「洗濯乾燥機は電気代が高い」というイメージを持つ人は少なくありません。実際の電気代は、機種・乾燥機能・契約中の電力会社など、複数の要素に左右されます。計算方法や省エネのポイントなどを分かりやすく解説します。
洗濯乾燥機の電気代はどう計算する?
洗濯機と乾燥機が一体化した「洗濯乾燥機」は、雨の日や花粉が多い季節に大活躍します。利便性が高い一方で、「フル稼働は電気代がかさみそう…」と感じている方は少なくないはずです。洗濯乾燥機の電気代を計算してみましょう。
まずは消費電力量を確認
洗濯乾燥機の電気代を計算するには、「消費電力量」を調べる必要があります。取扱説明書やカタログ、メーカーのWebサイトなどでチェックしましょう。
消費電力量とは、電化製品の消費電力(W)に使用時間(h)を乗じたものです。1Wの電力を1時間使った場合、消費電力量は1Wh(1W×1時間=1Wh)となります。
消費電力の単位は「Wh(ワットアワー)」や「kWh(キロワットアワー)」で、1kWhは1000Whと同等です。
計算式に当てはめて電気代を算出
消費電力量を確認したら、以下の計算式に当てはめて電気代を算出します。
- 洗濯乾燥機の1回あたりの電気代=消費電力量(Wh)÷1,000×1kWhあたりの電力量料金(円/kWh)
電化製品の中には、消費電力(W)のみを記載しているものもあります。消費電力から電気代を算出する場合は、以下の計算式を使いましょう。
- 洗濯乾燥機の1回あたりの電気代=消費電力(W)÷1,000×1日の使用時間(h)×1kWhあたりの電力量料金(円/kWh)
1kWhあたりの電力量料金は、電力会社ごとに異なりますが、「公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会」が公表する「新電力料金目安単価」が1つの目安となります。
2024年6月時点において、新電力料金目安単価は31円/kWh(税込)です。
※出典: よくある質問 Q&A|公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会
電気代を左右する主な要素
洗濯乾燥機の電気代を左右する要素は1つだけではありません。使用頻度はもちろん、洗濯乾燥機のタイプや搭載されている乾燥機能などによっても電気代が変わります。
濯乾燥機のタイプ
洗濯乾燥機のタイプは、「縦型」と「ドラム式」の2種類に大別されます。機能面は大きく変わりませんが、洗い方や乾燥方法などが異なるため、消費電力量にも差が生じます。
縦型は、洗濯槽が縦に設置されたタイプです。底に付いた羽根を回転させて水流を起こし、「もみ洗い」で汚れを落とします。
ドラム式は、洗濯槽が横または斜めに設置されたタイプで、洗濯物が入ったドラムが縦方向に回転するのが特徴です。洗濯物をこすり合わせない「たたき洗い」のため、生地の傷みが抑えられます。
搭載されている乾燥機能は、縦型がヒーター式、ドラム式がヒーター式またはヒートポンプ式です。
⇒タイプ別の洗濯機乾燥にかかる電気代についてもっと詳しく知りたい方はこちら
搭載されている乾燥機能
洗濯乾燥機には、「ヒーター式」または「ヒートポンプ式」のいずれかの乾燥機能が搭載されています。機種にもよりますが、ヒートポンプ式の方が消費電力量が少なく、電気代を抑えられるのが一般的です。
ヒーター式では、ヒーターで熱した風をポンプで送り込んで乾かします。洗濯物がカラッと仕上がるのはメリットですが、ヒーターの熱で機内が高温になりやすいのが難点です。
ヒートポンプ式は、大気中にある熱エネルギーを活用します。機内の空気を除湿しながら、65℃前後の温風で洗濯物を乾かすため、ヒーター式よりも繊維の傷みが抑えられます。消費電力量が少なく、省エネ重視の方にはぴったりでしょう。
電力会社や料金プラン
電力小売自由化の後は、電気の利用者が自由に電力会社やプランを選べるようになりました。同じ洗濯乾燥機を使っていても、電気を契約している先が異なれば、月々の電気代も変わります。
特に、電力事業に新たに参入した「新電力」は、大手電力(旧一般電気事業者)との差別化を図るために、魅力的なプランやキャンペーンを打ち出しています。
- 時間帯で料金が変わるプラン
- 基本料金が無料のプラン
- ポイントが付くプラン
- 電気とガスのセットプラン
自分のライフスタイルに合った電力会社やプランが見つかれば、洗濯乾燥機はもとより、すべての電化製品にかかる電気代を抑えられます。
タイプ別の電気代を比較
洗濯乾燥機の種類は、電気代にどれだけ影響を与えるのでしょうか?シャープの3つの機種で、1回の洗濯にかかる電気代を比較してみましょう。
今回は、電力料金単価を31(円/kWh)とし、「消費電力量(Wh)÷1,000×1kWhあたりの電力量料金(円/kWh)」の計算式に当てはめて電気代を算出します。
縦型×ヒーター式
「ES-PW11H」は、洗濯・脱水容量11kg、乾燥容量6kgの縦型洗濯乾燥機です。ヒーターの温風で洗濯物を乾かす「ヒーターセンサー乾燥(ヒート式)」に対応しており、洗濯から乾燥までに要する時間は220分です。
消費電力量 | 電気代 | |
洗濯〜脱水 | 110Wh | 3.4円 |
洗濯〜乾燥 | 2,200Wh | 68.2円 |
洗濯~脱水にかかる電気代はわずか3.4円(110Wh÷1,000×31円/kWh)ですが、乾燥工程まで行うと68.2円(2,200Wh÷1,000×31円/kWh)に跳ね上がります。
※出典: ES-PW11H|洗濯機:シャープ
ドラム式×ヒーター式
「ES-K10B」は、洗濯・脱水容量10kg、乾燥容量6kgのドラム式洗濯乾燥機です。搭載されている乾燥機能は、ES-PW11Hと同様のヒーターセンサー乾燥(ヒート式)で、洗濯状況に合わせた自動運転ができるのが強みです。
消費電力量 | 電気代 | |
洗濯〜脱水 | 78Wh | 2.4円 |
洗濯〜乾燥 | 1,880Wh | 58.3円 |
電気代は、洗濯~脱水までが2.4円(78Wh÷1,000×31円/kWh)、洗濯~乾燥までが58.3円(1880Wh÷1,000×31円/kWh)です。縦型ヒーター式のES-PW11Hよりも、1回あたりの電気代が10円ほど安くなります。
ドラム式は、縦型よりも使用水量が少ないのが特徴です。電気代だけでなく、水道代も抑えられるでしょう。
※出典: ES-K10B | 洗濯機:シャープ
ドラム式×ヒートポンプ式
「ES-V11B」は、洗濯・脱水容量11kg、乾燥容量6kgのドラム式です。乾燥機能は、ドラム内の空気を除湿しながら乾かすヒートポンプ式で、「シワ抑え乾燥」のモードも選択できます。
消費電力量 | 電気代 | |
洗濯〜脱水 | 80Wh | 2.5円 |
洗濯〜乾燥 | 880Wh | 27.3円 |
電気代は、洗濯~脱水までが2.5円(80Wh÷1,000×31円/kWh)、洗濯~乾燥までが27.3円(880Wh÷1,000×31円/kWh)です。3つの機種の中では最も消費電力量が低く、高い省エネ効果が期待できます。
※出典: ES-V11B | 洗濯機:シャープ
洗濯乾燥機の電気代を節約するヒント
大型の電化製品は消費電力量が大きく、毎日使用すると電気代がかさみます。洗濯乾燥機の場合は、乾燥にかかる時間や頻度をどれだけ抑えられるかがポイントとなるでしょう。
まとめ洗い&まとめ乾燥で頻度を減らす
少ない衣類を小まめに洗濯すると、そのたびに電気代や水道代がかかります。まとめ洗いとまとめ乾燥で、洗濯乾燥機の稼働回数をできるだけ減らしましょう。
1回の量は、容量の8割以上が目安ですが、あまり詰め込みすぎると、稼働時間が長引く上、生乾き臭が生じやすくなる点に注意が必要です。
乾燥容量は洗濯容量の半分程度しかないため、乾きやすいものはそのまま干すことをおすすめします。乾燥機能を使わないときは、十分な脱水を心掛けましょう。
乾燥経路やフィルターは小まめに掃除する
乾燥経路やフィルターは小まめに掃除する必要があります。掃除を怠れば、乾燥効率が下がり、無駄な電力を消費してしまう恐れがあるでしょう。
特にドラム式は、フィルターに糸くずや綿状のごみが付着しやすく、目詰まりによって乾燥時間が長引きます。乾燥経路にごみが溜まれば、故障につながりかねません。
乾燥フィルターを使わないタイプは、「槽洗いコース」で洗濯槽内の糸くずやごみを洗い流すのが一般的です。掃除やメンテナンスの方法は機種によって異なるため、メーカーの指示に従いましょう。
ドライヤーボールやバスタオルを入れる
洗濯物の乾燥時には、ドライヤーボールや乾いたバスタオルを入れましょう。乾燥機内の平均湿度が下がるため、通常よりも乾燥時間が短くなります。
ドライヤーボールとは、洗濯物を効率的に乾かすために生まれたアイテムです。ウール製またはプラスチック製で、複数個を乾燥機に入れて使用します。
乾燥時間が短縮できるだけでなく、洗濯物がふんわりと仕上がるため、柔軟剤を使いたくない方にもおすすめです。プラスチック製のドライヤーボールなら、静電気を防止する効果も期待できます。
自然乾燥と併用する
洗濯乾燥機は、洗濯よりも乾燥機能の消費電力量が大きいため、自然乾燥との併用によって電気代を抑えます。
時間に余裕がある日や天気が良い日はできるだけ自然乾燥にし、忙しい日や生乾きが気になる季節は、乾燥機能を活用しましょう。
自然乾燥の後、最後の仕上げとして30分だけ乾燥機能を使う手も有効です。洗濯物に残った水分を完全に除去できるため、乾燥機能を使った後に自然乾燥させるよりも、菌の繁殖や生乾き臭を抑えられます。
省エネにつながる洗濯乾燥機の選び方
これから洗濯乾燥機を購入する予定がある方は、価格面だけでなく、省エネや節電を意識して商品を選びましょう。選び方のポイントを解説します。
容量には余裕を持たせる
洗濯機乾燥機には、家族の人数や洗濯物の量に応じた容量があります。洗濯容量は「1.5kg×家族の人数」で計算するのが一般的ですが、まとめ洗い&まとめ乾燥で電気代を抑えるなら、洗濯容量には余裕を持たせましょう。
目安としては、1人暮らしなら6~7kg、3人家族なら10kg以上です。14kg以上の容量であれば、1週間分の洗濯物やシーツをまとめて洗えます。
乾燥容量は洗濯容量よりも少なく設定されているため、乾燥機能をよく使う人は、乾燥容量を基準にして選ぶとよいでしょう。
AI搭載の機種を選ぶ
電化製品の性能は年々進化しており、10年前の製品を最新のものに買い替えるだけでも、大幅な省エネが見込めます。省エネ性と利便性の両立を望む方は、AI搭載の機種を選んでみてはいかがでしょうか?
AI搭載の機種なら、AIセンサーが洗濯物の状況を感知して、水温や洗い方、運転時間などを自動でコントロールします。水分が抜けやすい衣類が多いときは、乾燥時間が短縮されるため、乾かしすぎの心配がありません。
最新機種は値段が張りますが、優れた機能が搭載されている上に、省エネ性能が高く、長い目で見れば電気代を抑えられます。
洗濯乾燥機と相性の良い電力料金プランは?
多くの事業者が電力事業に参入する近年、消費者が選べるプランの幅はますます広がっています。この機会に、電力会社や料金プランの見直しを検討しましょう。
市場連動型なら電気代が安い時間を狙える
洗濯乾燥機と相性の良いプランの1つに、「市場連動型プラン」が挙げられます。一般的な「従量電灯プラン」は、1日のどのタイミングで電気を使っても、電力料金単価は変わりません。
市場連動型プランは、日本卸電力取引所(JEPX)の市場価格に連動して単価が変わるため、電気を使う時間帯を工夫すれば、電気代の大幅ダウンがかないます。
電力の市場価格は、電力需要の多い時間帯ほど高くなるのが一般的です。需要の少ない時間帯を狙って電力を使用することを「ピークシフト」といいます。消費電力量が大きい電化製品ほど、ピークシフトの効果を感じやすいでしょう。
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遠隔操作ができればより便利に!
30分ごとに単価が変動する市場連動型プランは、いかにタイミング良くピークシフトできるかがポイントです。特に、電気が比較的に使われない日中は、洗濯乾燥機を稼働させるチャンスといえるでしょう。
日中の時間帯に家にいない方は、外出先から遠隔操作ができる洗濯乾燥機がおすすめです。事前に洗濯物と洗剤をセットしておけば、スマホ1つで洗濯開始を指示できます。
Looopでんきの場合、Webサイトや専用のアプリで単価の変動を簡単にチェックできるため、ピークシフトのタイミングを逃しません。
洗濯乾燥機の電気代と節電方法を把握しよう
洗濯から乾燥までを一気にこなせる洗濯乾燥機は、忙しい現代人の強い味方です。ただし、1回の乾燥だけでも多くの電力を消費するため、使い方や頻度に気をつける必要があります。
洗濯回数を週に1~2回にまで減らしたり、乾燥機能の使用を30分以内に抑えたりするだけでも、大きな節電効果が見込めます。
これから洗濯乾燥機を購入する方は、どれだけ省エネができるかをシミュレーションしましょう。
電化製品の電気料金が気になる方は、家電の買い替えや使い方を工夫するだけでなく、電力会社の変更や電気料金プランの見直しも検討してみませんか。
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まずは、電気料金プランを見直して、今の生活のままで電気代が安くなるのか試してみてはいかがでしょうか。