スチーム加湿器の導入を検討している方は、電気代が気になるかもしれません。加湿器選びでは電気代だけでなく、各種類の特徴を把握することも大切です。ご家庭に合った加湿器を選ぶ際にチェックしたいポイントをご紹介します。
スチーム式加湿器の特徴と電気代
加湿器の種類は大きく4つに分かれており、特徴や電気代がそれぞれ異なります。まずは、スチーム式加湿器の特徴と電気代を把握しておきましょう。
加湿器にかかる電気代は次の式で計算します。
消費電力(kW)×使用時間(h)×料金単価(円/kWh)
料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価の31円/kWh(税込)です。また、それぞれの加湿器を1日8時間使ったと仮定して計算しています。
※出典: よくある質問 Q&A カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか?|公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会
スチーム式加湿器の特徴
スチーム式加湿器は、ヒーターで水を加熱して発生する蒸気をファンで送り出す加湿器です。蒸気を発生させる仕組みは、やかんでお湯を沸かすのと似ています。
スチーム式加湿器のメリットは、ほかの種類に比べ加湿能力が高いことです。また、水を沸騰させるため菌の繁殖を抑えられるほか、高温の蒸気で室温が上がる効果も期待できます。
一方、ヒーターを加熱する際に多くの電力を消費するため、電気代は4種類の加湿器の中で最も高くなります。高温の蒸気でやけどを負うリスクがある点にも注意しましょう。
スチーム式加湿器の電気代
象印マホービンの「EE-TA60」を例に取り、スチーム式加湿器の電気代を計算しました。
消費電力:495W
- 1時間あたりの電気代:0.495kW×31円/kWh=約15.35円/h
- 1日あたりの電気代:15.35円/h×8h=約122.8円/日
- 1カ月あたりの電気代:122.8円/日×30日=約3,684円/月
後述する3種類の加湿器と比較すると、スチーム式加湿器の電気代はかなり高いことがわかります。
※出典: EE-TA60 | 加湿器 | 生活家電 | 商品情報 | 象印マホービン
⇒加湿器の電気代についてもっと詳しく知りたい方はこちら
スチーム式とほかの加湿器を比較
加湿器にはさまざまな種類がありますが、スチーム式以外にも気化式、超音波式、ハイブリッド式などが代表的です。それぞれの特徴や電気代を把握し、ご家庭に最適なタイプを選ぶことが重要です。
以下に、加湿器の種類ごとに特徴と電気代を比較した表をまとめました。スチーム式は電気代が高い傾向にあるため、電気代を抑えたい場合はほかのタイプも検討してみましょう。
加湿器タイプ別電気代比較表
加湿器の種類 | 1時間あたり | 1日あたり | 1カ月あたり |
---|---|---|---|
スチーム式 | 約15.35円 | 約122.8円 | 約3,684円 |
気化式 | 約0.12〜0.43円 | 約0.96〜3.44円 | 約28.8〜103.2円 |
超音波式 | 約0.84円 | 約6.72円 | 約201.6円 |
ハイブリッド式 | 約3.01円 | 約24.08円 | 約722.4円 |
スチーム式は加湿能力が高く、冬の乾燥対策として効果的ですが、電気代が高くなりやすいです。一方、気化式や超音波式は電気代を抑えられるため、経済的です。
今回参考にした各加湿器の特徴や電気代について、さらに詳しく見ていきましょう。
気化式加湿器の特徴と電気代
気化式加湿器は、水を含んだフィルターにファンで風を当てて水を蒸発させる加湿器です。濡れたタオルに扇風機の風を当てて乾かすときの仕組みと同じです。
気化式加湿器のメリットは、電気代の節約につながることです。水が気体となって空気中に溶け込むため、加湿された空気は清潔です。ヒーターがなく熱によるリスクもありません。
一方、加湿能力が低いため、湿度を上げたい場合は送風量を増やす必要があるでしょう。ファンの回転数が多くなると、風やモーターの音をうるさく感じてしまうこともあります。
製品名:FE-KXY07(パナソニック)
消費電力:4W(静か)、5.5W(弱)、8W(中)、14W(強)
上記製品の電気代の参考値
消費電力 | 1時間あたり | 1日あたり | 1カ月あたり |
---|---|---|---|
4W | 約0.12円 | 約0.96円 | 約28.8円 |
5.5W | 約0.17円 | 約1.36円 | 約40.8円 |
8W | 約0.25円 | 約2円 | 約60円 |
14W | 約0.43円 | 約3.44円 | 約103.2円 |
具体的な計算方法は以下のとおりです。
消費電力4Wの場合
- 1時間あたりの電気代:0.004kW×31円/kWh=約0.12円/h
- 1日あたりの電気代:0.12円/h×8h=約0.96円/日
- 1カ月あたりの電気代:0.96円/日×30日=約28.8円/月
消費電力5.5Wの場合
- 1時間あたりの電気代:0.0055kW×31円/kWh=約0.17円/h
- 1日あたりの電気代:0.17円/h×8h=約1.36円/日
- 1カ月あたりの電気代:1.36円/日×30日=約40.8円/月
消費電力8Wの場合
- 1時間あたりの電気代:0.008kW×31円/kWh=約0.25円/h
- 1日あたりの電気代:0.25円/h×8h=約2円/日
- 1カ月あたりの電気代:2円/日×30日=約60円/月
消費電力14Wの場合
- 1時間あたりの電気代:0.014kW×31円/kWh=約0.43円/h
- 1日あたりの電気代:0.43円/h×8h=約3.44円/日
- 1カ月あたりの電気代:3.44円/日×30日=約103.2円/月
電気代が最も高いスチーム式に比べ、気化式は電気代を大幅に節約できます。
※出典: 詳細情報 ヒーターレス気化式加湿機(中小容量タイプ) FE-KXY07 | 加湿機(加湿器) | Panasonic
超音波式加湿器の特徴と電気代
超音波でミストを発生させるタイプが超音波式です。超音波の振動により水面から発生した微細なミストを、ファンで空気中に送り出します。
本体価格が安く、電気代も抑えられる点が超音波式加湿器のメリットです。ヒーターを使わないため、熱くなる部分もありません。デザイン性が高い製品が多く、インテリアにもなじみやすいでしょう。
超音波式のデメリットは、小まめな手入れを求められることです。水蒸気ではなく水の粒子が放出されるため、手入れを怠ると水滴と一緒に雑菌も放出されるリスクがあります。
製品名:MZ-L301(山善)
消費電力:27W
- 1時間あたりの電気代:0.027kW×31円/kWh=約0.84円/h
- 1日あたりの電気代:0.84円/h×8h=約6.72円/日
- 1カ月あたりの電気代:6.72円/日×30日=約201.6円/月
超音波式は気化式と同様に、電気代を大幅に抑えられる加湿器です。
※出典: 商品情報_超音波式加湿器(3L) | 山善の商品情報サイト | YAMAZEN BOOK
ハイブリッド式加湿器の特徴と電気代
ハイブリッド式とは、気化式や超音波式にヒーターを組み合わせた加湿器です。加湿能力が低い気化式と超音波式でヒーターを使うことで、電気代を抑えつつ加湿能力を高めています。
ただし、スチーム式ほどの加湿能力は期待できません。本体のサイズが大きいことや本体価格が割高なこともデメリットです。
製品名:MZH-L501(山善)
消費電力:97W
- 1時間あたりの電気代:0.097kW×31円/kWh=約3.01円/h
- 1日あたりの電気代:3.01円/h×8h=約24.08円/日
- 1カ月あたりの電気代:24.08円/日×30日=約722.4円/月
経済的な気化式や超音波式より電気代がやや高くなっていますが、スチーム式ほど高くはありません。
※出典: 商品情報_ハイブリッド式加湿器(5L) | 山善の商品情報サイト | YAMAZEN BOOK
加湿器の選び方
4種類の加湿器からご家庭に合ったものを選ぶ際は、何を重視するかを考慮することが大切です。加湿器選びで意識したいポイントを見ていきましょう。
電気代の節約を重視する場合
とにかく電気代が安い加湿器を導入したいなら、気化式または超音波式を選びましょう。いずれも消費電力が低いため、経済的に使えます。
気化式と超音波式にはコンパクトなモデルが多いこともポイントです。狭い範囲を加湿する目的で使うなら、加湿性能の低さも気にならないでしょう。
気化式と超音波式は、放置すると雑菌が繁殖しやすい点に注意が必要です。小まめな手入れができない方は、衛生面を考慮するとほかの種類のほうが向くでしょう。
加湿能力の高さを重視する場合
4種類の加湿器の中から、加湿能力の高さで選ぶならスチーム式がおすすめです。スチーム式なら菌の繁殖も大幅に抑えられるほか、加湿速度が速いため湿度を素早く上げられます。
ハイブリッド式も加湿能力は高いものの、スチーム式ほどではありません。ただし、スチーム式は電気代が高いため、加湿能力と電気代のバランスを考慮するならハイブリッド式も検討するとよいでしょう。
※出典: スチーム式は高い? 電気代を目安に加湿器を選ぶとどれがベスト?
安全性や手入れのしやすさを重視する場合
小さな子どもがいるご家庭では、安全性の高さも重視しましょう。スチーム式は高温の蒸気によるやけどのリスクがあるため、触れても安全な温度の蒸気が出る気化式や超音波式が適しています。
また、手入れのしやすさで加湿器を選ぶなら、菌が繁殖しにくく手入れに手間がかかりにくいスチーム式がおすすめです。ただし、フィルター交換が簡単なタイプや自動洗浄機能がついているタイプなら、種類を問わず手入れの手間を抑えられます。
ご家庭の状況によっては、加湿器から出る音が気になるケースもあるでしょう。稼働音が30dB以下の静音モデルを選べば、夜間や昼寝時の静かな環境でも音を気にせず使えます。
加湿器の電気代を節約する方法
加湿器の消費電力は製品により大きな幅があるため、使い方次第では電気代が高くなってしまいます。コストを抑えながら部屋を加湿するためのポイントをご紹介します。
部屋の大きさに合わせて選ぶ
加湿器は製品ごとに適用畳数が定められています。部屋の広さより適用畳数が小さい場合、フル稼働させなければ十分に加湿されないため、電気代が高くなってしまいます。
加湿器を選ぶ際は、部屋の大きさよりも少し大きめの適用畳数にするのがポイントです。適用畳数に余裕があれば湿度をコントロールしやすくなり、電力の消費も抑えられるでしょう。
加湿器の置き場所を工夫する
加湿器を部屋の中央や空気の流れが良い場所に置くと、加湿された空気が部屋全体に行き渡り、効率的に加湿できます。運転時間が短くなれば、電気代を抑えることが可能です。
また、暖房器具の近くに加湿器を置くと蒸発が早くなり、加湿の効率が向上することがあります。
スチーム式はぬるま湯を使う
スチーム式は加湿能力が高い加湿器ですが、沸騰するまで時間がかかりやすいデメリットがあります。一般的に、加湿器は加湿中より加湿開始までの湯沸かし時の方が電気代が高いため、沸騰するまでの時間が長くなるほど電気代も上がります。
スチーム式でぬるま湯を使えば、沸騰までの時間を短縮でき、電気代の節約につながるでしょう。
エアコンの使い方を工夫する
加湿器を使用して部屋の湿度が高くなると、体感温度が上がります。冬にエアコン暖房を使う場合は、加湿器との併用でエアコン暖房の設定温度を下げられるでしょう。
エアコン暖房の設定温度を1℃下げた場合、電力使用量を約10%削減できるとされています。加湿器とエアコン暖房を一緒に使う際は、エアコン暖房の設定温度にも注意してみましょう。
※出典: エアコンの使い方について | 家庭部門のCO2排出実態統計調査
定期的に手入れする
フィルターを使っている加湿器は、定期的な手入れが必要です。手入れを怠るとフィルターが目詰まりして加湿効率が下がるため、電気代が高くなってしまいます。
手入れのしやすさは製品によりさまざまです。掃除の時間を確保できない場合や掃除を面倒に感じる場合は、手入れのしやすさも重視して選ぶと良いでしょう。
ご家庭に合った加湿器を選ぼう
スチーム式はほかの種類の加湿器に比べ、電気代が割高です。ただし、ほかの種類より加湿能力も高いため、節約より加湿能力を重視する方にはスチーム式が向いています。
電気代がかからない加湿器を使いたい場合は、気化式または超音波式にするのがおすすめです。種類ごとの特徴や電気代を把握し、何を重視するかを考慮してご家庭に合った加湿器を選びましょう。
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