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オイルヒーターの写真 オイルヒーターの写真

寒い冬を快適に過ごすために、皆さまはどのような暖房器具を使っていますか。
こたつやホットカーペット、エアコン、ストーブ、ヒーターなど暖房器具にはさまざまな種類がありますが、電気代が気になってどれを選べばいいかわからない、という方もいらっしゃるかと思います。ヒーターの動力源はオイル・ガス・灯油などさまざまで、それぞれにメリットや特徴があります。ご自身の生活環境にあった製品を使うのが重要です。
今回は、近年人気が高まっている「オイルヒーター」にかかる具体的な電気代を算出し、ほかの暖房器具と比較してみました。オイルヒーターのメリットや効率的な使い方も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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オイルヒーターとは

オイルヒーターは電気を動力とする暖房器具です。フィンの付いた密閉容器に油が入っていて、電気の熱で油を加熱することで、熱を発生させる仕組みです。
暖められた油は張り巡らされたパイプ内を循環し、周囲の空気を暖め、部屋全体に優しい熱気が伝わります。

熱風が生じるため乾燥が気になるファンヒーター、ピンポイントでしか暖められない電気ストーブと比べると、オイルヒーターは空気をクリーンに保ちつつ部屋全体を暖めることができます。
安全性が高く静音性にも優れたオイルヒーターですが、実際に電気代はどれほどかかるのでしょうか。

オイルヒーターの電気代

オイルヒーターで暖をとる写真 オイルヒーターで暖をとる写真

ここでは、実際に販売されている機種をもとに電気代を考えてみます。
オイルヒーターの1時間あたりの電気代を算出するために、以下の計算式と条件を前提とします。

消費電力(W)÷1,000×1日の使用時間(時間)×1kWhあたりの電力量料金(円/kWh)=電気代

  • 機種:デロンギ オイルヒーターリビング用(10畳)RHJ75V0915-GY(※)
  • 設定温度:20℃
  • 運転時間:13時~22時
  • 1kWhの電気代:27円/kWh
  • 消費電力:600~1500W

1時間あたりの電気代:
600W÷1,000×1時間×27円/kWh=16.2円
1500W÷1,000×1時間×27円/kWh=40.5円

1日あたりの電気代:
600W÷1,000×9時間×27円/kWh=145.8円
1500W÷1,000×9時間×27円/kWh=364.5円

消費電力が600~1500Wのオイルヒーターの場合、1日(9時間使用)の電気代は145.8〜364.5円となります。また、参考とした製品の場合はエコモードが搭載されており、エコモードを使用した場合は1時間たり12.6円(メーカー算出値)で使用することが可能です。

ただし、オイルヒーターの電気代は部屋の断熱性や外気温などのさまざまな条件によって変わります。消費電力もメーカーや機種ごとに異なるためお使いの機種を確認し、電気代を計算してみてください。

オイルヒーターの電気代
消費電力 1時間あたりの電気代 1日あたりの電気代
600W 16.2円 145.8円
1500W 40.5円 364.5円

※出典:デロンギウェブサイト

ほかの暖房器具との比較

次にオイルヒーターの電気代をエアコン、電気ストーブ、ホットカーペット、こたつなどほかの暖房器具と比較してみましょう。

エアコンの電気代

資源エネルギー庁が発表する「省エネ性能カタログ2019年冬版」(※)によると、リビング用エアコン(7~10畳)の冬季暖房時の平均消費電力は577Wとなっています。
この数値をもとに1時間あたり、1日(9時間)あたりの電気代を算出してみると、以下のとおりです。

1時間あたりの電気代:577W÷1,000×1時間×27円=15.579円
1日あたりの電気代:577W÷1,000×9時間×27円=140.211円

となります。よって、オイルヒーターの電気代16.2円と比較するとエアコンの方が安いですが、大差はないと言えるでしょう。

※出典:資源エネルギー庁ウェブサイト

電気ストーブの電気代

電気ストーブには、ヒーターで暖めた空気をファンで送風するタイプと、ハロゲンヒーターに電気を通して加熱するタイプの2つがあります。
それぞれ暖房器具としてのしくみが違うため、同じ電気ストーブというジャンルでも、消費電力は異なります。

ここではオイルヒーターのようにより広範囲を温められるファンヒーターで比較してみます。

消費電力が640W~1170Wのファンヒーター(※)で1時間あたり、1日(9時間)あたりの電気代を算出してみると、以下のとおりです。

1時間あたりの電気代:
640W÷1,000×1時間×27円/kWh=17.28円
1170W÷1,000×1時間×27円/kWh=31.59円

1日あたりの電気代:
640W÷1,000×9時間×27円/kWh=155.52円
1170W÷1,000×9時間×27円/kWh=284.31円

となります。オイルヒーターの1日あたりの電気代は145.8〜364.5円であるため、リビングのような広い部屋を「強モード」で暖め続ける場合は、オイルヒーターより電気代は高くなります。

※出典:Panasonicウェブサイト

ホットカーペットの電気代

ホットカーペットはリビング全体を部分的に暖めるための暖房器具ですが、ここでは大きめサイズである3畳タイプのホットカーペットとオイルヒーターの電気代を比較してみます。まず、ホットカーペットの消費電力は244~424W程度(※)です。

このとき、電気代は以下のようになります。

1時間あたりの電気代:
244W÷1,000×1時間×27円/kWh=6.588円
424W÷1,000×1時間×27円/kWh=11.448円

1日あたりの電気代:
244W÷1,000×9時間×27円/kWh=59.292円
424W÷1,000×9時間×27円/kWh=103.032円

1時間あたりの電気代は6.6円~11.4円です。電気代だけでいえばホットカーペットの方がコストを抑えることができますが、ホットカーペットでは10畳のリビング全体をカバーすることはできないため、用途に応じてオイルヒーターと使い分けると良いでしょう。

※出典:アイリスオーヤマウェブサイト

こたつの電気代

こたつもホットカーペットと同様に局所的に温める、冬に使う暖房器具として比較します。こたつは以前まではオン・オフや強・弱で強さを調整していましたが、最近では「人感センサー」でオンオフを切り替えることができるモデルなど、機能面も充実してきています。

消費電力が300Wのこたつ(※)で1時間あたり、1日(9時間)あたりの電気代を算出してみると、以下のとおりです。

1時間あたりの電気代:300W÷1,000×1時間×27円/kWh=8.1円
1日あたりの電気代:300W÷1,000×9時間×27円/kWh=72.9円

こたつは一度温まると電力消費が抑えられるため、実際の消費電力が100~200Wになることも珍しくありません。そのため、上記で参考としたメーカーでは強モードで約4.3円、弱モードで約2.2円と電気代の目安を紹介しています。
仮に最大消費電力の300Wだとしても、オイルヒーターより電気代は安くなりますが、部屋全体を暖める用途には向いていません。

※出典:YAMAZENウェブサイト

ここまで算出した暖房器具と電気代を以下の表にまとめました。オイルヒーターは消費電力が大きくならなければ、エアコンや電気ストーブと比較しても大きな差はないでしょう。それぞれ特徴が異なるため、目的に応じて使い分けるのがおすすめです。

暖房器具の電気代比較
暖房器具の種類 消費電力 1時間あたりの電気料金 1日あたりの電気代
オイルヒーター 600W〜1500W 16.2円〜40.5円 145.8円〜364.5円
エアコン 577W 15.58円 140.21円
電気ストーブ 640W~1170W 17.28円~31.59円 55.52円〜284.31円
ホットカーペット 244W~424W 6.59円〜11.45円 59.29円〜103.03円
こたつ 300W 8.1円 72.9円

※小数点以下3桁は四捨五入

オイルヒーターのメリット

オイルヒーターの写真 オイルヒーターの写真

オイルヒーターは、エアコンやストーブなどにはない以下のようなメリットが存在します。

  • 安全性が高い
  • 部屋の空気を汚さない
  • 運転音が気にならない
  • 掃除、メンテナンスが簡単

それぞれについて詳しく解説します。

安全性が高い

オイルヒーターは小さな子どもや高齢者がいる家庭に向いています。その理由の1つに、安全性の高さが挙げられます。

「炎」により熱を発する石油ファンヒーター、触るとやけどするほどの熱を生み出す電気ストーブと比べると、オイルヒーターは火事やケガのリスクが低い点が大きなメリットです。

オイルヒーターの表面温度は約60℃とほかの暖房器具と比べても低温をキープしており、仮に誤って触ったとしても数秒間であれば大きな火傷につながる可能性は低くなります。もしオイルヒーターを倒してしまっても、すぐに火が広がる心配もありません。安全装置も搭載されているため、自動で電源はオフになります。

さらに、簡単にボタンが押せないようチャイルドロック付きの製品が販売されるなど、安全性を高める機能が充実している点もオイルヒーターの魅力と言えるでしょう。

部屋の空気を汚さない

エアコンやファンタイプの暖房器具を使い続けていると、部屋の湿度にも注意を払わなければなりません。乾燥が進むと喉を痛めたり、咳が出やすくなるため定期的に空気を入れ替えるために換気をする方も多いのではないでしょうか。

また、エアコンは機内に湿気が溜まりやすく、稼働し始めはカビ臭い独特の臭いが漂ってしまうこともあります。一方、オイルヒーターは熱で本体を暖めて自然に対流させるため、部屋の空気を汚しません。アレルギー体質の方や花粉が心配な方は、風でほこりや花粉を巻き上げることのないオイルヒーターがおすすめです。
リビングのような大きな部屋も暖めることができるため、ファミリー世帯にもぴったりの暖房器具といえます。

運転音が気にならない

購入時はあまり意識していないけれど、実際に動かしてみると音が気になるというケースも珍しくありません。特にファンで熱風を吐き出すヒーターやエアコンはどうしても運転音が大きくなりがちです。

暖房器具は、その性質上長時間稼働させることになるため、一度運転音が気になってしまうと、小さなストレスとして蓄積されてしまうこともあるでしょう。その点、オイルヒーターは安心です。オイルが温まるまでは、パチパチっとわずかな音がしますが、そのあとは稼働していることを忘れてしまうほど静かです。

掃除、メンテナンスが簡単

日本のほとんどのご家庭で使用されているエアコンですが、お手入れは意外と手間がかかります。定期的に拭き掃除をするだけでは埃が完全に取りづらく、しっかりメンテナンスをしたいなら専門業者に清掃を依頼なければいいけないケースも多いです。

対して、オイルヒーターのメンテナンスはとても簡単で「乾いた布で表面のホコリを軽く拭き取る」だけです。本体内部には油が入っていますが、こちらは交換の必要がないため、表面の掃除のみで快適に使用できます。

オイルヒーターを効率的に使う方法

部屋の温度が低い場合、オイルヒーターはほかの暖房器具と比較して消費電力が大きくなるため電気代も高くなる傾向にあります。しかし、部屋を効率的に暖めることができれば、電気代を抑えることも可能です。

ここからはオイルヒーターを効率的に使う方法を3つ紹介します。どれも簡単に実践できることばかりなので、ぜひ生活に取り入れてみてください。

窓や入り口に置く

オイルヒーターを最大限活用するためには、冷気が発生する場所をシャットアウトすることが大切です。オイルヒーターは強い熱気ではなく緩やかな循環によって部屋を暖めるため、冷えている場所があるといつまで経っても全体が暖かくなりません。

そのため、窓際やドア付近など冷気が入り込みやすい場所に置くと効率良く部屋を暖めることができます。

気密性・密閉性の高い部屋で使う

換気などで空気の出入りする状況を作ってしまうと暖かい空気が逃げてしまうため、オイルヒーターは気密性・密室性の高い環境で使用することがおすすめです。

断熱性能が高い家であれば、オイルヒーターはその性能を発揮することができます。もしも期待した以上に部屋が暖まらないのであれば、窓に断熱シートを貼りつけたり、断熱のカーテンやレースを取り付けるのも良いでしょう。

冷気の入る隙間を減らすことにより、オイルヒーターの熱を適切に部屋全体に行き渡らせることができます。

設定温度を低めにする

オイルヒーターに限らず、どの暖房器具も設定温度を下げることにより、電気代を抑えることが可能です。加えて、オイルヒーターを使用する場合は、設定温度をエアコンの利用時よりも低く設定しましょう。

リビングであれば20~22℃、寝室であれば16~18℃前後でも暖かさを感じられます。エアコンと同じ設定温度にしてしまうと、体感温度では暑く感じるケースもあります。
温度の数値を意識しすぎず、自分が快適だと感じる設定を探してみてください。

まとめ

これまで紹介してきたように、オイルヒーターはメリットが多い暖房器具です。利用したくても家の電気代が気になる方は、現在の電気料金プランを見直してみるのもおすすめです。

電化製品の電気料金が気になる方は、家電の買い替えや使い方を工夫するだけでなく、電力会社の変更や電気料金プランの見直しも検討してみましょう。

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  • 電気料金が安い時間帯に「電化製品を使用する家事」を済ませる
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