電力自由化とは?仕組みやメリットなどを解説

  • 公開日:2020年10月26日
  • 執筆者:Looop編集部

2016年4月にスタートした「電力の小売全面自由化」。これにより、どの電力会社から電気を購入するかを、個人が自由に選べるようになりました。このページでは、「電力自由化」の仕組みや目的から、電力自由化がご家庭にもたらすメリットまでを詳しく紹介していきます。

電力自由化とはどんなもの?

「電力自由化」とは、「特定の企業に独占されていた電気事業に自由な参入を促すための法改正や制度改革」のことです。取り組み自体は1995年にスタートし、段階的な法整備を経て2016年の「電力の小売全面自由化」に至っています。なお、2020年現在でもこの改革は進行中です。

さて、簡単にまとめてみたものの、いきなり堅い言葉ばかりで戸惑ってしまう方も多いのではないでしょうか?そこでもっと身近な例で説明してみましょう。

日本では従来、住んでいる地域に合わせて決められた電力会社からしか電気を買うことができませんでした。例えば東京都に住んでいる方は東京電力と契約して電気を購入、大阪府に住んでいる方は関西電力と契約といった形です。

電力自由化によって、決められた電気事業者以外からも電気を購入できるようになりました。「東京に住んでいる方が関西電力から電気を買う」というようなこともできるようになったのです。

また、電力自由化以前は、電気事業を運営できる企業が、東京電力、関西電力、東北電力、北海道電力、九州電力といった地域の電力会社に限定されていました。

このような制約も電力自由化によって撤廃され、ガス・石油会社、通信会社、鉄道会社、商社、ハウスメーカーなど、さまざまな企業が電気事業を運営できるようになっています。ちなみに、電力自由化後に新たに電力販売に参入した企業は、一般的に「新電力」と呼ばれています。

「消費者には電気事業者を選ぶ自由が、企業には電気事業に参入する自由がそれぞれ与えられる」。こうイメージすると電力自由化を理解しやすいでしょう。

電力自由化の歴史

日本の電力自由化は、電気事業を「発電部門(電気を作る)」「小売部門(電気を売る)」「送配電部門(電気を送る)」に分け、段階的に進められてきました。最初に自由化されたのは発電部門で、小売部門、送配電部門も、順次自由化が進められています。ここでは、ご家庭や個人に直接的に関係のある小売部門の自由化の歴史について詳しく見ていきましょう。

小売部門の電力自由化の歴史

小売部門の自由化は2000年3月にスタートしました。電力会社が供給する電力は、電圧の大きい順に「特別高圧」「高圧」「低圧」の三つに分かれていますが、まずは「特別高圧」区分の大規模工場やデパート、オフィスビルが電力会社を自由に選べるようになり、新電力からも電気を購入できるようになりました。

続いて2004年4月、2005年4月には、「高圧」区分に該当する中小規模工場やビルへと対象が拡大されました。

そして2016年4月には、最後に残っていた「低圧」区分の一般家庭や商店も対象に。これにより「電力の小売全面自由化」が実現しました。

新電力の事業者・契約者は急速に増大

電力の小売全面自由化は、電気を販売(小売)する会社、購入する消費者に大きな変化をもたらしました。新たに参入した新電力と呼ばれる小売電気事業者が急速に増加し、その新電力から電気を購入する消費者も増加し続けているのです。

先に説明した通り、かつて日本の電力販売は地域の電力会社10社(東京電力、関西電力など)に独占されていました。しかし、2020年9月15日現在、672もの事業者(※)が小売電気事業者として登録されています。
(※)出典:経済産業省 資源エネルギー庁Webサイト「登録小売電気事業者一覧」より

新電力から電気を購入する消費者の数も増え続けているのでしょうか?「Looopでんき」の例を見てみましょう。2015年の事業開始以降、契約者数は右肩上がり。主に一般家庭や商店で使用される低圧区分での契約者数は、2016年の31,156件から、2019年には191,569件と6倍以上に増加しています。

発電部門と送配電部門の電力自由化

発電部門の電力自由化は、1995年の電気事業法改正により、発電事業への参入が原則自由になったことでおおむね実現されています。送配電部門に関しては、発電部門や小売部門のような新規参入を促す方法ではなく、「発送電分離」という、発電事業者と小売電気事業者が配送電設備を公平に利用できる仕組み作りによって推進されています。

電力自由化の目的はどこにある?

法改正・制度改革を重ね、ついに個人にまで広がった電力自由化。ところで、このような電力供給システムの改革にはどんな狙いがあったのでしょうか?経済産業省 資源エネルギー庁のWebサイト(※)には、

・電力の安定供給を確保する
・電気料金を最大限抑制する
・電気利用者の選択肢を増やし、企業の事業機会を拡大する
(※)出典:経済産業省 資源エネルギー庁Webサイト「電力小売全面自由化で、何が変わったのか?」より

という三つの目的が掲げられています。それぞれについて具体的に解説していきましょう。

【目的1】電力の安定供給を確保する

地域に縛られない電力の供給網を整備することは、緊急時の電力の安定供給につながります。

2011年3月に発生した東日本大震災。このとき、原子力発電所や火力発電所などの被災によって発電力が不足し、東京電力や東北電力管内を中心に広範囲で停電が発生しました。しかし、他地域からもスムーズに電力を融通しあえる仕組みがあれば、停電の範囲はもっと狭い範囲で済んでいた可能性も。電力の広域管理は、いざというときの災害への備えにもなるのです。

【目的2】電気料金を最大限抑制する

要するに電気料金がより安くなることへの期待です。電力自由化以前は、地域の電力会社が独占しており、国の規制のもとで電気料金が決まっていました。しかし、自由化によって新たな企業が参入することで価格競争が始まり、自然に電気料金が値下がりする可能性があるということです。

事実、電力自由化以後は、消費者のニーズに合わせてさまざまな事業者が電気料金を抑えるための新たな料金プランを展開しています。

【目的3】電気利用者の選択肢を増やし、企業の事業機会を拡大する

特定の企業が独占していた電気事業が自由化されたことで期待できる効果は、電気料金の低下だけではありません。さまざまな企業に“電気事業”というビジネス領域を与えること自体が、経済の活性化につながるはずです。

電気事業を展開する企業が増えれば、それに合わせて消費者の選択の幅も広がり、さらにビジネスチャンスは増えていくことでしょう。

電力自由化によって消費者が得られるメリット

ここまでは、電力自由化の概要やその目的について解説してきました。では、電力自由化は私たち消費者にどのような変化をもたらすのでしょうか。まずはメリットについて紹介します。

ライフスタイルに合わせた料金プランを選べる

第一に挙げられるメリットは、自分に合った電気事業者と料金プランを選べるようになることです。

自由化前の電気料金は、基本的に「使用量に関わらず毎月必ずかかる“基本料金”+使用量に応じて計算される“従量料金”」という構成で統一されていました。しかし自由化後は、「基本料金は0円で使った分だけ料金がかかる」「時間帯や季節によって電気料金が変わる」など、消費者のニーズに合わせてさまざまな料金プランが登場しています。

自分にぴったりの事業者や料金プランを見つけたい方は、各社が用意しているシミュレーション機能を使ってみるといいでしょう。Looopでんきのシミュレーション機能では、検針票の情報を入力するだけで、今の電気料金からどれだけお得になるかわかります。

電気料金がいくら安くなるかシミュレーションしてみる

セット割・省エネ診断などの新サービスも登場

自由化によって電力供給以外の付加サービスも増えています。例えばガス料金やスマホ・インターネットの通信料金を、電気料金とセットにしたお得なプランの提供もその一つ。Looopでんきでは「Looopでんき+ガス」というセット割サービスを提供中で、電気とガスをまとめて契約すると料金が安くなります

年間7,380円もお得!「Looopでんき+ガス」をチェック

セット割以外にも、省エネプランナーによる各ご家庭の省エネ診断や、ポイント還元サービスを提供している会社もあります。電気の供給にプラスされた多様で新しいサービスを使えば、さらなるメリットが期待できるかもしれません。

環境に優しいエネルギーを選択できる

電力自由化は、電気の購入を通して、地球環境の維持に積極的にかかわっていくという新しい視点ももたらしました。太陽光発電や風力発電、水力発電、地熱発電などの、再生可能エネルギーの利用に注力している会社を選んで電気を買うということが可能になったのです。

ちなみに、Looopでんきが供給する電力のうち、再生可能エネルギーによるものとFIT電気の割合は合計29%となっています(2020年4月1日~2021年3月31日の計画値)。再生可能エネルギーの最大普及により電力の経費をゼロにする、つまり、電気代0円の社会を目指しています。

※FIT電気とは、再生可能エネルギーを用いて発電され、「固定価格買取制度(FIT)」で電気事業者が買い取った電気のことです。

電力の“地産地消”が実現する

電力自由化は、電気の“地産地消”というメリットも生み出しています。電気の供給を受ける企業を自由に選べるようになったおかげで、地元の自治体が運営している電気事業者から電気を買うという選択ができるようになったからです。

それとは逆に、離れて暮らしている方が、ふるさとの電気事業者から電気を買うという選択も可能。電気の購入を、地元の企業・経済の応援にも利用できるのです。

電力自由化にもデメリットはある?

たくさんのメリットがある電力自由化。しかし、「デメリットはないの?」という疑問を持っている方もいらっしゃるかもしれません。

特に不安になるのが、新電力を利用したときに、「従来の電力会社に比べて停電が起きやすくなったりしないの?」「新電力が倒産したら電気の供給はどうなるの?」といったものではないでしょうか。

結論からいうと、これらの不安は必要ありません。新電力の電気も、地域の電力会社が用意した送電網を使って送られています。どの会社を選んだとしても、電気そのものの品質や停電リスクは変わりません。つまり、新電力だからといって停電が起きやすくなることはありません

また、電力自由化にあたって、「新電力が事業を継続できなくなったときには、地域の電力会社が代わりに電力を供給する」という仕組みになっています。万が一、契約した新電力が倒産したとしても、電気の供給が急にストップすることはないのです。

日本の電力自由化のこれから

始まって間もない日本の電力自由化。スムーズに進展していくのか、それとも課題が現れてくるのか、生活に直結するものだけに私たち消費者も注意深く見守っていきたいところです。今後、特に注目したいのは、2020年4月にスタートしたばかりの送配電部門の分社化です。

送配電部門の分社化は期待した効果を生み出せる?

電力自由化の仕上げとして、2020年4月に送配電部門の分社化が実施されました。これは、従来から存在する地域の電力会社から送電部門を切り離し、別の会社にするというものです(法的分離)。

発電所から使用者まで電気を送る役割を担っている送配電部門は、あらゆる電気事業者にとって必要なもの。これを地域の電力会社から分離させることで、新規参入事業者にも公平に利用できる環境を整え、ビジネスチャンスの拡大につなげるという狙いがあります。価格競争やサービスの多様化という消費者にとってのメリットももたらしてくれるでしょう。

一方で、分社化によって送配電設備の運用効率がダウンし、コストアップにつながってしまうのではないかという懸念もあります。コストアップは企業の新規参入を阻む上に、電気料金の値上げにもつながりかねません。実施されたばかりの分社化がどのような結果を生むか、注目したいところです。

地方エリアでの新規参入

電力自由化によるメリットは、企業の新規参入に支えられている部分があります。ところが、電気事業への新規参入は都市部に集中する傾向があり、地方で電力自由化の恩恵を十分に受けられるかというと心配な面もあります。

自分が住んでいる地域に、新電力のサービスが拡大されてきているか、新電力の企業が生まれているかを、気にしておいてもいいかもしれません。地方の新規参入・競争活性化のために、政府が何らかの動きを取る可能性も指摘されています。

電力自由化は省エネも推進していく?

電力自由化には省エネ・環境保全への貢献も期待されています。前述したように、再生可能エネルギーの利用に積極的な企業や省エネ診断サービスを提供する企業が現れたり、環境に配慮する企業を消費者が選べるようになったりするからです。

電力市場の活性化によるサービスの多様化が、省エネと結びつき、環境に良いサイクルを生み出していくことを期待したいです。

自分にぴったりの電気事業者を選んでみよう

電力自由化の大きな魅力の一つは、電気事業者や電気料金のプランを自由に選べる点。新電力だけでなく、地域の大手電力会社も新しいプランやサービスを発表しており、競争はさらに激しくなりそうです。

「電気代がもっと安くならないかな?」「もっといいサービスはないかな?」と考えているなら、各社の電気料金プランをチェックしてみましょう。ライフスタイルに合った料金プランや割引などを検討してみると、現在の電気料金をグッと安くできるかもしれません。

そのほか、環境に優しい電力を選んだり、地元の事業者と契約したりと、電気事業者を選ぶ視点はさまざまです。しっかりと比較して、自分にとって最適な電気事業者と料金プランを選びましょう。

――――

Looopでんきは、基本料金0円のシンプルな料金体系に加え、再生可能エネルギーの利用比率を高めようとしているのが大きな特徴です。東日本大震災の際、被災地にある避難所などにボランティアでソーラー発電所を設置して回ったことをきっかけに創業した「株式会社Looop」が運営しています。ぜひ、料金プランとサービスを詳しくチェックしてみてください。

Looopでんきの料金プランとサービスをチェックする

おすすめ記事

PAGE TOP