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暑い夏を乗り切るため、エアコンの冷房機能を使う方は多いでしょう。毎日使用していると、冷房の電気代がいくらくらいなのか気になるところです。夏に使うエアコンの機能には冷房と除湿がありますが、冷房と除湿はどう使い分けたらいいのか、電気代はどう違うのかを知っていればより効果的に使うことができるでしょう。そこで今回は冷房と除湿の違いや、冷房の電気代の計算の仕方、冷房の時間あたりの電気代について解説していきます。節電方法も合わせて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

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エアコンの冷房機能は電気代がかかる?

資源エネルギー庁「家庭における消費電力量のウエイト比較」によると、ご家庭での電化製品別の電気使用量は冷蔵庫が一番多く、その次が照明、テレビ、エアコンと順に続きます。エアコンは、テレビに次いで4番目に家庭の電気使用量に占める割合が高く、世帯あたりの電気使用量の7.4%占めています。また、夏の14時ごろの家庭の電化製品の使用量において、冷房は電気代の58%(*1)も占めています。このことから、冷房の節電に取り組むことで、効率よく電気代の削減が見込めることが分かるでしょう。

(*1)出典:資源エネルギー庁「今やるべき節電」

冷房と除湿の違いとは?

夏は、冷房の他にも除湿機能を使うことがあるでしょう。ここでは冷房と除湿、それぞれの機能の仕組みや特徴、電気代について解説していきます。

まずは、冷房と除湿の仕組みの違いについてご紹介します。

冷房の仕組みは?

冷房運転の場合、室外機から室内のエアコンに向かって、冷媒(熱を移動させるための橋渡しとなるもの)が流れます。冷媒がエアコン内部の熱交換器に到達すると、ファンで取り込まれた室内の空気の熱を吸収します。熱を吸収されて冷気となった空気は、ファンによって再び部屋に放出されます。一方、熱を吸収した冷媒は、室外機に戻り、室外機内の熱交換器で冷却されます。この一連の循環を繰り返して部屋が冷やされるという仕組みです。

除湿の仕組みは?

一方、除湿の仕組みはどうなっているのでしょうか。除湿を行うと、湿度の高い空気をエアコンが吸い込みます。エアコン内部に取り込まれた空気は、空気中の水分を取り除かれて、ふたたび部屋に放出されます。このサイクルを繰り返すことで部屋の水分量が減少し、湿度が下がるという仕組みです。

除湿には以下の3種類があります。

  • 弱冷房除湿
  • 再熱除湿
  • ハイブリッド除湿

弱冷房除湿は、水分を吸収した際に冷却された空気をそのまま部屋に戻します。弱い冷房をつけているのと同じような状態です。

再熱除湿はエアコン内部に空気を取り込み、一度冷やして水分を除去した後、適切な温度に戻してから部屋に放出します。そのため、部屋の温度を下げることなく湿気を取り除くことが可能です。ただし、冷やした空気の温度を上げるために電力を消費するので、電気代は高くなります。

ハイブリッド除湿では、一度取り込んで冷やした空気を部屋の空気と混ぜ、室温に近づけて放出することができます。こちらも部屋の温度を下げることなく除湿を行うことが可能です。空気を温めるために部屋の空気を活用するため、再熱除湿よりも消費電力が少なくなります。

冷房と除湿の電気代はどちらが安い?

冷房と除湿の電気代はどちらが安いのでしょうか?消費電力が多ければ多いほど、電気代は高くなります。一般的には、前述した4つの冷房・除湿方法のうち、再熱除湿が一番電力を消費します。その次に冷房の消費電力が続きます。弱冷房除湿とハイブリッド除湿の消費電力は同じくらい(※)です。

そもそも、冷房と除湿の使用目的は、使用環境や設定温度によって異なります。一般的には温度を下げたい場合は冷房、湿度を下げたい場合は除湿となります。温度が高い場合は除湿をしても効果がなく、反対に湿度が高い場合は冷房を使用しても効果がありません。それぞれ使用目的や活躍するシーンが違うので、冷房と除湿、どちらの電気代が安いかは一概にはいえません。状況に応じて使い分けるようにしましょう。

(※)ダイキンHVXソリューション東京株式会社webサイト

冷房と除湿の使い分け方

冷房は部屋の温度を一気に下げることができます。気温が高くて暑いと感じる夏場は冷房を使いましょう。また、ジメジメした湿気を除湿したい時は除湿機能を使いましょう。春先や梅雨時期など雨が続く場合は、除湿することにより快適に家の中で過ごすことができます。

除湿機は購入すべきかどうかについては、こちらの記事で詳しく紹介していますので合わせてご覧ください。
除湿機は購入すべき?電気代から節約方法までご紹介

冷房の電気代の計算方法は?

家計簿と電球と電卓の写真 家計簿と電球と電卓の写真

冷房を使用している際に、つい電気代が気になってしまう方も多いでしょう。ここでは、冷房の電気代について解説していきます。

冷房の電気代の計算方法

エアコンの電気代は以下の計算式で求めることができます。

電気代=消費電力(W)÷1000×使用時間(時間)×1kWhあたりの電気料金単価(円/kWh)

エアコンの電気代を計算するときは、消費電力を知る必要があります。消費電力はエアコンのメーカー・型番によって異なるため、商品のカタログや取扱説明書で確認しましょう。

カタログや取扱説明書には消費電力と同じように、「期間消費電力量」が記載されています。期間消費電力量を使うと、1年間にどれくらい電気代がかかるかを簡単に計算することができます。年間の電気代を計算する方法は、次のようになります。

年間の電気代=期間消費電力量(kWh)×1kWhあたりの電気料金単価(円/kWh)

期間消費電力量は、エアコンの比較をするときの目安となります。もし、電気代がよりかからない省エネのエアコンを選びたいときは、期間消費電力量の値が小さい製品を選びましょう。

エアコンの消費電力の見方

エアコンの消費電力は、冷房時と暖房時、それぞれ単位はワット(W)で「300(100〜700)」といった形で記載されています。部屋の状況によって消費電力が変動するため、幅を持って記載されるのです。どこのメーカーでも、標準パワーで運転した時の消費電力と、カッコ書きで、最小出力運転時から最大出力運転時の消費電力の両方が記載されています。つまり、「300(100~700)」という記載は、標準パワーで300W、最小出力時に100W、最大で700W の消費電力になるということです。

ちなみに、エアコンが電力を最も多く消費するのは、室内温度と設定温度の差が大きく、設定温度にエアコンが室内を調整しようとする時です。使用環境が異なると、エアコンの必要とする消費電力は変わります。例えば、1日の間でも朝と夜で外の気温が変われば、エアコン運転時の消費電力は変化します。

消費電力から冷房の電気代を計算する

前述の冷房の電気代を計算する方法を用いて、実際に電気代を計算してみましょう。消費電力から冷房の電気代を計算する方法は以下のようになります。

電気代=消費電力(W)÷1000×使用時間(時間)×1kWhあたりの電気料金単価(円/kWh)

ここでは消費電力430W(110〜780)と書かれている製品を例にしましょう。430Wは標準パワーで運転した時の消費電力で、実際に使用する部屋の状況によって110W〜780Wの間で消費電力が変わるということを示しています。消費電力の値から、1時間あたりの電気代を計算してみましょう。

1kWhあたりの電気料金単価は27円/kWhとして計算します。このとき、標準パワーで1時間運転した時の電気代は以下のようになります。

480W (消費電力)÷1000×1時間(使用時間)×27円/kWh(1kWhあたりの電気料金単価)=11.6円

標準パワーで冷房運転した場合、1時間あたりの電気代は11.6円となることが分かります。同じように、上記の式に当てはめて最小パワー時と最大パワー時の電気代を計算すると、

最小パワーでの運転時:2.9円
最大パワーでの運転時:21円

となり、この幅で電気代が変動することがわかります。

冷房の1時間あたりの電気代は?

エアコンを部屋の広さに合わせて選べるように、メーカーは畳数別に異なる機種をラインナップしています。畳数と比例して消費電力は高くなります。ここでは畳数別に、1時間あたりの電気代を比較してみましょう。

商品 目安畳数 消費電力(標準のパワー時) 1時間あたりの電気代 1日(8時間として)の電気代
商品A(※1) 6畳用 570W 15.3円 122.4円
商品B(※2) 8畳用 710W 19.1円 152.8円
商品C(※3) 10畳用 780W 21.6円 172.8円
商品D(※4) 12畳用 1160W 31.3円 250.0円

※1kWhあたりの電気料金単価は27円/kWhとして計算しています。
(※1~4)ダイキンwebサイト

6畳用と12畳用では1時間当たりの電気代が16円(31.3-15.3)違うことがわかります。

もし、6畳しかない部屋に12畳用のエアコンを選んだとしても、冷え方は変わらず電気代だけが高くなってしまいます。逆に、部屋の広さより小さい部屋向けのエアコンを使うと、なかなか部屋の温度が下がらず、消費電力がかさんで電気代が高くなるということもあります。効率よく冷やすためには、各部屋のサイズに適切なエアコンを選ぶようにしましょう。

エアコン冷房の電気代の節電方法

エアコンとサーキュレーターの写真 エアコンとサーキュレーターの写真

エアコンで冷房を使用する場合、電気代を節約するにはどのような方法があるのでしょうか?ここでは、具体的な節約方法を解説していきます。

サーキュレーターを使う

冷たい空気は部屋の下の方にたまるという性質があります。そのため、サーキュレーターを使って部屋の中の空気を循環させることにより、エアコンの設定温度を下げることができます。サーキュレーターがない場合は扇風機でも代用可能となります。
冷房時はサーキュレーターや扇風機をエアコンの下に置き、ファンの角度を斜め上向きに設置しましょう。冷たい空気をかき混ぜて、できるだけ部屋の隅々まで届けられます。

温度設定を低くしすぎない

エアコンで冷房の設定温度を必要以上に低くすると、たくさんの電力を消費してしまいます。一般的に冷房では、温度を1℃あげると10%(※2)の節電になります。少しの節電意識で電気代がカットできるため、設定温度を下げすぎないようにしましょう。ちなみに、環境省によるエアコンでの冷房の温度は、28℃が推奨されています。

(※2)出典:資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」

風を調整する

温度を下げるよりも風の調整をする方が消費電力はかかりません。そこで、エアコンの風を調整しましょう。冷たい空気は部屋の下にたまるため、エアコンの風向きを水平か上向きにすれば、下にたまるスピードを緩め、広範囲に渡って部屋を冷やすことができます。また、風が感じられることで、体感温度が下がり、より涼しさを感じるでしょう。

自動運転にする

エアコンを使う際に、自動運転に設定すると節電につながります。自動運転よりも、弱風や微風の方が電気代を節約できるイメージがあるかもしれませんが、弱風や微風だと、設定温度になるまでに時間がかかり、消費電力もかかるので、その分電気代が高くなってしまうこともあります。自動運転にすれば、室内の温度が高い時は強風に、室内の温度が下がれば弱風にと、自動的に調整してくれるので、効率よく冷房が機能して部屋を涼しくしてくれます。

フィルターの掃除をする

フィルターやエアコン内部にホコリがたまったり、汚れていたりすると、冷房機能が弱くなってしまいます。どれだけ設定温度を低くしても効率的に部屋を冷やすことはできません。そのため、エアコンのフィルターとあわせて内部もきれいに保つように心がけましょう。目安としては2週間から1カ月に一度、定期的に掃除すると良いでしょう。

エアコンのフィルターや内部の汚れがひどい場合は、業者に依頼することもできます。ただし、業者に依頼するとエアコン清掃代として費用がかかってしまうため、可能であれば自分でこまめに清掃するようにしておきましょう。最近では、自動でフィルター清掃をしてくれるエアコンも販売されています。清掃機能のあるエアコンを選べば、掃除の手間を省くことができ、節電効果にもつながります。

室外機のお手入れをする

エアコンのフィルターや内部だけではなく、室外機も清掃しましょう。室外機にゴミやホコリが詰まっていると、エアコンの使用効率が悪くなってしまいます。室外機も定期的にチェックし、きれいにするよう心がけましょう。

エアコンを買い換える

最新のエアコンは省エネ性能が大きく、従来のものよりも電気代を抑えられます。10年前のエアコンから最新のものに変えると、期間消費電力量は5%の省エネ(※3)につながります。

現在では「統一省エネラベル」と呼ばれる、電化製品の省エネ性能を星の数でわかりやすく示したラベルがエアコンや他の電化製品の販売時に付けられています。1つ星から5つ星までの段階があり、星が増えるにつれて省エネ性能が大きくなります。同じ畳数のエアコンでも1つ星と5つ星では電気代が大きく変わるため、購入時にチェックすることをおすすめします。

(※3)出典:資源エネルギー庁「省エネ家電を選びましょう!」

エアコンの冷房はつけっぱなしが節電に効果的?

毎年夏になると、「エアコンのつけっぱなしは節電になる」「こまめにオン・オフにした方がよい」と正反対の主張を見かけます。どちらが本当の節電につながるのでしょうか?

設定温度28℃で冷房を1日1時間短縮すると、約510円の電気代が節約(※4)できるといわれています。そのため、使用時間を短くすることで電気代はカットできます。

しかし一方で、つけっぱなしの方が節約になることもあります。なぜなら、エアコンは室内温度を設定温度に調整するまでに、一番電気代がかかるという特性があるからです。例えば、夏の日中に冷房のスイッチをオフにした場合、30分もすればすぐに室温が上がってしまうでしょう。暑くなった室内の温度を再び設定温度まで冷やそうとすれば、室温と設定温度の差が大きいため、消費電力がかなりかかってしまいます。そのため、日中に冷房のスイッチをこまめにオン・オフするのは、効率的ではないといえます。例えば、日中30分ほどの外出であれば、つけっぱなしの方が電気代は抑えられるでしょう。

時と場合によって、つけっぱなしの方が節電になる時とそうでない時があるので、ぜひ覚えておくと良いでしょう。

(※4)出典:資源エネルギー庁webサイト

まとめ

今回はエアコンの電気代について解説しました。エアコンには冷房と除湿の機能があり、状況によって使い分けることが大切です。また、サーキュレーターや扇風機をうまく使うことで、部屋全体に冷たい空気を循環させて、エアコンの設定温度を下げなくても快適に過ごせるようにできます。さらに、古いエアコンは買い替えを検討してみると、大幅に電気代を削減できるかもしれません。

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