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SDGs15「陸の豊かさも守ろう」では、陸の生き物や森林を守っていくことを目標に掲げています。森林の減少や生物多様性の損失を防ぐために、私たちは何をすればよいのでしょうか?陸の現状や課題とさまざまな取り組み事例を解説します。

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SDGsの意味

近年は多くのメディアでSDGsという言葉を見聞きする機会が増えています。誕生した背景や17の目標など、まずはSDGsの基礎知識を押さえておきましょう。

よりよい世界を目指すための国際目標

SDGs(Sustainable Development Goals)とは、持続可能な社会の実現を目指す世界共通の計画や目標のことです。日本語訳は「持続可能な開発目標」であり、「エスディージーズ」と読みます。

SDGsは、2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に盛り込まれた内容の1つです。2030年までの15年間で各国が取り組むべき課題として、世界の新しい指標となっています。

2020年1月には、SDGs達成のための「行動の10年」がスタートしました。SDGs達成の期限となる2030年に向けて、取り組みのさらなる強化が求められています。

※出典:SDGsとは? | JAPAN SDGs Action Platform | 外務省

キーワードは5つの「P」

世界全体が抱えるさまざまな課題を解決し、世界をより良いものにするために、SDGsでは17の目標と169のターゲットを設定しています。それぞれの目標を5つの「P」に分けると、目標の意味をよりイメージしやすくなるでしょう。

  • People(人間、目標1~6):貧しさ・飢えを解決し、健康かつ平等に暮らせる社会を作る
  • Prosperity(豊かさ、目標7~11):世界中の人が経済的・精神的な豊かさを得る
  • Planet(地球、目標12~15):自然と共存しながら地球環境を守る
  • Peace(平和、目標16):さまざまな争いごとに関心を持ち世界平和を目指す
  • Partnership(パートナーシップ、目標17):国・企業・地域の枠を超えて協力し合う

MDGsとの違い

MDGs(Millennium Development Goals)とは、途上国の問題解決を目指し、2015年までに達成すべき目標として定められていたものです。国連で専門家の議論を経て、2001年に策定されました。

MDGsでは以下8つの目標を掲げ、2015年までに一定の成果を挙げています。SDGsはMDGsを引き継ぐ形で定められた目標であり、8つの目標もMDGsから引き継いでいます。

  • 目標1:極度の貧困と飢餓の撲滅
  • 目標2:初等教育の完全普及の達成
  • 目標3:ジェンダー平等推進と女性の地位向上
  • 目標4:乳幼児死亡率の削減
  • 目標5:妊産婦の健康の改善
  • 目標6:エイズやマラリア、その他の疾病の蔓延防止
  • 目標7:環境の持続可能性確保
  • 目標8:開発のためのグローバルなパートナーシップの推進

SDGs15「陸の豊かさも守ろう」

私たちの暮らしは自然や生き物に支えられていますが、生活が豊かになると自然破壊や生物多様性の損失が進みます。陸の豊かさを守るSDGs15の概要やターゲットを確認しましょう。

SDGs15の概要

SDGs15「陸の豊かさも守ろう」では、主に次のようなテーマを掲げています。他の目標に比べ、より多くの課題が盛り込まれている点が特徴です。

  • 陸域生態系の保護・回復
  • 陸域生態系の持続可能な利用の推進
  • 持続可能な森林の経営
  • 砂漠化への対処
  • 土地の劣化の阻止・回復
  • 生物多様性の損失の阻止

SDGs15では幅広い領域を対象としており、自然や生き物への対処だけでなく、生態系保護を目的とした資金調達や密猟・違法取引もターゲットになっています。

SDGs15を構成する12のターゲット

15-1~15-9は具体的な達成目標を示しています。15-a~15-cは目標達成のための行動指標です。

15-1 2020年までに国際的な協定に従って、森林、湿地、山地、乾燥地など陸上の生態系と、内陸の淡水地域の生態系、および、それらがもたらす自然の恵みを、守り、回復させ、持続可能な形で利用できるようにする。
15-2 2020年までに、あらゆる種類の森林の、持続可能な形の管理を進め、森林の減少を食い止める。また、衰えてしまった森林を回復させ、世界全体で植林を大きく増やす。
15-3 2030年までに、砂漠化に対応し、砂漠化、干ばつ、洪水の影響を受けて衰えてしまった土地と土壌を回復させ、これ以上土地を衰えさせない世界になるように努力する。
15-4 2030年までに、持続可能な開発のために欠かせない山地の生態系の能力を強めるため、多様な生物が生きられる山地の生態系を確実に守る。
15-5 自然の生息地が衰えることを押さえ、生物の多様性が損なわれないようにし、2020年までに、絶滅が心配されている生物を保護し、絶滅を防ぐため、緊急に対策をとる。
15-6 国際的に決められた通り、遺伝資源を使って得る利益が公正で公平に分けられるようにする。また、遺伝資源を適切に使うことができるようにする。
15-7 保護しなければならない動植物の密猟や、法律に反した取り引きをなくすために、緊急の対策をとる。法律に反する野生生物の製品が求められたり、売られたりすることがないようにする。
15-8 2020年までに、移動先に定着する外来種の侵入を防ぐとともに、外来種が陸や海の生態系に与える影響を大きく減らすための対策を始める。特に優先度の高い外来種は駆除する。
15-9 2020年までに、生態系や生物の多様性を守ることの大切さを、国や地方による計画や開発のプロセス、貧困をなくすための取り組みやお金の使い方に組み入れて考えられるようにする。
15-a 生物の多様性や生態系を守ること、それらを持続可能な形で利用していけるようにするために、あらゆるところから資金を集め、より多くのお金が使えるようにする。
15-b 森林の保護や再植林を含めて、持続可能な森林の管理を進めるために、あらゆるところからお金を集め、開発途上国が持続可能な森林の管理を進めようと思えるように十分な資金が使えるようにする。
15-c 持続可能な形で収入を得られるように、コミュニティの能力を高めるなどの取り組みを進め、保護しなければならない動植物の密猟や法律に反した野生生物の取り引きをやめさせるために、国際的な支援を強化する。

陸の現状と課題

SDGs15で主な課題としているのが、森林の減少や生物多様性の損失、土地の砂漠化です。それぞれの現状やリスクについて解説します。

森林の減少

世界の森林面積は2020年の時点で約40億haあり、陸地面積全体の1/3を占めています。しかし、2010年からの10年間で、年平均約470万haの森林が失われています。

森林が減少する主な理由は、気候変動や都市化、無計画な伐採です。森林が失われることによるリスクには、以下のようなものが挙げられます。

  • 地球温暖化の加速
  • 生物多様性の損失
  • 自然災害の抑止力低下

森林には地球の生命を守る重要な役割があるため、森林の保護・再生に向けた世界的な努力が必要です。

※出典:森林・林業分野の国際的取組:林野庁

生物多様性の損失

世界には約175万種の生き物が存在し、そのうち約4万種が絶滅危惧種としてリストアップされています。絶滅危惧種を保護し、生物多様性を維持していくことも、人間の責任です。

生物多様性が損失すると、生態系全体のバランスが崩れます。生態系に生物がどのように関わっているのか、人間がすべてを把握しているわけではないため、生物多様性の損失により予測不能な事態が発生する恐れもあるのです。

生態系のバランスが崩れると、外来種の侵入による被害も深刻化します。人間の安定した生活を維持するためにも、森林や動植物の生態系を維持することが重要です。

※出典:SDGs目標15. 陸の豊かさも守ろう | EduTownSDGs

土地の砂漠化

土地の砂漠化とは、もともと緑が多かった土地が劣化し、植物が育ちにくい状態になることです。砂漠化になる原因としては、気候的要因と人為的要因が挙げられます。

気候的要因は気候変動や干ばつ、人為的要因は過放牧・過伐採・過耕作などです。人為的要因の背景には、人口の増加や貧困があるとされています。

土地が砂漠化すると、環境・資源・衛生・安全保障・経済など、さまざまな方面に悪影響を与えかねません。SDGs15でも、砂漠化への対応を具体的な目標として掲げています。

SDGs15の世界の取り組み事例

SDGs目標15を達成するために、世界ではさまざまな取り組みが行われています。代表的な取り組み事例として、「REDD+」「ワシントン条約」「WWF」を紹介します。

REDD+

REDD+(レッドプラス)は途上国の森林減少・劣化に対する世界の取り組みです。2015年に採択されたパリ協定の中で、REDD+の実施と支援が奨励されました。

REDD+の基本的な考え方は、森林減少・劣化を抑制した場合の温室効果ガス排出削減量を評価しようとするものです。先進国・国際機関・民間企業により、さまざまなプロジェクトや能力開発支援が実施されています。

日本政府は、途上国への支援を通じて実現した温室効果ガス排出削減量を評価するとともに、削減目標の達成に活用するための二国間クレジットを推進しています。

ワシントン条約

人間による過剰な取引により絶滅する恐れがある野生動物を保護する国際条約がワシントン条約です。1975年に発効し、2022年3月時点で日本を含む180以上の国が加盟しています。

ワシントン条約は、輸出入における管理を加盟国が実施することで効果を発揮します。絶滅危惧種やその加工品について、各国が取引の細かいルールを定める必要があるのです。

日本では、海外との取引における水際の管理を徹底することや、輸入された後の取引管理の責任を持つことなどを法律で定めています。

※出典:ワシントン条約|外務省

WWF

WWFは環境保全に取り組む国際NGOです。野生動物・森林・海の保護や温室効果ガス排出抑制など、100カ国以上で環境保護活動を行っています。

2020年にオーストラリアで大規模森林火災が発生した際には、WWFジャパンが日本で集めた支援金を現地に届けました。支援金は野生動物の救護や治療などに役立てられています。

WWFジャパンの会員になれば、継続的な定額の募金で支援することが可能です。定期的に届けられる会報に目を通すことで、環境問題に関する理解も深められるでしょう。

※出典:WWFジャパン

SDGs15の企業の取り組み事例

SDGs15の達成に向けて、多くの企業がさまざまな取り組みを行っています。日本におけるSDGs15の企業の取り組み事例を見ていきましょう。

日本航空(JAL)

JALグループでは、野生生物の違法取引を防止するために、輸送の段階で発見できるように努めています。過去には絶滅危惧種の持ち出しに気付いた事例がありました。

生態系を保全するための取り組みとして、国の特別天然記念物であるタンチョウの保全活動も行っています。これまでにJALタンチョウフォトコンテストが5回開催されました。

沖縄県沿岸におけるサンゴ礁の再生プロジェクトも、JALグループが取り組んでいる生態系保全活動の1つです。

※出典:生物多様性の保全|サステナビリティ|JAL企業サイト

UCC

UCCはJICA(国際協力機構)が2003年より進めていた森林保全プロジェクトに参加し、エチオピアの自生コーヒーで現金収入を得られるよう、現地でコーヒー栽培に関する支援を行いました。

エチオピアでは木材で現金収入を得るために森林伐採が行われていたため、環境破壊が懸念されていたのです。しかし、エチオピアには多くの原生林があり、プロジェクトを通して香り豊かな野生のコーヒーを栽培できることがわかりました。

JICAのプロジェクトが終了した後も、UCCの技術指導は継続中です。エチオピアの森林を守りながら高品質のコーヒーを製品化し、コーヒーは地元の産業として定着しています。

※出典:森林保全プロジェクト|UCCのサステナビリティ | コーヒーはUCC上島珈琲

住友林業

日本では人工林の荒廃が問題となっています。輸入木材が主流となり、人工林が各地で放置されているため、さまざまなリスクが発生しているのです。

住友林業は人工林を適切に管理し、森林資源の価値を高める取り組みを進めています。日本の国土の約1/800という広い森林を管理し、森林が循環する仕組みを整えています。

これまで山道で行っていた苗木運びは、ドローンを用いて効率的に行えるようになりました。技術の進歩も林業に生かされています。

※出典:SDGsへの貢献と重要課題|住友林業
※出典:SDGs取組事例 | 木を育て,使い,森林の循環をつくる | 15.陸の豊かさも守ろう | EduTownSDGs

SDGs15の達成に向けて私たちができること

SDGs15を達成するためには、個人レベルでも意識を高めることが重要です。目標達成のために私たちができることを紹介します。

FSC認証マークのある製品を買う

FSC認証マークとは、適切に管理された森林で生産された林産物や、低リスクの林産物を使用した製品に与えられるマークです。

FSC認証マークのある製品を買うことで、SDGs15の達成に貢献できることになります。FSC認証の商品は身の回りに溢れているため、買い物をする際は意識してみるとよいでしょう。

FSC認証以外にも、SDGsに関係するさまざまな認証制度が存在します。認証ロゴマークがある製品を購入すれば、企業の取り組みを直接支援することが可能です。

※出典:Homepage Japan | Forest Stewardship Council

外来種に気を付ける

外来種とは、本来生息していなかった場所へ人間により運び込まれた生き物です。外来種は人間の管理下にないため、運び込まれた場所でさまざまな問題を引き起こします。

外来種の侵入による主なリスクは、生態系・人体・農林水産業への影響です。生態系が崩れたり人間が感染病にかかったりする恐れがあります。

旅行の際は荷物に植物の種や虫が混ざっていないか確認しましょう。ペットを逃がしたり捨てたりしないようにすることや、外来種を発見したらすぐに役所へ連絡することも重要です。

環境保護活動を行う企業や団体を応援する

SDGs15に取り組む企業や団体を応援すれば、間接的に目標達成の力になれます。主な支援方法は、商品の購入や金銭的な寄付、ボランティア活動への参加です。

支援先がわからない場合は、日本自然保護協会をチェックしておきましょう。日本自然保護協会は生物多様性を守る自然保護NGOであり、さまざまな活動を展開しています。

日本の絶滅危惧種を守る活動も行っており、2023年4月時点ではツキノワグマとイヌワシなどを保護する活動を進めています。

※出典:トップページ - 日本自然保護協会オフィシャルサイト

森林と生態系を保護して陸を豊かに

人間は地球上の自然に支えられて生きています。SDGs15を理解すれば、森林の保護や生態系の維持が、人間にとってどれだけ重要なことなのかがわかるでしょう。

私たちを支え続けてきた自然に対し、恩返しをする時期に来ています。陸の現状や課題に関心を持ち、個人レベルでもできることを見つけて行動に移すことが大切です。

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