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電卓と家計簿の写真 電卓と家計簿の写真

単身赴任を選ぶご家庭にとって、毎月かかる生活費は大きな関心事です。自宅と赴任先を行き来すると交通費もかかります。会社の制度を活用しつつ生活費を節約することで、家計の負担を軽減できるかもしれません。

この記事では単身赴任でかかる費用や生活費の目安や、会社から支給される手当の種類・金額の相場を紹介します。生活費を節約する方法も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

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そもそも単身赴任とは

単身赴任とは、企業の配置転換で自宅から通勤できない地域に転勤を指示された際に、家族と離れて一人暮らしする生活スタイルです。子どもの教育や配偶者の仕事といったご家庭の事情を考えて単身赴任を選ぶ方が多い傾向にあります。また、持ち家があるために単身赴任を選ぶ方もいます。中には、遠距離通勤による心身への負担を避けるために単身赴任を選ぶ方もみられます。
転勤の指示は、配置転換の1週間前までに行われるのがほとんどです。

配置転換が行われる理由は会社によってさまざまですが、よく言われるのは社員の人材育成です。企業の経営戦略を実現するために、さまざまな業務を経験させて社員の成長を促していきます。転勤の経験を、昇進・昇格の検討材料として活用する企業も少なくありません。ジョブローテーションという形で、定期的に配置転換を行う企業もあります。

単身赴任の平均期間は3年以上が約70%、5年を超える人も10%程度です(※1)。また、1回の転勤における赴任期間は3年程度が約4割、5年程度が約3割です(※2)。したがって、単身赴任の期間は3~5年ほどになると考えられます。

※1 出典:企業における転勤の実態に関するヒアリング調査(10ページ)|独立行政法人労働政策研究・研修機構
※2 出典:企業の転勤の実態に関する調査(18ページ)|独立行政法人労働政策研究・研修機構

単身赴任の諸手当について

一万円札が入った封筒の写真 一万円札が入った封筒の写真

単身赴任を選んだ場合に支給される、諸手当の概要や金額の相場について紹介します。手当の有無や名称は企業によって異なるため、単身赴任を検討する際は必ずご自身のお務め先に確認してください。

単身赴任手当

単身赴任手当とは、家族と別居して単身赴任先で一人暮らしをする社員に支給される手当です。別居手当と呼ばれることもあります。

単身赴任では生活の拠点が2ヶ所となり、光熱費やネット回線の料金が2軒分かかります。食費や日用品といった生活費の負担も、自宅からの通勤と比べると大きくなりがちです。単身赴任手当には生活費の一部を補填して、社員本人や家族の経済的負担を和らげる一面もあります。

単身赴任手当が支給される条件は、企業によってさまざまです。例えば、自宅からの通勤時間が長くなる場合や、育児・介護などの事情で家族が引っ越せない場合に単身赴任が認められて手当が支給される傾向にあります。ちなみに公務員の場合は、育児・介護だけでなく配偶者の勤務や持ち家の管理による事情でも単身赴任が認められています。

後述する住宅手当や帰省手当が単身赴任手当に含まれている場合もあるので、支給基準や金額の詳細は企業の担当者にご確認ください。

家賃補助・住宅手当

家賃補助は住まいの家賃の一部として支給される手当で、住宅手当と呼ばれるのが一般的です。自宅の住宅手当とは別に、単身赴任先での住宅手当も支給する企業もみられます。また、企業によっては住宅手当を支給せずに転勤した人を社宅や寮に住まわせて、賃貸住宅よりも家賃が安くなるよう配慮している場合もあります。

単身赴任の期間中は自宅と単身赴任先の両方で家賃(住居費)を支払うことになるため、家賃補助によって経済的負担を軽くする一面もあるのです。なお、単身赴任先で借りる住まいの敷金・仲介手数料は、家賃補助とは別に支給されることが多いです。

転勤支度金・単身赴任準備金

転勤支度金は、自宅から単身赴任先までの引越し費用や新居の家具・家電などの購入費用を補助するために支給される手当です。単に支度金と呼ぶ企業や、単身赴任準備金と呼ぶ企業もみられます。また、転勤支度金とは別に、引越し費用を荷造運送費として実費支給する企業もあります。支度金の使い道は基本的に自由です。

帰省手当

帰省手当とは、単身赴任先から自宅に帰る際の交通費を補助する手当です。年間または月間で決められた帰省回数であれば実費で支給する企業が多いです。社員本人が帰省できない場合に、家族が単身赴任先に出向くための交通費を支給する制度を設ける企業もあります。企業によっては帰省旅費が単身赴任手当に含まれる場合や、業務報告などの名目で前任先に呼び寄せて週末などに帰宅できるように配慮する場面もみられます。

帰省手当も給与所得に含まれるため、帰省回数が多い場合や遠隔地に単身赴任する際は所得税・住民税が高くなる場合がある点に留意が必要です。

単身赴任手当の相場

単身赴任手当の相場は会社員の場合で月46,000~50,000円前後と言われています。公務員の場合だと月30,000~100,000円です(※1)。

厚生労働省の調査では、令和元年11月に民間企業で支給された単身赴任手当・別居手当の平均額が47,600円でした(※1)。大企業と比べると、従業員数100名未満の平均支給額が手厚い傾向です。企業によっては、転勤支度金や住宅手当・帰省手当も支給されます。

また、公務員の給与ルールを定める人事院規則では、単身赴任先が自宅から60km以上離れている場合には月30,000円(※2)、100km以上離れている場合には距離に応じて月8,000円~70,000円が加算(※3)される仕組みです。帰省手当は支給されませんが、転勤支度金に相当する手当として移転料・着後手当が別途支給されます。

ここまで紹介した単身赴任の諸手当を一覧でまとめたので、家計の計画を立てる際の参考にしてみてください。

単身赴任の諸手当まとめ
手当の種類 特徴
単身赴任手当 単身赴任先での生活費を補う手当
住宅手当 単身赴任先での家賃を補う手当
単身赴任準備金 単身赴任をする際の引越し代や家財道具の購入に活用できる手当
帰省手当 単身赴任中に自宅に帰るための交通費を補う手当
※1 出典 令和2年就労条件総合調査の概況|厚生労働省
※2 出典:一般職の職員の給与に関する法律|e-gov法令検索
※3 出典:人事院規則九―八九(単身赴任手当)|e-gov法令検索

単身赴任でかかる費用や生活費

単身赴任では月々の家賃・生活費だけでなく、引越し代や家財道具を揃える費用もかかります。ここでは、単身赴任の準備にかかる費用や地域ごとの生活費の相場について解説します。

単身赴任でかかる転勤費用

単身赴任を始める際には敷金・仲介手数料といった賃貸住宅の初期費用だけでなく、引越し費用や家財道具の購入費用もかかります。

賃貸住宅の初期費用は家賃の5~6カ月分が目安です。家賃6万円の部屋を借りる場合には契約時に30~36万円前後が必要です。引越し費用は自宅から単身赴任先までの距離や作業日時によって変わります。例えば東京都から大阪府まで平日に引っ越す場合、大手引越し業者の単身パックを利用すると専用ボックス1本あたり26,400円~31,900円前後です。土日・夜間や3月下旬~4月上旬の引越しでは、追加料金がかかります。また、家具や家電を新しく揃える場合は一般的なグレードの品物で8~10万円が目安です。(※)

単身赴任を始める際にかかる費用は、転勤支度金などの形で企業が一部負担してくれる場合があります。転勤の内示を受けた段階で、勤務先の担当者に手当の詳細を確認するようにしましょう。

※ 出典:Rooch「単身赴任の生活費は平均いくら?会社負担になる費用や節約方法を解説!」

生活費の相場と内訳

単身赴任で必要な月々の生活費は最低でも10万円台前半、目安としては15~18万円前後です。ライフスタイルの選び方でも生活費は大きく変わります。自分の部屋でテレワークを行う場合には光熱水費が増えるほか、外食が多いと食費もかさむ傾向です。

ちなみに、2021年10~12月の消費支出の平均額は単身世帯で163,007円でした。消費支出の内訳を紹介します。

単身赴任でかかる生活費の目安
内訳 全国平均の金額
食費 41,478円
住居費 20,633円
光熱水費 11,181円
家具・家事用品 5,580円
被服・履き物 5,479円
保健・医療 7,540円
交通費・通信費 20,197円
教養娯楽費 16,435円
その他の消費支出 34,253円

※ 出典:家計調査 2021年(令和3年)10~12月期平均|総務省統計局

生活費は地域や季節によっても変動します。地域ごとに、夏と秋・冬の消費支出の平均額も比較してみましょう。

地域ごとの消費支出の平均(単身世帯)
地域 2021年7~9月の平均(※1) 2021年10~12月の平均(※2)
北海道・東北 146,001円 163,930円
関東 153,837円 179,038円
北陸・東海 151,698円 152,034円
近畿 146,913円 163,733円
中国・四国 132,904円 148,399円
九州・沖縄 145,564円 155,958円
全国 147,263円 163,007円
※1 出典:家計調査 2021年(令和3年)7~9月期平均|総務省統計局
※統計データのため、合計は一致しません。

※2 出典:家計調査 2021年(令和3年)10~12月期平均|総務省統計局
※統計データのため、合計は一致しません。

単身赴任での節約方法をご紹介

豚の貯金箱とコインのイラスト 豚の貯金箱とコインのイラスト

単身赴任では自宅通勤と比べて生活費が多くかかりますが、単身赴任を始める時や日頃の工夫で生活費を節約できます。電力・ガスの自由化によって、光熱費を節約する方法も増えてきました。単身赴任先での月々の生活費を節約する方法を紹介します。

家賃を抑える

月々の家賃を抑えるには、単身赴任を始める際にできるだけ家賃の安い物件を選ぶことが大切です。ワンルームや1LDKの家賃は全国平均で50,512円、東京都だと平均68,527円です。立地や築年数などによって家賃は異なります。家賃が安くても、管理費・共益費が高い場合もあるので、契約前に毎月の支払額を確認することが大切です(※)。

単身赴任の場合は、料理や洗濯・掃除などの家事も自分ですることになります。家計の状況を考えながら、通勤に負担とならない物件を選ぶとよいでしょう。契約から1~2カ月分の家賃が無料になるフリーレント物件を選べば、赴任当初の出費も抑えられます。

※ 出典:全国家賃動向 2022年2月調査|全国賃貸管理ビジネス協会

自炊をする

生活費を節約するためには、できる限り自炊するのも効果的です。料理が苦手だという方でも、レシピアプリを活用すれば毎日の献立も楽に決められます。

例えば、夕食の残り物を翌日の弁当に詰めればランチ代を節約できます。週末におかずを作り置きしておけば食材を無駄なく活用でき、ガス料金・水道料金の節約にもつながるでしょう。少しでも食材を安く買えるよう、チラシアプリで特売情報をチェックしていれば献立を考えるヒントにもつながります。買い物に行く時間が取れない場合は、一人暮らし向けの食材配送サービスを利用すると便利です。

家具や家電のレンタルや家具家電つきの物件を検討する

家具・家電をレンタルで揃えれば、赴任当初の出費を抑えられます。搬入や設置もレンタル業者が行うので、引越しする際の手間を省けるだけでなく引越し代金の節約にも有効です。中古品のレンタルを選ぶと、さらに費用を安くあげることができます。故障した場合も無料で修理・交換してくれるので、生活への支障も最小限にとどめられます。

家具・家電が備え付けられている物件を選ぶのも、生活費を節約する一つの方法です。ただし、賃貸契約書に貸与・設備外と書かれている場合は故障した際に自己負担が発生します。入居間もない時期の故障で思わぬ出費が発生しないよう、契約内容だけでなく設置された家具・家電の状態についても確認するようにしましょう。

費用負担の補助制度を利用する

前述しましたが、単身赴任手当や住宅手当を支給して単身赴任中の生活費を補填する企業もみられます。新生活の準備資金として、支度金が支給される場合もあります。

ちなみに厚生労働省の調査では、令和元年11月の時点で住宅手当を支給している民間企業は47.2%、単身赴任手当を支給している民間企業は13.1%でした(※)。大企業になるほど、支給する企業の割合が高い傾向です。

単身赴任手当や住宅手当は、単身赴任している期間中の給与と一緒に支給されます。支度金も給与と一緒に支給されるのが一般的ですが、実費精算の場合には赴任後に領収書の提出が必要です。
単身赴任中にかかる費用の負担を少しでも抑えるために、補助制度についてもあらかじめ確認しておきましょう。

※ 出典:令和2年就労条件総合調査の概況|厚生労働省

通信費を見直す

単身赴任をきっかけに、現在支払っている通信費を見直すことも生活費を節約するためには大切な取り組みです。例えば、大手キャリアで契約しているスマホをオンライン専用プランや格安SIMに乗り換えれば月々の基本料金を抑えられます。音声通話が多い場合は、かけ放題プラン(定額通話)を選ぶとよいでしょう。

新居で使う光回線の料金も安上がりにしたいなら、スマホ代の割引プログラムを提供している回線事業者を選ぶのがおすすめです。家族全員でスマホを乗り換えることで、節約できる金額も増えるかもしれません。

移動にかかる交通費を抑える

交通機関の使い方を工夫することで、帰省する際や普段の移動でかかる交通費も抑えられます。例えば、新幹線や特急列車を利用する際にネット予約限定の割引運賃を利用すれば、窓口で切符を買うよりも安上がりです。

飛行機を利用する場合も、帰省する時期や空席状況に合わせて早期購入割引やクレジットカード会員限定の運賃を使い分けると節約効果を発揮できます。普段の買い物で貯めた共通ポイントをマイルに移行して、無料航空券に引き換えることも可能です。

また、交通系ICカードの中には鉄道・バスに乗るたびにポイントが付与されるものがあります。運賃そのものは割引になりませんが、貯めたポイントを次回以降の乗車に利用することで実質的な節約効果を発揮できます。

電力会社やガス会社の切り替えを検討してみる

電気やガスの節約を心がけるだけでなく、電力会社・ガス会社の切り替えを検討することも生活費を抑えるためには効果的です。今では電気・ガスの小売市場が完全に自由化されており、簡単な手続きで事業者を乗り換えられます。

電力会社では、オール電化に対応したプランや定額プランなど電力の使用量に合わせて選べるプランが提供されています。ガス会社でも、季節や床暖房・温水器などの設置機器に合わせて割引率が変わるなど、料金体系も多様化しているのが特徴です。

また、電気とガスをセットで契約することで、電気料金・ガス料金の両方が割引になる料金プランを提供している事業者もあります。複数のプランを検討して、自分のライフスタイルに合った電力会社やガス会社を選ぶようにしましょう。

なお、節電の詳しい方法はこちらの記事も参考にしてください。

参考:電気代を節約する方法は?契約の見直しや少しの工夫で大幅ダウン!?

電気やガスを見直して節約しよう!

単身赴任では自宅と赴任先の両方で生活費がかかります。家族全体の生活費を抑えるためには、赴任先の住まいを選ぶ際に家賃の安い物件を探したり積極的に自炊したりするなど、日頃から節約を意識することが大切です。

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