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SDGs12の目標「つくる責任 つかう責任」は、持続可能な生産と消費の形を作っていくことを目指す目標です。食品ロスやプラスチックゴミ問題の現状を確認しながら、SDGs12を達成するための取り組み事例や私たちにできることを見ていきましょう。

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SDGs12「つくる責任 つかう責任」

SDGs12では、限りある資源を大切に使うことを目標に掲げています。まずはSDGsについておさらいし、SDGs12「つくる責任 つかう責任」の概要を押さえておきましょう。

そもそもSDGsとは

SDGsは持続可能な社会の実現を目指す世界共通の計画・目標です。「Sustainable Development Goals」の略語であり、「エスディージーズ」と読みます。

SDGsは2030年までに達成すべきゴールとして17の目標を掲げており、次の4分野に大きく分けられます。

  • 社会(目標1~6):すべての人々が人間らしく生きていくための社会に関する目標
  • 経済(目標7~12):最低限の暮らしを保証しつつ、持続可能な経済成長を目指す目標
  • 環境(目標13~15):気候・海・陸の問題解決と自然の持続可能性に関する目標
  • 枠組み:(目標16~17):上記3分野に共通するさまざまな目標

幅広い分野をカバーするSDGsの目標を達成するためには、国や企業だけでなく私たち個人の行動も大きなカギになるといえるでしょう。

※出典:SDGsとは? | JAPAN SDGs Action Platform | 外務省

SDGsについてもっと詳しく知りたい方はこちら

SDGs12の概要

SDGs12「つくる責任 つかう責任」は、持続可能な消費と生産を達成するための目標です。限りある資源をできるだけ長く使える方法で生産し、責任を持って消費することを目指します。

地球にはさまざまな資源やエネルギーが存在していますが、技術や経済が発展して大量生産・大量消費の社会になり、世界で消費される資源量が増加しています。

この問題を地球規模で解決しようとするのがSDGs12です。持続可能な生産・消費を実現するために、「つくる責任 つかう責任」では11個のターゲットを設定しています。

※出典:12.つくる責任、つかう責任 | SDGsクラブ | 日本ユニセフ協会(ユニセフ日本委員会)

関連指標「エコロジカル・フットプリント」

SDGs12と関連する指標の1つに、「エコロジカル・フットプリント」というものがあります。エコロジカル・フットプリントは、人の生活が自然環境にどれほど依存しているか、わかりやすく示した指標です。

エコロジカル・フットプリントでは、世界中の人が日本と同様の生活をした場合、地球が約2.8個必要であることを示しています。産業や経済が発達した国は、地球への依存度がより高くなっていることを意味しているのです。

エコロジカル・フットプリントを減らすためには、効率的な資源利用を目指した意識改革が必要となります。食品ロスや温暖化の問題に対策を講じ、環境負荷を下げることも重要です。

SDGs12のターゲット

SDGs12で設定されている11個のターゲットをまとめました。12.1~12.8は具体的な達成目標、12.a~12.cは目標達成のための行動指標です。

12.1 途上国の開発状況や能力を勘案しつつ、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組み(10YFP)を実施し、先進国主導の下、すべての国々が対策を講じる。
12.2 2030年までに天然資源の持続可能な管理および効率的な利用を達成する。
12.3 2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人あたりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。
12.4 2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質やすべての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への排出を大幅に削減する。
12.5 2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用および再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。
12.6 特に大企業や多国籍企業などの企業に対し、持続可能な取り組みを導入し、持続可能性に関する情報を定期報告に盛り込むよう奨励する。
12.7 国内の政策や優先事項に従って持続可能な公共調達の慣行を促進する。
12.8 2030年までに、人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする。
12.a 途上国に対し、より持続可能な生産・消費形態の促進のための科学的・技術的能力の強化を支援する。
12.b 雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業に対して持続可能な開発がもたらす影響を測定する手法を開発・導入する。
12.c 途上国の特別なニーズや状況を十分考慮し、貧困層やコミュニティを保護する形で開発に関する悪影響を最小限にとどめつつ、税制改正や、有害な補助金が存在する場合はその環境への影響を考慮してその段階的廃止などを通じ、各国の状況に応じて、市場のひずみを除去することで、浪費的な消費を奨励する、化石燃料に対する非効率な補助金を合理化する。

生産と消費の現状

SDGs12「つくる責任 つかう責任」を達成するためには、現状や課題への理解が不可欠です。生産と消費の現状について解説します。

食品ロス

食品ロスとは、まだ食べられるのにもかかわらず捨てられてしまう食品のことです。無駄な食品が大量に廃棄されると、運搬や焼却時に大量の二酸化炭素を排出することに繋がります。

また、運搬や焼却以外にも、食材の加工などの過程において二酸化炭素は排出されているため、環境に大きな負荷がかかります。

日本でまだ食べられるのに廃棄される食品の量は、2020年度で約522万tに達しています。世界の食料支援量の約1.2倍に相当する量です。

企業が消費者の元へ製品を届けるまでの過程の中で、食品ロスが発生する割合が大きいのは販売や消費の段階となっており、全体の約40%を占めています。

消費者の好みやライフスタイルに合わせて食品が過剰に生産されていることが、食品ロスが発生する原因の1つと考えられます。

※出典:食品ロスについて知る・学ぶ | 消費者庁

プラスチックゴミ問題

プラスチックはさまざまな社会的課題の解決に寄与してきた一方で、化石燃料の消費や海洋プラスチックゴミ問題の発生原因にもなっています。

プラスチックの原料の大半を占めるのが石油です。プラスチックが燃えるとCO₂が大気中に排出されるため、プラスチックゴミが増えれば地球温暖化が加速します。

海洋プラスチックゴミの増加も世界的な課題です。破片化したマイクロプラスチックが魚や貝の体内に蓄積されると、人間の体内にも有害物質が取り込まれることになってしまいます。海洋プラスチックゴミの削減はSDGs14にも関わる目標です。

SDGs14についてもっと詳しく知りたい方はこちら

エネルギー消費の増大

世界の人々が現在の生活をこのまま続けていると、ほとんどの天然資源は100年以内になくなるといわれています。増加し続けるエネルギー消費を抑え、資源を安定的に確保しなければならないのです。

資源のほとんどを輸入している日本にとっても、エネルギー消費の増大は深刻な問題です。世界の資源が減ると輸出入が制限され、私たちの生活が大きな影響を受けます。

普段から食べている物や着ている物などがどのように作られているのかに興味を持ち、原料と製品の関わりを知ることが、エネルギー消費の削減に貢献する第一歩です。

※出典:世界のエネルギー事情|エネルギーの現状 |エネルギー|事業概要|関西電力

衣料品の生産・廃棄量の増加

生産と消費の問題はファッション業界にも内在しています。衣料品の生産過程における資源消費やCO₂排出、衣類の大量廃棄の問題が、SDGs12と関わってくるのです。

衣料品の生産過程では水も大量に消費します。水は貴重な資源であり、水の使用量が増えると環境負荷が大きくなるほか、水質汚染の問題も発生します。

衣料品が大量生産・大量消費される主な原因は、衣料品の低価格化や短サイクル化です。購入して一度も着用しない衣料品が増えると、ゴミの問題にもつながります。

※出典:環境省_サステナブルファッション

衣料品の生産・廃棄量の増加についてもっと詳しく知りたい方はこちら

SDGs12を達成するためのシステム

生産と消費の課題を解決するために、さまざまなシステムが考案されています。代表的な3つのシステムをチェックしておきましょう。

サーキュラー・エコノミー

サーキュラー・エコノミーとは、今までゴミとして廃棄されていた製品や原材料を資源として考え、リサイクルや再利用を通じて活用する経済システムのことです。

これまでの経済システムのメインとなる考え方は、原材料→製品→利用→廃棄物の過程をたどる線型経済でした。しかし、サーキュラー・エコノミーは原材料を取り入れながら製品・利用・リサイクルを循環させ、廃棄物を出さない設計となっています。

サーキュラー・エコノミーを反映した経済活動では、資源・製品の価値の最大化や資源消費の最小化、廃棄物発生の抑制を図ることが可能です。

クローズド・ループ・システム

ゴミの排出量を限りなくゼロにできるよう、リサイクルに取り組むシステムが、クローズド・ループ・システムです。サーキュラー・エコノミーの基本的な概念となっています。

イオンと丸紅グループが取り組んでいる「ボトル to ボトル プロジェクト」は、クローズド・ループ・システムの考え方に沿って誕生したプロジェクトです。

イオンの各店舗で回収したペットボトルを丸紅グループで再生PET樹脂にリサイクルし、再生PET樹脂を原材料としたペットボトル商品を再びイオンで販売しています。

※出典:イオン×丸紅「ボトル to ボトル プロジェクト」始動

シェアリング・エコノミー

シェアリング・エコノミーとは、物・場所・スキルを提供・共有するシステムです。ある人にとって不要な物が別の人に使われるため、新たに物を製造する必要がありません。

シェアリング・エコノミーは資源の無駄遣いを抑制できるほか、移動手段や空間を共有することでCO₂排出量の削減につながるため、環境保全の効果も期待できます。

車・自転車のシェアリングやフリマアプリは、シェアリング・エコノミーの考え方に基づいて誕生したサービスの代表例です。さまざまな分野でシェアリング・エコノミー事業が行われています。

SDGs12に対する企業の取り組み事例

SDGs12の目標達成に貢献すべく、多くの企業がさまざまな取り組みを行っています。日本におけるSDGs12の企業の取り組み事例を見ていきましょう。

セブン&アイ・ホールディングス

セブン&アイ・ホールディングスでは、2019年に掲げた独自の環境宣言「GREEN CHALLENGE 2050」において、以下に挙げることを定めています。

  • CO₂排出量削減:省エネ・再生可能エネルギーの活用
  • プラスチック対策:オリジナル商品の容器に環境配慮型素材を使用
  • 食品ロス・食品リサイクル対策:消費期限の近い商品へのポイント付与
  • 持続可能な調達:食品の原材料に持続可能性が担保された材料をオリジナル商品で使用する

いずれも全国の店舗やサプライチェーン全体の環境負荷低減を推進する取り組みです。

※出典:GREEN CHALLENGE 2050とは? | GREEN CHALLENGE 2050 | サステナビリティ | セブン&アイ・ホールディングス

サントリー

サントリーはSDGs目標12の達成に向けて、「2R+B」という独自の戦略を打ち出し、プラスチック製品の再利用に取り組んでいます。

「2R+B」は、ペットボトル開発において樹脂使用量の削減(Reduce)と再生素材の使用(Recycle)を徹底し、石油由来原料を再生可能原料(Bio)に置き換えるという戦略です。

環境負荷低減の3Rのうち、再利用(Reuse)はペットボトルには適しません。その代わりにBioを組み合わせて、Reduce・Recycle+Bioの発想が生まれたのです。

※出典:「2R+B」戦略 サントリーグループのサステナビリティ サントリー

ファーストリテイリング

ユニクロやジーユーなどのブランドを展開するファーストリテイリングでは、環境と人にやさしい服づくりに取り組んでいます。具体的な取り組みには以下のようなものがあります。

  • シンプルかつ高品質で長持ちする服の提供
  • 購入してもらえるだけの量を計画的に生産
  • 着なくなった服を回収して服を必要としている人たちに届ける
  • リユースできない服は燃料や防音材として加工・リサイクルする

ファーストリテイリングが取り組む「全商品リサイクル活動」には、私たちも参加することが可能です。

※出典:SDGs取組事例 | 服のチカラで世界を笑顔に | 12.つくる責任 つかう責任 | EduTownSDGs

SDGs12で私たちにできること

SDGs12の達成に向けて私たちが意識すべきことは、生産や消費の現状を知り、責任をもって消費することです。個人レベルで取り組めることを紹介します。

ゴミを削減する

買い物をする際にマイバッグを使うようにすれば、レジ袋を使用せずに済むため、プラスチックゴミを減らせます。マイバッグも同じものをできるだけ長く使うのがポイントです。

飲み物はペットボトルで購入せず、マイボトルを持ち歩くようにしましょう。ペットボトルゴミの削減に貢献できます。

食べ物を無駄にしないようにし、生ゴミは堆肥化するのもおすすめです。外食をする際は食べきれる量を注文し、残った場合、持ち帰って自宅で食べましょう。

買うべき商品を見極める

生産者が責任を持って作ったことがわかる商品を選べば、持続可能な社会の実現に貢献できます。商品が作られた背景を知ろうとする意識を持つことが大切です。

商品を購入する際は、本当に必要なものかどうか、購入前に考えましょう。無駄な物を購入してしまわないよう、自分の持ち物を一度整理してみるのもおすすめです。

商品を選んで買うことは、消費者としての責任でもあります。買うべき商品を見極めることが、大量生産の抑制にもつながっていくのです。

3Rを意識する

3Rとは、リデュース(Reduce)・リユース(Reuse)・リサイクル(Recycle)の頭文字です。3Rを意識すれば、無駄なゴミが減って資源を生かすことにつながります。

マイバッグの活用やシェアリングサービスの利用は、リデュースの考え方に基づいた行動です。不用品の回収や再利用は、リユースを意識した取り組みになります。廃棄物を原材料やエネルギー源として有効利用するのがリサイクルです。

近年はリペア(Repair)とリフューズ(Refuse)を加えた5Rの考え方も浸透しています。リペアは修理、リフューズは断るという意味です。

大量生産・大量消費について考えてみよう

SDGsの目標12は、生産と消費を持続可能なものにするために設定された国際目標です。ゴミ問題や購入する商品の見極めなど、私たちの暮らしにも深く結び付いています。

個人レベルでもSDGs12の達成に貢献するために、大量生産・大量消費について考え、できることから始めてみましょう。

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