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単相3線式とは?電気が届く仕組みを解説! 単相3線式とは?電気が届く仕組みを解説!

コンセントを差し、スイッチを入れれば誰でも簡単に電気が使えます。しかし電気がどのような仕組みでご家庭に届いているのかについて考えたことはありますか。

変電所からご家庭に電気が届くまでを配電といいます。ここでは配電の仕組みをはじめ、配電方式の種類や違いについて解説し、広く普及している配電方式のひとつである「単相3線式」についてご紹介します。

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電気が届くまでの仕組み

電気が届くまでの仕組み 電気が届くまでの仕組み

電気は発電所で作られますが、発電した直後は家庭でそのまま使うことができないほどの超高圧です。超高圧の電気をどのように運び、どのような流れで各ご家庭や消費者へ電気が届けられるのかについて解説します。

電気はどのようにして運ばれるのか

電気がご家庭に届くまでは、大まかに分けると以下の4つの流れを経ています。

①発電所
発電所とは電気を作る工場です。主に火力発電、水力発電、原子力発電など異なる発電方法があります。最近では自然エネルギーを利用した、太陽光発電、風力発電、バイオマス発電なども注目されています。

②送電線
発電所で作られた電気は送電線を通って変電所に送られています。電気の安定供給のために電力のバランス調整や停電になるのを防ぐ役割もあります。

③変電所
発電所で作られる電気は超高圧なので、ご家庭で使えるように電圧を下げなければなりません。変電所は発電所で作られた電気の電圧を変える場所です。

④配電
変電所で電圧を下げられた電気を各建物に運ぶまでの工程を配電といいます。電柱や地中に埋められたケーブルを使って各建物まで電気が運ばれます。

このように発電所、送電線、変電所、配電という流れで各ご家庭や消費者へ電気が届けられる仕組みになっています。電気が作られてからご家庭に届くまでは多くの場所や人の力が影響しています。

発電所~変電所まで

電気が運ばれる仕組みについてご紹介しましたが、ここでは発電所で電気ができてから変電所に届くまでの流れについて詳しくご紹介します。

①発電所
日本では主に、火力・水力・原子力発電によって電気が作られます。各発電所で作られた電気は約50万V~27万5000Vの高電圧です(※1)。超高圧の電気は送電線を通って変電所まで運ばれます。

②送電線
電気は送電する間に熱や振動として失われることがあります。これを送電ロスまたは送電力ロスといいますが、送電ロスを防ぐには電圧が高くなければなりません。なぜなら電圧が小さいほど電力損失が大きくなるからです。発電所や変電所をつなぐ送電線は効率良く電気を運ぶためにも高電圧に耐えられる仕組みになっています。

③変電所
変電所では、発電所から送電線を通って送られてきた電気の電圧を利用場所に合わせて使いやすい電圧に変えています。発電所から超高圧変電所、一次変電所、二次変電所、配電用変電所を経て家庭用の電気になるのです。大きな工場や鉄道用の電気などは一次変電所から、大きなビルや中工場などは配電用変電所から電気を供給します。

※1 出典:電気の通り道|関西電気保安協会

配電

変電所からご家庭に電気が届くまでを配電といいます。発電所で作られた高電圧の電気は変電所で6600Vまで電圧を下げますが、ご家庭で使うにはまだまだ高電圧です。

ご家庭で使うのに適した電圧にするために電柱の上にある柱上変圧器で、低圧(100Vまたは200V)に降圧してからご家庭に届けます。電柱から建物の引込線を通ってご家庭の電力量計につながり、そこから分電盤や制御盤に電気が届いてさまざまな電気機器で電気が使えるようになるのです。

電柱を使って配電する方法を架空配電といいます。工事費用が安いので多くの場所で使われますが、地震や台風などの自然災害に弱く、景観や歩行の妨げになるというデメリットもあります。そこで注目されているのが地中配電です。

地中配電は地中に埋設したケーブルを使って、配電する仕組みです。自然災害に強く、景観を損なうことなく道を広く使うことができるなどのメリットがありますが、地中に埋設するため工事費用や工期が高くなるというデメリットもあります。

電気は「架空配電」や「地中配電」などの方法でご家庭に届けられます。

屋内配線

屋内の電気を運ぶ電線を屋内配線といいます。各ご家庭の屋外についている引込線から電気を取り込み、屋内に設置された電気の使用量を計測する「電力量計」、電気を分ける「分電盤」を通って各電気機器へ電気を運びます。屋内配線の工事をするには、電気工事士の国家資格が必要です。

3つの配電方式

3つの配電方式 3つの配電方式

変電所からご家庭に電気が届くまでを配電といいますが、配電方式は3種類あります。ここでは電線の仕組みや配電方式に注目し、配電方式の特徴や使われる目的・場所についてご紹介します。

配電には必ず2本の電線が必要

3つの配電方式を説明する前に、配電の仕組みについてご紹介します。電気は行きの道、帰りの道と2つの道がないと流れません。つまり、電気を流すには最低でも2本以上の線が必要になるわけです。ちなみに2本の線を使って配電することを単相交流といいます。

2本の線を使った単相交流を単相2線式、線を3本用意した上でいずれかの2本を使った単相交流を単相3線式といいます。また単相交流を等間隔に3つ重ねたものは三相交流です。

次に3つの配電方式である単相2線式、単相3線式、三相3線式について、もっと詳しくみてみましょう。

単相2線式

単相2線式とは2本の線を使った単相交流のことで、黒色の電圧線と白色の中性線の2線で構成されています。単相2線式は100Vを使うための配電方式なので、100Vの電気しか使えません。一般住宅の照明やコンセントに使われることが多く、古い住宅に多い配電方式です。

単純な構造なので、工事や保守がしやすいというメリットがあります。しかし、単相3線式に比べて電線が太いので電力を無駄に消費してしまうというデメリットがあります。同じ電化製品を使うなら単相2線式より電線が細い単相3線式の方が経済的です。

また使える電圧が100Vまでなので、200Vのエアコンなどが使えません。現在ほとんどのご家庭では単相3線式ですが、古い住宅などを契約するときは単相2線式のことがあるので注意が必要です。

単相3線式

単相3線式とは、3本の線を使った単相交流のことで、2本の電圧線の間に中性線があり、電圧線と中性線の組み合わせで100Vと200Vを配電することができる方式です。一般住宅や公共施設など幅広い場所で使われています。

単相3線式は100Vの電気しか使えない単相2線式に比べ、100Vと200V両方の電気が使える大変便利な方式です。最新の住宅では、ほぼ単相3線式で配電されています。単相3線式は同じ電力に対して単相2線式より細い電線が使えるので、無駄な電力を消費することが少なく経済的です。

三相3線式

三相3線式とは、3本の電線を使った配電方式で、200Vを利用することができる配電方式です。三相3線式は200Vを使うための配電方式なので、200Vの電気のみしか使えません。
工場や公共施設などの、比較的規模の大きな場所で使われていることが多く、主にモーターを動かすための目的で使われており、大型の機械を動かす目的で使われることが多い方式です。

配電方式
単相2線式 単相3線式 三相3線式
電圧 100V 100Vと200V 200V
電線数 2本 3本 3本
使用場所 ご家庭 ご家庭・公共施設 工場・公共施設

単相3線式の詳細

3つの配電方式についてご紹介しました。ご家庭用の電気の供給方法として最も広く普及している配電方式は「単相3線式」ですが、広く普及している理由や仕組みについてもっと詳しくチェックしてみましょう。

単相3線式の仕組み

3つの配電方式をご紹介したときに単相3線式について説明しましたが、ここではもっと詳しい仕組みについてご紹介します。

単相3線式は2本の電圧線と1本の中性線で構成されています。電圧線には100Vの電流が流れていますが、中性線には電圧が流れていません。ちなみに2本の電圧線は赤色と黒色で、中性線は白色と色分けすることで識別できるようになっています。

2本の電圧線の間に中性線があり、赤色または黒色どちらかの電圧線と白色の中間線を結ぶと100Vに、中間線以外の赤色と黒色の2本の電圧線を結ぶと200Vが取れるという仕組みです。3本の線を組み合わせることで100Vまたは200V、かつ60Aまでが利用可能になります。日本では1980年代以降のご家庭や40A以上の契約の場所では単相3線式が使われています(※)。

※出典:暮らしの中の電気知識|関東電気保安協会

単相3線式が広く普及している理由

昔は100Vの配電でも十分でしたが、最近では200Vの電源が必要なハイパワーな電化製品が増えています。給湯器やエコキュートなどの給湯機器をはじめ、IHクッキングヒーター、食器洗い乾燥機、電子レンジなどのキッチンで使用する電化製品は昔に比べ、ハイパワーなものが増えました。

そのほかにも洗濯乾燥機、エアコン、浴室用衣類乾燥機などは200Vを必要とします。最近需要が高まる電気自動車の充電にも200Vが必要です。どの電化製品も昔に比べて各ご家庭で普及しているため、配電方式も100Vと200V両方の電気が使える単相3線式が普及しています。

電気の使い方を見直そう

普段私たちが使用している電気が届く仕組みや配電方法についてご紹介しました。電気が届く仕組みを知るとともに普段の電気の使い方や料金プランについても見直してみましょう。

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