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都市ガスの種類とは? ガス機器使用時の注意点もあわせてご紹介 都市ガスの種類とは? ガス機器使用時の注意点もあわせてご紹介

ガスには都市ガスとプロパンガスがあることはよく知られていますが、都市ガス自体にいくつかの種類があることはあまり知られていません。

この記事では意外と知られていない都市ガスの基礎知識をふまえ、ガスの種類とガス器具との適合について詳しく解説します。

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ガスは都市ガスとプロパンガスがある

ガスには、都市ガスとプロパンガスの2種類があることは広く知られています。都市ガスとプロパンガスの違いは、①ガスの原料・成分の違い、②空気より軽いか重いか、③ガス導管かボンベか、④熱量の違いなどがあります。

プロパンガスはLPガスともいいます。液化石油ガスの英語である「Liquefied Petroleum Gas」の略称で、プロパン・ブタンを主成分とする液化石油ガスが主な原料になります。

プロパンガスの主成分であるこのプロパン・ブタンは、熱量が高いのが特徴です。都市ガスがおおよそ11,000kcal/立方メートルなのに対して、プロパンガスの熱量は24,000kcal/立方メートルになっており、都市ガスの約2倍となっています。

都市ガスとプロパンガスは原料・成分が違い、熱量も異なるため、同じガス器具は使用できません。引越しなどで、都市ガスがプロパンガス、もしくはプロパンガスが都市ガスに切り替わる際には、ガス機器を買い替える、または部品を交換して仕様を変更する必要がありますので注意しましょう。

現在国内で使用されてる都市ガスは、熱量に応じて7グループ13種類に分けられており、地域によって使われている種類が異なります。

それに対して、プロパンガスは日本全国同一規格で24,000kcal/立方メートルと定められています。

都市ガスの基礎知識

都市ガスの基礎知識 都市ガスの基礎知識

ここでは、都市ガスの基礎知識について解説します。

都市ガスとは

都市ガスは天然ガスを原料としていて、メタンを主成分とし、その他エタンやプロパンなどで構成されています。天然ガスの主成分であるメタンには水素が含まれていて、その分炭素原子の割合が小さいため、石炭などと比べると燃焼時の二酸化炭素排出量が少ないのが特徴です。

都市ガスの事業者は全国で約200社あり、その中でも大手事業者は、東京ガス(関東地方)、東邦ガス(東海地方)、大阪ガス(関西)、西部ガス(九州北部)の4社になります。

都市ガスの種類

現在、日本国内で使われている都市ガスは、下記の通り7グループ13種類に分類されます。

日本国内で使われている都市ガスの種類
規格 熱量
13A 10,000 ~15,000 kcal/㎥
12A 9,070 ~11,000 kcal/㎥
6A 5,800 ~7,000 kcal/㎥
5C 4,500 ~5,000 kcal/㎥
L1(6B、6C、6C) 4,500 ~5,000 kcal/㎥
L2(5A、5B、5AN) 4,500 ~5,000 kcal/㎥
L2(4A、4B、4C) 3,600 ~4,500 kcal/㎥


現在は13A、または12Aが主な規格となっていて、東京ガスや大阪ガスなどの大手ガス会社やその他多くの事業者で使用されています。

※出典:北海道ガス
※出典:湯ドクター「ガスの種類について」

数字の意味

13Aや12Aのように、ガス種は数字とアルファベットを使って分類されています。頭の数字は、ガス1立方メートルあたりでの発熱量を表しています。例えば、12Aと13Aを比べると、13Aのガスの方が発熱効率が良いということを表現しています。

ただし、13Aと12Aでは発熱量に差があるものの組成はほぼ同じなため、非常によく似たガス種となります。そのため、ガス器具は13A・12Aともに対応可能なことが一般的です。

アルファベットの意味

数字に続くアルファベットは、ガスの燃焼速度を表しています。燃焼速度はA→B→Cとなるにしたがって早くなります。

13Aと12Aの違い

13Aの都市ガスの含有成分を詳しく見ていきましょう。東京ガスが公表してる組成では、メタン89.60%、エタン5.62%、プロパン3.43%、ブタン1.35%となっています。

12Aの都市ガスも13Aのものと成分はほぼ変わりがありませんが、組成が少しずつ異なっているため、13Aよりも発熱効率が若干劣る結果となっています。

※出典:東京ガス 都市ガスの種類・熱量・圧力・成分

現在は13Aが広く普及している

現在、日本で最も広く普及している都市ガスの規格は13Aとなっています。これは、日本各地の都市ガス会社ごとにバラバラであったガス種の規格を高カロリーの13Aに統一する取り組みの成果です。

この取り組みを「熱量変更」と呼びます。全国200以上の事業者が参加し、現在の都市ガス事業の基盤を築いた一大事業となりました。この過程では、ガス会社の従業員が一軒一軒ご家庭を訪ね、ガス器具の熱量変更作業に着手したといわれています。

※出典:東京ガス 社会を変えたLNG

ガス機器を使用する際の注意点

ガス機器を使用する際の注意点 ガス機器を使用する際の注意点

現在ではレアケースではありますが、ガス機器とガス種が合っていない場合不具合が発生する可能性があります。都市ガスは可燃性の気体であり、取り扱いは最大限慎重にしなければいけないので、ガス機器とガス種の確認は必ずするようにしましょう。

対応しているガス種の調べ方

引越しなどでこれまでとは違う環境で、これまでのガス器具を使用することになった際には、まずその都市ガス会社が供給するガス種を調べましょう。新居でのガス開栓手続きの際にガス会社の方が教えてくれますが、その前に調べたいときはガス会社のWebサイトなどで調べるといいでしょう。

都市ガスとプロパンガスを区別する人は多いのですが、都市ガスのガス種を区別する人は意外と少ないので要注意です。

次にガス機器を見ます。ガス機器には適合するガスの種類が書かれたステッカーが貼ってあります。ステッカーには「13A」や「13A 12A」などと記載されています。自分が使用するガス種に適合しているのかを、このステッカーの表示で確認します。

ステッカーの貼付け位置はガス機器によって異なるため、よく確認しましょう。

ガス機器はガスの種類と合っているものを使用する

ガス機器は必ずガス種と適合しているものを使用するようにしてください。ガス機器とガス種が合っていないと、火災や不完全燃焼を起こす可能性があります。正常な燃焼をしないことによって、有毒な一酸化炭素(CO)が発生し一酸化炭素中毒の原因となることがあるので、大変危険です。

一酸化炭素中毒の初期症状として、頭痛や吐き気、気分が悪いなどの風邪に似た症状が現れます。症状が重い場合、死亡事故につながるおそれがあるので、ガス機器がガス種と合っているかは必ず確認するようにしましょう。

13Aと12Aが併用できるガス機器

最新のガス機器であれば、13Aと12Aが併用できるタイプが一般的となっています。購入してから数年程度のガス機器であれば、引越しなどによって異なるガス会社が供給するエリアへ移動したとしても、同じ機器を使うことができるケースが多いでしょう。

ただし、ガス機器によっては安全装置や仕様の違いもありうるので、念のためガス開栓時にガス会社の人に確認しておきましょう。

古いガス器具を持っていて、それが引越し先のガス種で使用ができない場合は、新居で使用できる新しい機器に買い替えることをおすすめします。どうしてもこれまでの機器を使いたいのであれば、ガス会社に依頼して部品を追加するなどの機器の調整が必要となります。

部品の取り寄せが必要な場合、ガス機器を使用できるまでに2週間から1カ月程度かかることがありますので注意しましょう。また、すべてのガス会社がガス機器の調整に対応しているとは限らないため、事前に確認しておきましょう。

ガスについて見直してみよう

都市ガスは私たちの身近に存在していますが、7グループ13種類に分類されるガス種があるなど、あまり知られていないことがあります。そのガス種がガス器具と適合していないと不具合が発生し、一酸化炭素中毒などの重大な事故にも発展する可能性があるので、取り扱いは慎重にするべきであることがわかります。

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