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サーキュレーターの写真 サーキュレーターの写真

夏によく使う電化製品といえば扇風機やエアコンが思い浮かびます。特に扇風機は明治時代からある歴史のある電化製品で、エアコンよりも以前から使われ、夏の風物詩として多くの方に親しまれてきました。

そして昨今、扇風機やエアコンと共に多用されるようになってきたのがサーキュレーター(送風機)です。扇風機とサーキュレーターはどちらも風を生み出すものなので、同じ目的や機能を持っていると思われがちです。しかし実際は、それぞれ用途がことなり、サーキュレーターは季節を問わずに使用されます。特に、エアコンと併用することで空調機能を向上させられるので、冬でも長時間稼働させることも珍しくありません。そのため、電気代が気になる方もいらっしゃるかと思います。

この記事ではサーキュレーターの電気代や扇風機との機能比較についてご紹介します。

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サーキュレーターと扇風機の違い

サーキュレーターと扇風機はどちらも似た構造の電化製品です。真ん中の羽が回転することで空気を送風する仕組みで、見た目の印象も似ています。その機能・使用目的は異なります。ここからはそれぞれの違いについて見ていきましょう。

サーキュレーターの機能、目的

サーキュレーターの主な用途は、室内の空気を攪拌(かくはん)または循環させることです。サーキュレーターのファンは扇風機よりも小型で、扇風機に比べて風が広がらずにまっすぐ送り出すように作られているので、風力が強く遠くまで届くようになっています。

また、扇風機よりも可動範囲が広くなるよう設計されており、上下左右に広く動くだけじゃなく、真上にも風を送ることができます。サーキュレーターの方が扇風機よりパワーがあるため音が大きくなる傾向にありますが、最近では静音性が高い機種も出ています。

空気の攪拌や循環を目的としているサーキュレーターは、夏だけではなくオールシーズン使用されます。例えばエアコンが設置された部屋の空気をエアコンのない別の部屋に送りたいときに、サーキュレーターを使えば部屋の隅々まで冷気や暖気が行き渡ります。広さや間取りによってはエアコンをいくつも設置する必要がなくなるかもしれません。つまり、夏場は冷房器具、冬は暖房器具との併用で冷暖房効果をアップさせることができます。

扇風機の機能、目的

扇風機の写真 扇風機の写真

一方、扇風機はひとが風を浴びて涼むのが目的です。基本的に扇風機のファンはサーキュレーターよりも大きく設計されています。これにより風を広範囲に送ることができるようになっています。

まっすぐ風を送り出すサーキュレーターに比べると、静音性に優れている反面扇風機の風力は低くなりがちです。とはいえ昨今の扇風機は性能があがっているので風力調節によってある程度強い風を送ることが可能です。また空気の除菌や消臭機能が開発されるなど多機能化が進んでいます。

扇風機は基本的には夏場に使用します。扇風機単体でも涼むことはできますが、エアコンの冷房と併用するとより効果的です。睡眠時などエアコンの温度をあまり下げたくない場合、複数人がいる部屋で広範囲に風を送りたい場合などは扇風機を併用すると良いでしょう。

サーキュレーターと扇風機の違いをまとめると以下のようになります。

サーキュレーターと扇風機の比較
サーキュレーター 扇風機
機能 室内の空気を循環・攪拌(かくはん)させる 一定の範囲に送風する
目的 室内の温度を均一化させる・換気する・乾燥させる 風を直接浴びて涼む
製品の特徴 風力が強い・一直線に遠くまで届く 調節可能でやわらかな風・遠くまでは届かない

サーキュレーターと扇風機の電気代

サーキュレーターと扇風機の電気代について見ていきましょう。

この記事では、電気代を求めるにあたり、1kWhあたりの電力量料金を27円とし、以下のような計算式を用います。

消費電力(W)÷1,000×1日の使用時間(時間)×1kWhあたりの電力量料金(円/kWh)=電気代

サーキュレーターの電気代

一般的なサーキュレーター(ACモーター搭載の機種)と、細かな風量調整が可能なDCモーター搭載の機種でそれぞれ比べてみましょう。ここでは同メーカーのサーキュレーターでそれぞれ比較することとします。
1日あたりの電気代は、使用時間を1日8時間に仮定しています。

<一般的なサーキュレーターの電気代>
商品:YAMAZEN お手入れ簡単サーキュレーター YAS-FW15(※1)
消費電力:29W
1時間あたりの電気代:29W÷1,000×1時間×27円/kWh=0.783円
1日あたりの電気代:0.783円×8時間=6.264円

<DCモーター搭載のサーキュレーターの電気代>
商品:YAMAZEN DCエアーサーキュレーター 熱中症警戒機能付 YAR-WED18(※2)
消費電力:21W
1時間あたりの電気代:21W÷1,000×1時間×27円/kWh=0.567円
1日あたりの電気代:0.567円×8時間=4.536円

上記の2種ともに1時間あたりの電気代は0.5〜0.8円程度です。1日8時間使用したとしても4〜6円程度となり、年間を通しても電気代は高くありません。

また、近年ではDCモーターを搭載した機種も人気があります。DCモーターは風量調整(強弱)をこまかく設定することが可能で、同時に消費電力が少ないのが特徴です。広い部屋用のサーキュレーターでもDCモーター採用の機種であれば電気代を抑えられるでしょう。

※1 出典:YAMAZEN ウェブサイト
※2 出典:YAMAZEN ウェブサイト

扇風機の電気代

次に扇風機の電気代について解説します。こちらでも通常のリビング用扇風機(ACモーター搭載の機種)とDCモーター搭載のリビング用扇風機で比較します。

<一般的な扇風機の電気代>
商品:YAMAZEN ヤマゼンYLR-AK305 リビング扇風機(※1)
消費電力:36W
1時間あたりの電気代:36W÷1,000×1時間×27円/kWh=0.972円
1日あたりの電気代:0.972円×8時間=7.776円

<DCモーター搭載の扇風機の電気代>
商品:YAMAZEN ヤマゼンYLX-HD30-LS DCリビング扇風機(※2)
消費電力:25W
1時間あたりの電気代:消費電力25W÷1,000×1時間×27円/kWh=0.675円
1日あたりの電気代:0.675円×8時間=5.4円

※1 出典:YAMAZEN ウェブサイト
※2 出典:YAMAZEN ウェブサイト

ここまで計算したサーキュレーターと扇風機の電気代をまとめると以下の表になります。

サーキュレーターと扇風機の電気代比較
消費電力 電気代(1時間あたり) 電気代(1日あたり)
サーキュレーター 29W 0.78円 6.26円
サーキュレーター(DC搭載) 21W 0.57円 4.54円
扇風機 36W 0.97円 7.78円
扇風機(DC搭載) 25W 0.68円 5.4円

※小数点以下3桁は四捨五入

電気代は扇風機よりもサーキュレーターの方が安いことがわかります。またサーキュレーターと扇風機ともに、DCモーターを搭載した機種であれば消費電力が少なく、電気代を抑えることができます。

サーキュレーターと扇風機は代用できる?

扇風機の写真 扇風機の写真

サーキュレーターと扇風機はどちらも送風のための電化製品ですが、機能や特徴の違いからそれぞれ用途がことなります。とはいえ、わざわざ扇風機とサーキュレーターを両方買うのも少し面倒な気がするのも事実。どちらか片方だけを購入するだけで済ませられればそれに越したことはありません。例えば、扇風機をサーキュレーター代わりに、またサーキュレーターを扇風機代わりに用いることはできるのでしょうか。

結論として、サーキュレーターと扇風機とをそれぞれ代用することは可能です。しかし、代用するならそれぞれの特徴や注意点を理解しておく必要があります。

サーキュレーターを扇風機として使う場合

サーキュレーターを扇風機代わりに利用する場合、風力に気をつける必要があります。

前述のようにサーキュレーターは空気を循環させるためのものです。風力が扇風機よりも強い傾向にあるため、長い時間サーキュレーターの風に当たると体温が低下することにも繋がるため、長時間の利用はおすすめできません。また、サーキュレーターの風は狭い範囲にまっすぐ吹くため、複数人で涼を取るのには不向きと言えるでしょう。

風力を調節できるものや首振り機能を備えているものもありますので、扇風機代わりにサーキュレーターを使用する場合は購入の際に風に当たりすぎないような機能がついているか、スペックをよく確認するようにしましょう。

扇風機をサーキュレーターとして使う場合

扇風機をサーキュレーター代わりに使うことは可能です。ただし、サーキュレーター程の風力がないため空気を循環・攪拌させる効果は低いです。扇風機を使う部屋が広くなればなる程、サーキュレーターとしての代用には不向きになっていくでしょう。

最近では扇風機とサーキュレーターの機能を併せ持った機種も出ています。1台で済ませたいという方にはおすすめです。

サーキュレーターの効果的な使い方

サーキュレーターとエアコンの写真 サーキュレーターとエアコンの写真

ここからはサーキュレーターの効果的な使い方について具体的にご紹介します。うまく空気を循環させることで、冷暖房効果の向上や電気代の節約にもなります。

エアコンとの併用

サーキュレーターをエアコンと併用することで室内の温度をはやく調整できます。サーキュレーターはオールシーズン利用できるため夏は冷房、冬は暖房と併用し、使い方を工夫すると良いでしょう。電気代の節約にもつながります。

冷房と併用する場合

エアコンの冷房と併用する際は部屋の下部を狙いサーキュレーターを利用するのがコツです。冷気は暖気よりも密度が高くて重いため、部屋の下側に溜まってしまいます。サーキュレーターで下に溜まった冷気を攪拌させることにより、冷気が部屋全体に行き渡ります。

またサーキュレーターの設置はエアコンを背にするように置くのがコツです。エアコンから出た風の流れに沿って空気を循環できるためです。

暖房と併用する場合

エアコンの暖房と併用する際は冷房とは逆に部屋の上部を狙うよう、サーキュレーターを斜め45度上に向けて設置すると良いでしょう。暖気は部屋の上部に溜まる性質があるため、部屋の下側の空気を上に送ることで上部に溜まった空気を循環させます。

サーキュレーターの位置はエアコンと対極の隅に置くのがコツです。上にある空気を下に移動させるのは難しいため、エアコンから出てくる風に向かって送風することで空気をかき混ぜ暖かい空気を部屋全体に循環させることができます。

部屋の換気や浴室の乾燥

サーキュレーターは部屋の換気や浴室の換気にも効果を発揮します。扇風機よりも風力の強いサーキュレーターならではの使い方です。それぞれのシーンで利用する際のポイントをご紹介します。

部屋の換気

窓を開け、サーキュレーターを外に向けて送風するように窓辺に設置しましょう。そうすることで部屋の空気を窓から出しつつ、外の空気を効率良く室内に誘導できます。部屋の換気をするときや、部屋の匂いが気になるときにも有効です。

また、夏場で部屋が外よりも暑くなっている場合は、窓辺に置いたサーキュレーターの向きは外から中に風が送られる方向にしましょう。暖かい空気は上に、冷たい空気は下にたまるため、空気の流れは「窓の下から入って、上から出ていく」流れを作るとより早く換気が進みます。

浴室の乾燥

梅雨や夏の湿気が多い時期は、備え付けの換気扇だけでは浴室を十分に乾燥できずカビに悩まされることも多いです。建物の構造や立地によっては換気扇だけでは換気能力が足りないこともあり、そういうときにサーキュレーターは活躍します。

浴室を乾燥するときには、入浴後の浴室に向けてサーキュレーターを設置しましょう。設定は「強」にして送風すると短時間で風呂場の換気ができ、首振り機能があれば上下左右に動くように設定するとより効果的です。

衣類の乾燥

部屋干しは外干しに比べて乾くのが遅くなりがちで、ともすれば生乾きの状態で雑菌が繁殖して臭いが出てくることもありえます。そういったことを避ける為にも、衣類の部屋干しにもサーキュレーターを活用しましょう。サーキュレーターの強力な風を衣類にしっかりあてることで乾燥を早め、部屋干しでも臭いを防ぐことができます。

その他

上記の目的以外でも空気循環機能を利用した使い方はあります。エアコンのない部屋にエアコンの風を送ったり、乾燥しがちな冬の時期に加湿器の湿気を循環させたりなどの利用方法が考えられます。またロフトがある部屋ではロフト部分と下の部屋で、サーキュレーターを2台使用して室内の空気を循環させるなど、使い方次第でより快適な暮らしを実現できます。

まとめ

サーキュレーターは空気の循環、扇風機は涼むために利用します。どちらも風を生み出すものですが特徴や目的が異なるため、用途に応じた使い分けが必要です。

1時間あたりの電気代はどちらも安く抑えることができますが、サーキュレーターは年間を通して使用することも想定されるため、長期的な目で見ると電気代は気になるところです。

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