4人家族の光熱費は、電気・ガス・水道の使用状況によって大きく変わります。特に近年はエネルギー価格の高騰もあり、家計への影響が無視できません。一般的な4人家族の光熱費の平均や、家計の負担を軽減するポイントを確認しましょう。
4人家族の光熱費の平均は?
4人家族の光熱費はご家庭によって大きな差があり、世帯人数や住居の広さ、生活スタイルなどによって変動します。
しかし一般的な目安を把握することで、家計の状況を客観的に判断できるようになり、節約を考えるきっかけとなります。4人家族の光熱費の平均と、電気・ガス・水道の内訳を見てみましょう。
月平均で24,000~25,000円程度
総務省の家計調査によれば、2024年における4人家族の光熱費の平均は、月に24,593円です。3人家族以上になると、平均して毎月25,000円以上の光熱費がかかる傾向があり、6人以上になると月に平均で31,619円となります。
ただし地域や生活スタイル、住居の形態によって、実際の光熱費は大きく変わってきます。特に、電気・ガス・水道の使用割合によって負担の大きさが変わるため、それぞれの平均的な金額と使用状況を把握することが重要です。
※出典: 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 3-1 世帯人員別 二人以上の世帯・勤労者世帯・勤労者世帯(うち世帯主が60歳未満)・無職世帯 年次 2024年 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
電気代・ガス代・水道代の内訳
上記統計によると、4人家族の毎月の電気代の平均は12,805円で、ガス代は5,015円、水道代は6,026円となっています。光熱費の中では電気代の負担が最も大きく、これは世帯人数が増えても同様です。
また、2人世帯と3人世帯におけるガス代・水道代の平均は同程度ですが、5人以上の世帯になると、水道代の方がガス代よりも高くなります。
なお、昨年(2023年)の統計データを確認すると、4人家族の電気代の平均は13,532円でした。ガス代は5,284円、水道代は6,042円であり、2024年は電気代の平均が少し下がっていることが分かります。
ただし、近年は全体として電気代が増加傾向にあるため、節約により家計の負担を軽減する取り組みが欠かせません。
※出典: 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 3-1 世帯人員別 二人以上の世帯・勤労者世帯・勤労者世帯(うち世帯主が60歳未満)・無職世帯 年次 2023年 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
4人家族の光熱費が高くなる主な原因は?
毎月の光熱費の負担は、電気・ガス・水道の使い方によって大きな差が出てきます。何が原因で費用が膨らんでいるのか、正確に把握することが節約の第一歩です。電気・ガス・水道のそれぞれについて、負担が大きくなってしまう原因を知っておきましょう。
電気代が高くなる原因
電気代が高くなる原因は、基本的に電化製品の長時間使用です。特に4人家族の場合、それぞれが個別に使用するパソコンやスマホ・テレビなどの電子機器が多くなりがちで、同時に複数の機器を頻繁に使用していると、毎月の電気代の負担が大きくなります。
またエアコンや電気ヒーターなど、消費電力の大きい電化製品を長く使っていたり、設定温度が高すぎ(低すぎ)たりする場合も、電気代が高額になりがちです。未使用の電化製品が待機電力を消費し、電気代がかさむケースも少なくありません。
ガス代が高くなる原因
ガス代の負担は、主に給湯器の使用方法によるものです。4人家族では、入浴時間が分散することで追い炊きの頻度が増えるのに加えて、シャワーの使用時間も長くなりがちです。また、キッチンでは4人分の調理をしなければならず、単身世帯や2人世帯などに比べて、コンロの使用頻度も増えるでしょう。
特に、冬季はご家庭全体でお湯の使用量が増えるため、ガス代が上昇する傾向にあります。その状況で給湯の設定温度が高すぎたり、調理のプロセスに無駄が多かったりすると、さらにガス代の負担が大きくなるので注意が必要です。
水道代が高くなる原因
水道代の増加は、日常的な使用習慣と密接に関連しています。4人家族では、それ以下の世帯と比べて洗濯の回数が増えたり、シャワーの使用時間が長くなったりすることが、主な原因です。
特に、水を出しっ放しにしている場面が多かったり、お風呂の水を頻繁に入れ替えていたりするご家庭では、水道代の負担が大きくなります。またトイレの水漏れなど、気づかないうちに、無駄な水を使用しているケースも少なくありません。
電気の使用量を削減するポイント
上記のように、光熱費が高くなる原因を理解した上で、ご家族全員が節約の意識を持って生活することで、光熱費の負担を減らす努力が必要です。電気・ガス・水道のそれぞれについて、節約のコツを押さえておきましょう。まずは、毎月の電気の使用量を削減するポイントから解説します。
電化製品の使い方を見直す
エアコンや電気ストーブなど、消費電力が大きい電化製品を中心に日々の使い方を見直すのが、電気代の節電の基本です。
例えば、エアコンは適切な温度設定を心掛け、フィルターの定期的な清掃で効率を維持しましょう。冷蔵庫は詰め過ぎを避けて、開閉を最小限に抑えることで、消費電力を抑制できます。また、洗濯物はできるだけまとめ洗いをすることで、洗濯機の使用回数を減らすのが有効です。
さらに、テレビやパソコンなどの電子機器は、未使用時にこまめに電源を切る習慣を付けましょう。各部屋にある照明機器も、不要な場所の消灯を徹底することで、無駄な電力消費を抑えることが大事です。
省エネ性能の高い電化製品に買い替える
古い電化製品は新しいものに比べて、消費電力が大きい傾向があります。省エネ性能の高い製品に買い替えることで、電化製品の使い方を変えなくても電力使用量が減るため、電気代の節約につながります。
特に、使用頻度の高いエアコンや冷蔵庫は、購入後10年以上経過している場合は、積極的に買い替えを検討しましょう。新しい電化製品は省エネモードに設定できるケースも多いので、うまく活用することで、長期的な電気代の削減につながります。
待機電力を発生させないようにする
基本的に、使っていない電化製品はコンセントを抜くことで、無駄な電力を消費させないことも大切です。電化製品の電源を切った状態でも、発生する電力消費は待機電力と呼ばれており、電力の消費量はわずかですが、年間では無視できない負担となる場合が多くあります。
使用していない電化製品は、コンセントから電源プラグを抜いておくか、省エネタップを使用して完全に電源を切ようにしましょう。特に、パソコンやゲーム機などの電子機器は、待機電力が比較的大きいため注意が必要です。充電器類も使用していない時は、コンセントから抜くことを習慣化しましょう。
なお、待機電力について詳しくは、以下の記事でも解説しています。こちらも参考にしてください。
⇒待機電力についてもっと詳しく知りたい方はこちら
ガス使用量の適正化を図るポイント
ガスは4人家族の場合、給湯や調理による使用量が多くなります。しかし、適切な使い方と工夫により、快適さを損なわずに使用量の削減が可能です。以下のポイントを意識して、ガスの使用量の適正化を図りましょう。
キッチンや調理器具の使い方を工夫する
ガスコンロの効率的な使用は、ガス代を削減するための重要なポイントです。火力を適切に調整するのはもちろん、できるだけ熱伝導率が高い調理器具を使うようにしましょう。圧力鍋の活用も調理時間を大幅に短縮できるため、ガス使用量の削減につながります。
また、複数の料理を同時に調理することで、ガスの使用時間を短縮するのも効果的です。電子レンジや電気ケトルなどをうまく活用しつつ、効率的な調理を心掛けましょう。食器洗いの際にも、お湯をためて洗う方法を採用し、流しっぱなしを避けることで、給湯器の使用頻度を抑えられます。
お風呂の湯量や入り方を工夫する
必要以上に高い温度設定を避け、シャワーの使用時間を短縮するなど、お風呂の湯量や入り方を工夫することも重要です。適切な湯量を守り、必要以上にお湯を張らないようにしましょう。ご家族が続けて入浴する際には、追い炊きの回数を減らすため、時間を空けすぎないことも大事です。
また、こまめに止水することで、給湯器の使用を抑えるようにしましょう。とりわけ湯量の増えがちな冬季は、入浴前に浴室を暖めておくことで、快適性を保ちながらガスの使用量を抑えるのがおすすめです。
水道使用量を節約するポイント
水道代は固定費的な性質があるものの、使い方次第で負担の軽減が可能です。4人家族の場合、一人一人の使用習慣が水道代に大きく影響するため、ご家族全員での意識の共有と節約の姿勢が重要です。水道使用量を削減するポイントを確認しておきましょう。
シャワーの使用時間や水量を減らす
一般的なご家庭用のシャワーでは、1分間におよそ10リットルの水を使用するといわれています。シャワーの時間をなるべく減らしたり、節水シャワーヘッドに交換したりすることで、水の消費量を減らすのがおすすめです。
また、シャワーの使用時間を1分短縮するだけでも、年間で大きな節約効果が期待できます。洗い場での洗髪や体を洗う際には、こまめにシャワーを止めるように心掛けましょう。また、冬季は浴槽にお湯を溜めて入浴する方が、長時間のシャワーよりも水道・ガス代の節約になることもあります。
衣類はまとめ洗いをする
洗濯の仕方も毎月の水道代に大きく影響します。洗濯機の容量に合わせて、できるだけまとめ洗いを心掛けることで、洗濯機の使用回数を減らしましょう。
洗濯物の汚れ具合に応じて、適切な水量を設定することも大切です。予洗いが必要な場合は、つけ置き洗いを活用することで、本洗いの水量を削減できます。また、お風呂の残り湯を洗濯や掃除に使うことで、新しい水の使用量を減らすのもおすすめです。
なお、洗濯機にかかる電気代や水道代に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。こちらも参考にしてください。
⇒洗濯機の電気代・水道代について、もっと詳しく知りたい方はこちら
電気・ガスの乗り換えでも光熱費を削減
電気・ガスの契約内容を見直すことで、電化製品や給湯器などの使い方を変えることなく、光熱費を削減できる可能性があります。以下のように、契約プランの見直しとともに、電力会社の変更も検討してみましょう。
契約プランを見直してみよう
電気・ガスの契約プランを見直すことで、光熱費の削減につながるケースもあります。現在の使用実態と契約プランが合っているか、一度見直すことが大切です。電力使用量の多い時間帯や季節ごとの変動を考慮し、時間帯別料金プランや季節別料金プランの活用を検討しましょう。
また、契約アンペア数の見直しもおすすめです。実際の使用量に対して、過剰な契約になっていないか確認しましょう。契約アンペア数をご家庭に合ったものに変えるだけで、生活スタイルを変えなくても電気代を削減できます。
契約する電力会社を変更する
新電力をはじめとして、契約する電力会社を乗り換えることで、毎月の電気代を安くできる可能性もあります。多くの新電力では、独自の料金プランや特典を提供しており、ご家庭によっては大きな節約効果が期待できます。
ポイント還元など付加価値の高いサービスも増えているので、一度確認してみるとよいでしょう。新電力について詳しくは、以下の記事でも解説しています。こちらもぜひ、参考にしてみましょう。
⇒新電力についてもっと詳しく知りたい方はこちら
電気・ガスのセット割も検討してみよう
4人家族の光熱費を削減するには、電気・ガス・水道のそれぞれに関して、ご家庭に合った節約方法を考えることが大切です。光熱費が高くなってしまう原因を理解した上で、無理のない範囲で節約を始めましょう。
また電気の場合、電力プランや電力会社を変更することで、毎月の電気代の負担を軽減できる可能性があります。さまざまな特典を得られるサービスも多いので、この機会に検討してみましょう。電気・ガスをまとめて契約することで、両者をお得に利用できるプランもあります。
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