記事をシェアする

再エネ賦課金の写真 再エネ賦課金の写真

昨今の電気代の高騰を受け、電力会社の変更を検討している方も多いのではないでしょうか。電力会社を自由に選べるようになっているのは、電力の小売全面自由化がきっかけです。電力自由化の変遷や目的、電力会社を選ぶポイントについて解説します。

再エネ由来の電気をフル活用
料金プランはこちら

電力自由化とは

電力自由化とは、電気の小売が全面自由化されたことです。具体的に何がどのように変わったのか、現在の登録事業者数と併せて見ていきましょう。

電気の小売業参入が全面自由化されたこと

2016年4月1日以降、電気の小売業への新規参入が全面的に認められるようになりました。これにより、さまざまな業界の企業が「新電力」として電気事業に参入してきています。

電力自由化以前の電気事業は、特定企業(旧一般電気事業者)に独占された状態でした。地域ごとに決められた特定の電力会社からしか、電気を買えなかったのです。

しかし、電力の小売業参入が全面自由化されたことにより、現在はすべての消費者が電力会社を自由に選べるようになっています。また、各社からさまざまな料金プランやサービスが提供されているため、ライフスタイルや価値観に合ったものを選ぶことが可能です。

登録事業者数は700社超

2024年5月31日時点で、電気事業法に基づく登録事業者数は729事業者(電気事業法に基づく登録事業者数)となっています。代表的な業種と事業者の例は次の通りです。

  • PPS(特定規模電気事業者)※2016年以降「小売電気事業者 」 に名称統一:Looopでんき・ミツウロコグリーンエネルギー・イーレックス
  • ガス会社:東京ガス・大阪ガス・東邦ガス・日本ガス
  • 石油・エネルギー関連:ENEOSでんき,・昭和シェル石油・東燃ゼネラル
  • 通信・TV関連業種:auでんき・ソフトバンクでんき・J:COM電力
  • 運輸・旅行業:HTBエナジー・東急パワーサプライ
  • 自治体・スポーツ・地域:みやまスマートエネルギー・水戸電力・湘南電力
  • 小売業:スマ電・丸紅新電力・まちエネ

PPS(Power Producer and Supplier:特定規模電気事業者)とは、特定規模の需要家に電気を販売していた実績を持つ事業者を指します。2016年の電力自由化に伴い、「特定規模電気事業者」は廃止され、「旧一般電気事業者」とともに「小売電気事業者」に統一されました。

なお、電力自由化以降は電力会社を自由に選べるだけでなく、地域の枠を超えて電力会社を選ぶことも可能です。大都市のみ電力会社を変更できるわけではありません。

地方からも電力会社を選べるほか、これまでエリア外にあった電力会社も選択肢に含められます。ただし、電力会社ごとに対応エリアが決まっているため、気になる電力会社を見つけたら対応エリアを確認することが重要です。

※出典: 登録小売電気事業者一覧|電気事業制度の概要|資源エネルギー庁

電力自由化の変遷

電力自由化の取り組みは、2000年から段階を踏んで進められてきました。徐々に対象領域が広がっていった経緯を解説します。

2000年:電力自由化がスタート

電力自由化がスタートしたのは2000年3月です。1995年に31年ぶりの電気事業法改正が行われ、2000年3月から特別高圧区分の消費者を対象に小売部門の自由化が始まりました。

特別高圧区分の消費者に該当するのは、大規模工場・デパート・オフィスビルなどです。これらの消費者は新電力からも電気を買えるようになりました。

2004年4月からは高圧で受電する契約電力500kW以上の消費者に、2005年4月からはすべての高圧区分の消費者に自由化の領域が拡大され、中小ビルや中小規模工場も電力会社を自由に選べるようになっています。

2015年:広域系統運用の拡大

2015年4月1日には、電力広域的運営推進機関が設立されました。広域系統運用が拡大され、地域を越えた電気のやり取りが可能になったのです。

電力広域的運営推進機関が設立されたきっかけは、2011年に発生した東日本大震災です。地域によっては震災後に電力が足りなくなる事態が起こりましたが、十分な対応を取れるシステムではなかったため、全国レベルでの広域的な運用を行う制度の設立が検討されました。

2016年4月1日からは、契約電力50kW未満の低圧区分にも自由化の仕組みが導入され、現在はすべての消費者が電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになっています。

2020年:電力会社の送配電部門を分離

電力の小売全面自由化をスタートするにあたり、旧一般電気事業者における発電・小売部門と送配電部門の分離が議論になりました。市場の公平な競争を促すためには、旧一般電気事業者が抱える送配電ネットワークを、共通インフラとして開放する必要があったためです。

その結果、送配電部門を旧一般電気事業者の子会社として資本関係を維持する法的分離が行われることになり、2020年に沖縄電力以外の9社が送配電部門を子会社化しています。

旧一般電気事業者の送配電部門の分離後は、旧一般電気事業者に課されていた供給義務が撤廃され、電気の安定供給の責任は一般送配電事業者が負うことになりました。

電力自由化の目的

電力自由化の主な目的は、「電力の安定供給の確保」「電気料金の抑制」「電気消費者の選択肢の増加」の3つです。それぞれの具体的な内容を見ていきましょう。

電力の安定供給の確保

電力自由化の目的の1つが、電力の安定供給の確保です。電力自由化以前は電力の需給管理が原則地域ごとに行われていましたが、電力自由化により地域を越えて電力を融通できるようになっています。

広域での電力網が整備されていない状態の場合、災害時に発電所がダウンして大規模な停電につながりかねません。しかし、他の地域から電気がスムーズに供給されれば、停電の範囲を狭められる可能性があります。

電力の安定供給を確保するために運営されているのが、2015年に設立された電力広域的運営推進機関です。全国規模で電力の需給状況や送電網の運用状況を日々監視し、有事の際は司令塔の役割を担います。

電気料金の抑制

電力自由化以前は少数の電力会社が顧客を独占していた上、電気料金も地域ごとに決められていました。電力会社や料金プランを消費者が選ぶ余地はなかったのです。

しかし、電力自由化以降は業者間の競争により電気料金の抑制につながることが期待されています。実際に新電力は消費者のニーズを考慮し、多彩なプランを展開しています。

電気料金はさまざまな要因で上昇するため、電力自由化により必ず電気料金が抑制されるとは限りません。ただし、競争原理によりコスト削減が進むことで、電気料金の上昇幅もある程度抑えられると考えられています。

電気利用者の選択肢の増加

電力自由化の目的としては、電気利用者の選択肢が増えることも挙げられます。参入業者が増えることで新たな料金メニューやサービスが登場し、多くの選択肢から電気を選べるようになっています。

電気とガス・携帯電話・インターネットのセット割やポイントサービスは、電力自由化後に登場した代表的なサービスです。また、再生可能エネルギーで発電された電気を購入したり、出身地の電力会社から電気を購入したりすることもできます。

電気事業を通して新しい選択肢やサービスを作れることは、企業の事業機会の拡大にもつながるため、ひいては電力市場や経済の活性化も期待できます。

電力自由化後の電力会社を選ぶポイント

電力自由化により消費者は電力会社を自由に選べるようになっています。どのような点を意識すればよいのか、電力会社を選ぶポイントについて解説します。

自分のライフスタイルに合ったサービス

電力会社の乗り換えを検討する際は、自分のライフスタイルを考慮してサービスを比較しましょう。電力使用量や電気の使い方によっては、電気代が安くなる可能性があります。

夜間に安くなるサービスや季節ごとに料金が変わるサービスも要チェックです。また、電力自由化後は基本料金が0円のサービスも登場しています。

Looopでんきは基本料金が0円の料金プランです。料金単価は30分ごとに変動するため、時間を選んで電気を使えばよりお得になります。

電気料金がいくら安くなるかシミュレーションしてみる

セット割引があるプラン

電力会社によっては、ガスやインターネットとのセット割引を選ぶことが可能です。セット割引契約者限定のサービスを利用できることもあります。

セット割引があるプランなら家計管理が楽になることもメリットです。1社からの請求にまとめられるほか、引越しの際も1社と手続きを行うだけで済みます。

なお、電気だけでなくガスの小売も全面自由化されています。プロパンガスは昔から自由市場でしたが、2017年の都市ガス自由化により、消費者は都市ガス会社も自由に選べるようになりました。

ガス会社を変更すれば、電気と同様にガス代が安くなる可能性があります。ガスの種類に関係なく、ガス会社も自由に選べることを知っておきましょう。

東京電力エリアで都市ガスを使っている方は、Looopでんきの「スマートタイムONE(電灯)+Looopガス」をチェックしましょう。

スマートタイムONEは、電気料金の単価が市場価格に合わせ時間帯で変動する市場連動型プランです。単価が安い時間帯に集中して電気を使うようにすれば、電気代が安くなります。ガス割の1円は、スマートタイムONE(電灯)の固定従量料金単価から割り引かれます。

電気とガスの業者を一緒に切り替えたい場合は、電力会社とガス会社を別々に契約するより、Looopでんきのセット割プランを利用したほうがお得です。(※東京電力エリア限定)

「Looopでんき+ガス」をチェック

再生可能エネルギーで発電された電気

電力自由化後は再生可能エネルギーで発電された電気を提供する電力会社も登場しています。再生可能エネルギーとは、太陽光・風力・地熱など常に自然界に存在するエネルギーのことです。

石炭・石油・天然ガスなどの化石燃料による発電と違い、再生可能エネルギー発電ではCO₂の排出量を大幅に抑えられます。環境に配慮した電気を使いたいなら、再生可能エネルギーで発電された電気を供給している電力会社を選びましょう。

再生可能エネルギーについてもっと詳しく知りたい方はこちら

電力自由化に関するよくある質問

今まで電力会社を切り替えたことがない方は、電力会社を変更するにあたり、いろいろと不安に思うこともあるでしょう。よくある質問と回答をまとめました。

電力会社を変更して電気の品質は変わる?

旧一般電気事業者から新電力に変えたからといって、電気の品質が変わることはありません。同じ送配電線から供給される場合は、今まで通りの電気を使えます。

電力会社を変えて停電しやすくなるといったこともありません。契約中の新電力が供給力不足になっても、系統全体で一般送配電事業者が需給バランスを維持するため、常に安定的な供給を受けられます。

賃貸住宅やマンションでも切り替えは可能?

電力会社と直接契約している場合は、賃貸住宅やマンションに住んでいても、原則として電力会社を変更できます。

ただし、管理会社や大家が電力会社と契約している場合や、建物全体で電力会社と高圧一括受電契約をしている場合は変更不可です。

賃貸住宅やマンションで電力会社を切り替えたいなら、賃貸借契約書の内容を確認した上で、不動産管理会社や大家に相談しましょう。

契約した電力会社が倒産したらどうなる?

契約中の新電力が倒産した場合、自動的に地域の電力会社の経過措置プランへ切り替わります。急に電気の供給が止まってしまうことはありません。

地域の電力会社から電気の供給を受けている間は、その電力会社に料金を支払うことになります。経過措置終了後は、そのままプランを変更するか他社に変えるかを選ぶことが可能です。

なお、電力会社が事業を廃止する場合は、契約者にその旨を周知することが義務付けられています。できるだけ周知期間内に電力会社を切り替えるのがおすすめです。

電力会社を切り替えるにはどうしたらいい?

電力会社を切り替える場合、まずは切り替え先の電力会社に切り替えの申し込みを行いましょう。現在契約中の電力会社への連絡は不要です。

電力会社の切り替えに必要な情報は次の通りです。

  • 契約中の電力会社名
  • ご契約者さま名義
  • 契約中の電力会社のお客さま番号
  • 供給地点特定番号(22桁の数字) など

一般的には申し込みから2週間~1カ月程度で利用開始できます。現在契約中の電力会社に違約金が発生しないかぎり、切り替え時に費用が発生することはありません。

電力自由化について理解を深めよう

電力自由化とは、一般的に電気の小売が全面的に自由化されたことを指します。2016年4月の電力自由化以降、消費者は自分で電力会社を選べるようになっています。

ライフスタイルに合った電気料金プランを選べば、電気代を今より抑えられる可能性があります。また、さまざまなサービスが提供されているため、価値観に合った電力会社を選ぶことも可能です。

今まで電力会社を変えたことがない方は、電力自由化について理解を深めた上で、自分やご家庭に合った料金プランやサービスを探してみましょう。

電化製品の電気料金が気になる方は、家電の買い替えや使い方を工夫するだけでなく、電力会社の変更や電気料金プランの見直しも検討してみませんか。

Looopでんきでは、基本料金・燃料費調整額・解約手数料0円の「スマートタイムONE」を提供しています。

このプランは基本料金が0円のため、ご自宅で使用する電気の量が多い方や、現在のプランで基本料金が高い方に最適です。 また、解約手数料が0円で契約期間の縛りもないため、お試しで数か月間、Looopでんきをご利用いただき、現在の電力会社と比較することも可能です。

Looopでんきをご利用いただいているお客さまの声を紹介します。

(30代 / 女性 / 3人暮らし)
基本料金がかからないので、大きいアンペアで契約していてもお得感がある。 でんき予報などアプリが充実していて、自分の使い方で料金を安くすることも出来る。

(40代 / 男性 / 1人暮らし)
明らかに他社より安くなるし、色々なイベントもあり楽しい。基本料金が無いのも魅力です。

まずは、電気料金プランを見直して、今の生活のままで電気代が安くなるのか試してみてはいかがでしょうか。

Looopでんきの「スマートタイムONE」をチェック