記事をシェアする

CO₂排出量削減に向けたさまざまな考え方の1つに、カーボン・オフセットというものがあります。CO₂排出量をゼロにするのは現実的に難しいため、個人でも何ができるかを考えることが重要です。私たちにもできるカーボン・オフセットの取り組みを紹介します。

再エネ由来の電気をフル活用
料金プランはこちら

カーボン・オフセットの意味

カーボン・オフセットを直訳すると、「炭素(carbon)」を「埋め合わせる(offset)」という意味になります。具体的にどのような考え方なのかを押さえておきましょう。

削減しきれないCO₂を埋め合わせる考え方

カーボン・オフセットとは、努力しても削減しきれないCO₂を、ほかの方法で埋め合わせる考え方です。欧米で活発に取り組まれており、日本でも民間での取り組みが広がっています。<

カーボン・オフセットを実施する場合は、最初にCO₂排出量を知り、削減に向けて努力することが重要です。それでも削減できない分のCO₂に対しては、CO₂削減・吸収の取り組みに資金を提供することで、埋め合わせを行います。

カーボン・オフセットでは「クレジット」という制度を活用しています。取り組みに資金を提供すると、クレジットを購入することになり、ほかの場所での削減に貢献できるのです。

※出典:環境省「カーボン・オフセットガイドライン」Ver.1.1 P4

カーボン・オフセットを行う理由

CO₂は地球温暖化への影響が最も大きいガスです。温室効果ガスの約76%をCO₂が占めています。このうち約65%が化石燃料起源のCO₂となっているため、石油や石炭の燃焼により排出されるCO₂が、温暖化の最大の原因といえるのです。

産業革命前の1750年と2013年を比較すると、CO₂の濃度は40%以上増加しています。また、2100年までには、世界の平均気温が3.3~5.7℃上昇すると予測されています。

地球温暖化が進むと、海面上昇・生態系崩壊・異常気象・食糧危機など、さまざまな問題を引き起こします。CO₂排出量を削減して地球温暖化を抑えるために、カーボン・オフセットを行う必要があるのです。

※出典:温暖化とは?地球温暖化の原因と予測 | JCCCA 全国地球温暖化防止活動推進センター

温室効果ガスの影響と問題点についてもっと詳しく知りたい方はこちら

カーボン・オフセットの種類

カーボン・オフセットによるCO₂排出量の埋め合わせ方法は、大きく分けて5種類あります。それぞれの内容を以下にまとめました。

オフセット製品・サービス 製品やサービスのライフサイクルにかかる排出量を、製造者やサービス提供者がオフセットする
クレジット付製品・サービス 製品やサービスにクレジットを付けて販売し、消費者や利用者が日常生活にかかる排出量をオフセットする
イベント開催 コンサート・スポーツ大会・国際会議の主催者が、当該イベントにかかる排出量をオフセットする
自己活動 企業や団体の事業活動にかかる排出量を、企業や団体がオフセットする
寄付 企業やイベント主催者が、CO₂削減への貢献や資金援助のための寄付を消費者から募り、クレジットを購入する

【CO₂削減編】個人でできる取り組み

個人でもCO₂削減に取り組めば、カーボン・オフセットの本質的な目的の達成に貢献することが可能です。私たちにできる取り組みの例を紹介します。

できるだけ自家用車を使わない

自家用車・航空機・バス・鉄道の中で、1人あたりのCO₂排出量が最も多いのは自家用車です。鉄道と比べてバスのCO₂排出量は約2.7倍、航空機は約6倍、自家用車は約9倍となっています。

移動の際にできるだけ自家用車を使わないようにすれば、CO₂排出量の削減に貢献することが可能です。バスや電車などの公共交通機関を利用するとよいでしょう。自転車や徒歩で移動すれば、移動手段から排出されるCO₂はゼロになります。

自家用車をガソリン車から電気自動車(EV)に変えることでも、CO₂排出量を減らせます。 電気自動車(EV)とは、ガソリンエンジンなどの内燃機関を持たず、電気を動力源としたモーターで走る自動車です。

※出典:国土交通省 | 3 公共交通機関の利用促進による二酸化炭素排出削減に向けた課題

エコバッグを積極的に利用する

スーパーやコンビニでの買い物でエコバッグを積極的に利用すれば、CO₂削減に貢献できます。製造過程でCO₂を排出するレジ袋の利用枚数を減らせるためです。

ただし、エコバッグも製造過程でCO₂を排出しています。利用するエコバッグを頻繁に変えていては、CO₂削減の効果が半減してしまうのです。

CO₂削減を意識してエコバッグを利用する場合は、同じエコバッグをできるだけ長く使うことが重要です。綿製のエコバッグなら50回以上、厚手のプラスチック製なら10回以上を目安に使いましょう。

お風呂やトイレの使い方を見直す

省エネを意識してお風呂を使うことで、ご家庭でのCO₂排出量を減らせます。以下に挙げる省エネ術を、できることから取り組んでみましょう。

  • シャワーの利用時間を減らす
  • お湯を出しっぱなしにしない
  • お風呂の残り湯を洗濯で使う
  • 家族がいる場合は間隔を空けずに入浴する

また、トイレに温水洗浄便座を取り付けているなら、使わないときにはふたを閉めるようにしましょう。また、設定温度を下げることも効果的です。ふたを開けっ放しにしたり、設定温度が高いと、温かさを保つために余計な電力が必要です。

節電を意識する

現在の日本では火力発電の電気がメインに使われています。火力発電では化石燃料の燃焼でCO₂を排出しているため、節電を意識すればCO₂の削減に貢献することが可能です。主な電化製品の節電方法を紹介します。

<エアコン>

  • 夏の冷房時の室温は28℃、冬は20℃を目安にする
  • 冷暖房器具は必要なときだけつける
  • フィルターを月1~2回掃除する
  • サーキュレーターを使って空気を循環させる
  • 扇風機を併用する
  • 短時間の外出はつけっぱなしにする

<テレビ>

  • 見ていない間は消す
  • 長期間留守にするときはプラグを抜く
  • 音量を不必要に大きくしない
  • 省エネモードを活用する

<冷蔵庫>

  • 無駄な開閉をしない
  • 開けている時間を短くする
  • 熱いものは冷ましてから入れる
  • 庫内の温度を適切に設定する

<照明器具>

  • こまめに掃除する
  • 使っていない照明はこまめに消す
  • LED照明器具を使う

省エネ性能が高い電化製品を使う

古い電化製品は買い替えを検討しましょう。最新の電化製品ほど省エネ性能が高くなっています。買い替えの時期は購入してから10年が目安です。

2014年にスタートした資源エネルギー庁のトップランナー制度により、各メーカーは省エネ効率が高い製品を開発するようになりました。

トップランナー基準を達成した製品にはグリーンの省エネ性マークが付いています。未達成の製品に付いているのはオレンジ色のマークです。電化製品の買い替え時には、省エネ性マークも確認しましょう。

※出典:資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ 2022年度版」P6

【クレジット購入編】個人でできる取り組み

カーボン・オフセットで用いられるクレジットは、個人でも購入することが可能です。具体的な方法を見ていきましょう。

カーボン・オフセット商品の購入

商品やサービスによっては、クレジットが付いているケースがあります。クレジット付きの商品やサービスを購入すれば、消費者も温暖化対策に貢献することが可能です。

例えば、安全衛生保護具を販売するミドリ安全株式会社では、さまざまなカーボン・オフセット商品を販売しています。商品1点につき、約3kgのCO₂を相殺できる仕組みです。

商品やサービスだけでなく、イベントのチケットにクレジットが付いていることもあります。今後、商品・サービス・チケットを購入する際は、クレジット付きかどうか確認するとよいでしょう。

※出典:地球温暖化を防ぐための、カーボンオフセット。 | ミドリ安全株式会社

カーボン・オフセット事業への投資

植林や再エネ開発などのカーボン・オフセット事業に対し、クレジットの購入を通した投資を行うことでも、カーボン・オフセットへの貢献が可能です。

投資先を探す際は、事業の透明性・信頼性をきちんとチェックしましょう。カーボン・オフセット事業は国や国際機関のルールがなく、事業者の自主性に任せられているためです。

事業者のレポートを見て、どれだけオフセットできているのか確認することが重要です。クレジットに対応するCO₂が既に削減されているかどうかも確かめましょう。

電力会社の見直しでもCO₂を削減できる

節電はCO₂削減の大きなポイントです。電気料金が安くなる電力会社に乗り換えればCO₂を削減できるほか、ご家庭での節電を頑張らなくても電気代を抑えられます。

現在は電力会社の自由な選択が可能

かつては地域ごとの大手電力会社が市場を独占しており、一般家庭は自由に電力会社を選べませんでした。節電するためには、基本的に電気の使い方を見直すしかなかったのです。

しかし、2016年に電力小売自由化されたため、現在は自由に電力会社を選択できるようになっています。価値観やライフスタイルに合わせて、電力会社やプランを選ぶことが可能です。

電力小売自由化以降に市場へ参入した電力会社は、新電力と呼ばれています。基本料金ゼロのプランや市場価格に応じて電気料金単価が30分ごとに決まるプランなど、これまでの大手電力会社にはなかったサービスを提供していることが、新電力の大きな魅力です。

再エネ比率が高い電気を選ぼう

再エネ比率が高い電気を提供する電力会社にすれば、より環境に優しい電気を使えます。

再エネ比率が高い電気とは、太陽光・風力・水力・地熱による発電の割合が多い電気のことです。再エネ比率100%の電気を選べば、CO₂排出の大幅な削減に貢献できます。

再エネ由来の電気を使いたい場合は、非化石証書を購入した電力会社を選ぶのもおすすめです。非化石証書とは非化石電源の環境的な価値を証明するものであり、非化石証書を取得した電気は実質CO₂排出を抑えられていることがわかります。

再エネが身近になる電力会社「Looop」

電力会社の見直しでカーボン・オフセットに貢献したいと考えるなら、再エネが身近になる電力会社「Looop」の利用を検討するのがおすすめです。CO₂フリーの電気を使えるLooopのサービスを紹介します。

実質CO₂フリーの電気を使える「eneco」

Looopが提供する基本の電力メニュー「Looopでんき」では、実質CO₂フリーの電気を使えるオプションサービス「eneco」を利用できます。

enecoで発生する料金は、通常の従量料金に加えて非化石証書の取得費用に相当する料金となります。手数料0円・解約金なしで利用できるため、気軽に始められるでしょう。

2023年度(4月~翌3月)の1kWhあたりの料金単価は、再エネ比率100%で0.50円(税込)、再エネ比率50%で0.25円(税込)です。再生可能エネルギー使用量やCO₂排出量はマイページで確認できます。

enecoについてもっと詳しく見る

電気代も同時に削減「とくするソーラー」

Looopの「とくするソーラー」は、太陽光発電と蓄電池のセット型サービスです。自家発電する分の電気にはCO₂が発生しないため、環境に配慮した電気を使えます。

自家発電した電気を蓄電池に溜めておけば、CO₂フリーの電気をメインに使えるほか、電気代の削減にもつながります。

とくするソーラーはリースで提供されるため、導入にかかる費用は0円です。高額な初期費用を支払う必要がないため、気軽に始められるでしょう。

とくするソーラーについてもっと詳しく見る

生活レベルでカーボン・オフセットの実践を

カーボン・オフセットとは、削減しきれないCO₂を埋め合わせる考え方のことです。クレジットを購入することで、削減しきれないCO₂の埋め合わせに個人でも貢献できます。

CO₂削減を意識して生活することも大切です。私たちでもできるカーボン・オフセットの取り組みを、できることから始めてみましょう。

Looopでんきは、再生可能エネルギー実質100%やCO₂排出量実質ゼロの電気をオプションとして提供しており、再生可能エネルギーの更なる普及を通じた「エネルギーフリー社会の実現」をビジョンとしています。

Looopでんきの新たな試みの1つが市場価格に合わせて30分ごとに電気料金が変わる「スマートタイムONE」の提供です。

市場価格は電力の需要と供給のバランスを体現しており、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギー由来の電気が多く発電される時間帯においては、市場価格が安くなる傾向にあります。

市場価格の確認を習慣化すれば、環境への意識も自ずと高まるでしょう。太陽光パネルや蓄電池と併用することで、電気料金を抑えながら地球にやさしい生活を目指せます。

環境への意識や太陽光パネルとの組み合わせを重視して、Looopでんきをご利用いただいているお客様の声を紹介します。

(50代 / 女性 / 4人暮らし)
環境を重んじたキャンペーンなど、独自の取り組みがあり、社会課題についてささやかながらも参加できるから。

(30代 / 女性 / 4人暮らし)
基本料金がないことと、太陽光などと組み合わせてうまく使えばかなり電気代を抑えることができる為。

再生可能エネルギーに興味がある方は、Looopでんきが提供する「スマートタイムONE」の仕組みや料金をぜひご覧ください。