ハロゲンヒーターの電気代が気になるなら、目安を計算してみるのがおすすめです。ほかの暖房器具の特徴や電気代も把握すれば、自宅で使う暖房器具選びの判断材料になるでしょう。ハロゲンヒーターの特徴・電気代やほかの暖房器具との比較について解説します。
ハロゲンヒーターの基礎知識
そもそもハロゲンヒーターとはどのような暖房器具なのでしょうか。まずは、ハロゲンヒーターの仕組みやメリット・デメリットを見ていきましょう。
ハロゲンヒーターとは
電気ストーブの一種であるハロゲンヒーターは、ハロゲンランプを熱源とする暖房器具です。ハロゲンランプに電気を通すと、フィラメントが高温になり、赤外線を放出します。
ハロゲンランプから放出される赤外線は、周囲の物体に吸収され、その吸収した物体を温めます。このように離れた物体でも温められる熱の伝わり方を輻射熱と呼び、太陽光や焚き火の熱が輻射熱の代表例です。
ハロゲンヒーターはガスや灯油などの燃料を使用せず、電気のみで動作するため、手軽に暖を取れます。部屋全体ではなく、特定の場所や人を暖めるのに適した暖房器具です。
ハロゲンヒーターのメリット・デメリット
ハロゲンヒーターのメリットとデメリットをまとめました。
ハロゲンヒーターのメリット | ハロゲンヒーターのデメリット |
---|---|
・速暖性に優れており、素早く暖を取れる ・コンパクトな製品が多く、置き場所を選ばない ・燃料を使わないため空気が汚れにくく、臭いもしない ・ほかの暖房器具に比べて本体価格が比較的手頃 ・フィルター掃除などの手間がかからず、表面を軽く拭くだけで手入れできる |
・部屋全体を暖めるのが苦手 ・遠赤外線量が少なめで、暖房能力はそれほど高くない ・消費電力が比較的大きいため、長時間使用すると電気代が高くなりやすい ・加熱部が非常に高温になるため、やけどを負うリスクがある ・転倒時に自動で電源が切れる機能がない場合、火災のリスクがある |
ハロゲンヒーターの電気代の目安
ハロゲンヒーターは電気代が比較的高く、長時間の使用には不向きです。どのくらいの電気代がかかるのか、実際の製品を取り上げて計算します。
電化製品の電気代の計算式
電化製品の電気代は、「消費電力(kW)×使用時間(時間)×電気料金単価(円/kWh)」で計算できます。
消費電力は電化製品のラベルや取扱説明書で確認することが可能です。単位がWになっている場合は、1,000で割ってkWに変換する必要があります。
電気料金単価の部分に、契約している電力会社の料金単価を入れれば、実際の数値に近い電気代を求めることが可能です。本記事の電気代の計算では、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価の31円/kWhを用います。
※出典: よくある質問 Q&A 公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会
一般的なハロゲンヒーターの電気代
ハロゲンヒーターの電気代の目安を計算するために、以下の製品を取り上げました。なお、記事全体を通して暖房器具の1日あたりの使用時間は8時間と仮定します。
- 製品名:PH-1212(W)
- メーカー:TEKNOS
- 消費電力:800W、1,200W
消費電力800Wの場合 | 消費電力1,200Wの場合 | |
---|---|---|
1時間あたりの電気代 | 約24.8円 | 約37.2円 |
1日(8時間)あたりの電気代 | 約198.4円 | 約297.6円 |
1カ月(8時間×30日)あたりの電気代 | 約5,952円 | 約8,928円 |
※出典: ハロゲンヒーター 3灯 TEKNOS PH-1212(W) ホワイト 7252032│アイリスオーヤマ公式通販アイリスプラザ
ハロゲンヒーター以外の電気ストーブの電気代
電気ストーブはハロゲンヒーター以外にもいくつかの種類があります。代表的な電気ストーブの特徴と電気代を把握し、暖房器具選びの参考にしましょう。
カーボンヒーターの特徴と電気代
カーボンヒーターは炭素繊維を発熱体とする電気ストーブです。ハロゲンヒーターより遠赤外線量が多く、優れた暖房能力を発揮します。立ち上がりが早いこともメリットです。
- 製品名:SKJ-WM90C3
- メーカー:SKジャパン
- 消費電力:300W、600W、900W
消費電力300Wの場合 | 消費電力600Wの場合 | 消費電力900Wの場合 | |
---|---|---|---|
1時間あたりの電気代 | 約9.3円 | 約18.6円 | 約27.9円 |
1日(8時間)あたりの電気代 | 約74.4円 | 約148.8円 | 約223.2円 |
1カ月(8時間×30日)あたりの電気代 | 約2,232円 | 約4,464円 | 約6,696円 |
シーズヒーターの特徴と電気代
シーズヒーターは、金属管(シース)から熱を放出する遠赤外線ヒーターです。遠赤外線量が非常に多く暖房能力が高い反面、ほかの電気ストーブに比べて立ち上がりが遅いデメリットがあります。
- 製品名:KIESB-S900-B
- メーカー:アイリスオーヤマ
- 消費電力:900W
1時間あたりの電気代 | 約27.9円 |
1日(8時間)あたりの電気代 | 約223.2円 |
1カ月(8時間×30日)あたりの電気代 | 約6,696円 |
※出典: 遠赤外線電気ストーブ 縦型首振り ブラックコートヒーター|ブラックコート|電気ストーブ|季節家電|電化製品|商品情報|アイリスオーヤマ
パネルヒーターの特徴と電気代
内蔵パネルの輻射熱で暖める電気ストーブがパネルヒーターです。広い部屋に適したタイプと、狭い空間向けのタイプがあります。以下でご紹介する製品は狭い空間向けのタイプです。
- 製品名:DP-SD30
- メーカー:山善
- 消費電力:300W
1時間あたりの電気代 | 約9.3円 |
1日(8時間)あたりの電気代 | 約74.4円 |
1カ月(8時間×30日)あたりの電気代 | 約2,232円 |
電気ストーブ以外の暖房器具の電気代
ハロゲンヒーターの特徴や電気代を、電気ストーブ以外の暖房器具とも比較してみましょう。エアコン・セラミックファンヒーター・ホットカーペット・こたつの特徴と電気代をご紹介します。
エアコンの特徴と電気代
エアコンは室内全体を効率的に暖められる暖房器具です。ハロゲンヒーターとは特徴が大きく異なるため、併用することでそれぞれの良さを生かせるでしょう。一般的に、エアコンはハロゲンヒーターより電気代を抑えられます。
- 製品名:MSZ-GV2223-W
- メーカー:三菱電機
- 消費電力(暖房):470W
1時間あたりの電気代 | 約14.57円 |
1日(8時間)あたりの電気代 | 約116.56円 |
1カ月(8時間×30日)あたりの電気代 | 約3,496.8円 |
セラミックファンヒーターの特徴と電気代
セラミックファンヒーターは電気暖房器具の一種ですが、ハロゲンヒーターのように赤外線を出すのではなく、ファンで温風を吹き出して周囲の空気を暖めます。一般的にスポット暖房として使われる点は、ハロゲンヒーターと同じです。
- 製品名:DS-FS1200
- メーカー:パナソニック
- 消費電力:640W、1,170W
消費電力640Wの場合 | 消費電力1,170Wの場合 | |
---|---|---|
1時間あたりの電気代 | 約19.84円 | 約36.27円 |
1日(8時間)あたりの電気代 | 約158.72円 | 約290.16円 |
1カ月(8時間×30日)あたりの電気代 | 約4,761.6円 | 約8,704.8円 |
※出典: 概要 セラミックファンヒーター DS-FS1200 | 電気カーペット(ホットカーペット)・暖房器具 | Panasonic
⇒セラミックファンヒーターの電気代についてもっと詳しく知りたい方はこちら
ホットカーペットの特徴と電気代
ホットカーペットは触れている部分のみを温める暖房器具です。部屋全体を暖めるのは不得手で、使える場所も限られるため、ほかの暖房器具と併用することで効果を生かせます。電気代を比較的抑えられる点がメリットです。
- 製品名:SUEF-S204
- メーカー:山善
- 1時間あたりの電気代の目安:約2.6円(中)、約3.6円(強)
「中」設定の場合 | 「強」設定の場合 | |
---|---|---|
1日(8時間)あたりの電気代 | 約20.8円 | 約28.8円 |
1カ月(8時間×30日)あたりの電気代 | 約624円 | 約864円 |
※出典: 商品情報_空気をキレイにする省エネホットカーペット(2畳) | 山善の商品情報サイト | YAMAZEN BOOK
⇒ホットカーペットの電気代についてもっと詳しく知りたい方はこちら
こたつの特徴と電気代
こたつもホットカーペットと同様、消費電力が比較的小さい暖房器具です。ほかの暖房器具とは使い方も大きく異なるため、エアコンやハロゲンヒーターなどと併用するとよいでしょう。
- 製品名:KCK-750MD
- メーカー:ユアサプライムス
- 消費電力:約98W(強)※1時間あたり約3円
1日(8時間)あたりの電気代 | 約24円 |
1カ月(8時間×30日)あたりの電気代 | 約720円 |
※出典: ユアサプライムス.com|ユアサプライムス こたつテーブル KCK-750MD(IV) カジュアルこたつ 75×75cm 正方形 おしゃれなリバーシブル天板 シンプル リビングコタツ YUASA 炬燵の通販
⇒こたつの電気代についてもっと詳しく知りたい方はこちら
ハロゲンヒーターの電気代の節約方法
ハロゲンヒーターは暖房器具の中でも比較的電気代が高いため、工夫をして節約しながら使いましょう。ハロゲンヒーターの電気代の節約方法をご紹介します。
ほかの暖房器具と一緒に使う
ハロゲンヒーターのみで暖を取ろうとすると、もともとの消費電力が大きいため電気代も上がりやすくなります。電気代の節約を図るなら、ほかの暖房器具と併用するのがおすすめです。
エアコンは部屋全体を暖めるのに時間がかかるため、ハロゲンヒーターの速暖性を利用して部屋が暖まるまでの間だけ使用すると、電気代を抑えつつ快適に過ごせます。
また、ホットカーペットやこたつと併用するのも効果的です。ホットカーペットやこたつで下半身を、ハロゲンヒーターで上半身を温めれば、節約効果を期待できます。
設置場所や目的に合わせて選ぶ
ハロゲンヒーターはさまざまな形状やサイズの製品が販売されています。持ち運びに便利であるメリットを生かすために、設置場所や目的に合わせて選びましょう。
例えば、トイレや脱衣所など狭い場所で使うなら、奥行きが薄いスリムなタイプが適しています。足元をピンポイントで温めたい場合は、高さが低い製品が使いやすいでしょう。
設置場所や目的に合った製品を選ぶことで、暖房効率がより高くなり、電気代の節約につながります。
省エネ機能を活用する
ハロゲンヒーターに搭載されている省エネ機能を活用すれば、電気代の節約を図れます。代表的な省エネ機能は次の通りです。
- タイマー機能:使用時間を設定できる
- 温度調節機能:設定温度を細かく調節できる
- 温度センサー機能:室温が設定温度に達すると自動で電源が切れる
製品を選ぶ際は、上記のような省エネ機能があるかもチェックするとよいでしょう。
電力会社を切り替える
ハロゲンヒーターの電気代を抑えたい場合は、使い方の工夫だけでなく、電力会社を見直すのも有効です。電力小売自由化によって電力会社の選択肢が増え、契約内容や電力使用量に合わせてプランを選ぶことで、毎月の電気代を節約できる可能性があります。
電力会社の切り替えは、通常は検針日を基準に行われるため、二重請求の心配はありません。新しい電力会社が旧電力会社の解約手続きを代行してくれるのが一般的です。ただし、契約内容によっては解約時に違約金が発生する場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。
⇒電力会社の乗り換えについてもっと詳しく知りたい方はこちら
ハロゲンヒーターの電気代を賢く節約
ハロゲンヒーターは輻射熱で体を直接温める暖房器具です。速暖性に優れている点や空気が汚れにくい点など、さまざまなメリットがあります。
一方、広い部屋を温めるのは苦手なほか、電気代も比較的高めです。ほかの暖房器具と併用したり、省エネ機能を活用したりして、賢く節約しながら上手に活用していきましょう。
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