冬の暖房器具、みなさんは何を使っていますか?集合住宅では石油ストーブの使用が不可の物件もありますし、給油が面倒だという理由でエアコンや電気ストーブを選んでいる人は多いのではないでしょうか。電気を使用する暖房器具は電気代が気になるところ。この記事では、電気ストーブの中でもハロゲンヒーターにかかる電気代や暖房効果、電気代の節約方法などについてご紹介します。
ハロゲンヒーターとは
ハロゲンヒーターは、ガスなどを燃やさず電気で稼働するタイプのストーブです。本体内のハロゲンランプが加熱されると遠赤外線が放出され、その輻射熱(ふくしゃねつ)によって暖を取る仕組みです。
遠赤外線が当たった箇所が直接加熱される仕組みなので、温風は発生しません。そのため、エアコンのように部屋全体を暖めるのには向きません。その一方で熱効率が高いので、ピンポイントで暖めたい場所があるときはとても便利です。エアコンなど温風が出る暖房器具と併用したり、脱衣場や足元など、スポット的に使用する人が多いようです。
ハロゲンヒーターのメリット・デメリット
ハロゲンヒーターのメリットの1つは、コンセントに差してスイッチを入れれば、すぐに発熱して暖まること。簡単に使え、価格も安いことから人気があります。またコンパクトな製品が多いので、持ち運ぶのも楽なことが多く、設置する場所にも困りません。
デメリットは、部屋全体を暖めるのには向いていない点。暖まるのは早いのですが、熱が広くいきわたらないので、活用の仕方を工夫しましょう。また、熱源が高熱になるため、うっかり触ると火傷の危険性がありますので注意してください。ほかの暖房器具と比べて、消費電力が大きいのも特徴です。
ハロゲンヒーターのメリット・デメリット | |||
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メリット |
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デメリット |
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ハロゲンヒーターの消費電力とかかる電気代
ハロゲンヒーターは消費電力の約8割を素早く熱に変換し、効率よく発熱するのが特徴です。しかし、消費電力は意外と多く、その割には暖められる範囲が狭いので、ずっとつけたままにしておくと、電気代がかさんでしまうことが課題。
まずは、ハロゲンヒーターの消費電力とかかる電気代を知ることが大切です。その上で、ハロゲンヒーターのメリットを上手く活かしながら、効果的に使う方法を考えて、実践してみてください。
ハロゲンヒーターの消費電力
ハロゲンヒーターは、弱、中、強の3段階で設定温度を調整できるタイプが多いようです。それぞれの消費電力は、弱は300~400W、中は500~700W、強は800~1000W程度で、機種によって異なります。
消費電力が大きければ大きいほど、また使用時間が長ければ長いほど電気代がかかります。電気代の求め方は、次に解説します。おおよその電気代を想定しておくと、使用時間を検討する目安になります。
電気代の計算式
電気代は以下の式で求めることができます。
消費電力(W)÷1,000×1日の使用時間(時間)×1kWhあたりの電力量料金(円/kWh)=電気代
300Wを1時間使用したと仮定して、式に当てはめてみましょう。1kWhあたりの電力量料金は、27円と仮定します。
300(W)÷1,000×1(h)×27(円/kWh)=8.1円
この計算式から、1時間あたり8.1円の電気料金がかかることがわかります。
ハロゲンヒーターの電気代
ハロゲンヒーターは、さまざまなメーカーから発売されていますが、日立のHLH-SS1070という機種を例に挙げましょう。公式サイトに載っているこの機種の消費電力から計算すると、かかる電気代は下記の通りです。
【強(1000W)の場合】
- 1時間使用した場合……27円
- 1日(8時間)使用した場合……216円
【中(670W)の場合】
- 1時間使用した場合……18.1円
- 1日(8時間)使用した場合……144.8円
【弱(330W)の場合】
- 1時間使用した場合……8.9円
- 1日(8時間)使用した場合……71.2円
※電気代は単価27円として計算
ほかの暖房器具とのコストを比較
ここからは、ハロゲンヒーターとほかの暖房器具のコストを比較してみましょう。電力単価は27円と仮定し、セラミックファンヒーターは室温15℃、オイルヒーターは室温16℃として、1時間あたりの電気代を試算した結果は、次の表の通りです。
ハロゲンヒーターとほかの暖房器具とのコスト比較 | |
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ハロゲンヒーター | 330W:8.9円、670W:18.1円、1000W:27円 |
エアコン | 暖房:18.09円 |
ガスファンヒーター | 約11円(ガス代+電気代) |
石油ストーブ | 約17円 |
セラミックファンヒーター | 強:31.6円、弱:17.3円 |
オイルヒーター | 10畳:13.3円、8畳:11円、6畳:8.8円 |
次に、それぞれの暖房器具の1時間あたりの電気代、1日(8時間)あたりの電気代をハロゲンヒーターと比較してみましょう。
エアコン
エアコンの1時間あたりの電気代とハロゲンヒーターとの差額について計算すると以下のような結果となりました。
【エアコンの1時間あたりの電気代】
18.09円
【ハロゲンヒーターとの差額】
- 330Wの場合:10円割高
- 670Wの場合:0.08円割高
- 1000Wの場合:8.91円割安
1日(8時間あたり)あたりの電気代と差額は以下のようになっています。
【1日(8時間)あたりの電気代】
151.2円
【ハロゲンヒーターとの差額】
- 330Wの場合:80円割高
- 670Wの場合:0.64円割高
- 1000Wの場合:71.28円割安
ハロゲンヒーターを弱で使うのであればさほど電気代はかわりませんが、強で使い続けるのであれば、エアコンを使った方が割安だということがわかります。
ガスファンヒーター
ガスファンヒーターの1時間あたりの電気代とハロゲンヒーターとの差額について計算すると以下のような結果となりました。
【1時間あたりのガス代+電気代】
約11円
【ハロゲンヒーターとの差額】
- 330Wの場合:2.1円割高
- 670Wの場合:7.1円割安
- 1000Wの場合:16円割安
1日(8時間あたり)あたりの電気代と差額は以下のようになっています。
【1日(8時間)あたりのガス代+電気代】
約88円
【ハロゲンヒーターとの差額】
- 330Wの場合:16.8円割高
- 670Wの場合:56.8円割安
- 1000Wの場合:128円割安
ハロゲンヒーターを弱で使うのであれば、ハロゲンヒーターの方がコストが低いですが、中や強で使うのであれば、ガスファンヒーターを使った方が割安だということがわかります。
石油ストーブ(石油ファンヒーター)
石油ストーブの1時間あたりの電気代とハロゲンヒーターとの差額について計算すると以下のような結果となりました。
【1時間あたりの電気代】
約17円
【ハロゲンヒーターとの差額】
- 330Wの場合:8.1円割高
- 670Wの場合:1.1円割安
- 1000Wの場合:10円割安
1日(8時間あたり)あたりの電気代と差額は以下のようになっています。
【1日(8時間)あたりの電気代】
約136円
【ハロゲンヒーターとの差額】
- 330Wの場合:64.8円割高
- 670Wの場合:8.8円割安
- 1000Wの場合:80円割安
※コロナ2215Y(6畳用)の場合。3.7L(タンク容量)÷17時間(燃焼継続時間)×80円(灯油代を1L=80円で想定)で計算。
ハロゲンヒーターを弱で使うのであれば、ハロゲンヒーターの方がコストは低いですが、中や強で使うのであれば、石油ストーブ(石油ファンヒーター)を使った方が割安だということがわかります。
オイルヒーター
オイルヒーターの1時間あたりの電気代とハロゲンヒーターとの差額について計算すると以下のような結果となりました。
【1時間あたりの電気代】
6畳:8.8円
【ハロゲンヒーターとの差額】
- 330Wの場合:0.1円割安
- 670Wの場合:9.3円割安
- 1000Wの場合:18.2円割安
1日(8時間あたり)あたりの電気代と差額は以下のようになっています。
【1日(8時間)あたりの電気代】
6畳:70.4円
【ハロゲンヒーターとの差額】
- 330Wの場合:0.8円割安
- 670Wの場合:74.4円割安
- 1000Wの場合:145.6円割安
ハロゲンヒーターを弱・中・強のいずれで使ったとしても、オイルヒーターの方がコストが割安だということがわかります。
セラミックファンヒーター
【1時間あたりの電気代】
強:31.6円
【ハロゲンヒーターとの差額】
- 330Wの場合:22.7円割高
- 670Wの場合:13.5円割高
- 1000Wの場合:4.6円割高
1日(8時間あたり)あたりの電気代と差額は以下のようになっています。
【1日(8時間)あたりの電気代】
252.8円
【ハロゲンヒーターとの差額】
- 330Wの場合:181.6円割高
- 670Wの場合:108円割高
- 1000Wの場合:36.8円割高
セラミックファンヒーターは、ハロゲンヒーターよりもコストが高くつくことがわかります。
ハロゲンヒーターの選び方
ハロゲンヒーターは、価格帯が低めで気軽に買う人が多いことから、さまざまなメーカーが複数の機種を発売しています。種類が多い分、どれを買おうか迷ってしまう人も多いはずです。その際、基準となるのは、暖かさ、消費電力、安全性への配慮、機能性の4点です。
また、置く場所に合った形、使用場所や使用目的に合ったワット数、設定できる温度の細かさも大きなポイント。これらのポイントについて解説していきます。
ハロゲンヒーターを置く場所に合わせた形を選ぶ
ハロゲンヒーターには、サイズはもちろん、形状にもいくつかのタイプがあります。効率的に暖まるためにも、使用場所や使用目的にあったサイズ・形状を選ぶことが重要です。
リビングや寝室など、広めの部屋で使う場合には、比較的大きめな長方形タイプのものや、扇風機のような形状のパラボラ型がおすすめです。台所や洗面所などの狭いスペースに置く場合は、スリムなタイプや縦長のタワー型が良いでしょう。
また、足元だけをピンポイントで暖めたい人は、高さが30cm程度の低いタイプのものを選びましょう。ソファのそばや、デスクの下にスッキリと収めることができ、便利です。
使用場所や使用目的に合わせたワット数を選ぶ
ハロゲンヒーターは、消費電力(ワット数)も300W~1000W以上までさまざまです。ワット数は大きければ大きいほど暖めるパワーが強くなります。しかし、ワット数が大きいほど電気代も上がってしまうので、使用場所や使用目的にあわせてワット数を選び、節約と省エネを心がけましょう。
リビングや寝室など、広めの部屋で使う場合には、ワット数が大きいものを選ばないと暖房効果があまり上がりません。足元などピンポイントで使うだけなら、300W~400Wで十分です。
温度設定が細かく設定できるハロゲンヒーターを選ぶ
ハロゲンヒーターは消費電力が大きいため、長い時間続けて使うと電気代が高くなってしまいます。そのため、使用するタイミングや時間によって設定温度を調整して使い分けるのがおすすめです。
ハロゲンヒーターの機種のなかには「弱:300W、中:600W、強:1000W」などのように、温度調整が3段階程度に設定できるものがあります。寒い外から帰ってきてすぐ体を暖めたいときは強、エアコンと併用して部屋が暖まってきたら弱に切り替えるなど、なるべく消費電力を抑えて、無駄遣いを防ぐように心がけましょう。
ハロゲンヒーターの効果的な使い方
ハロゲンヒーターのメリットとデメリットを考慮して、メリットを最大限活かす使い方をすれば、ハロゲンヒーターはとても便利で使い勝手の良い暖房器具です。
ハロゲンヒーターの良さを上手に活かすにはどのように使えばよいのでしょうか。ポイントは、ピンポイントの場所で使うこと、そしてほかの暖房器具と併用して使うことの2点です。
ピンポイントの場所で使用する
熱効率が高く、すぐに熱を発して暖かさを感じることができるというメリットを活かすには、狭い部屋、小さなスペースや範囲でピンポイントに使うのがおすすめです。
テレビを見ているときや勉強をしているときに足元に置いて、足が冷えるのを防ぐ。脱衣場に置いて、風呂の前後に体を冷やさないようにする。洗面所に置いて、歯を磨いたり顔を洗ったりしているときの寒さ対策に使うなど、ここぞというときに効果的に稼働させると良いでしょう。
ほかの暖房器具と併用して使う
部屋全体を広く暖めることができる暖房器具と併用して使うと、それぞれの良さを活かすことができ、効率よく暖まって電気代の節約にもつながります。
例えば、エアコンとハロゲンヒーターを同時につけ、部屋が暖まるまではハロゲンヒーターの前で暖をとります。そして、室温が一定の温度まで上がったらハロゲンヒーターはオフにして、エアコンだけを使うという方法です。
ハロゲンヒーターだけでは部屋全体を暖めることができず、電気代もかさむので、何かしらの暖房器具と一緒に使うのがベストだと言えるでしょう。
電気会社のプランを見直して電気代を節約しよう
暖房器具による冬の電気代がかさむことが気になるなら、契約している料金プランや電力会社自体を見直すのも節約につながる良い方法です。例えば、日中仕事や学校で家を留守にしている人であれば、夜間の電気料金が安いプランに変更することで電気代を節約することができます。
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まとめ
ハロゲンヒーターは比較的電気代がかかりやすい暖房器具ではありますが、ピンポイントで使用する、ほかの暖房器具と併用して使うといった工夫をすれば、とても効果的に使用できるということがおわかりいただけたでしょうか。
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まずは、電気料金プランを見直して、今の生活のままで電気代が安くなるのか試してみてはいかがでしょうか。