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セラミックファンヒーターの電気代は高い? 他の暖房器具との比較と節約のコツ セラミックファンヒーターの電気代は高い? 他の暖房器具との比較と節約のコツ

手軽に使えてすぐに暖かくなるセラミックファンヒーターは、とても便利な暖房器具です。ただしセラミックファンヒーターは使い勝手が良い反面、電気料金が意外とかかります。また、セラミックファンヒーターの電気料金が、他の暖房器具より高いのかどうかも気になるところです。

こちらの記事では、セラミックファンヒーターの特徴や電気料金を他の暖房器具と比較しながらご紹介した上で、電気料金の節約方法について解説します。

セラミックファンヒーターはどんな暖房器具?

セラミックファンヒーターは電源をコンセントにつなぐだけですぐに寒さをしのげる、身近な暖房器具として広く認知されています。一方で、セラミックファンヒーターがどうやって温風を出しているのかについては、あまり知られていないかもしれません。そのため、まずはセラミックファンヒーターが発熱する仕組みについてご説明します。

セラミックファンヒーターの仕組み

セラミックヒーターは、特殊加工されたセラミックに電気を流すことで発熱させ、発熱したセラミック部分にファンを回すことで温風を生み出しています。セラミック(セラミックス)とは、「非金属・無機物による材料で、その製造工程において高温処理を受けたもの」です(※)。セラミック自体は熱を持たない物質であるため、セラミックだけでは温風を放つことはできません。

セラミックに通電させることで、初めて熱が生まれます。セラミックが熱を帯びるため必要なのは電気だけで、灯油やガスといった燃料は不要です。セラミックファンヒーターは、非燃焼系の暖房器具なのです。セラミックファンヒーターでは、熱を生み出すセラミックと温風を送り込むためのファンが、仕組み上重要な役割を担っています。

※出典:湯本電機株式会社 ワンポイント講座

電気エネルギーを熱エネルギーに変換

セラミックファンヒーターは、電気エネルギーを熱エネルギーに変換する原理を基本とする構造です。まずセラミックのような導体に電気を流すことで、内部に自由電子が発生します。その後電流によって生じた自由電子が、セラミック自体が持っている原子に衝突します。その衝突によって導体内部の構造に動きが生まれ、その振動で生じるのが熱エネルギーです。(※1)

つまり電流によりセラミック内部に構造変化が起きるため、電気エネルギーが熱エネルギーに変換されることになります。導体内部で電子を衝突させ熱を生み出す現象が抵抗加熱と呼ばれるものであり、抵抗加熱により生じた熱はジュール熱やジュール発熱といわれています。電気抵抗の導体として使用される材料は、セラミックのほかにニクロム線などがあります。(※2)

※1 出典:工業用ヒーター・電気炉Matching LAB
※2 出典:塩田電線株式会社 ニッケルクロム線・鉄クロム線

セラミックファンヒーターのメリット

セラミックファンヒーターの基本構造がわかったところで、セラミックファンヒーターが他の暖房器具よりどう優れているのか気になる方も多いでしょう。こちらの項目では、セラミックファンヒーターを使用した際のメリットについて、詳しくご紹介します。

すぐに暖かくなる

セラミックファンヒーターは、電源を入れると即時にセラミックが加熱されるため、すぐに温風を送り出すことができます。エアコンなどの暖房器具と違ってすぐに暖をとれるのは、セラミックファンヒーターの大きなメリットです。ただしセラミックファンヒーターはもともと局所的な暖房器具であるため、ヒーターと離れていたら体感温度はなかなか上がりません。

全身を素早く温めたいときは、セラミックファンヒーターに身体を近づけるといった工夫も必要になるでしょう。近年のセラミックファンヒーターには、消費電力に応じて温風の強さを変える機能や首振り機能などが備わっています。セラミックファンヒーターの機能に応じて、自分にとってベストな距離を見つけることが重要です。

安全性が高い

セラミックファンヒーターは非燃焼系の暖房器具であるため、熱を生み出すのに火を使いません。
灯油のファンヒーターやガスストーブは、発熱するために燃料を燃やす必要があり、火災の危険性がどうしても生じてしまいます。一方でセラミックファンヒーターは電気だけで熱を生み出すため、灯油やガスを使った暖房器具よりも火災リスクが大幅に減少します。そのため使用中の安全性が高い点も、セラミックファンヒーターの大きなメリットになるでしょう。
またセラミックファンヒーターの温風吹き出し口は、稼働中も高温になりにくいため、触れても火傷の危険性は低いです。小さいお子さんのいるご家庭でも、火傷の心配をせずに安心して使用できます。

臭いがない

臭いがない 臭いがない

セラミックファンヒーターでは、使用中に気になる臭いが発生しません。灯油ファンヒーターやガスストーブは、使用中に灯油やガスを燃焼させるため、どうしても燃焼に伴う臭いが生じてしまいます。一方セラミックファンヒーターは、非燃焼系の暖房器具で燃焼による臭いもなく、臭いに敏感な方も安心して使用できます。臭いが人に与える影響は大きいため、臭いがないからセラミックファンヒーターを選ぶ方も少なくないでしょう。

また消臭機能付きのセラミックファンヒーターも発売されており、臭いを出さないだけでなく、すでにある臭いを消して空気をきれいにすることも可能です。セラミックファンヒーターは暖房器具として部屋を暖めるだけでなく、室内の消臭や空気の清浄といった多岐にわたる役割を担いつつあります。

空気を汚さない

ガスファンヒーターや灯油ストーブでは、使用中に酸素の燃焼で二酸化炭素(CO2)が発生するため定期的な換気が必要です。さらに換気が不十分な状態で酸素が燃焼すると、不完全燃焼により二酸化炭素ではなく、一酸化炭素(CO)が発生してしまいます。(※)

一酸化炭素は少しでも吸い込むと身体に悪影響を及ぼし、死亡する危険もある毒性の高い気体です。そのため使用中の換気は必須であり、換気をしたとしても室内の空気がある程度汚れてしまうのは避けられません。その点セラミックファンヒーターは、非燃焼系で使用中に酸素の減少も起きないため、換気の必要はなく空気も安全です。

冬場の寒い時期に定期的に換気をすると、せっかく暖まった室内がまた冷え込んでしまいます。換気なしで空気を汚さず使用できるのは、セラミックファンヒーターの大きな利点といえるでしょう。

※出典:Selectra 石油ストーブは換気が必要ですか? - 石油ストーブの安全な使い方

電気代を他の暖房器具と比較

説明した通り、セラミックファンヒーターにはさまざまなメリットがありますが、気になるのはその電気料金です。この項目では、家電メーカーから実際に発売されているモデルを例に挙げながら、セラミックファンヒーターの電気料金を他の暖房器具と比較しながら解説します。

セラミックファンヒーター

まずはセラミックファンヒーターの、1時間あたりの電気料金を見てみましょう。参考資料としてパナソニックホールディングス株式会社が販売する、パナソニック製のセラミックファンヒーターで電気料金を調べてみます。

DS-FWX1200 DS-FKX1205 DS-FTS1201
定格消費電力 1200W(温風風量5時) 1250W/1220W 1250W/1200W
1時間あたりの電気料金 約32.4円 約33.8円 約31.6円

※出典:パナソニック電気暖房総合カタログ2021

上記のパナソニックの機種では、1時間あたりの電気料金が約30円となっています。朝7時から夜11時までの16時間稼働させたとしたら、(31~33)円×16時間=496円~528円となり、約500円の電気代がかかります。

就寝中も使用した場合は、さらに電気料金がかかることになります。なおDS-FKX1205とDS-FTS1201で消費電力が2パターンあるのは、2段階で温風調節ができて消費電力がそれぞれ違うためです。

エアコン

次にエアコンの電気料金を見てみましょう。エアコンについても、パナソニックの製品を参考にします。

CS-UX252D2-W CS-TX222D-W CS-TX252D-W
標準消費電力(最小消費電力~最大消費電力) 470W(105~3790W) 470W(105~1950W) 525W(105~1980W)
1時間あたりの電気料金 約12.7円 約12.7円 約14.2円

※出典:パナソニック フル暖エアコンカタログ 21-2022

セラミックファンヒーターでも、温風調節などで消費電力が違いましたが、エアコンでは使用状況によりさらに消費電力に差が出ます。例えば上記表のモデルであるCS-UX252D2-Wについては、105~3790Wと消費電力に幅があるため、電気料金も2.8円から最大で102.3円と大きな差が生まれます。

一般的な使い方をすれば、上記のカタログ値になります。セラミックファンヒーターとエアコンの電気料金を比較すると、エアコンの電気料金の方が安いことがわかります。
エアコンの電気料金が安いのは、エアコンにヒートポンプという技術が搭載されているのが大きな理由です。ヒートポンプ技術とは、少ないエネルギーで空気中から熱を集めて、大きな熱エネルギーを生み出すテクノロジーです(※)。ポンプのように空気中の熱をくみ上げることから、ヒートポンプと呼ばれています。ヒートポンプ技術により、エアコンはあらゆる暖房器具で最も安い電気料金を実現しています。

※出典:一般財団法人 ヒートポンプ・蓄熱センター

オイルヒーター

続いてオイルヒーターの電気料金についてです。オイルヒーターとは、オイルを温めることで放熱する暖房器具です。オイルヒーターには難燃性のオイルが内蔵されており、熱伝導率が高く燃えにくいオイルを加熱することで、部屋全体をじんわり暖めることができます。

オイルヒーターは電気のみで発熱する、非燃焼系の暖房器具です。またオイルヒーターの電気料金は、イタリアの家電ブランドであるデロンギ製品を参考にしています。

MDHU09-PB MDHU12-PB
消費電力 900W 1200W
1時間あたりの電気料金(最大出力の状態で試算) 約24.3円 約32.4円

※出典:デロンギ ヒーター 電気代は?

オイルヒーターの電気料金は、セラミックファンヒーターとほぼ同額で、型番によってはオイルヒーターの電気料金の方が安いことがわかります。また上記の電気料金は、あくまで最大出力で使用した場合であり、いつもこれだけの料金がかかるわけではありません。

デロンギ公式によると~8畳・リビング(20℃設定)で、マルチダイナミックヒーター(ECO機能あり)を9時間した場合の電気料金は、1時間あたり約9.6円となっています(※)。

※出典:デロンギWebサイト 電気代かんたん計算

赤外線ヒーター

最後に赤外線ヒーターの電気料金も確認しておきましょう。赤外線ヒーターとは電気ストーブの1種で、赤外線加熱により周囲を暖めることができます。赤外線ヒーターも電気のみで発熱するため、非燃焼系の暖房器具です。立ち上がりが早く急速加熱ができるため、すぐに暖まりたいときに便利です。

ただ局所的な加熱しかできないため、部屋全体を暖める暖房器具としては期待できません。体感温度を上げるためにはセラミックファンヒーターと同様に、赤外線ヒーターを身近に置くなどの工夫が必要になります。また赤外線ヒーターの電気料金は、株式会社山善から発売されているモデルを参考にします。

DSC-SK121 DC-SW091
消費電力 1200W 900W
1時間あたりの電気料金 約32.4円 約24.3円

※出典:YAMAZEN 暖房機器

今回使用したモデルによれば、赤外線ヒーターの電気料金はセラミックファンヒーターとほぼ同額か、型番によっては赤外線ヒーターの方が安いことがわかります。エアコンと比べると、やはり赤外線ヒーターよりエアコンの電気料金の方が安いです。

最後にセラミックファンヒーター、エアコン、オイルヒーター、赤外線ヒーターの電気料金を一覧表としてまとめました。なお製品の型番により電気料金が違うため、各暖房器具の1番電気料金が安い型番で比べています。

セラミックファンヒーター(DS-FTS1201) エアコン(CS-TX222D-W) オイルヒーター(MDHU09-PB) 赤外線ヒーター(DC-SW091)
消費電力 1250W/1200W 470W(105~1950W) 900W 900W
1時間あたりの電気料金 約31.6円 約12.7円 約24.3円 約24.3円

セラミックファンヒーターの電気代を安くする方法

セラミックファンヒーターの電気代を安くする方法 セラミックファンヒーターの電気代を安くする方法

電気料金の比較でわかる通り、セラミックファンヒーターの電気料金は決して安くはありません。近年日本の電気料金は高騰しており、むやみにセラミックファンヒーターを使ってしまうと、家計の圧迫につながってしまいます。そのためこちらの項目では、電気料金を抑えながら、セラミックファンヒーターを使う方法について解説します。

局所暖房として利用する

セラミックファンヒーターのメリットでも説明した通り、セラミックファンヒーターは周辺部分を暖める局所的な暖房器具として使われています。そもそもセラミックファンヒーターに部屋全体を暖める機能は備わっておらず、エアコンより安い電気料金で使用することは原理的に難しいです。そのため、セラミックファンヒーターで部屋そのものを暖めようとすると、電気料金もかなりかかってしまいます。

セラミックファンヒーターは、手足の冷えなどを解消したいときにピンポイントで利用することで、電気料金をかけずに安く使うことが可能です。体感温度をすぐに上げるためには、セラミックファンヒーターを近くに寄せて使うことが有効ですが、近づけすぎると温風により肌が乾燥するためご注意ください。

すぐに暖めたいときだけ使用する

部屋全体を暖めたいときはコストパフォーマンス上、エアコンが最も優れた暖房器具になります。ただエアコンも万能ではなく、立ち上がりが遅いという弱点があります。電源を入れてもすぐに暖かくはならず、部屋全体を暖めるにはある程度時間がかかってしまいます。
また一般的にエアコンは、部屋の天井付近に設置されているため、身体を近づけて局所的な暖房として使うのも現実的ではありません。

この点、セラミックファンヒーターは立ち上がりが早く、すぐに発熱する特徴があります。そのため、セラミックファンヒーターとエアコンの電源を同時に入れて、部屋が暖かくなったらセラミックファンヒーターの電源を切る方法がおすすめです。エアコンが部屋全体を暖めるまでの利用であれば電気料金もあまりかからず、セラミックファンヒーターの立ち上がりが早い点をうまく活用できます。

人感センサー付きを選ぶ

最新のセラミックファンヒーターには、人感センサーの機能が備わったモデルも販売されています。人感センサーとは人の気配を察知して、自動で電源のON、OFFが切り替わる機能です。セラミックファンヒーターの利用上避けたいのは、セラミックファンヒーターで無人の部屋を長時間暖めるような使い方です。

その点人感センサー付きのセラミックファンヒーターであれば、無人となった時点でセラミックファンヒーターの電源が自動でOFFになります。そのため無人の部屋で長時間使用される事態は、自動的に回避されます。

小さいお子さんや高齢者がいるご家庭でも、人感センサー付きであれば消し忘れの心配もなく、安心してセラミックファンヒーターが利用できます。こまめに電源を切ることが節電には欠かせないため、人感センサー機能は電気料金を抑える上で、重要な役割を果たすでしょう。

小型のものを携帯して使用する

セラミックファンヒーターにはさまざまなモデルが発売されていますが、小型で持ち運びに便利なサイズも多く発売されています。セラミックファンヒーターは局所的な暖房器具であるため、小型で携帯しやすいサイズであればさまざまな場所で使えて便利です。

洗面所やトイレなどエアコンが一般的に置かれていない場所に持ち込めば、集中して効率よく暖めることができます。トイレや洗面所は通常小スペースであるため、セラミックファンヒーターでもその場全体を暖めることが可能です。手狭な空間であれば短時間で暖まるため、電気料金をかけずに十分寒さをしのぐことができます。

またコンセントだけでなく、ポータブル電源で稼働するセラミックファンヒーターも発売されています。トイレや洗面所にコンセントがない場合は、ポータブル電源で動くモデルを使ってみてはいかがでしょうか。

電気代を安くしたいのなら電力会社の切り替えを

セラミックファンヒーターは使い方次第で、電気料金をかけずに寒さをしのげる便利な暖房器具です。ただ、加入している電気料金の基本料金が高ければ、節電しても大幅な電気料金の削減にはなりません。根本的に電気料金を見直したい場合は、契約している電気料金のプラン自体を変更する必要があるでしょう。

さらに料金プランを変更しても電気料金を安くできそうにない場合は、電力会社そのものを変える選択肢も出てきます。今は電力小売自由化により、消費者が自由に電力会社を選べる時代になりました。電力会社を変えることで電気料金が安くなるなら、思い切って変えてみるのも有効な手段です。

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