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燃料資源の有効利用を目的として定められた法律「省エネ法」が、2023年に改正されました。改正省エネ法の内容を押さえておけば、エネルギーについてより深く理解できるでしょう。省エネ法の基本や改正のポイントについて解説します。

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省エネ法とは

省エネ法は日本において省エネ対策の基盤となる法律です。どのような内容を定めたものなのか、まずは省エネ法の基礎を理解しましょう。

エネルギーの効率化を求める法律

省エネ法は燃料資源の有効利用を図るための法律です。正式名称は「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」といいます。

省エネ法が制定されたきっかけは、1970年代に発生したオイルショックです。エネルギー危機が発生しても経済が止まらないよう、法人におけるエネルギーの無駄遣いを防ぐ目的で定められました。

省エネ法の制定当初は経済活動の継続を主な目的としていましたが、現在は地球温暖化対策にも焦点が当てられています。2023年の改正は9回目の改正となります。

※出典:エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律 | e-Gov法令検索

省エネ法の規制分野

省エネ法の規制は「直接規制」と「間接規制」に分けられています。直接規制の対象分野は「工場・事業場」と「運輸」、間接規制の対象分野は「機械器具などの製造・輸入を行う事業者」と「電化製品・エネルギーの小売事業者」です。

直接規制においては、目安となるべき判断基準を達成するための努力義務が定められています。また、一定の条件を満たす事業者は、中長期計画の提出義務やエネルギー使用状況の定期報告義務などが課せられています。

間接規制における製造・輸入事業者に求められるのは、エネルギー消費効率の目標を定めて達成を目指すことです。電化製品・エネルギーの小売事業者には、消費者への情報提供が求められます。

2023年度省エネ法改正のポイント

2023年4月から改正省エネ法の適用が始まっています。改正のポイントは以下に挙げる3点です。

1.すべてのエネルギーの合理化

改正前の省エネ法におけるエネルギーの定義は、石油・石炭・天然ガスといった化石エネルギーに限られていました。一方の改正省エネ法では、エネルギーの範囲が非化石エネルギー(再生可能エネルギー)にまで広がっています。

省エネ法が改正されたことで、すべてのエネルギーの合理化が求められるようになったのです。改正省エネ法においては、非化石エネルギーも報告の対象となります。

非化石エネルギーに該当する代表的なものは以下の通りです。

  • 黒液
  • 木材
  • 廃タイヤ
  • 廃プラスチック
  • 水素
  • アンモニア
  • 太陽熱、太陽光発電電気など

2.非化石エネルギーへの転換

カーボンニュートラルを実現するためには、再生可能エネルギーを増やしていく必要があります。しかし、改正前の省エネ法では、非化石エネルギーの導入について明確なルールがありませんでした。

非化石エネルギーの使用比率増加を目指し、改正省エネ法では対象となる事業者に非化石エネルギー導入のルールが適用されます。

対象となる事業者は、非化石エネルギーへの転換の目標を設定し、中長期計画書や定期報告書を提出しなければなりません。転換目標の設定は国が定める目安の有無により異なります。

3.電気需要の最適化

改正省エネ法のポイントとしては、電気の需給状況の最適化も挙げられます。電力使用量を常時一定にするのではなく、供給に合わせて需要を変化させることが求められるのです。

改正省エネ法においては、月別または時間帯別の電力使用量を報告しなければなりません。DR(デマンドレスポンス、電気の需要の最適化)を実施した日数の報告も必要です。DRの取り組みは以下の2つに分けられます。

  • 上げDR:再生可能エネルギーが余っていれば電力需要を増やす
  • 下げDR:電力需給がひっ迫していれば電力需要を抑える

法改正により企業が考えておくべきこと

省エネ法の改正により、企業が対応すべきことが増えています。今後はどのような対策を講じればよいのか、企業が考えておくべきことについて解説します。

太陽光発電システムの導入

改正省エネ法では非化石エネルギーの導入量を増やすことが求められます。この目標を達成するために検討すべきことが、太陽光発電システムの導入です。

太陽光発電システムを活用すれば、非化石エネルギーの導入量増加につながるだけでなく、自社で発電した電気を使えるためコストカットも期待できます。

一定の条件を満たせば、補助金や税制優遇など自治体の制度を利用できる可能性があることもメリットです。

デマンドコントロール

デマンドコントロールシステムとは、電力使用量を監視するシステムです。最大電力量を効果的に制御し、非化石エネルギーの電力効率を高めることで、電力使用の最適化を図ることができます。

非化石エネルギーを導入したばかりの時期は、電力消費との適切なバランスを保ち続けるのが困難です。デマンドコントロールを実施すれば、電力使用の最適化を実現しやすくなります。

デマンドコントロールシステムの活用により最大需要電力の抑制につながれば、契約電力を下げることができるため、電気料金の基本料金も下がりやすくなるでしょう。

省エネ法を知りエネルギーについて考えよう

省エネ法とはエネルギーの効率化を求める法律です。2023年度省エネ法改正により、すべてのエネルギーが合理化され、非化石エネルギーへの転換が求められています。

改正省エネ法に対応するためには、非化石エネルギーの割合を増やしていかなければなりません。省エネ法の概要や改正のポイントを理解し、自社に合った適切な対応を取りましょう。

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