「毎月のガス代が高いかも?」そんな疑問を持っているなら、この記事で紹介している世帯人数別の平均ガス代データをチェックしてみましょう。もし、平均額より大幅に高いのであれば改善の余地があるかもしれません。省エネによるガス代節約のコツも詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
ご自宅のガス代と平均的なガス代を比較してみよう
「自宅でガスを無駄遣いしていないか」「自分のガス代が高すぎないか」と気になったときに参考になるのは、総務省統計局が公表している「家計調査」のデータです。世帯人数別の平均ガス代を表にまとめたので、ご自宅のガス代と比較してみましょう。
世帯人数別の1カ月の平均ガス代 (全国・年間平均) |
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世帯人数 | 平均ガス代 |
1人世帯 | 3,012円 |
2人世帯 | 4,488円 |
3人世帯 | 5,061円 |
4人世帯 | 5,129円 |
5人世帯 | 5,350円 |
一人暮らしの方は3,000円前後、二人暮らしの場合は4,500円前後、3~4人世帯で5,000円前後、5人世帯で5,300円前後が平均的なガス代と考えるといいかもしれません。もし、ご自宅のガス代がこの金額を超えているなら、節約できる可能性が高いと考えてもよいでしょう。
ただし、ガス代は季節や地域によって大きく変動します。上記の金額は全国の年間平均額であり、あくまで目安だと考えておきましょう。
参考までに2人以上の世帯の月別、地域別の平均ガス代を下の表にまとめてみましたのでご紹介します。月、地域によって差が生まれていることが分かるはずです。このような差も踏まえながら、ご自宅のガス代と平均ガス代を比較してみるとよいでしょう。
月別の1カ月の平均ガス代 (全国・2人以上の世帯) |
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月 | 平均 ガス代 |
月 | 平均 ガス代 |
1月 | 6,295円 | 7月 | 3,794円 |
2月 | 6,954円 | 8月 | 3,390円 |
3月 | 6,616円 | 9月 | 3,002円 |
4月 | 5,882円 | 10月 | 3,073円 |
5月 | 6,012円 | 11月 | 3,668円 |
6月 | 4,616円 | 12月 | 4,751円 |
地域別の1カ月の平均ガス代 (2人以上の世帯・年間平均) |
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地域 | 平均ガス代 |
北海道 | 4,047円 |
東北 | 4,208円 |
関東 | 5,394円 |
北陸 | 4,388円 |
東海 | 5,295円 |
近畿 | 4,971円 |
中国 | 3,845円 |
四国 | 3,383円 |
九州 | 4,217円 |
沖縄 | 3,936円 |
プロパンガス(LPガス)利用のご家庭はガス代が高い可能性あり
この記事をご覧になっている方の中には、「季節、地域の差も考えたけど、明らかに自分のガス代が高すぎる」と感じている方がいるかもしれません。実は、ガス代をチェックするうえでご家庭で利用しているガスの種類が非常に重要なポイントです。
一般的なご家庭で使用されるガスには、「都市ガス」「プロパンガス(LPガス)」の大きく2種類があり、プロパンガス(LPガス)のほうがガス代が高くなる傾向があります。
残念ながら公式な統計データはございませんが、複数のデータを集めてシミュレーションすることは可能です。世帯人数別のプロパンガス(LPガス)の1カ月の平均ガス代を試算してみましょう。
世帯人数別のプロパンガス(LPガス)の 1カ月の平均ガス代 |
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世帯人数 | プロパンガス(LPガス)使用世帯の 平均ガス代 |
家計調査の 平均ガス代 |
1人世帯 | 5,819円 | 3,012円 |
2人世帯 | 5,819円 | 4,488円 |
3人世帯 | 7,255円 | 5,061円 |
4人世帯 | 8,662円 | 5,129円 |
5人世帯 | 8,893円 | 5,350円 |
1人世帯、2人世帯では、家計調査の平均ガス代に比べて1,300~2,800円程度、3人世帯では2,200円程度、4人世帯、5人世帯では3,500円程度高くなっていることが分かります。目安ではありますが、プロパンガス(LPガス)を利用中のご家庭ではこの金額を参考にしてみてはいかがでしょうか。
都市ガスの1カ月の平均ガス代は?
家計調査の平均ガス代のデータには、都市ガス、プロパンガス(LPガス)の区分がありません。つまり、都市ガスだけの平均ガス代よりも家計調査のガス代のほうが高くなっている可能性が高いということです。
統計データが存在しないため一概には言えないのですが、都市ガスの平均ガス代は家計調査よりも数百円程度は安くなると考えたほうが、ご自宅のガス代との比較がより現実に即したものになるかもしれません。
都市ガスかプロパンガス(LPガス)かを判別するには
ご自宅で利用しているガスの種類は以下の方法で確認できます。どれも簡単なものなので、チェックしておきましょう。
使用中のガス機器のラベルを確認
ガスコンロや湯沸かし器などのガス機器には、使用するガスの種類に合わせて都市ガス用とプロパンガス(LPガス)用があり、通常それがラベルに明記されています。
ラベルに「都市ガス用」などと書かれていれば、都市ガス用のガス機器なので、ご自宅は都市ガスを利用中です。「プロパンガス用」「LPガス用」などと書かれていれば、ご自宅はプロパンガス(LPガス)を利用中ということです。
ガスボンベの有無を確認
都市ガスは地下のガス管を通じて各ご家庭へと供給されるため、ガスボンベを必要としません。一方、プロパンガス(LPガス)は、ガス事業者がガスボンベやバルクと呼ばれるガスの容器を配送することで、各家庭へと供給されるのが一般的です。つまり、ガスボンベがご自宅の近くにあれば、プロパンガス(LPガス)を利用しているということです。
ただし、ガスボンベやバルクが目立たない場所に設置されていて、判別が難しいケースもあります。集合住宅に住んでいる方は特に判別が難しいかもしれません。
ガス警報器の位置を確認
ご自宅にガス警報器が設置されているなら、その設置場所から利用しているガスの種類を確認することができます。 都市ガスは空気よりも軽いため、都市ガス用のガス警報器は天井近くに設置されます。一方、空気より重いプロパンガス(LPガス)用のガス警報器は床面近くに設置されます。つまり、ガス警報器が天井の近くにあれば都市ガスを利用中、床面近くにあればプロパンガス(LPガス)を利用中というわけです。
ガス代が高いかも?と思ったときの省エネ&節約術➀【お風呂場編】
世帯人数別の平均ガス代と比べてご自宅のガス代が高いときは、省エネに取り組んでみるのがいいでしょう。お風呂場での節水は水の無駄使いだけでなく、ガスの使いすぎを防ぐことにもつながります。省エネを実現する第一歩としてぜひチャレンジしてみてください。
追い炊きの回数を減らす
冷めたお湯を温めなおすのには大きなエネルギーが必要です。資源エネルギー庁は、1日1回の追い炊きを減らすだけで、年間で約6,190円の節約が可能になるとしています(※)。節約額が大きいので、ぜひ実践していきましょう。
【試算条件】4.5℃低下したお湯200リットルを追い炊きする場合
保温グッズを使ってお湯の温度を保つ
追い炊きの回数を減らすコツは、湯船のお湯の温度を低下させないこと。お風呂から上がるときは必ずフタをする習慣を付けましょう。また、フタと併せて湯船用の保温シートの活用するのも有効です。保温効果にこだわるのであれば、できるだけ厚手で浴槽にピッタリと合うサイズのものを選びましょう。カットしてサイズ調整ができるものも売られています。
シャワーを流しっぱなしにしない
ガス代を節約したいなら、不用意にシャワーを流しっぱなしにするのは禁物です。資源エネルギー庁は、シャワーを流す時間を1日合計2分間短縮するだけで、年間で約2,070円もの節約につながると試算しています(※)。節水にもつながるので、積極的に実践したいところです。
【試算条件】毎分12リットル、設定温度45℃、元の水温20℃の場合
使用するお湯の温度を上げすぎない
使用するお湯の量だけではなく、設定温度にも気を配ると、さらなる節約と省エネが実現します。ガスの使用量は、元の水温と設定温度の差によって変動するからです。使うお湯の量を意識するのが面倒な場合は、お湯の設定温度を低くしておくのがいいでしょう。
ガス代が高いかも?と思ったときの省エネ&節約術②【キッチン編】
ガス代の節約と省エネを目指すなら、キッチンでの行動も大切なポイント。なぜなら、キッチンはガス・電気・水道の料金をトータルで節約できる場だからです。少しの工夫でそれぞれの使用量が大きく変わるので、しっかりチェックしておきましょう。
野菜の下ごしらえには電子レンジを活用する
料理をするときには多くの場合、ガスでお湯を沸かして野菜をゆでる、煮るといった下ごしらえの作業が発生します。これを電子レンジでの加熱に切り替えるだけで省エネ&節約が可能に。
資源エネルギー庁の試算では、ほうれんそう、キャベツなどの葉野菜の下ごしらえを電子レンジで行うようにすると、年間で約990円お得になるとのことです(※)。
【試算条件】100gの食材を1リットルの水(27℃程度)に入れて沸騰させ煮る場合と、電子レンジで下ごしらえをした場合の比較
食器洗い乾燥機を活用する
省エネという観点で見ると、食器を洗う際には食器洗い乾燥機を使うほうが良いとされています。資源エネルギー庁によると、食器洗い乾燥機を使ったほうが、手洗いをするよりも年間で約8,570円もお得になるそう(※)。電気を使うことになるものの、ガス、水道の使用量を抑えることができ、省エネ&節約が実現するのです。
ちなみに、食器洗い乾燥機を使用するときには「洗浄後に扉を開けて余熱で乾燥させる」「一度に洗う食器を適量にする」といったことを意識すると、より省エネにつながります。
※給湯器(40℃)、使用水量65リットル/回(冷房期間は給湯器を使用しない)の手洗いの場合と、給水接続タイプで標準モードを利用した食器洗い乾燥機の場合の比較
【試算条件】食器洗いの回数は2回/日
ガスコンロは適切な火力で使用する
料理をするときやお湯を沸かすとき、鍋やフライパンのサイズと関係なくいつでも強火を使っていませんか?ガスの無駄遣いを防ぎ、省エネ&節約をしたいなら、火力は鍋やフライパンのサイズに合わせて調整することが大切です。
また、ガスコンロで調理をするときは、底が平らな鍋・フライパンを使用するのがおすすめ。熱効率が良くなるため、素早く調理ができ、ガスの使用量を減らすことにつながります。
IHクッキングヒーターとガスの比較については、こちらの記事で詳しく紹介していますので合わせてご覧ください。
⇒IHクッキングヒーターとガスを比較!電気代を安くする方法は?
ガス代が高いかも?と思ったときの省エネ&節約術③【リビング・ダイニング編】
リビング・ダイニングにあるガス機器の代表例といえるのが、ガスファンヒーターとガス温水式床暖房です。上手な使い方を覚えて、ガス代の節約と省エネを実現しましょう。
ガスファンヒーターの設定温度は20℃を目安に
資源エネルギー庁では、省エネ行動の一つとしてガスファンヒーターの設定温度を20℃にすることを推奨しています。外気温が6℃のとき、設定温度を21℃から20℃にするだけで、年間で約1,320円の節約になるとのこと(※)。普段の設定温度がもっと高いなら、より大きな節約と省エネを期待できます。
「室内でも厚手の服を着る」「濡れたバスタオルを干して湿度を高くする」など、寒さ対策も行いながら実践してみてください。
ガスファンヒーターは必要なときにしかオンにしない
使用しないときはガスファンヒーターの電源をこまめにオフにすることも大切です。資源エネルギー庁の試算では、ガスファンヒーターの運転時間を1日1時間短縮すると、ガス代と電気代を合わせて年間約2,150円もお得になるとされています(※)。外出や就寝の30分前には電源を切る、オフタイマーを利用するなど、普段の利用法に一工夫加えてみましょう。
【試算条件】ガスファンヒーターの設定温度が20℃の場合
ガスファンヒーターのフィルターはこまめに掃除する
ガスファンヒーターのフィルターが汚れていると、暖房効率が落ちてしまいます。部屋がなかなか温まらないために、無駄に高い設定温度にしていたり、長時間運転をしていたりというケースも珍しくありません。普段の心掛けが節約と省エネにつながることを肝に銘じて、こまめに掃除をしましょう。
ガス温水式床暖房は自動運転を有効利用する
ガス温水式床暖房は、お湯を床下のパイプに循環させることによって床や室内を温めるものです。注意したいのは冷たい水から、お湯を作るときに大きなエネルギーを消費するという点です。使用時間や使用頻度によっては、こまめに電源を切らず、常時オンにしたほうがガス代を節約できるケースがあります。
取扱説明書を読み、省エネに最適化された自動運転機能が搭載されている場合は、それを利用してみるとガス代の節約につながる可能性があります。
床暖房の上には薄手のカーペットやじゅうたんを
ガス温水式床暖房は、足元を温めるだけでなく、床から発する熱で部屋全体を温める役割も担っています。厚みのあるカーペットやじゅうたんが敷かれていると、効率良く部屋を暖められない可能性もあります。床暖房に対応した薄手のものを利用するようにしましょう。
思い切ってガス事業者を切り替えるという手も
日頃の行動に気を配り、ガス代の節約や省エネを実践していくことも大切ですが、もっとシンプルにガス代の節約を実現したいなら、契約中のガス事業者を切り替えるという方法もあります。
2017年4月の都市ガスの全面的自由化以降、ガス業界では「低価格化」「サービス多様化」が急速に進展中です。ずっと同じガス事業者を利用し続けているなら、一度他の会社にも目を向けてみてはいかがでしょうか。今より安いガス代でライフスタイルに合ったプランを提供してくれるガス事業者が見つかるかもしれません。