静音性と安全性を兼ね備えたオイルヒーターですが、置き場所に悩んでいる人も少なくないでしょう。オイルヒーターの特性を踏まえて、どこに置くのが最適なのでしょうか?家庭における最適な設置場所と使用方法を詳しく解説します。
まずはオイルヒーターの性質を理解しよう
オイルヒーターの置き場所を考えるためにも、その仕組みや特徴を理解することが重要です。まず、オイルヒーターの基本的な性質について詳しく解説します。
オイルヒーターはどんな暖房器具?
オイルヒーターは、内部に封入された特殊なオイルを電気で加熱し、その熱を放射することで空間を暖める暖房器具です。
エアコンのように風を出す暖房器具とは異なり、温風を吹き出すのではなく、輻射熱を利用して部屋全体をじわじわと暖めていきます。
オイルヒーターには、他の暖房器具にはないメリットがいくつもあります。
第一に、メンテナンスが簡単です。内部のオイルは補充や交換の必要がありません。
加えて温度ムラが生じにくく、輻射熱によって部屋全体を均一に暖めるため、足元が寒いといった不快感を感じにくくなります。
また、温風を吹き出さないため、空気を乾燥させにくいという点が挙げられます。
オイルヒーターの電気代は?
実際のところ、オイルヒーターの消費電力は決して低くありません。
一例として、デロンギの「オイルヒーター ダークグレー RHJ10F1015-DG 」を見ていきましょう。
こちらの場合、電力設定は3段階(1,500/900/600W)となっています。
それぞれの1時間あたりの電気代は以下のとおりです。(公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が目安としている31円で計算)
- 600W:18.6円
- 900W:24.8円
- 1,500W:46.5円
例えば、6畳用のエアコンの暖房の場合、およそ20円程度、こたつの場合1~3円、パネルヒーターは5円程度です。これらの暖房機具と比べて、オイルヒーターの電気代は決して安いとは言えません。
メリットの多いオイルヒーターですが、その分電気代は高額な傾向にあります。
※出典: オイルヒーター ダークグレー RHJ10F1015-DG | De'Longhi JP
火災リスクや安全性
オイルヒーターは他の暖房器具と比較して、火災リスクや一酸化炭素中毒のリスクが低いことが知られています。
まず、オイルヒーター本体が極端に高温になることはありません。内部のオイルが熱を均一に分散させるため、表面温度は比較的低く保たれます。このため、家具や衣類が接触しても即座に発火するリスクは低くなっています。
また、多くのオイルヒーターには転倒時自動電源遮断機能が搭載されています。万が一、地震や不注意でヒーターが倒れた場合でも、自動的に電源が切れるため、火災のリスクを大幅に軽減できます。
加えてオイルヒーターは燃焼を伴わないため、一酸化炭素を発生させることがありません。これは、ガスストーブなどの燃焼式暖房器具と比較して大きな利点と言えるでしょう。
特に、就寝中の使用や気密性の高い部屋での使用において、安心感が高まります。
オイルヒーターはどこに置くのが適切?
オイルヒーターの効果を最大限に引き出すためには、適切な設置場所の選択が重要です。
オイルヒーターの特性を考慮した上で、最適な設置場所がどこなのかを詳しく解説します。
窓や入り口付近が最適
オイルヒーターの設置場所としておすすめなのが、窓や入り口付近です。
オイルヒーターは、前述の通り輻射熱を利用して部屋を暖めます。つまり、直接温風を吹き出すわけではなく、じわじわと周囲の空気を暖めていくのです。
窓や入り口付近にオイルヒーターを置くことで、外部からの冷気を直接遮断し、暖かい空気が部屋の中心に向かって自然に広がっていきます。
ただし、カーテンや家具との距離には十分注意が必要です。オイルヒーター本体から最低1メートル以上の距離を確保することで、安全性を高めつつ、効率的な暖房が可能になります。
部屋の真ん中に置くのはNG?
オイルヒーターを部屋の真ん中に設置することはおすすめできません。
部屋の真ん中に設置した場合、確かに熱が四方に均等に広がるように思えますが、部屋の端から入ってくる冷気を直接遮断することができないため、空気の温め方にムラが生じます。
また、部屋の真ん中にオイルヒーターを置くことは、日常生活の動線を大きく妨げる可能性があります。特に、小さな部屋や頻繁に人の出入りがある部屋では、移動の障害になったり、不注意による接触のリスクが高まります。
利用に向く場所・向かない場所
オイルヒーターはゆっくりと部屋を暖める特性上、常に冷たい空気が入ってくる環境では、その効果を十分に発揮できません。結果として、暖まるまでに時間がかかり、電気代も増加してしまいます。
例えば、窓や壁の隙間から冷気が入ってくる部屋や、人の出入りが多いリビングは、オイルヒーターを置く場所としておすすめできません。
一方、利用場所としておすすめなのが寝室です。就寝前にオイルヒーターをつけておけば、朝起きた時には部屋全体が程よく暖まっています。
また、オイルヒーターは空気を乾燥させにくいため、エアコン使用時によく起こる「朝起きたときに喉が痛い」といった問題も軽減されます。
オイルヒーターの効果を高める使い方
オイルヒーターを最大限に活用するには、適切な設置場所の選択に加えて、効果的な使用方法を知ることが重要です。ここでは、オイルヒーターの性能を引き出し、より快適に利用するためのポイントを紹介します。
部屋の広さに適したものを選ぶ
オイルヒーターの効果を最大限に引き出すためには、まず部屋の広さに適した製品を選ぶことが重要です。オイルヒーターには製品ごとに「適用畳数」が指定されているので、部屋の広さと合った製品を選びましょう。
注意点として、この適用畳数は一般的な断熱性能を持つ部屋を想定しています。古い家屋や断熱性能の低い部屋では、表示されている畳数よりも大さめの製品を選ぶことをおすすめします。
逆に、部屋の広さに対して過大な能力のオイルヒーターを選ぶと、電気代の無駄につながります。適切なサイズを選ぶことが重要です。
部屋の気密性・断熱性を高める
オイルヒーターはゆっくりと部屋を暖めるため、部屋の気密性と断熱性を高めることで、より効果を発揮します。
気密性を高める簡単な方法として、窓や扉の隙間テープの使用が挙げられます。特に古い家屋では、窓枠や扉周りの隙間から冷気が入り込むことが多いため、これらの隙間をふさぐだけでも大きな効果が期待できます。
また、断熱カーテンの使用も窓からの熱の出入りを大幅に抑えることができます。
その結果、より低い設定温度でも快適に過ごせるようになり、電気代の節約につながります。
他の暖房器具と併用する
オイルヒーターは、じわじわと部屋全体を暖める特性がありますが、暖まるまでに時間がかかります。そのため、急速に暖めたい場合は、エアコンやファンヒーターなどの温風暖房と併用するのが効果的です。
具体的な使用例を挙げると、まずエアコンで室温を上げてから、オイルヒーターに切り替えるという方法があります。エアコンで素早く暖まりつつ、その後は乾燥しにくいオイルヒーターの特性を活かした快適な暖房が可能になります。
また、広いリビングルームなどでは、オイルヒーターとこたつやホットカーペットを組み合わせる方法も効果的です。
このように、オイルヒーターを他の暖房器具と併用することで、その長所を最大限に活かしつつ、短所を補うことができます。
オイルヒーターを使う場合の注意点
オイルヒーターは適切な使用方法を守ることで、より安全かつ効果的に使用することができます。ここでは、オイルヒーターを使用する際の注意点について詳しく解説します。
触り続けないよう注意
オイルヒーターは、他の暖房器具と比べて表面温度が低く、火傷のリスクは比較的低いとされています。しかし、長時間触れ続けることで低温火傷を起こす可能性があるため、注意が必要です。
オイルヒーターの表面温度は通常60℃〜80℃程度ですが、室温が安定していない場合は100℃近くまで上昇することもあります。60℃の温度でも、1分間以上触れ続けると低温火傷のリスクがあります。
特に注意が必要なのは、小さな子どもやペットがいる家庭です。好奇心から触ろうとしたり、寄りかかったりする可能性があるため、オイルヒーターの周囲に柵を設置するなどの対策を施しましょう。
直に触れて洗濯物を乾かさない
オイルヒーターの上に直接洗濯物を掛けたり、近くに置いたりすることは非常に危険です。
一見、暖かいオイルヒーターで洗濯物を乾かすのは効率的に思えるかもしれませんが、これは火災のリスクを高める行為です。
オイルヒーターに洗濯物が接触すると、熱がこもって高温になり、最悪の場合発火する可能性があります。
また、洗濯物がオイルヒーターを覆うことで、ヒーター自体の放熱が妨げられ、故障の原因にもなります。
洗濯物を乾かす際は、オイルヒーターの近くではなく、別の場所に室内干し用のハンガーラックを設置するなどの工夫が必要です。
消費電力は比較的高め
オイルヒーターは、その暖房効果の高さから人気がありますが、消費電力が比較的高いことを認識しておかなければなりません。長時間使用すると、電気代が予想以上に高くなる可能性があります。
一般的なオイルヒーターの消費電力は500W〜1,500W程度で、これは一般的な家庭用エアコンの消費電力と同程度、あるいはそれ以上です。
そのため、使用時間や設定温度に注意を払わないと、電気代が高額になる可能性があります。
適切な場所に置くことで暖房効果を高める
オイルヒーターは火災のリスクの低さや睡眠時にも使える点から安全性も高く、暖房機能も優れています。
ただし、電気代は他の暖房器具と比べても高い傾向にあります。そのため、電気代を節約するには他の暖房器具との併用や置き場所が重要です。
置き場所は、窓や部屋の入り口付近が効果的です。また、子どもやペットがいる場合は、直接触れないように柵で囲うなどの配慮が必要になります。
適切な置き場所で使用することで、より安全に、オイルヒーターの性能を十分に発揮することが可能になるでしょう。
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