「なんだか電気代が高い気がする…」。そんな漠然とした不安を持っている方は、このページで紹介している電気料金の平均額をチェックしてみましょう。ご自身の電気の使い方が一般的なものかどうかを判断する手助けになるはずです。また、電気料金が高い方向けに、簡単な電気料金の節約方法も紹介していますのでぜひ参考にしてみて下さい。
ご自宅の電気料気が平均と比べて高いのか安いのかを確認
毎月、受け取る検針票(電気ご使用量のお知らせ)を見て、「私の電気代って高すぎるのかな?」「ほかの人はどのくらいの電気料金を払っているんだろう?」と考えたことはないでしょうか。「今月は高かった」「今月は安く済んだ」と、金額を見て一喜一憂している方もいらっしゃるかもしれません。
ご自宅の電気料金の水準を知りたいときに役に立つのが、日本国内のさまざまなご家庭の平均的な収入や支出を調査した「家計調査年報(総務省統計局)」です。電気料金も調査対象となっており、ご自宅の電気料金が平均と比較して高いのか安いのかを確認することができます。
世帯人数別の1カ月の平均電気料金をチェック
下のグラフは、世帯人数別の1カ月の平均電気料金を示したものです。対象は日本全国で、金額は年間平均です。1人世帯の1カ月の平均電気料金は5,700円、2人世帯になると9,654円、3人世帯では11,116円となっています。4人世帯、5人世帯では、それぞれ11,761円、12,945円となりました。
ご自宅の電気料金は平均と比べて高かったでしょうか、安かったでしょうか。もし、明らかに高いのであれば、節約の余地があるかもしれません。
なお、電気料金は季節によって大きく変動します。また、お住まいの地域によっても電気料金は大きく異なる場合があるので注意が必要です。
世帯人数が増えると電気料気が高くなる主な理由
上のグラフでは、世帯人数が増えるのに合わせて電気料金も高くなっていることがわかります。一緒に生活する人数が増えると、使用する電化製品の数も増えます。使用する電化製品が増えれば、電気料金も高くなるというわけです。
また、世帯人数が増えると人が自宅にいる時間が増え、その結果として電気を使用する時間も長くなりやすくなるという側面もあります。
そのほか、世帯人数が増えると電気料金が高くなる要因として「契約アンペア数」が大きくなる傾向があるという点も挙げられます。契約アンペア数とは、ご家庭内で同時に使用できる電気の量のこと。検針票(電気ご使用量のお知らせ)に、「30A」や「50A」などと書かれているのを見たことはないでしょうか。この数字が契約アンペア数です。
そして、大手電力会社の多くが、契約アンペア数が大きいほど基本料金が高くなる料金体系を採用しています(関西電力、中国電力など、契約アンペアと基本料金が連動していない料金プランもございます)。
世帯人数が増えると使用する電気の量も増えるため、大きなアンペア数で電気事業者と契約をしなければなりません。大きなアンペア数で契約すると基本料金も高くなり、結果として電気料金が高くなってしまうのです。
⇒ 契約アンペア数についてもっと詳しく知りたい方はこちら
季節やお住まいの地域によって電気料金は変動する
電気料金は季節やお住まいの地域によって変動すると述べました。ここでは、どの程度の差があるのかを詳しく見ていきましょう。季節、地域による差を理解しておけば、平均電気料金との比較がよりリアルなものになるでしょう。
月別の1カ月の平均電気料金
下のグラフは、月別の1カ月の平均電気料金を示したものです。対象は日本全国の一人暮らしを除いた2人以上の世帯です。なお、家計調査に表れる金額はその月に支払った金額になりますのでご注意ください。
グラフを見ると、1~3月の電気料金が他の月に比べて高いことがわかります。この主な要因は暖房器具の使用です。12~2月の冬季にはエアコンや電気ストーブなど消費電力の大きな暖房機器の使用が増えるため、電気料金が高くなってしまうのです。
逆に目立って電気料金が安くなるのは6、7月です。どちらも平均電気料金は8,000円台と一年を通して最も安くなります。5、6月は過ごしやすい気温の日が多く、冷暖房の使用頻度が少ないことが背景にあると考えられます。
ちなみに、8~10月の電気料金が6、7月に比べて1,000円~2,000円程度高くなるのは、夏季にエアコンを冷房として使用する機会が増えるからでしょう。ただし、暖房と比べて少ない電力で済むので、冬季ほど電気料金は高くなっていません。
地域別の1カ月の平均電気料金
下のグラフは、地域別の1カ月の平均電気料金を示したものです。対象の世帯は2人以上の世帯で、金額は年間平均です。電気料金の高い地域と低い地域があることがわかります。
1カ月の平均電気料金が最も高かったのは北陸で14,476円。2番目、3番目には東北の12,687円、四国の12,092円が続いています。逆に平均電気料金が最も安かったのは九州で9,960円。2番目、3番目は近畿の10,074円、沖縄の10,131円でした。
「地域によって電気料金に差が生まれる要因にはさまざまなものがありますが、ここでは二つの理由を紹介しておきましょう。
一つ目の理由は住宅の大きさ、部屋数の違いです。住宅が大きく、部屋数が大きくなると、設置しなければならない照明器具やエアコンの数が増える上に、電化製品自体が大型化する傾向があります。その結果、1世帯当たりの電力消費量が増え、電気料金も高くなってしまうのです。
北陸、東北、四国、北海道といった、大きな住宅の多い地方部の電気料金が高いのは、この影響を受けていると考えられます。
もう一つの理由は気温の違いです。一般的に寒い地方のほうが暖かい地方よりも電気料金は高くなります。これは、冬に暖房器具を長時間、電気で稼働させるためです。
「暖かい地域は夏に冷房をたくさん使うから似たり寄ったりなのでは?」と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、実は冷房よりも暖房のほうが大きな電力を使用します。そのため、年間を通して見ると寒い地域のほうが電気料金が高くなってしまうのです。
ライフスタイルによっても電気料金は変化する
季節や地域だけでなく、ライフスタイルも電気料金に影響を与えています。例えば在宅時間が長くなると電気料金が高くなる傾向があるので、この影響も加味しながら、ご自宅の電気料金が高いのか安いのかを判断したほうがよいでしょう。
在宅時間が電気料金に与える影響を測るために、勤労者世帯(※)と勤労者世帯以外の平均電気料金を比べたのが下のグラフです。勤労者世帯は、出社によってご自宅を留守にする時間が長くなりがちなため、電気料金は安くなるはずという想定です。
(※)世帯主が会社,官公庁,学校,工場,商店などに勤めている世帯(ただし、世帯主が社長,取締役,理事など会社団体の役員である場合を除く)
単身世帯では、勤労者世帯と勤労者世帯以外の平均電気料金に顕著な差が現れました。勤労者世帯のほうが1,811円(6,550円-4,739円)も安くなっています。単身世帯の場合、仕事に出かけたあとはご自宅が留守になるため、電気の消費が抑制されるのでしょう。
一方、2人以上の世帯の場合は、勤労者世帯と勤労者世帯以外の間にさほど大きな差はありませんでした。複数人で暮らしている場合、世帯主の方が仕事に出かけたとしても、他の方が自宅にいらっしゃるかもしれません。その結果として、電気使用量に差が生まれにくいのではないかと考えられます。
外出自粛やテレワーク・在宅勤務によって電気料金も変わった?
新型コロナウイルスの流行の影響で外出を自粛したり、仕事がテレワークに切り替わった結果、「電気料金が高くなった気がする」と思っている方も多いかもしれません。
そこで、2018年、2019年、2020年の平均電気料金を比較してみました。下のグラフは、1カ月の平均電気料金を四半期ごとに区切って、年ごとに比べたものです。2020年4月以降の平均電気料金が、他の年よりも若干高くなっていることがわかります。外出自粛、テレワークの影響が出ているのかもしれません。
スマホ充電1回あたりの電気代と節約のコツについては、こちらの記事で詳しく紹介していますので合わせてご覧ください。
⇒スマホ充電、一日に何度もしていて大丈夫?1回あたりの電気代と節約のコツ
ご自宅の電気料金が高いと思ったらここをチェック!
ここまでは、さまざまな側面から、ご自宅の電気料金が高すぎないかを判断するデータを紹介してきました。もし、ご自宅の電気料金が明らかに高すぎると感じたなら、以下の点を参考に改善してみましょう。
電化製品の使い方に無駄がないかチェック
第一のチェックポイントは電化製品の使い方。電気料金は電気の使用量に比例して高くなるので、無駄遣いをやめれば電気料金を安くできます。ここでは、できるだけ効率的に電気料金を節約するために、たくさんの電気を消費する電化製品をピックアップして、賢く使う方法を紹介します。
ご家庭における電化製品の電気消費量 TOP5 | |
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製品種別 | 割合 |
電気冷蔵庫 | 14.2% |
照明器具 | 13.4% |
テレビ | 8.9% |
エアコン | 7.4% |
電気温水器 | 5.4% |
冷蔵庫
冷蔵庫が消費する電力を抑えるコツは、「開け閉めの回数を減らすこと」と「食品を詰め込みすぎないこと」です。
冷蔵庫のドアを頻繁に開閉すると、冷気が逃げて庫内の温度が上がってしまいます。再度、庫内を冷やすために余分な電力を消費してしまうので、なるべく開け閉めの回数は少なくしましょう。長時間ドアを開けっぱなしにするのも禁物です。
また、庫内に食品が詰め込みすぎると冷気の循環が悪くなり、庫内を冷やすために余分な電力を使ってしまいます。一度に買い物をする量を調整して、適切な量が保管されるようにしましょう。
照明器具
照明器具の使い方で電気料金を節約するなら、こまめな電源オフが鉄則です。人がいない部屋、場所の電気は必ず消す習慣をつけましょう。また、照明器具に白熱電球を使用している場合は、電球型蛍光灯やLED電球に交換すると消費電力が減り、電気料金の節約につながります。
テレビ
テレビのつけっぱなしは電気料金節約の大敵です。「ながら見」をやめるだけで、テレビの電源をオンにしている時間が減り、電気料金が安くなる可能性があります。テレビをつけるのは「きちんと見ているときだけ」にするのがよいでしょう。
また、旅行などで長期間ご自宅を留守にするときは、主電源をオフにする習慣をつけましょう。待機電力を抑制できるので、電気代の節約につながります。ただし、主電源をオフにしてしまうと、予約録画機能やソフトウェアのアップデート機能が働かなくなることがあるので注意が必要です。
⇒ 電化製品の節約方法についてもっと詳しく知りたい方はこちら
契約アンペア数が大きすぎないかチェック
前述の通り、契約アンペア数が大きいと基本料金が高くなってしまいます。ご自宅で普段使っている電気の量を考えてみて、明らかに大きいアンペア数で契約しているようであれば、見直しを検討したほうがよいでしょう。
例えば、東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bプランを使用している場合、契約アンペア数を40A(基本料金1,144円)から30A(基本料金858円)に変更するだけで、月に286円の節約が可能になります。
⇒ 契約アンペア数の選び方についてもっと詳しく知りたい方はこちら
東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bプランの契約アンペア数と料金 | |
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契約アンペア数 | 基本料金 |
10A | 286円 |
15A | 429円 |
20A | 572円 |
30A | 858円 |
40A | 1,144円 |
50A | 1,430円 |
60A | 1,716円 |
電化製品が古すぎないかチェック
電化製品は新しいものほど省エネ性能に優れる傾向があります。ご自宅にある電化製品と最新モデルの消費電力や性能を比較してみましょう。省エネ性能に優れたモデルに買い替えることで電気料金を節約できる可能性があります。
例えば、2006年に発売した冷蔵庫の中には、年間消費電力が650kWh/年を上回っているものもあります。一方で最新モデルの中には、同容量で年間消費電力が250kWh/年以下というものも。実に400kWhもの差があるのです。これを電気料金に換算すると、年間で10,592円(※)の節約につながります。
(※)東京電力エナジーパートナーの従量電灯B(第2段階料金)の場合(400kWh×26.48円)
電気事業者を切り替えることで電気代を節約してみる
電化製品の使い方改善や買い替え、契約アンペア数の見直しを上手に実践すれば、電気料金を節約することは可能です。
電化製品の電気料金が気になる方は、家電の買い替えや使い方を工夫するだけでなく、電力会社の変更や電気料金プランの見直しも検討してみませんか。
Looopでんきでは、基本料金・燃料費調整額・解約手数料0円の「スマートタイムONE」を提供しています。
このプランは基本料金が0円のため、ご自宅で使用する電気の量が多い方や、現在のプランで基本料金が高い方に最適です。
また、解約手数料が0円で契約期間の縛りもないため、お試しで数か月間、Looopでんきをご利用いただき、現在の電力会社と比較することも可能です。
Looopでんきをご利用いただいているお客さまの声を紹介します。
(30代 / 女性 / 3人暮らし)
基本料金がかからないので、大きいアンペアで契約していてもお得感がある。
でんき予報などアプリが充実していて、自分の使い方で料金を安くすることも出来る。
(40代 / 男性 / 1人暮らし)
明らかに他社より安くなるし、色々なイベントもあり楽しい。基本料金が無いのも魅力です。
まずは、電気料金プランを見直して、今の生活のままで電気代が安くなるのか試してみてはいかがでしょうか。
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Q 電気代の平均は?
家計調査年報によると、1人世帯の1カ月の平均電気料金は5,700円、2人世帯になると9,654円、3人世帯では11,116円となっています。4人世帯、5人世帯では、それぞれ11,761円、12,945円となりました。
※出典:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2019年(令和元年)」より -
Q 電気代が高くなる要因は?
電気代が高いと感じたら、電化製品の使い方、契約アンペア数が大きすぎないか、電化製品が古すぎないかなどをチェックすることをおすすめします。シンプルに電気料金を安くしたいのなら、電気事業者の切り替えを検討してみるのも良いでしょう。