ステイホームや在宅勤務の推奨によって自宅にいる時間が多くなり、電気代の増加が気になっている方は多いのではないでしょうか。とはいえ、一般的なご家庭の電気代はどのくらいなのかは、なかなか分かりづらいのが現状です。
そこでこの記事では、一般家庭の平均的な電気代を知りたい方に向けて、世帯人数別の1カ月あたりの平均電気代や、家族一人あたりの平均電気代などをご紹介します。あわせて、電気代の節約方法も解説いたします。今後、電力会社や電気料金プランなどを選ぶ際の参考にしてください。
家庭でのエネルギー消費の現状は?
日本では、家庭で消費するエネルギーの量は、年々増加しています。1973年度を100として比較すると、2018年度の家庭でのエネルギー消費量は185.6で、約2倍となっています(※)。この背景には、人々がより生活で利便性や快適性を追求するようになった事や、単身や核家族など小規模の世帯が増加した事など、社会構造が大きく変化した事が大きく影響しています。
東日本大震災以降は、省エネ意識が高まって節電をする方が増え、エネルギー消費量は若干低下傾向にありますが、かつてのような状況に戻ることは難しいでしょう。家庭でのエネルギー消費の主なものは、冷蔵庫、照明、給湯、暖房、冷房などです。もし節電など省エネを進めたいと考えているならば、これらの電気の使い方を見直す必要があります。
電気代に影響を与えるものは?
各ご家庭の電気代の増減に大きく影響を与えているものは何なのでしょうか。主な5つの要因を、解説していきます。
世帯人数
一つの家に暮らす人数が増えれば、その分、照明や暖房、冷房などの電化製品を使用する時間や回数が増えます。また、世帯人数が増えると、必要となる冷蔵庫の容量や、エアコンの能力は大きくなるので、容量消費電力も増えがちです。結婚や同居など、世帯人数が増えることは電気代が増加する大きな要因の一つだと覚えておくと良いでしょう。
在宅時間
ゴールデンウィークや、お盆、年末年始など、家にいる時間が増える月に電気代が上がった覚えのある方は多いはずです。在宅時間が長くなれば、その分、照明や暖房、冷房などの使用時間が増えるため、電気代は増加します。家にいればテレビをつけたり、冷蔵庫を開け閉めしたり、パソコンを使ったり、スマートフォンを充電したりと、電気を使うシーンはどうしても増えます。
冷暖房を必要とする家の広さ
家が広ければ広いほど、電源を入れてから冷房や暖房がしっかりきくまでには、時間やパワーがかかりますし、適温を保つためにも多くの電力が必要です。また、食事や団らんの時間以外は家族がそれぞれ自室で過ごす事も多いでしょう。その場合、各部屋で冷暖房を使用していると、その分電気代がかさみます。
電化製品の数やその消費電力
自宅で使用する電化製品の数が多ければ、当然、電気代が増加します。最近は、ウォーターサーバーやスマートスピーカーなど、利便性を求めて新しい電化製品を取り入れるご家庭が増えています。その電化製品がそれぞれ電力を消費すれば、必然的に電気代が増えるので、電気代が上がったなと感じた場合は、何か新しい電化製品を使っていないか思い返してみてください。
家の密閉性
冷房や暖房を効果的に使うには、室温を外に逃がさないことが重要です。例えば、建て付けが悪かったりして密閉性が低いとすきま風が入ってきますし、そもそも建築年数の経った古い家だと壁材に断熱材が使われていないこともあります。そうすると、冬は家の中の温度が上がりづらく、設定温度に近づけるために多く電力を消費して、電気代がかかります。逆に密閉性の高い家であれば、冷気や暖気が外に逃げずに効率よく温度を調整できるため、密閉性の低い家よりも消費電力が少なく、電気代も抑えられます。
世帯人数別の平均の電気代は?
世帯人数ごとの平均電気代がわかれば、自分の場合と比較して節電が必要かどうかがわかるようになるでしょう。ここからは、「総務省統計局の家計調査 家計収支編」の2020年の調査結果を基に、世帯別の1カ月の平均電気代を紹介します。
その数値を基に、世帯別の1年間の平均電気代、さらには世帯別の家族1人あたりの1カ月の平均電気代も説明します。ぜひご自宅の電気代と比べて、参考にしてみてください。
世帯人数別の月間電気代
総務省統計局の家計調査(家計収支編)の「世帯人員別1世帯当たり1か月間の収入と支出」(※1)、「1世帯当たり1か月間の収入と支出(単身世帯)」(※2)によると、月間の電気代の支出は以下の通りです。
世帯数 | 1人 | 2人 | 3人 | 4人 | 5人 | 6人以上 |
---|---|---|---|---|---|---|
月間電気代 | 5,791円 | 9,515円 | 10,932円 | 11,788円 | 12,471円 | 16,003円 |
ご家庭の電気代と比べて、いかがでしょうか。
世帯人数別の年間電気代
続いて、上記でわかった1カ月の平均電気代に12をかけて、世帯人別に年間の平均電気代を算出(※)してみます。
世帯数 | 1人 | 2人 | 3人 | 4人 | 5人 | 6人以上 |
---|---|---|---|---|---|---|
年間電気代 | 69,492円 | 114,180円 | 131,184円 | 141,456円 | 149,652円 | 192,036円 |
ご家庭の電気代と比較して、いかがでしょうか。1年分で考えると、かなり大きな出費になることが分かります。
家族1人あたりの月間電気代
複数で暮らしている場合の家族1人あたりの月間の電気代はどのくらいなのでしょうか。先に紹介した、世帯別の1カ月あたりの電気代の支出を、世帯人数で割った数値(※)で見てみましょう。
世帯数 | 1人 | 2人 | 3人 | 4人 | 5人 |
---|---|---|---|---|---|
1人あたりの月間電気代 | 5,791円 | 4,757円 | 3,644円 | 2,947円 | 2,494円 |
1世帯あたりの人数が増えるほど、全体の電気代は上がりますが、家族1人あたりの平均電気代は下がることがわかります。
電気代を節約するには?
世帯別の平均電気代と比較して、ご自宅の電気代はいかがだったでしょうか。いずれにせよ、電気代は電化製品の節約術を試したり、電気料金プランや電力会社を変えたりすることで、現在よりも安くなる可能性があります。次にご紹介する方法を試して、省エネ生活を目指してみてください。
代表的な節約術を試す
まず、取り組みやすい電気代の節約術は、電力消費量が大きい電化製品の節電です。ご家庭で使う電力の約4割は、冷蔵庫、照明、テレビ、エアコンの4つが占めています。そのため、これらの電力消費を抑えることが電気代削減には効果的です。冷蔵庫、照明、テレビ、エアコンと、それぞれ一つずつ節電に役立つ方法を見ていきましょう。
冷蔵庫の場合
庫内の温度を控えめに設定すると、電力消費を抑えられます。設定を「中」や「弱」にするのがおすすめです。ただし、その場合、食品が傷まないよう注意しましょう。また、温かいものを入れると冷やすために大きな電力を消費するため、あらかじめ冷ましてから冷蔵庫に入れるようにしてください。物を詰め込み過ぎず、庫内の冷気の循環を良くするのも大切です。未開封の缶詰、びん詰や調味料など、常温で保存できるものは、冷蔵庫に入れないよう心がけましょう。
照明の場合
電球を省エネタイプのものに替えるのが最も手っ取り早い方法です。白熱電球から電球形蛍光ランプに取り替えると、年間で約2,270円(※)、また、白熱電球から電球形LEDランプに取り替えると、年間で約2,430円(※)の節約になります。また、使っていない場所の電気をこまめに消す事も、効果的。電球のタイプにもよりますが、1日1時間点灯時間を短くしただけで、年間で100円~500円程度の節約(※)につながります。
テレビの場合
テレビのスイッチをオフにしただけだと待機電力を消費してしまうので、主電源を消すようにしましょう。旅行など長期間不在にする際は、コンセントを抜くのもおすすめです。テレビゲームをする方は、ゲーム機だけでなくテレビの電源もオフにすることを忘れないようにしましょう。
また、テレビ画面がホコリなどで汚れていると、見えにくくなり、つい画面を明るく調整してしまいがちです。明るさを上げると消費電力が増え、電気代も上がるので、こまめに掃除をするようにしましょう。一定時間操作をしないと自動的に電源をオフにする機能が付いていれば、ぜひ活用して、つけっぱなしを予防するのも一つの手です。
エアコンの場合
冷房を使用する場合は、レースのカーテンやすだれなどを使って、なるべく日差しをカットし、部屋が冷えるための効率を上げましょう。扇風機を併用したり、サーキュレーターで空気を循環させたりするのもおすすめです。暖房を使用する場合は、厚手でなおかつ床まで届く長いカーテンで外からの冷気を入りにくくしたり、窓に断熱シートを貼りましょう。いずれの場合もドアや窓の開閉はなるべく少なくするように心がけるとなお良いです。室外機の吹出口へも、気を配って、物を置かないようにすることで、冷暖房の効果が下がるのを防ぐので気をつけてみてください。
電気料金プランや電力会社を変える
電化製品の使い方を工夫するほかに、電気料金のプランや電力会社を変えることで、電気代を抑えることができます。2016年の電力小売全面自由化以降に、「新電力」と呼ばれる会社が次々に電力業界に参入しました。それぞれの会社で独自の電気プランや割引キャンペーンなどを実施しているので、生活スタイルやご自宅の環境に合った電力会社やプランを見つけて切り替えれば、電気代の節約につながります。
オール電化を検討する
思い切ってオール電化にして、ガス代を0円にするのも節約の手段の一つです。オール電化にすると、これまでガスを使用していた給湯などをすべてを電気でまかなうため、電気代は高くなります。しかし、ガスを使わなくなるので、その分ガス代が浮き、電気代とガス代の合計よリも、オール電化の電気代の方が安くなることもあります。電気代だけで考えず、「家全体の省エネ」で考えると、光熱費を節約することにつながります。
電力会社によっては、オール電化向けのお得な電気料金プランが用意されていることも。電気料金が安くなる夜間に電気を多く利用したり、エコキュートなどの深夜電力を用いた給湯設備を利用したりすることでも、家全体の光熱費を安くできます。
自家発電に切り替える
自宅で電気を作り出すシステムを導入し「自家発電」にするのも、長い目で見ると大きく省エネにつながります。自家発電の代表的なものは太陽光発電です。太陽の光によって蓄電をし、それをご家庭の電力として使用します。太陽光発電は、設備を用意するのに初期費用がかかりますが、うまく利用すれば、かけた初期費用以上に電気代を節約することができます。
例えば、日中に不在の時間が長い生活スタイルであれば、昼に発電した電力の多くを電力会社に売ることも可能です。一方、日中に多くの電力を消費する場合は、太陽光で発電した電気を、電気料金を気にすることなく使用することもできます。
住宅を省エネにする
冷暖房の効率が良くなるような設計・素材を用いた、いわゆる「省エネ住宅」にするのも、長い目で見ると大きな省エネにつながります。ご家庭で消費されるエネルギーの約3割が冷暖房の使用によるものです。省エネ住宅はこの冷暖房のエネルギー消費を抑えることを重視して建てられています。
冬ならば、室内の温かい空気を外へ逃がさない、夏ならば、外からの熱を室内に侵入させないことで、少ない電力消費エネルギーで快適に過ごすことができます。そのため、冬に熱を逃がさない「断熱」と、夏に熱を侵入させない「日射遮へい」が省エネ住宅の大きなポイントになります。また、住宅のすき間を減らす「気密対策」も重要です。これから家を建てたり、リフォームを検討したりしている方は、省エネの観点も取り入れてみてください。
まとめ
便利な電化製品で暮らしが快適になるにつれ、増えていく電気代。しかし、電化製品の使い方を工夫したり、買い替えをしたりすることで、電気代を節約できることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
電化製品の電気料金が気になる方は、家電の買い替えや使い方を工夫するだけでなく、電力会社の変更や電気料金プランの見直しも検討してみませんか。
Looopでんきでは、基本料金・燃料費調整額・解約手数料0円の「スマートタイムONE」を提供しています。
このプランは基本料金が0円のため、ご自宅で使用する電気の量が多い方や、現在のプランで基本料金が高い方に最適です。
また、解約手数料が0円で契約期間の縛りもないため、お試しで数か月間、Looopでんきをご利用いただき、現在の電力会社と比較することも可能です。
Looopでんきをご利用いただいているお客さまの声を紹介します。
(30代 / 女性 / 3人暮らし)
基本料金がかからないので、大きいアンペアで契約していてもお得感がある。
でんき予報などアプリが充実していて、自分の使い方で料金を安くすることも出来る。
(40代 / 男性 / 1人暮らし)
明らかに他社より安くなるし、色々なイベントもあり楽しい。基本料金が無いのも魅力です。
まずは、電気料金プランを見直して、今の生活のままで電気代が安くなるのか試してみてはいかがでしょうか。