冬に使用する暖房器具としてカーボンヒーターを検討しているなら、電気代の目安を把握しておくのがおすすめです。ほかの暖房器具と比較すれば、購入するかどうか検討しやすくなるでしょう。カーボンヒーターの電気代や特徴について解説します。
カーボンヒーターの電気代はいくら?
カーボンヒーターを使ってみたいと思っていても、電気代が気になるという方は多いのではないでしょうか。ほかの暖房器具と比較する前に、まずはカーボンヒーターの電気代を計算してみましょう。
電化製品の電気代の計算式
カーボンヒーターを含む電化製品の電気代は、次の式で計算できます。
消費電力(W)÷1,000×電気料金単価(円/kWh)
※2024年9月現在の電力料金の目安単価は31円/kWh
消費電力は電化製品のカタログやメーカーのWebサイトを見れば確認することが可能です。単位がkWで記載されている場合、1,000で割る必要はありません。
上記の計算式は1時間あたりの電気代を導き出すものです。さらに使用時間を掛けることで、使用時間にかかった電気代を算出できます。
一般的なカーボンヒーターの電気代
カーボンヒーターの電気代の目安を把握するために、山善の「DC-W092」を例にとって計算します。DC-W092はパワーを2段階で切り替えられるタイプの製品であり、消費電力は450Wと900Wです。1時間あたりの電気代は次のように計算できます。
450W÷1,000×31円/kWh=13.95円
900W÷1,000×31円/kWh=27.9円
カーボンヒーターの種類によっては、3段階以上の切り替え機能がついているケースや、無段階調節つまみで調整可能なケースもあります。
※出典: 商品情報_カーボンヒーター(900/450W) | 山善の商品情報サイト | YAMAZEN BOOK
カーボンヒーターとほかの電気ストーブを比較
カーボンヒーターは電気ストーブに分類される暖房器具です。電気ストーブにはいくつかの種類があり、カーボンヒーターのほかにハロゲンヒーター・セラミックヒーター・オイルヒーターなどがあります。それぞれの電気代の目安を見ていきましょう。
ハロゲンヒーターの電気代
ハロゲンヒーターはカーボンヒーターと同じ遠赤外線ヒーターです。ハロゲンランプから熱を発し、遠赤外線で体を温めます。速暖性に優れており、狭い場所での使用やスポット暖房としての使用に向いています。
日立のハロゲンヒーター「HLH-HS307」は3段階のパワー切り替えが可能です。電気代の目安を確認しましょう。
330W÷1,000×31円/kWh=10.23円
670W÷1,000×31円/kWh=20.77円
1,000W÷1,000×31円/kWh=31円
※出典: HLH-HS307:日立の家電品
セラミックヒーターの電気代
セラミックヒーターはセラミックを発熱させて空気を暖める暖房器具です。近年はファンがついたセラミックファンヒーターが主流となっています。すぐに温風を送り出せることや、軽量かつコンパクトなものが多いことが特徴です。
パナソニックのセラミックファンヒーター「DS-FS1200」の電気代の目安は以下の通りです。「弱」と「強」の2段階でパワーを切り替えられます。
640W÷1,000×31円/kWh=19.84円
1,170W÷1,000×31円/kWh=36.27円
※出典: 概要 セラミックファンヒーター DS-FS1200 | 電気カーペット(ホットカーペット)・暖房器具 | Panasonic
⇒セラミックヒーターについてもっと詳しく知りたい方はこちら
オイルヒーターの電気代
オイルヒーターはエアコンと同様、広範囲を暖めるのに適しています。送風しないため空気が乾燥したりほこりが舞ったりするのを防げる点が、エアコンとの違いです。稼働中の騒音もほとんどありません。
デロンギのオイルヒーター「RHJ10F0812-SG」は、消費電力を3段階で調整できます。それぞれの電気代をまとめました。
500W÷1,000×31円/kWh=15.5円
700W÷1,000×31円/kWh=21.7円
1,200W÷1,000×31円/kWh=37.2円
※出典: オイルヒーター ストーングレー RHJ10F0812-SG | De'Longhi JP
カーボンヒーターとほかの暖房器具を比較
カーボンヒーターとほかの電気ストーブを比較できたら、次にほかの代表的な暖房器具とも電気代を比較してみましょう。エアコン・電気カーペット・石油ファンヒーターの電気代の目安をご紹介します。
エアコンの電気代
エアコンは部屋全体を暖めるのに適した暖房器具です。冷房としても使えるほか、部屋の広さに合わせて製品を選べます。さまざまな省エネ機能が搭載されている点もメリットです。
「省エネ性能カタログ2023年版」によると、エアコン10畳用の暖房使用時消費電力は610~1,040W、平均値は796Wとなっています。
610W÷1,000×31円/kWh=18.91円
796W÷1,000×31円/kWh=24.68円
1,040W÷1,000×31円/kWh=32.24円
※出典: 省エネ性能カタログ 2023年版 P29 | 経済産業省
電気カーペットの電気代
カーペットに電熱線が入っている電気カーペットは、体の一部や全体を直接温めるのに適しています。電気代を抑えられるため、エアコンやこたつと併用すれば、効率良く暖を取れるでしょう。一方、エアコンのように部屋全体を暖めるのには向きません。
山善の2畳用ホットカーペット「SUEF-S204」の電気代は次のように計算できます。
520W÷1,000×31円/kWh=16.12円
※出典: 商品情報_空気をキレイにする省エネホットカーペット(2畳) | 山善の商品情報サイト | YAMAZEN BOOK
石油ファンヒーターの電気代
石油ファンヒーターは燃料に灯油を使用する暖房器具です。エアコンに比べ、より早く強力に室内を暖められます。
基本的には着火時や温度調節時にしか電気を使わないため、電気代を抑えることが可能です。ただし、別途灯油代がかかる点には注意しましょう。
ダイニチの石油ファンヒーター「FW-3724SGX」は、小火力時に62W、大火力時に129Wの電力を消費します。また、点火時の最大消費電力は370Wです。
62W÷1,000×31円/kWh=1.922円
129W÷1,000×31円/kWh=3.999円
370W÷1,000×31円/kWh=11.47円
※出典: SGX TYPE【2024年モデル】 | 家庭用石油ファンヒーター | 製品紹介 | ダイニチ工業株式会社 - Dainichi
カーボンヒーターのメリット
カーボンヒーターの導入を検討する場合は、電気代だけでなく暖房器具としての特徴を理解することも大切です。カーボンヒーターのメリットを見ていきましょう。
スイッチを入れるとすぐに温まる
カーボンヒーターのカーボンとは、炭素を意味する言葉です。炭素繊維の発熱体に電気を流し、遠赤外線を放射して暖める仕組みとなっています。
カーボンヒーターの大きなメリットは、即暖性に優れていることです。電源を入れるとすぐに暖かくなるため、短時間で暖を取りたいケースで役立ちます。
カーボンヒーターのような即暖性に優れた暖房器具は、エアコンと組み合わせて使用するのがおすすめです。エアコンで室内全体を暖めるのには時間がかかりますが、カーボンヒーターを活用すれば室内が暖まるまで暖を取れます。
空気の乾燥を抑えられる
エアコンやファンヒーターといった温風を出すタイプの暖房器具は、風により空気が乾燥します。室内の空気が乾燥すると、肌のトラブルや体調不良につながりかねません。
一方、温風を出さないカーボンヒーターなら、空気の乾燥を抑えられます。室内の湿度を適度にキープできている状態なら、加湿器の併用や小まめな換気も必要ないでしょう。
温風を出さないため空気中にホコリが舞いにくいことも、カーボンヒーターのメリットです。ホコリによるぜんそくやアレルギーが不安な方も安心して使用できます。
カーボンヒーターのデメリット
カーボンヒーターにはメリットだけでなくデメリットもあります。メリットと一緒に主なデメリットも把握し、購入するかどうか迷った際の参考にしましょう。
部屋全体を温めるのには向かない
カーボンヒーターのデメリットとして、部屋全体を暖めるのには向かないことが挙げられます。風を出さずに遠赤外線でじっくりと暖めていくため、室内全体を暖めたい場合は時間がかかります。
カーボンヒーターは、トイレや脱衣所など狭い場所で使ったり、体の一部分を温めたいときに使ったりするのがおすすめです。エアコンだけでは寒いと感じるケースで補助的に使うのもよいでしょう。
火傷や火事に注意
ストーブ類のうち、最も火災のリスクが高いのは石油ストーブと思われがちです。しかし、実際には電気ストーブによる火災が、ストーブ火災の大半を占めています。
電気ストーブに直接触れなくても、前面10cm以内に燃えやすい物があると、発火する恐れがあります。基本的には安全装置がついているものの、誤った使い方をするとやけどや火事につながりかねません。
特に、小さな子どもがいるご家庭やペットを飼っているご家庭では、十分に注意しながらカーボンヒーターを使用しましょう。
※出典: 電気ストーブ等の火災に注意しましょう! | 東京消防庁
カーボンヒーターの電気代の節約方法
カーボンヒーターの電気代は、選び方・使い方次第で節約することが可能です。電気代が気になる方は、以下に挙げる節約のポイントを押さえておきましょう。
使う場所に合った形状を選ぶ
カーボンヒーターを脱衣所やトイレで使いたい場合は、スリム型やタワー型を選ぶのがおすすめです。場所を取らずに設置でき、使用しないときも邪魔になりません。
足元を温めたいなら、高さ30cm程度の小型モデルが適しています。出力が150W程度あれば、十分に温まるでしょう。
カーボンヒーターの中には、リビングや寝室など広い空間に向いたモデルもあります。より高い暖房能力を求めるなら、発熱体にグラファイトを使用したグラファイトヒーターもチェックしてみましょう。
付属機能を活用する
カーボンヒーターにはさまざまな付属機能が備わっています。代表的な機能は次の通りです。
- 出力調節機能:出力を段階的に調整できる
- タイマー機能:電源の入り切りを設定できる
- 温度調節機能:自動で一定の温度をキープする
電気代の節約を意識するなら、上記の機能が搭載されたモデルを選びましょう。
カーボンヒーターの電気代を節約しよう
カーボンヒーターは遠赤外線を放射して暖める暖房器具です。スイッチを入れるとすぐに暖まるほか、室内の空気が乾燥するのを抑えられます。
ほかの暖房器具に比べ電気代が安いわけではありませんが、使い方を工夫することで節約が可能です。暖房器具としての特徴も理解し、カーボンヒーターを効果的に使って快適に過ごしましょう。
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