1日中家の中で過ごす場合、エアコンをつけっぱなしにしている方も多いでしょう。電気代が気になるなら、状況に応じた使い方を覚えておくのがおすすめです。エアコンをつけっぱなしにしたときの電気代やメリット・デメリットを解説します。
【冷房編】エアコンの電気代はつけっぱなしがお得?
エアコンをつけっぱなしにしたほうがお得になる時間帯は、冷房と暖房で異なります。まずは、つけっぱなしの冷房にかかる電気代を見ていきましょう。
気温が高い昼間はつけっぱなしがお得
空調総合メーカー「ダイキン工業」は、エアコンをつけっぱなしにした部屋と30分ごとに電源を入れ切りする部屋で、9~23時の時間帯でそれぞれの消費電力量を検証しました。
その結果、9~18時の時間帯は、30分ごとに入り切りするよりつけっぱなしのほうが電力使用量が少なくなっています。
一般的に、エアコンの電力使用量が最も多くなるのは運転開始直後です。外気温と設定温度の差が大きいほど、運転開始直後の消費電力も多くなります。
夏は昼間の外気温とエアコンの設定温度の差が大きくなりやすいため、30分ごとにスイッチを切るたびに室温が大きく上がり、スイッチを入れた直後の電力使用量がより多くなると考えられます。
※出典: mission5-1 夏のエアコンつけっぱなし検証 | 空気のお悩み調査隊がゆく | ダイキン工業
18:00以降は小まめに消すほうがお得
ダイキンの検証結果によると、18~23時の時間帯は、つけっぱなしより小まめに消したほうが冷房の電気代が安くなっています。
夜間は外気温が低下し、エアコン起動時の電力使用量が昼間より少なくなったことが原因と考えられます。
なお、電力使用量は外気温の変化や天候の影響を大きく受けるため、常に上記のような結果になるとは限りません。条件によっては、夏の昼間でもつけっぱなしのほうが冷房の電気代が高くなることもあります。
※出典: mission5-1 夏のエアコンつけっぱなし検証 | 空気のお悩み調査隊がゆく | ダイキン工業
外出する時間や時刻を考慮することも大切
ダイキンは冷房の電気代の検証として、「つけっぱなし」と「外出時は電源オフ」の部屋を用意し、一般家庭の1日を想定してそれぞれの電力使用量を計測しています。
検証結果によると、外出する時間や時刻を考慮せずに冷房をつけっぱなしにした場合、外出時は電源オフにしたケースより電気代が高くなりました。
どのような場合でもつけっぱなしのほうがお得になると考えるのは危険です。例えば、日中は30分以上の外出なら、電源をオフにしたほうがお得になる可能性が高くなります。
また、エアコンを切った後は温度や湿度が高くなるため、電気代と併せて快適さを考慮することも重要です。
※出典: mission5-1 夏のエアコンつけっぱなし検証 | 空気のお悩み調査隊がゆく | ダイキン工業
【暖房編】エアコンの電気代はつけっぱなしがお得?
暖房は冷房に比べ、つけっぱなしの電気代にどのような違いがあるのでしょうか。ダイキンの検証結果を基に、つけっぱなしの暖房にかかる電気代について解説します。
すべての時間帯でつけっぱなしがお得
ダイキンは冷房のケースと同様に、暖房をつけっぱなしにした部屋と30分ごとに電源を入り切りする部屋で、1日を通してそれぞれの電力使用量を検証しました。
実験の結果、すべての時間帯において、30分ごとに電源を入り切りする部屋よりつけっぱなしにした部屋のほうが電気代が安くなっています。
冷房の場合、18:00以降は小まめに消すほうがお得でした。暖房使用時にエアコンの電源を小まめに消すのは、条件次第では逆効果になる可能性があります。
※出典: mission5-2 冬のエアコンつけっぱなし検証 | 空気のお悩み調査隊がゆく | ダイキン工業
長時間の外出や就寝時は小まめに消すほうがお得
一般家庭の1日を想定し、「つけっぱなし」と「外出時は電源オフ」の電力使用量を比較する実験を、ダイキンは暖房でも実施しています。
冷房と同じく暖房の検証でも、外出する時間や時刻を考慮せずつけっぱなしにした場合、小まめに消す場合より電気代が高くなりました。
エアコンの運転を切る時間がある程度長い場合、小まめに消すほうがお得になる可能性があります。ただし、運転停止のたびに室温が低下するため、消す頻度が増えると電気代が上がることもあるでしょう。
※出典: mission5-2 冬のエアコンつけっぱなし検証 | 空気のお悩み調査隊がゆく | ダイキン工業
冬のメイン暖房はエアコンの活用がおすすめ
基本的に、暖房は冷房より電気代が高くなります。夏より冬のほうが、外気温と設定温度の差が大きくなりやすいためです。
そのため、冬に暖房を使うこと自体が電気代を上げてしまうのではないかと思われることもありますが、エアコン暖房とほかの暖房器具の消費電力に大きな差はありません。
部屋全体を温められるエアコン暖房は、寒い冬を乗り切るのに大いに役立つ暖房器具です。メイン暖房としてエアコンを使い、ほかの暖房器具はエアコンと併用して使いましょう。
エアコンをつけっぱなしにした場合の電気代
エアコンを1日中つけっぱなしにする場合、どのくらいの電気代がかかるのか気になる方も多いでしょう。エアコンの電気代の計算方法を解説し、つけっぱなしにした場合の電気代を実際に計算してみます。
エアコンの電気代の計算方法
エアコンをはじめとする電化製品の1時間あたりの電気代は、次の計算で導き出せます。
- 消費電力(W)÷1,000×電気料金単価(円/kWh)
2024年9月時点での電気料金の目安単価は31円/kWhです。消費電力の単位の記載は製品ごとに異なるため、カタログなどにWで表記されている場合は、1,000で割った後に電気料金単価を掛けましょう。
なお、電気料金単価31円/kWhは、あくまでも実際の料金単価がわからない場合に使う目安の数字です。電力会社のWebサイトや検針票(電気ご使用量のお知らせ)で自宅の電気料金単価を確認できる場合、実際の料金単価を使って計算すれば、より現実的な電気代を導き出せます。
つけっぱなしにした場合の電気代
ダイキンの6畳用エアコン「S224ATES」を例に、エアコンをつけっぱなしにした場合の電気代を計算してみましょう。S224ATESの消費電力は次の通りです。
- 冷房:580(125~840)W
- 暖房:470(130~1,280)W
これらの数値は標準パワーで運転した場合の消費電力であり、実際にはさまざまな条件により変動します。標準パワーで1日中つけっぱなしにした場合の電気代は以下のようになります。
- 冷房:580W ÷ 1,000 × 31円/kWh × 24時間 = 約432円
- 暖房:470W ÷ 1,000 × 31円/kWh × 24時間 = 約350円
消費電力は一定ではないため、これらの金額はあくまでも目安です。今回の計算では冷房のほうが高くなっていますが、実際には暖房時の消費電力が高くなる傾向にあります。
その理由として、エアコンは設定温度に到達するまでフル稼働するため、外気温と設定温度の差(熱負荷)が大きい冬場は消費電力量が増加します。例えば、夏は外気温35℃で設定温度27℃の場合、温度差は8℃ですが、冬は外気温7℃で設定温度20℃の場合、温度差は13℃にもなります。このように冬は熱負荷が大きくなるため、エアコンがより多くのエネルギーを必要とし、電気代も高くなるのです。
※出典: Eシリーズ 仕様(スペック) | 壁掛形エアコン | ダイキン工業株式会社
エアコンをつけっぱなしにするメリット
エアコンをつけっぱなしにする場合は、電気代以外にメリットやデメリットも考慮することが大切です。まずは、エアコンをつけっぱなしにするメリットをご紹介します。
1日を通して快適に過ごせる
エアコンをつけっぱなしにする大きなメリットとして、1日中快適に過ごせることが挙げられます。暑さや寒さで不快に感じることがなくなるでしょう。
健康面で良い影響を及ぼすこともポイントです。厚生労働省の資料では、室温と睡眠の関係が次のように解説されています。
- 冬は就寝前に過ごす部屋の室温が低いと寝つきが悪くなる
- 夏に寝室の室温が上昇すると、睡眠時間が短縮し睡眠の効率が低下する
また、冬の夜中にトイレへ行く前や起床時に急な寒さにさらされると、脳卒中や心筋梗塞の発症につながる恐れがあることも指摘されています。
※出典: 健康づくりのための睡眠ガイド2023 (案) P23 | 厚生労働省
電源の入れ忘れや消し忘れを防げる
エアコンの電源を小まめに消す習慣がついている場合、外出先で自宅のエアコンを消したかどうか不安になりがちです。また、帰宅に合わせてタイマーを設定するのを忘れたケースでは、帰宅後しばらく暑さや寒さを我慢しなければなりません。
しかし、エアコンをつけっぱなしにしておけば、電源の消し忘れやタイマーの入れ忘れを防げます。リモコンを探す時間や温度設定を行う時間も削減できるため、つけっぱなしはエアコンに時間や手間をかけたくない方にも向くでしょう。
エアコンをつけっぱなしにするデメリット
エアコンのつけっぱなしには、メリットだけでなくデメリットもあります。つけっぱなしにすることで電気代を削減できたとしても、それ以上のリスクが生じかねない点には注意が必要です。
エアコンの寿命が短くなる恐れがある
エアコンのつけっぱなしで多くの人が不安になりやすいのが、エアコン本体に与えるダメージです。「本体が壊れやすくなるのではないか」「漏電や火災につながることはないのか」と考える方もいるのではないでしょうか。
エアコンを連続運転しても、基本的に安全上の問題が生じることはありません。ただし、長時間の連続運転により部品の劣化が早まり、エアコンの寿命が短くなる恐れはあります。
エアコンをつけっぱなしにして使う場合は、適切なタイミングでメンテナンスを行い、エアコンに負荷がかからないようにする必要があるでしょう。
自動お掃除機能が使えなくなる
エアコンの自動お掃除機能とは、フィルターをエアコンが自動で掃除する機能です。
フィルターに付着したホコリをブラシでかきとり、ダストボックスに回収します。
基本的に、自動お掃除機能は運転中には作動しません。エアコンのつけっぱなしを続けていると、自動お掃除機能が使えなくなってしまう点がデメリットです。
フィルターの目詰まりは冷暖房の効率を下げてしまいます。自動お掃除機能が使えないままエアコンをつけっぱなしにした場合、結果的に電気代の上昇を招きかねないのです。
製品によっては連続運転中に自動お掃除機能が作動する場合もあります。通常は、連続運転の途中でフラップが閉じ、運転が停止してフィルターの掃除が自動で始まります。
空気が乾燥しやすくなる
エアコンをつけっぱなしにするデメリットの1つに、室内の空気が乾燥しやすくなることもあります。空気が乾燥すると、肌のトラブルや体調不良につながりかねません。
冬はもともと空気が乾燥しやすいため、暖房のつけっぱなしには特に注意が必要です。加湿器の併用や小まめな換気を意識し、できるだけ部屋の湿度を下げないように工夫しましょう。
エアコンの電気代を節約する方法
エアコンの電気代は、工夫次第で節約することが可能です。ケース別の節約術を把握し、できる範囲で実践しましょう。
【冷房】エアコンの節約術
環境省が推奨する夏の室温は28℃です。冷房の設定温度を1℃上げると、消費電力量の約13%の削減を見込めます。夏は室温28℃を目安にエアコンの設定温度を調整しましょう。
窓から直射日光が入ると室温が上がりやすくなるため、カーテンやすだれで直射日光を遮断するのがおすすめです。窓に断熱材を貼れば、外気の窓からの侵入も防げます。
窓だけでなく室外機も直射日光から守りましょう。直射日光が室外機に当たると、室内の熱が室外機から逃げにくくなり、冷房効率が下がってしまいます。室外機専用のカバーやよしずで直射日光が当たらないようにすることが重要です。
※出典: エアコンの使い方について | 家庭部門のCO2排出実態統計調査
【暖房】エアコンの節約術
冬の推奨室温は20℃です。エアコンの設定温度を1℃下げた場合、暖房の消費電力量が約10%削減できる可能性があります。衣食住における工夫で暖かく過ごす生活を目指すことも大切です。
暖房はほかの暖房器具と組み合わせて使うのがおすすめです。例えば、速暖性に優れたセラミックファンヒーターと併用すれば、室内が暖まるまでの間に暖を取りやすくなります。
エアコンとこたつの組み合わせも効果的です。こたつに入っていれば体が温まるため、エアコン暖房の設定温度を上げられるでしょう。
※出典: エアコンの使い方について | 家庭部門のCO2排出実態統計調査
【共通】エアコンの節約術
冷房と暖房に共通したエアコンの節約術を以下にまとめました。
- 自動運転機能を活用する
- サーキュレーターで室内の空気を動かす
- フィルターを小まめに掃除する
- 室外機の周辺を片付ける
Looopでんきの公式モバイルアプリを活用するのもおすすめです。SwitchBotとの連携機能があり、でんき予報による電気代の高低に合わせてエアコンを自動制御できます。外出先からも操作できるため、電気の無駄な利用を抑えられるでしょう。
Looopでんき公式モバイルアプリ|Looopでんき公式サイト
⇒エアコンの自動運転機能についてもっと詳しく知りたい方はこちら
電気代だけでなく快適さも重視しよう
エアコンの「つけっぱなし」と「小まめに消す」を比較した場合、どちらが電気代が高くなるかは状況により異なります。
暑さや寒さはメンタルや体調にも大きな影響を及ぼすため、電気代だけでなく快適さを重視することも大切です。
電化製品の電気料金が気になる方は、家電の買い替えや使い方を工夫するだけでなく、電力会社の変更や電気料金プランの見直しも検討してみませんか。
Looopでんきでは、基本料金・燃料費調整額・解約手数料0円の「スマートタイムONE」を提供しています。
このプランは基本料金が0円のため、ご自宅で使用する電気の量が多い方や、現在のプランで基本料金が高い方に最適です。
また、解約手数料が0円で契約期間の縛りもないため、お試しで数か月間、Looopでんきをご利用いただき、現在の電力会社と比較することも可能です。
Looopでんきをご利用いただいているお客さまの声を紹介します。
(30代 / 女性 / 3人暮らし)
基本料金がかからないので、大きいアンペアで契約していてもお得感がある。
でんき予報などアプリが充実していて、自分の使い方で料金を安くすることも出来る。
(40代 / 男性 / 1人暮らし)
明らかに他社より安くなるし、色々なイベントもあり楽しい。基本料金が無いのも魅力です。
まずは、電気料金プランを見直して、今の生活のままで電気代が安くなるのか試してみてはいかがでしょうか。