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寒い冬を乗り切るためには、電気ストーブやエアコンが不可欠です。いずれも電気代がかかりやすい暖房器具ですが、どちらが経済的なのでしょうか。電気ストーブとエアコンの電気代や節約方法、暖房器具以外で電気代を抑えるコツをご紹介します。

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電気ストーブの主な種類と電気代

電気ストーブにはさまざまな種類があり、使用用途や電気代がそれぞれ異なります。まずは、代表的な電気ストーブの特徴や電気代を見ていきましょう。

種類ごとにピックアップした製品の電気代は、次の式で計算しています。

1時間あたりの電気代の計算式:(消費電力(W)÷1,000)×料金単価(円/kWh)

現在の電気料金の目安単価は、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める31円/kWh(税込)です。また、電気ストーブの1日あたりの使用時間は8時間と仮定します。

※出典: よくある質問 Q&A カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか?|公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会

カーボンヒーター

カーボンヒーターは炭素繊維を発熱体とする電気ストーブです。放出する遠赤外線の量が多く、体の芯から温まれます。速暖性に優れていることも特徴です。

広い部屋を暖めるのには不向きで、一般的にはスポット暖房として使われます。トイレや洗面所、デスクの足元などに置いて使うのがおすすめです。

モデル名:DC-W093(山善)
消費電力:450W、900W

消費電力450W の場合

  • 1時間あたりの電気代:0.45kW×31円/kWh=約13.95円/h
  • 1日あたりの電気代:13.95円/h×8h=約111.6円/日

消費電力900Wの場合

  • 1時間あたりの電気代:0.9kW×31円/kWh=約27.9円/h
  • 1日あたりの電気代:27.9円/h×8h=約223.2円/日

電気ストーブの中では電気代が比較的安い部類に属しますが、長時間使用し続けると電気代がかさみます。

※出典: 商品情報_カーボンヒーター(900/450W) | 山善の商品情報サイト | YAMAZEN BOOK

カーボンヒーターの電気代についてもっと詳しく知りたい方はこちら

ハロゲンヒーター

ハロゲンランプを発熱体とするハロゲンヒーターは、狭い場所での使用に適したスポット暖房です。コンパクトな製品が多く持ち運びに便利なほか、電源を入れて数秒で暖かくなるメリットもあります。

ただし、カーボンヒーターほどの遠赤外線量はなく、暖房能力はそれほど高くありません。本体価格が手頃なので、気軽に導入できる暖房器具として捉えておくとよいでしょう。

モデル名:PH-1212(テクノス)
消費電力:800W、1,200W

消費電力800Wの場合:

  • 1時間あたりの電気代:0.8kW×31円/kWh=約24.8円/h
  • 1日あたりの電気代:24.8円/h×8h=約198.4円/日

消費電力1,200Wの場合:

  • 1時間あたりの電気代:1.2kW×31円/kWh=約37.2円/h
  • 1日あたりの電気代:37.2円/h×8h=約297.6円/日

ほかの電気ストーブに比べ消費電力が高めで、設定温度が高いまま使い続けると電気代がかさみやすくなります。

※出典: 直管型ハロゲンヒーター 400W管3灯PH-1212(W) - TEKNOS (テクノス) 生活必需品ブランド|株式会社千住
ハロゲンヒーターの電気代についてもっと詳しく知りたい方はこちら

シーズヒーター

遠赤外線の力で暖めるシーズヒーターは、カーボンヒーターより遠赤外線量が多いのが特徴です。ただし、暖かくなるまで約1~2分かかるため、すぐに暖を取る目的で使うのには向きません。ほかの暖房器具で暖かく感じられない場合に併用するのがおすすめです。

暖房能力や機能性の高さをメリットに持つ半面、本体価格が割高なので導入時にコストがかかる点に注意しましょう。

モデル名:CER11YS-W(ダイキン)
消費電力:250W~1,100W

消費電力250Wの場合

  • 1時間あたりの電気代:0.25kW×31円/kWh=約7.75円/h
  • 1日あたりの電気代:7.75円/h×8h=約62.0円/日

消費電力1,100Wの場合

  • 1時間あたりの電気代:1.1kW×31円/kWh=約34.1円/h
  • 1日あたりの電気代:34.1円/h×8h=約272.8円/日

シーズヒーターは消費電力に幅があり、上手に使えば電気代を抑えて使えます。

※出典: 遠赤外線暖房機 セラムヒート(ぴちょんくんのお店取扱製品) | ダイキン工業株式会社

セラミックファンヒーター

セラミックファンヒーターは、セラミックを電気で加熱しファンで温風を送り出すことで空気を暖める電気ストーブです。速暖性に優れ、狭い場所で素早く暖を取るのに適しています。

一方でパワーが弱く、広い部屋全体を暖めるのには不向きです。コンパクトな製品が多いため、メイン暖房が届きにくい場所でスポット暖房として使いましょう。

モデル名:PCH-HM12B-W(アイリスオーヤマ)
消費電力:625W、1,250W

消費電力625Wの場合

  • 1時間あたりの電気代:0.625kW×31円/kWh=約19.38円/h
  • 1日あたりの電気代:19.38円/h×8h=約155.04円/日

消費電力1,250Wの場合

  • 1時間あたりの電気代:1.25kW×31円/kWh=約38.75円/h
  • 1日あたりの電気代:38.75円/h×8h=約310円/日

セラミックファンヒーターは一般的に電気代が割高です。長時間使い続けると電気代が上がりやすくなります。

※出典: 大風量 セラミックファンヒーター 加湿機能 人感センサー イオン搭載 PCH-HM12B-W ホワイト H298639 │アイリスプラザ│アイリスオーヤマ公式通販サイト

セラミックヒーターの電気代についてもっと詳しく知りたい方はこちら

オイルヒーター

オイルヒーターは広範囲を暖められる暖房器具です。温風を出さないため空気の乾燥を抑えられるほか、モーターやファンがなく静音性が高いメリットもあります。

オイルヒーターのデメリットは、室内が暖まるまで時間がかかることです。サイズが大きいタイプが多く、置き場所の確保を求められる点にも注意しましょう。

モデル名:RHJ75V0915-GY(デロンギ)
消費電力:600W、900W、1,500W

消費電力600Wの場合

  • 1時間あたりの電気代:0.6kW×31円/kWh=約18.6円/h
  • 1日あたりの電気代:18.6円/h×8h=約148.8円/日

消費電力900Wの場合

  • 1時間あたりの電気代:0.9kW×31円/kWh=約27.9円/h
  • 1日あたりの電気代:27.9円/h×8h=約223.2円/日

消費電力1,500Wの場合

  • 1時間あたりの電気代:1.5kW×31円/kWh=約46.5円/h
  • 1日あたりの電気代:46.5円/h×8h=約372円/日

オイルヒーターをフルパワーで使うと電気代が高くなるため、いかに出力を下げた状態で使うかが節約のカギといえます。

※出典: RHJ75V0915-GY | デロンギ

オイルヒーターの電気代についてもっと詳しく知りたい方はこちら

エアコンの電気代

現在の電気料金の目安単価31円/kWhを用いて、一般的なエアコン暖房の電気代を計算します。自宅の電気料金単価やエアコンの消費電力がわかる場合は、自分でも実際に電気代を計算してみるとよいでしょう。

一般的なエアコン暖房の電気代

エアコンは広い空間を均一に暖められる暖房器具です。暖房だけでなく冷房としても使える特徴を持ちます。

温風で部屋を暖めるため、空気の乾燥に注意が必要です。また、持ち運べるタイプが多い電気ストーブと異なり、エアコンは一度設置したら基本的には動かせません。

モデル名:RAS-AJ25N(日立)
※8畳用
消費電力(暖房時):630W

  • 1時間あたりの電気代:0.63kW×31円/kWh=約19.53円/h
  • 1日あたりの電気代:19.53円/h×8h=約156.24円/日

消費電力だけで比較すると、エアコンの電気代は電気ストーブより割安だといえるでしょう。

※出典: ルームエアコン AJシリーズ : 住宅設備用エアコン : 日立グローバルライフソリューションズ株式会社

エアコン暖房の電気代についてもっと詳しく知りたい方はこちら

電気ストーブとエアコンの電気代はどっちが安い?

電気ストーブとエアコンのいずれも、消費電力に幅があるため、電気代の単純な比較は困難です。ここでは、電気ストーブとエアコンの電気代を比較する際の考え方について解説します。

長時間使うならエアコンのほうが安い

電気ストーブの消費電力は常に一定です。自動で消費電力が切り替わる製品もあるものの、基本的には手動で設定温度を変えない限り、同じ消費電力で運転し続けます。

一方、エアコンは運転開始時から設定温度に達するまでの消費電力が高く、設定温度に達した後は消費電力を抑えながら室温を保ちます。

従って、一般的な使い方で長時間稼働させる場合は、電気ストーブよりエアコンのほうが電気代は安くなります。

場所や目的に合わせた使い分けが大切

電気ストーブとエアコンは使用用途が異なります。電気ストーブは素早く暖を取れるスポット暖房、エアコンは広い部屋を暖めるのが得意な暖房器具です。

狭い空間を暖めたいときや、一時的・局所的に暖めたいときは、電気ストーブが適しています。逆に、広い空間を暖める暖房器具が欲しいだけなら、電気ストーブを購入する必要はないでしょう。

単純に電気代のみを比較するのではなく、電気ストーブとエアコンの特徴も踏まえて選ぶことが大切です。両方を購入し、場所や目的に合わせて使い分ける方法もあります。

電気ストーブやエアコンの電気代を節約する方法

電気ストーブやエアコンは、ご家庭で使う電化製品の中でも、電気代がかかりやすい電化製品です。以下に挙げる方法を実践すれば、節約効果をより高められるでしょう。

ほかの暖房器具と併用する

エアコンで室内が暖まるまでの間に電気ストーブで暖を取れば、それぞれの特性を生かして快適に過ごせます。電気ストーブにより体感温度が上がるため、エアコンの設定温度も下げられるでしょう。

電気ストーブとホットカーペット・こたつを併用するのもおすすめです。局所的に温めたい部分に電気ストーブを使えば、暖房効果が高まります。ホットカーペットやこたつは消費電力が低いため、電気ストーブと併用しても電気代が大幅に上がることはありません。

サーキュレーターを活用する

エアコンやオイルヒーターなど、室内全体を暖める暖房器具を使うときは、サーキュレーターを活用しましょう。暖気が部屋の隅々まで行き渡りやすくなります。

空気を循環させて暖房効果が高まれば、電気代の節約にもつながります。暖気は部屋の上側に溜まる性質があるため、サーキュレーターは上向きに使いましょう。

省エネ機能を使う

電気ストーブやエアコンを選ぶ際は、省エネ機能をチェックしましょう。次のような機能を活用すれば、電気代の節約を期待できます。

  • 自動電源オフ:運転時間や室温から判断して電源を切る
  • 人感センサー:人がいなくなると電源を切る
  • スマートフォン連携:外出先から機器を操作できる
  • エリア空調:特定の空間を局所的に暖める

フィルターが付いている製品は、フィルターが目詰まりすると暖房効率が下がります。フィルター自動清掃機能が備わっていれば、自動で清掃してくれるため効率的な運転が可能です。

最新モデルに買い替える

近年の電化製品は省エネ性能が高くなっており、古い電化製品を最新モデルに買い替えるだけで、電気代の節約につながる可能性があります。

例えば、10年前に購入したエアコンを今どきの省エネタイプに買い替えれば、約15%の省エネ効果を期待できます。

省エネ性能が高い製品の普及を促進する制度が「トップランナー制度」です。電気ストーブやエアコンはトップランナー制度の対象機器となっているため、古い製品を使っているなら買い替えを検討するのもよいでしょう。

※出典: 機器の買換で省エネ節約 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト

暖房器具以外で電気代を抑えるコツ

暖房器具の使い方の見直し以外にも、電気代を抑える方法はあります。誰でも実践しやすい節約術を見ていきましょう。

部屋の断熱性を高める

室内の暖気が外に逃げたり、冷たい外気が室内に入り込んだりすると、室内の温度が下がるため暖房代が高くなってしまいます。次に挙げる方法を試し、部屋の断熱性を高めましょう。

  • 窓に断熱シートを貼る
  • 窓の隙間を埋める
  • 厚手のカーテンを使う
  • 断熱カーテンを使う

窓は熱が移動しやすいため、窓の断熱性を高めるだけでも部屋の温度が変化しにくくなります。

室内の湿度を上げる

湿度は体感温度に影響します。湿度を上げれば体感温度が上がるため、加湿器を併用すれば暖房器具の設定温度を下げられるでしょう。

加湿器がない場合は濡れたタオルを干すのも効果的です。空気の乾燥予防にもなるため、寒い時期は部屋の湿度をできるだけ上げる工夫をしましょう。

契約アンペア数を見直す

電力会社によっては、契約アンペア数が上がると電気料金も上がる仕組みになっているケースがあります。

現在の契約アンペア数を下げれば基本料金が下がり、電気代の節約を図ることが可能です。電化製品の同時使用量を確認し、契約アンペア数を下げられないか検討してみましょう。世帯人数別の契約アンペア数の目安は次の通りです。

  • 1~2人世帯:30A
  • 3人世帯:40A
  • 4人世帯:50A
  • 5人以上世帯:60A

電力会社を変更する

電気代の節約を図るなら、電力会社の変更を検討するのもおすすめです。現在は自由に電力会社を変更できるようになっているため、自宅が対象エリアになっている電力会社のプランを比較してみましょう。

今より電気料金が安い電力会社に変更すれば、節約を頑張らなくても電気代の節約につながる可能性があります。

電気ストーブとエアコンの電気代を節約しよう

電気ストーブとエアコンの電気代は、一般的な使い方ならエアコンのほうが安くなります。ただし、使用用途がそれぞれ異なるため、場所や目的に合わせた使い分けが大切です。

広い部屋を暖めるならエアコン、狭い場所を暖めたり素早く暖を取ったりしたい場合は電気ストーブが向いています。エアコンと電気ストーブを上手に併用すれば、電気代の節約も図れるでしょう。

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