特に贅沢をしているわけでもなく、普通に生活しているだけなのにズシッと重くのしかかる光熱費。月々必ず支払う必要のある光熱費は、家計に大きな影響を与えるものの1つです。何とか軽くしたいと思っている方も多いでしょう。
特にガス代は寒い季節になると高くなりがちです。ガス会社から送られる請求書を見てビックリなんてこともあります。
ガス代が気になる方のために、この記事ではガス代が高くなってしまっている4つの原因を明らかにし、ガス代を節約するポイントを解説していきます。ぜひ最後まで読んでいただいて、日々の生活に役立ててくださいね。
ガス代の1カ月平均はどのくらい?
自宅のガス代が高いのかどうなのかを判断するには、ガス代の平均額を知る必要があります。ガス代の1カ月平均はいくらなのでしょうか。
都市ガスとプロパンガスによって異なる
ガスには都市ガスとプロパンガスがあり、価格体系が異なります。
都市ガスの計算方法は、月々のガス使用量から料金表に照らし合わせ、基本料金に従量料金を加えて計算します。
都市ガス代=基本料金+従量料金(単位料金×ガス使用量(㎥))
それに対して、プロパンガス料金の計算方法は主に3種類あります。1つは都市ガスと同じ基本料金+従量料金の「2部料金制」で、全国の95%以上のプロパンガス会社に採用されています。
プロパンガス代=基本料金+従量料金(単位料金×ガス使用量(㎥))
2つ目は「最低責任使用料金制」で、ある一定の使用量までは最低責任使用料金という固定の使用料金を設定して、それを上回る使用量については1㎥につき○○円と従量料金を加算していく方法で、全国のおよそ2%のプロパンガス会社で採用されています。
プロパンガス代=最低責任使用料金+従量料金(単位料金×一定量を超過した分のガス使用量(㎥))
3つ目は「3部料金制」で、2部料金制の基本料金と従量料金に設備使用料金を加えて計算する方法です。
プロパンガス代=基本料金+設備使用料金+従量料金(単位料金×ガス使用量(㎥))
プロパンガスは都市ガスよりも高くなる傾向にあり、都市ガスに比べて約2倍の料金になることもあります。プロパンガスの方が料金が高くなる理由については、後ほど詳しく説明します。
都市ガスの1カ月の平均料金
都市ガスを利用している世帯の平均料金を試算してみましょう。東京都在住でガスの使用量が月に40㎥と仮定します。東京ガスの料金表に準じて計算すると、2021年10月検針分で6,110円となります(税込)。
ちなみに、東京ガスは東京地区の標準家庭におけるガス使用量を1カ月あたり30㎥としています。
プロパンガスの1カ月の平均料金
次にプロパンガスを利用している世帯の平均料金を試算します。
プロパンガス(LPガス)は都市ガスの約2.2倍の熱量があるので、プロパンガスは都市ガスの半分のガス使用量で同等の効果があると考えられます。そのため都市ガスを1カ月で40㎥使用した際のガス代と比較するために、プロパンガスのガス使用量はひと月20㎥として試算します。
東京都在住でプロパンガス(LPガス)の使用量が月に20㎥とします。石油情報センターの一般小売価格に準じて計算すると、2021年8月で12,249円となります(税込)。都市ガスの約2倍であることがわかります。
世帯人数別の1カ月の平均料金
ガス代に限らず、水道光熱費は世帯の人数によってその料金は変わってきます。総務省が行っている統計調査の数字を見ていきましょう。そうすると、以下のようになります。
世帯人員別平均ガス代 | |
---|---|
1人 | 3,021円 |
2人 | 4,354円 |
3人 | 4,960円 |
4人 | 5,202円 |
5人 | 4,836円 |
意外にも、世帯人数2人以上ではガス代の大きな違いはありませんでした。むしろ4人世帯よりも5人世帯の方が安いという結果も出ています。
ガス代が高くなる4つの原因
前章で紹介した平均値と比べてガス代が高い世帯は、何らかの対策が必要といえるかもしれません。ガス代が高くなる原因は主に以下の4つが考えられます。
1.ガスの使用量が多い
ガス代が高くなる原因の1つ目は、ガスの使用量が多いことによるものです。
都市ガスであっても、プロパンガスであっても、使用量に応じて料金が決められる仕組みは同様です。ガスの使用量が増えればガス代が高くなることは当然のことです。
特にガスの使用量は、季節によって大きく変わります。気温が低くなる冬は、1年で一番ガスの使用量が増える季節です。それに応じてガス代も高くなります。
冬にガス使用量が増える原因としては、ガスファンヒーターなどのガス式の暖房器具を使う頻度が増えることが挙げられます。ガスファンヒーターのスイッチを入れる日からガス代が跳ね上がる経験をした方は多いのではないでしょうか。
また冬はお湯を使う回数が自然と増えます。ほかの季節では水で食器洗いをしていた方も、冬ではお湯を使うようになるケースが多いでしょう。冬は水温自体も低くなるため、お湯になるまで時間がかかり、その分ガス代もかかるようになります。
季節別ガスの平均使用量
季節によってカス代がどれくらい変化するのか、総務省の家計調査(家計収支編)の数字からひもといてみましょう。
季節ごとの世帯人数別ガス代平均額 | ||||
---|---|---|---|---|
世帯人数/季節 | 2020年7~9月期 | 2020年10~12月期 | 2021年1~3月期 | 2021年4~6月期 |
1人 | 2,380円 | 2,533円 | 3,562円 | 3,313円 |
2人 | 3,215円 | 3,549円 | 5,599円 | 4,714円 |
3人 | 3,824円 | 4,194円 | 6,225円 | 5,373円 |
4人 | 3,825円 | 4,354円 | 6,542円 | 5,287円 |
5人 | 3,474円 | 4,150円 | 6,620円 | 5,770円 |
具体的な数字を見ると季節によるガス代の違いは一目瞭然です。冬(ここでは1~3月期)と夏(ここでは7~9月期)の5人世帯のガス代を比較すると、冬のガス代は夏よりも約1.9倍高くなっています。
2.ガスの単価が高い
2つ目は、契約しているガス会社の単位料金が高いケースです。これは都市ガス、プロパンガス両方で考えられます。
かつての都市ガス事業は、地域独占が認められていたので価格は均一で、ご家庭ごとに価格が違うということはありませんでした。2017年4月ガス小売りが全面自由化され、各ご家庭でガス事業者を選択できるようになると会社間で競争が起こり、価格も異なってくることになりました。
差は小さいですが会社ごとに単位料金も異なってくるので、比較検討することが必要になります。
一方、プロパンガスの場合はどうでしょうか。過去も現在もプロパンガスの価格はガス会社が自由に値段を決める自由料金制なので、使用量が同じでも契約しているガス会社が異なればガス代も異なることになります。
また都市ガスもプロパンガスも日本はその原料をほとんど輸入に頼っています。為替レートや原料価格は日々変動するので、これを価格に転嫁できないとガス会社の経営は成り立ちません。
そこでガス会社は一定のルールのもとに、毎月価格を調整しています。これを「原料費調整制度」といい、ほとんどのガス会社が採用しています。
「先月よりガスを使っていないはずなのに、ガス代が高い」と感じることがあるのは、この制度のせいです。
3.プロパンガスを使っている
先程も少しふれましたが、プロパンガスを使っている世帯は都市ガスを使っている世帯よりもガス代が高くなることが多いです。都市ガスは、地下に敷設されたガス導管を通じて消費者宅にガスが送られます。この方式は初期費用は莫大なものになりますが、ランニングコストは各消費者で薄く広く負担できます。
一方プロパンガスは、液体にしたガスをボンベに充てんしたものをガス事業者が人力で消費者宅まで運びます。配送費というコストが大きくなるのです。都市ガスとプロパンガスの料金を比較した調査によると、平均価格はプロパンガスの方が都市ガスより1.8~2倍高い結果が出ました。
4.給湯器の熱効率が低い
ガス式の給湯器はガスで火を燃やし、水を温めてお湯にします。この給湯器が熱効率が低いものだと、ガスの消費量が大きくなってしまいます。
かつての給湯器は熱効率が悪く、お湯を作る際に約200℃の排熱がありました。最近の給湯器である「エコジョーズ」はこの排熱も利用して水を温めるため、従来よりも少ないガス消費量で効率よくお湯が沸かせるようになっています。
エコジョーズなのにガス代がかかるという方は、給湯器が故障している可能性もあります。気になる方は設備会社に相談してみましょう。
ガス代の節約術
日々ガスは使うものですが、その使い方によってガス代は上下します。この章ではガス代の節約術について解説します。
お風呂での節約術
お風呂は大量のお湯を使うので、工夫次第でガス代の節約ができます。
追い焚きの回数を減らす
お風呂は追い焚きの回数を減らすことで、ガスを大きく節約できます。資源エネルギー庁の試算では、追い焚き回数を1日1回少なくすることで年間でガス38.20㎥の消費量を削減することができます。そのことで、年間約6,530円のガス代が節約できるのです。
お湯を冷まさないために、必ずフタや保温シートを使うようにしましょう。
シャワー時間を短くする
シャワーを出す時間を短くすると、お湯の量を減らすことができるので、ガス代を節約することができます。
同庁の試算では、1日1分シャワーを出す時間を短縮するだけで年間でガス12.78㎥の省エネになり、年間約2,180円のガス代が節約できます。
シャワー吐出量は毎分12Lにもなります。シャワー時間を意識することで、ガス代とともに水道料金の節約にもつながります。
節水シャワーヘッドなどを使う
通常のシャワーヘッドを節水シャワーヘッドや手元止水機構付きのシャワーヘッドに交換してみましょう。ほとんどの機種は自分で交換が可能です。
お風呂でのガス代節約術 | |
---|---|
項目 | 年間節約額 |
追い焚きの回数を減らす(※1) | 約6,530円 |
シャワー時間を短くする(※2) | 約2,180円 |
キッチンでの節約術
キッチンでのガス代節約術は以下のとおりです。
給湯器の設定温度を下げる
食器洗いなどでキッチンでもお湯を使いますが、給湯器の湯温の設定を下げることでガス代の節約ができます。例えば、給湯器の設定温度を40℃から38℃に2℃下げるだけで、年間でガス8.74㎥の省エネ、約1,490円のガス代が節約できます。(資源エネルギー庁試算)
食洗機はまとめ洗いで
食洗機(乾燥機付き)はまとめ洗いと予熱乾燥がポイントになります。使用するときはまとめ洗いを心がけましょう。乾燥は余熱を利用すると省エネになります。洗浄終了後、扉を開けて余熱だけで乾燥させることができます。
野菜の下ゆでは電子レンジで
ほうれん草、キャベツ、ジャガイモ、里芋、ブロッコリー、カボチャなどの野菜を下ゆでする場合、ガスの代わりに毎日電子レンジで行うと年間約3,490円ガス代を節約できます。
ちなみに、電子レンジで下ごしらえをすると、野菜に含まれる水溶性ビタミンが残りやすくなるので、一石二鳥の節約法です。
炎がなべ底からはみ出さない
ガスコンロの炎がなべ底からはみ出してしまうと、ガスの無駄になります。ガスの炎はこまめに調整し、なべ底からはみ出さないようにしましょう。この方法で、年間ガス2.38㎥の省エネ、約410円のガス代節約が可能となります。
ほかにも、底が濡れたままでなべややかんを火にかけないようにする、なるべく底が平らななべややかんにするなど、使い方を意識してみましょう。
キッチンでのガス代節約術 | |
---|---|
項目 | 年間節約額 |
給湯器の設定温度を下げる(※1) | 約1,490円 |
野菜の下ゆでを電子レンジで行う(※2) | 約3,490円 |
炎をなべ底からはみ出さない(※3) | 約410円 |
暖房器具の節約術
ガスファンヒーターなどのガス式暖房器具は、エアコンなどよりも立ち上がりが早く、すぐに部屋が暖かくなるのが魅力ですが、ガス代はかなりかかるものです。
ガスファンヒーターを利用する際はエアコンと併用し、部屋がある程度暖まったらファンヒーターを止めエアコンのみの運転に切り替えましょう。
また、部屋全体に暖気を効果的に行き渡らせるために、サーキュレーターや扇風機を活用するのもおすすめです。
ガス料金やガス会社を見直すのも節約につながる
前にも述べましたが、現在契約しているガス会社の料金プランよりも安いプランがある可能性がありますので、積極的に検討してみましょう。
プロパンガスを使っている世帯で、戸建ての持ち家でしたら、契約しているプロパンガス会社を切り替えることでガス代が安くなることがあります。一度見積もりをとってみることをおすすめします。
また都市ガスの導管が近くまで来ているのであれば、都市ガスへの変更を検討してもいいでしょう。初期費用はかかりますが、ランニングコストは約半分になることもあります。
都市ガスを使用している世帯は、2017年4月からのガスの小売完全自由化によってガス会社を選択することができるので、ガス会社の変更も検討しましょう。都市ガスであれば、戸建て住宅だけでなく集合住宅や賃貸住宅でも切り替えは可能です。
光熱費の見直しはLooopでんきがおすすめ!
ガス代が高くなる4つの原因と節約方法を細かく見ていきました。日々のコツコツ努力する節約術とともに、ガス会社を切り替えることによるガス料金の節約も重要であることを押さえてきました。
光熱費でいうと、ガス代とともに電気料金も大事なものです。2017年に都市ガスの小売全面自由化がなされたことにふれましたが、その前年の2016年に電力の小売全面自由化が実施されています。ガス会社の切り替えとともに、電力会社の切り替えを検討しましょう。光熱費の節約に大きく貢献することになるでしょう。
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(40代 / 男性 / 1人暮らし)
明らかに他社より安くなるし、色々なイベントもあり楽しい。基本料金が無いのも魅力です。
まずは、電気料金プランを見直して、今の生活のままで電気代が安くなるのか試してみてはいかがでしょうか。