果ガスの排出も抑えられます。
8.シェアリングサービスを利用する
自動車や自転車を所有せずにシェアリングサービスを利用する、別荘を持たず民泊を利用する、など「所有から利用」へ発想の転換をしてみましょう。車の台数や建物の戸数を減らすことにより、モノの生産に必要な資源・エネルギーの節約になります。
自動車のシェアリングを進めると、総走行距離を減らすことができて、CO2排出量も削減できることが調査でわかりました。カーシェアリングに加入した家庭は保有車を減らし、総走行距離も減少したと回答しています。同時に、カーシェアリングで利用する車の小型化と燃費性能向上によって、カーシェアリング導入前に比べてCO2排出量が44.9%も削減できたのです。(※)
カーシェアリングのように、一般の消費者がモノや場所を共有する新しい経済のモデルのことをシェアリングエコノミーといいます。シェアリングエコノミーは市場規模が一層大きくなり、トレンドとなることが各方面から予測され、より利用しやすくなると考えられます。シェアリングエコノミーの発達により、消費者はサステナブルな行動を習慣にしやすくなるでしょう。
※出典:公益社団法人交通エコロジー・モビリティ財団「カーシェアリングによる環境改善効果を確認」~主要5事業者の個人・法人加入者へのアンケートにより検証~
9.省エネを心がける
日常的に節電・節水を行うことにより、資源の無駄遣いの防止と、温室効果ガスの削減効果が生じます。これもサステナブルな取り組みで、今日からすぐに始めることができます。
日々の心がけも大事ですが、電力消費を従来型の製品より抑えられる省エネ対応の最新電化製品に買い替えることや、住宅の断熱性能の向上を図ることにより冷暖房の利用を抑えることで、地球環境をよりサステナブルにする効果を高めることができます。
10.再生可能エネルギー由来の電気を使う
化石燃料を使わず、温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギー由来の電気を使うことによってサステナブルな未来を実現することができます。
電力の小売全面自由化によって、電力会社を変更することができるようになったので、再エネ電気プランがある電力会社を選択して契約するようにしましょう。
11.サステナブルな取り組みを進める企業を応援する
サステナブルな取り組みは、企業でも盛んに行われています。再エネに力を入れている電力会社や再生紙・再生ポリエステルで商品を作る衣料メーカーなどサステナブルなことに取り組む企業を選び、消費行動によって応援しましょう。
どんな企業が何に取り組んでいるか調べて、買い物をするだけでも簡単にサステナブルな取り組みができます。ぜひ試してみましょう。
サステナブルな電気を選択しよう
電気をサステナブルなものにするには、再生可能エネルギー由来の電気を購入するという方法があります。火力発電で作られた電気は温室効果ガスを排出し地球温暖化を招くことになってしまいますが、太陽光発電などの再生可能エネルギー由来の電力を提供する電力会社と契約することにより、温室効果ガスの削減が可能です。
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