記事をシェアする

水素発電は、石炭や天然ガスの代わりに水素を用いて電気を生み出す発電方法です。脱炭素社会の実現を期待できるため、近年注目を集めています。水素発電の種類やメリット、水素社会実現に向けた日本の取り組みについて解説します。

再エネ由来の電気をフル活用
料金プランはこちら

水素発電の種類と仕組み

水素を燃料として発電する水素発電には、ガスタービン発電・汽力発電・燃料電池発電の3種類の方法があります。まずは、それぞれの仕組みを見ていきましょう。

ガスタービン発電

ガスタービン発電は、ガスタービンで水素または水素とほかの燃料を燃焼させ、発生したエネルギーで発電機を駆動させて電気を生み出す方法です。

火力発電でも使われており、天然ガスや灯油などの燃料を燃やしたときに出る燃焼ガスで発電機を駆動させて電気を作るというのが水素発電との違いです。

ガスタービン発電は汽力発電と組み合わせ、コンバインド発電として利用されることが多い発電方法となります。ガスタービンから出る排気をボイラーで熱利用することで、汽力発電に比べより高い熱効率を発揮することが特徴です。

一定の技術的ハードルをクリアすれば、火力発電に用いられるガスタービン同様に規模の拡大も可能です。安価な水素を大量に供給することで、大規模かつ安定的な電源となり得ます。

汽力発電

現在の火力発電の主流となっている発電方法が汽力発電です。水素または水素とほかの燃料をボイラーで燃焼させ、発生した蒸気によるタービンの回転力で発電機を駆動させて発電します。

火力発電でも使われており、天然ガスや石炭、石油などの燃料を燃やしたときに出る高温・高圧の蒸気で発電機を駆動させて電気を作るというのが水素発電との違いです。

ガスタービン発電と汽力発電の違いは、発電機を駆動させるエネルギーの種類です。ガスタービンでは燃焼ガスで回転力を得ますが、汽力発電では蒸気でタービンを回します。

水素による汽力発電も、従来の火力発電で用いられる汽力発電と同程度の発電効率を発揮できます。火力発電と同様に規模の拡大も可能です。

燃料電池発電

燃料電池発電とは、水素と酸素を化学反応させて電力を取り出す方法です。化学反応で発電を行うため、ガスタービン発電や汽力発電に比べ、より高効率で発電できます。熱利用によりさらに効率を高めることが可能です。

ただし、燃料電池発電の規模を拡大しようとすると、現状ではコストがかかります。大規模な発電には適さないとされており、家庭用燃料電池や燃料電池自動車(FCV)で活用されているのが実情です。

火力発電に代わる発電方法として、一般的にはガスタービン発電と汽力発電を比較することが多いことを覚えておきましょう。

水素発電のメリット

水素発電はさまざまな面で注目を集めている発電方法です。水素発電がメインの発電方法になった場合に得られる主なメリットをご紹介します。

環境負荷の軽減に役立つ

水素発電の燃料を水素のみで行った場合、発電時にCO₂が発生しません。そのため、水素発電は脱炭素社会実現に向けた発電方法の1つとして期待されています。

地球規模の課題となっている地球温暖化は、CO₂の大量発生により引き起こされている現象です。日本の電源構成の大部分を占める石炭・石油・天然ガスなどの化石燃料は、燃焼時に大量のCO₂を発生しています。

化石燃料に代わる燃料として水素が台頭すれば、環境負荷の大きな軽減に役立つでしょう。水素の製造方法によっては、製造から利用まで一貫してCO₂を出さないことも可能です。

エネルギー調達先の多角化につながる

日本はほとんどの一次エネルギーを海外からの輸入に頼っています。輸入するエネルギーの価格や量が国際情勢に影響されやすく、エネルギーセキュリティが高い状態とはいえません。

しかし、日本で水素発電が普及すれば、エネルギーを安定的に確保できるようになります。水素にはさまざまな資源から製造できるという特徴があり、エネルギー調達先の多角化につながるためです。

水素は水の電気分解から製造できるほか、化石燃料・廃プラスチック・バイオガスなどからも取り出せます。国内資源を活用して水素を製造すれば、エネルギー自給率の向上も図れるでしょう。

日本の産業競争力が向上する

日本は水素発電の技術が発達しており、燃料電池の分野では世界トップの特許出願数を誇っています。水素発電の領域において、日本は世界の中でも先頭を走っている国なのです。

今後水素発電が国内で普及していけば、日本の産業競争力の向上が期待できます。国内で培った高い技術力や知的財産・ノウハウを輸出することで、国際社会への貢献にもなります。

日本政府は2050年までにカーボンニュートラル社会の実現を目指しているため、水素発電に尽力すれば脱炭素社会実現に向けた取り組みの1つとしても、国際的に評価されるでしょう。

水素発電の課題

水素発電の普及の足かせとなっているのが、コスト面や技術面の課題です。具体的にどのようなことが課題になっているのかを解説します。

コスト面の課題

水素発電で現在と同じレベルの発電を実現しようとした場合、多大なコストがかかります。水素発電の普及を進めるためには、コストの削減が不可欠です。

水素の低コスト化には供給と利用の両面での取り組みが求められます。水素社会を実現するために必要とされる条件は以下の通りです。

<供給側に求められる取り組み>

  • 安価な原料による水素の大量製造
  • 国際的なサプライチェーンの構築による大量輸入
  • 地域における再生可能エネルギーの活用

<利用側に求められる取り組み>

  • FCV・FCバス・水素ステーションの普及促進
  • 水素発電の商用化や大量消費

これらの条件を満たすためには、国を挙げてそれぞれの課題に取り組むことが重要です。

技術面の課題

水素発電には技術面の課題もあります。水素には既存の燃料とは違うさまざまな特徴があるため、それらに対応する技術的な開発が必要です。

例えば、水素は既存の燃料に比べ燃焼速度が速く、燃焼器の火炎が逆流する現象が起こりやすくなります。火炎の逆流による燃焼器の損傷を防ぐ必要があるのです。

既存の燃料より発熱量が低いことも水素の特徴です。既存の燃料と同程度の発熱量を確保するためには、より多くの水素を必要とするため、燃料供給の仕組みに工夫が必要です。

水素社会実現に向けた取り組み

日本は水素の分野で世界をリードしている国です。水素社会の実現に向け、日本がどのような取り組みを行っているのかを知っておきましょう。

「水素基本戦略」の策定

2017年に日本は世界で初めてとなる「水素基本戦略」を策定し、世界の水素社会構築へのけん引役となってきました。日本の水素基本戦略の策定を皮切りに、2022年まで26の国や地域が水素戦略を掲げています。

日本の水素基本戦略では、「S+3E」を実現するエネルギーとして水素を位置付けています。S+3Eとは、安全性を前提とした上で、環境に配慮したエネルギーを安定的かつ安価に提供するという考え方です。

2023年6月には水素基本戦略を改定し、重要な柱として水素産業戦略が追加されました。日本の技術や製品を国内外に普及させ、産業競争力の強化につなげようとする戦略です。

※出典:水素基本戦略

水素発電の実証

水素発電の実証実験は、かつて行われていた小規模なものから、近年は大規模な実証実験に移行しています。日本において大規模な実証実験が行われている主な場所は、「高砂水素パーク」と「富士吉田水素発電所」です。

三菱重工業が9月に稼働させた「高砂水素パーク」は、水素製造から水素発電まで一貫して検証可能な世界初の設備です。早期商用化を実現すべく、大型水素ガスタービン発電施設を運転させています。

2022年に運転を開始した「富士吉田水素発電所」(イーレックス)は、国内初の水素専焼の発電所です。製造過程においてもCO₂を発生しない、クリーンな水素を用いています。

水素エネルギーの取り組みについてもっと詳しく知りたい方はこちら

水素発電への理解を深めよう

水素発電が普及すれば、環境負荷の軽減に貢献します。エネルギーセキュリティの向上を図れることや、産業競争力が高まることも、日本で水素発電が広がるメリットです。

一方で、水素発電には多大なコストがかかるという課題があります。水素発電を普及させるためには、水素特有の特徴から発生する技術面の課題も克服しなければなりません。

日本は水素分野で世界をリードする国であり、国内でもさまざまな取り組みが行われています。水素発電について理解を深めたら、再生可能エネルギー発電にも関心を持ってみましょう。

Looopでんきは、再生可能エネルギー実質100%やCO₂排出量実質ゼロの電気をオプションとして提供しており、再生可能エネルギーの更なる普及を通じた「エネルギーフリー社会の実現」をビジョンとしています。

Looopでんきの新たな試みの1つが市場価格に合わせて30分ごとに電気料金が変わる「スマートタイムONE」の提供です。

市場価格は電力の需要と供給のバランスを体現しており、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギー由来の電気が多く発電される時間帯においては、市場価格が安くなる傾向にあります。

市場価格の確認を習慣化すれば、環境への意識も自ずと高まるでしょう。太陽光パネルや蓄電池と併用することで、電気料金を抑えながら地球にやさしい生活を目指せます。

環境への意識や太陽光パネルとの組み合わせを重視して、Looopでんきをご利用いただいているお客様の声を紹介します。

(50代 / 女性 / 4人暮らし)
環境を重んじたキャンペーンなど、独自の取り組みがあり、社会課題についてささやかながらも参加できるから。

(30代 / 女性 / 4人暮らし)
基本料金がないことと、太陽光などと組み合わせてうまく使えばかなり電気代を抑えることができる為。

再生可能エネルギーに興味がある方は、Looopでんきが提供する「スマートタイムONE」の仕組みや料金をぜひご覧ください。