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リユースとは、ものを使い捨てにせず何度も使うことを指します。大量生産・大量消費の結果、大量のごみによって地球環境は深刻な状態にあり、一人ひとりの意識を変えることが欠かせません。ものを大切に使い、ごみをできるだけ出さない取り組みであるリユースについて解説します。

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リユースはいつどこで始まったの?

リユースの考え方は日本では古くからあり、室町時代まで遡ります。古着という概念や家具や寝具のレンタルも、江戸時代の庶民にごく普通のものとして受け入れられていたのです。

リユースとは

リユース(Reuse)という英語を直訳すると「再利用」で、「ものを使い終わっても捨てずに何度も使うこと」を指します。リユースを実践することで、ごみの量の削減につながるのです。

SDGsで設定された17のゴールのうち、リユースは複数の目標と深い関わりのある営みです。SDGsとは2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標」を指し、2030年までに達成するための目標として掲げられました。

SDGsの目標は、貧困や飢餓、健康・福祉など人間の生活に密着した内容に加え、気候変動や自然保護、クリーンエネルギーなど地球規模の内容も含まれています。

リユースのメリット・デメリット

リユースには、環境にやさしい点のほかにもメリットが数多くある一方で、デメリットもあります。リユースを推進するには、両方を正しく理解することが大切です。

リユースのメリット

リユースには、ごみの削減に効果を発揮するというメリットがあります。ごみを燃やす際に発生する二酸化炭素(CO2)やダイオキシンは、大気汚染や地球温暖化の原因です。

また、燃やせないごみや粗大ごみ、ごみ焼却場から出た燃えかすは、埋立地に捨てられます。1年間に埋立地に捨てられるごみは東京ドーム33杯分におよび、国内にある約2,300カ所の埋立地では限界が近いとされています。

ごみを極力出さないリユースは、地球温暖化や環境破壊を食い止めるために必要な試みといえるでしょう。

※出典:環境省環境再生・資源循環局廃棄物適正処理推進課・日本の廃棄物処理令和3年3月

リユースのデメリット

リユースは、産業や経済の停滞につながるのではと懸念されています。消費者が製品を使い捨てせずに何度も使うことで消費が減退し、製造業や小売業をはじめとした産業に悪影響を及ぼすという考え方です。

一方でリサイクルショップや中古車販売など中古品の流通が増えるため、総体としての経済に悪影響はないという考え方もあります。

消費者にとっては、使い続けるための補修や修理のコストが、新品を購入する場合よりも高額になるというデメリットもあるでしょう。

3R、5Rとは

リユースと環境改善に役立つ他の要素を合わせた総称が、3Rや5Rです。リユースのほかに何が含まれるのか確認しましょう。

リデュース、リサイクルと組み合わせる

「3R」はリユース、リデュース(Reduce)、リサイクル(Recycle)の総称です。リデュースには「減らす」という意味があり、製造過程で使われる資源を減らし、製品の寿命を伸ばすことでごみを削減するという、リユースの前段階の取り組みを指します。

シリコンラップやマイカップ、充電式電池、詰め替え商品などは、リデュース商品といえるでしょう。

「リサイクル」は使用済みのペットボトルや紙製品を資源として利用し、ごみを減らすことを目的とします。具体的には、ペットボトル、空き缶、空き瓶、古紙の再生などが挙げられます。

「循環型社会形成推進基本法」は3Rに基づき、廃棄物処理やリサイクルの優先順位を定めています。

※出典:循環型社会形成推進基本法

さらにリフューズとリペアを組み合わせる

3Rにさらにリフューズ(Refuse)とリペア(Repair)を加えた、5Rという考え方もあります。

リフューズは「断る」という意味の英単語です。衝動買いを控え、不要なものやごみになるものを受け取らない行動や考え方を指します。

過剰な包装は極力断り、マイバッグを持参してレジ袋を受け取らないといった購入時の工夫はリフューズといえるでしょう。

リペアは「修理」という意味です。穴の開いた衣類や靴を補修したり、壊れたものを修理に出したりして、ものを長く大切に使うことを指します。

ごみ問題についてもっと詳しく知りたい方はこちら

各国がリユースを促進する理由

SDGsの取り組みは、地球環境が深刻な状態であることの表れでもあります。現状どのような問題が起きているのか確認しましょう。

海洋汚染問題

海洋汚染とは、石油・ごみ・生活排水などで海が汚染されることにより、海洋生物の生態系のバランスが壊れてしまう現象です。海洋汚染が進むと海洋生物が減り、漁業が衰退する可能性があります。

ごみ問題に関連しているのは、「マイクロプラスチック問題」です。マイクロプラスチックとは、不法に投棄されたプラスチックごみが、海洋を漂ううちに5mm以下の微小なかけらになったものを指します。

マイクロプラスチックは、海洋生物の体内に取り込まれると、命を奪う原因になり得る物質です。今のところ人体への影響は明確ではないものの、大切な資源である海を汚染していることに変わりはありません。

例えば詰め替えを利用してプラスチック容器の使用を減らすことで、海洋汚染の抑制につながります。

海洋汚染についてもっと詳しく知りたい方はこちら

水質汚染問題

水質汚染とは、化学物質や生活排水が河川に流れ込み、川や沼・湖を汚染する現象で、最終的には海洋汚染にもつながります。

また、ごみの不法投棄によって土壌にしみ込んだ化学物質が河川に流れ込み、水質汚染を引き起こすケースも少なくありません。

同じものを使い続けるリユースにより、新しい製品の購入を控え、過剰な生産活動に歯止めをかけることで水質汚染を抑える効果をもたらせます。

大気汚染問題

大気汚染は、光化学スモッグやPM2.5、酸性雨などを引き起こし、私たちの生活を脅かす深刻な問題です。大気汚染は火山灰や森林火災、花粉など自然に発生するものと、車や工場の排気ガス、粉塵など社会活動によって発生するものに分けられます。

日本では1955年から1973年に高度成長期を迎えましたが、産業に由来する大気汚染による公害が国民に重大な健康被害をもたらしました。

昨今は、アジア諸国など途上国の急激な経済成長と人口増加が大気汚染を引き起こし、地球規模の環境問題に発展しています。余計なものを買わず、今手元にあるものを大切に使うリユースは、過度の産業活動の歯止めとなる役割があります。

地球温暖化

地球温暖化とは、CO2などの「温室効果ガス」が大気中に蓄積し、地球全体の平均気温の上昇を引き起こす現象です。原因は化石燃料の使用と伐採による森林の減少とされています。

平均気温の上昇は、南極・北極の氷を溶かすことで海面上昇の原因になるほか、世界的な気候の変化を引き起こします。

リユースは資源を大切に使い、できる限りごみを出さないことが目的です。CO2の排出を抑え、温室効果ガスの削減に貢献します。

森林破壊

伐採や自然災害によって森林面積が減少することは、森林破壊につながります。森林火災や違法な伐採、過剰な焼畑農業、プランテーションの農地開発などが、森林破壊の原因です。

結果として世界中で森林が毎年730万ha減少しており、再生の難しい熱帯雨林は特に深刻な状態です。

森林破壊が地球環境や人間を含めた生物に及ぼす影響は、地球温暖化や生態系の破壊、疫病の蔓延など広範囲に及びます。

再生紙商品やマイバッグの活用といったリユースの実践が、森林を守ることにつながるのです。

※出典:環境省地球環境局環境保全対策課・世界の森林を守るために

すぐにでも実践できる身近なリユース

環境問題へ配慮することは地球に生きる私たちの使命です。身近なことから取り組んでいきましょう。

詰め替え

家庭から出るごみの約6割は、プラスチック製容器や包装のごみといわれています。プラスチックや塩ビのごみは、焼却時にCO2やダイオキシンを排出し、大気汚染の原因となっているのです。

洗剤などの詰め替え商品の推進や濃縮化の促進を通して、プラスチックごみの削減に努める企業も存在します。消費者としては、詰め替え商品を利用するなどして、家庭から出るプラスチックごみをなるべく減らす工夫をしましょう。

リターナブル瓶

リターナブル瓶とは、何度も使用できる瓶容器のことで、消費者から小売店に返却された瓶を洗浄し、中身を詰め替えることでガラス瓶をリユースしています。

「リユース瓶」や「生き瓶」とも呼ばれ、一升瓶やビール瓶に関しては、昔から利用されているシステムです。

しかし、リターナブル瓶を自治体の収集に出してしまうケースが増えており、リユースの循環が途切れてしまうという課題を抱えているのが、リターナブル瓶の現状です。

使わなくなったものを活用しよう

昨今は中古品市場が活況を呈しており、新品でなくても構わないという消費者は増えつつあります。ごみを減らす活動の一環として、リユースショップを活用するのも有効です。

リユースショップ

リユースショップとは、いわゆるリサイクルショップのことです。不用品を買い取ってもらうには以下のようなコツがあります。

  • 使わなくなった製品は早めに売る
  • 日ごろからきれいにケアして使う
  • 付属品や取扱説明書を捨てない
状態が良好なものや人気のある製品は、高値で買い取りが成立する可能性が高いとされています。

フリマアプリ、ネットオークション

衣類や雑貨、家電、車、おもちゃ、酒類などの不要品は、フリマアプリやネットオークションにおいて、盛んにやりとりされています。

リユースショップでは買い取りを断られたものでも、オンラインで必要としている人を見つけることができればリユースが可能です。

不用品を売ることがお金になり、売り手と買い手がコミュニケーションできるのも魅力の1つです。

リユースを積極的に実践して環境保護

一度破壊されてしまった自然環境が自然に回復するには、気の遠くなるような年月が必要です。私たちが地球環境に負荷をかけないことが、なによりも自然の回復に役立ちます。環境の保護を意識し、リユースを積極的に生活に取り入れましょう。

Looopでんきは、再生可能エネルギー実質100%やCO₂排出量実質ゼロの電気をオプションとして提供しており、再生可能エネルギーの更なる普及を通じた「エネルギーフリー社会の実現」をビジョンとしています。

Looopでんきの新たな試みの1つが市場価格に合わせて30分ごとに電気料金が変わる「スマートタイムONE」の提供です。

市場価格は電力の需要と供給のバランスを体現しており、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギー由来の電気が多く発電される時間帯においては、市場価格が安くなる傾向にあります。

市場価格の確認を習慣化すれば、環境への意識も自ずと高まるでしょう。太陽光パネルや蓄電池と併用することで、電気料金を抑えながら地球にやさしい生活を目指せます。

環境への意識や太陽光パネルとの組み合わせを重視して、Looopでんきをご利用いただいているお客様の声を紹介します。

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環境を重んじたキャンペーンなど、独自の取り組みがあり、社会課題についてささやかながらも参加できるから。

(30代 / 女性 / 4人暮らし)
基本料金がないことと、太陽光などと組み合わせてうまく使えばかなり電気代を抑えることができる為。

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