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エアコンの電気代を減らしたいと思っているなら、エアコンにいくら電気代がかかっているのかを知るのがおすすめです。実際の電気代がわかれば、節約を考えやすくなるでしょう。エアコンの電気代の計算方法や電気代の節約術について解説します。

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エアコンの電気代の計算方法

自宅のエアコンの電気代はどのくらいなのか、ケース別の計算方法を紹介します。節約を考える前に、まずは実際にかかっている金額を把握しましょう。

1時間あたりのエアコンの電気代

1時間あたりの電気代の求め方は次の通りです。

消費電力(kW)×31(円/kWh)

※2023年5月時点での電気料金の目安単価は31円/kWhです。

エアコンの消費電力には、冷房・暖房ともに最小値と最大値が設定されています。次のような範囲が設定されているケースでの、1時間あたりの電気代の目安を計算してみましょう。

冷房:130W~920W
暖房:120W~1,500W

<冷房の電気代の目安>

130÷1,000(kW)×31円=4.03円
920÷1,000(kW)×31円=28.52円

<暖房の電気代の目安>

120÷1,000(kW)×31円=3.72円
1,500÷1,000(kW)×31円=46.5円

1カ月あたりのエアコンの電気代

1カ月あたりの電気代の目安は、以下の計算式で求められます。

1時間あたりの電気代×1日の使用時間×1カ月の使用日数

エアコンを1日6時間、1カ月に20日利用した場合、1カ月あたりの電気代は次のように求めることが可能です。エアコンの消費電力を800W、電気料金単価を31円/kWhとしています。

1時間あたりの電気代=800÷1,000(kW)×31円=24.8円
1カ月あたりの電気代=24.8円×6時間×20日=2,976円

1年間のエアコンの電気代

1年間のエアコンの電気代は、期間消費電力量と呼ばれる数値を用いて計算できます。期間消費電力量とは、エアコンを1年間使用した場合にかかる電力量の目安です。計算式は以下のようになります。

期間消費電力量×1kWhあたりの電気料金(電気料金単価)

期間消費電力量が800kWhの場合、1年間の電気代の目安は次の通りです。

800kWh×31円/kWh=24,800円

エアコンの期間消費電力量は、製品のカタログや説明書に記載されています。

エアコンの運転モードによる電気代の違い

エアコンの電気代は運転モードにより差が生じます。冷房と暖房、冷房と除湿について、電気代がどのように異なるのかを見ていきましょう。

冷房と暖房

エアコンの電気代は、一般的に冷房より暖房の方が高くなります。外気温と設定温度の差が大きいほど、エアコンの電気代も高くなるためです。

例えば、以下のような状況を比較してみましょう。

  • 夏:外気温35℃・設定温度27℃
  • 冬:外気温7℃・設定温度20℃

夏の温度差は8℃、冬の温度差は13℃となり、暖房使用時のほうが外気温と設定温度の差が大きくなっています。室温が設定温度になるまで、冬の場合はより多くの電力を消費するため、電気代も夏より高くなるのです。

冷房と除湿

エアコンの種類によっては、除湿機能に「弱冷房除湿」と「再熱除湿」の2種類が設定されているケースがあります。

  • 弱冷房除湿:微弱な冷房運転で湿度を下げる
  • 再熱除湿:エアコンが取り込んだ空気を冷やして除湿し、下がりすぎた空気を温めて室内に戻す

再熱除湿は温度を下げずに除湿のみを行ってくれるため、不快指数が下がりやすいことがメリットです。ただし、電気代は冷房より高くなる傾向があります。

場合によっては、暖房より再熱除湿の電気代が高くなることもあるでしょう。一方の弱冷房除湿の電気代は、通常の冷房より安くなる傾向があります。

エアコンの推奨設定

エアコンの設定温度については、冷房と暖房のそれぞれに推奨温度があります。風量は自動運転がおすすめであることもチェックしておきましょう。

夏の冷房の設定温度は28℃

夏場に冷房を使う際の推奨設定温度は28℃です。環境省が推進するライフスタイル「COOL BIZ(クールビズ)」で、適正な室温の目安を28℃としています。

「省エネ性能カタログ2022年版」によると、外気温31℃でエアコンの設定温度を27℃から28℃に変更した場合、年間の電気代が約820円節約できます。

ただし、28℃はあくまでも推奨温度であり、必ず室温を28℃にしなければならないわけではありません。健康を第一に考えながら、室内を過度に冷やさないようにすることが大切です。夏場は室内での熱中症にも気を付けましょう。

※出典:適正な室温とは/COOLBIZ|COOL CHOICE 未来のために、いま選ぼう。 | 環境省

※出典:省エネ性能カタログ2022 P16 | 経済産業省

冬の暖房の設定温度は20℃

冬場に使う冷房の推奨設定温度は20℃です。環境省がクールビズと併せて呼びかけている「WARM BIZ(ウォームビズ)」では、冷房使用時の適正な室温の目安を20℃としています。

ウォームビズのポイントの1つに、首・手首・足首を温めることが挙げられます。マフラーやひざ掛けなどを上手に活用することで体感温度が上がるため、冷房の設定温度を下げやすくなるでしょう。

「省エネ性能カタログ2022」によると、外気温6℃でエアコンの設定温度を21℃から20℃に下げた場合、年間の電気代が約1,430円節約できます。

※出典:ウォームビズとは|ウォームビズ(WARMBIZ) | 環境省

※出典:省エネ性能カタログ2022 P16 | 経済産業省

風量は自動運転がおすすめ

冷房と暖房のいずれにおいても、風量の設定は自動運転にしましょう。設定温度までは強風で稼働し、設定温度に達したら微風に切り替わるため、最も効率よく運転させられます。

最初から微風や弱風で運転する場合、設定温度に達するまで時間がかかるため、余計な電力を消費することになるのです。電気代を安く抑えたいなら、風量の設定は自動運転にするのがおすすめです。

自動運転なら快適に過ごせる風量を調整してくれるため、室内にいる人も心地良さを感じやすくなるでしょう。

エアコンの電気代を下げる方法

エアコンの電気代をできるだけ安くする節約術を紹介します。できる範囲で始めてみましょう。

小まめにフィルターを掃除する

エアコンのフィルターに汚れが溜まっていると、設定温度に達するまで余計な時間がかかるため、電気代が高くなります。2週間に1回を目安に、エアコンのフィルターを小まめに掃除しましょう。

フィルターを掃除する場合は、最初にフィルターを取り外し、掃除機で汚れを吸い取るのがおすすめです。大部分の汚れを落とせるため、水洗いが楽になります。

室内の空気を循環させる

室内の冷気は下に、暖気は上に溜まりやすくなります。室内の空気が動いていない状態の場合、冷気や暖気がまとまってしまうため、効率的に室温を調整できません。

エアコンを使用する際は、扇風機やサーキュレーターで空気を循環させましょう。冷気や暖気が室内の隅々まで行き渡りやすくなり、室温をキープしやすくなります。

エアコンの風向板の向きを変えるのもおすすめです。冷房では水平に、暖房では下向きにすれば、エアコンの風向きだけでも室内の空気を循環させられます。

窓に工夫を凝らす

室温が変わる大きな原因の1つに、窓を通した熱の移動が挙げられます。夏は暖気、冬は冷気が窓から入りやすくなるため、室内が暑くなったり寒くなったりするのです。

窓に工夫を凝らすことで熱移動を抑えられるため、エアコンの電力の消費を抑えられます。冬場は断熱シートを窓に貼り付ければ、エアコンの熱が逃げなくなり暖かさをキープしやすくなるでしょう。

夏場は室外の暖気だけでなく、窓から太陽光が入ることでも室温が上がってしまいます。すだれや日よけタープで日差しを遮断し、太陽光で室温が上がるのを防ぐとよいでしょう。

室外機周辺に物を置かない

エアコンの室外機周辺に物が置いてあると、熱をうまく排出できなくなるため、エアコンに余計な負荷がかかってしまいます。室外機周辺は常にすっきりとした状態にしておきましょう。

室外機に日差しが当たって熱くなる場合は、カバーを取り付けるのがおすすめです。近年は上に物を置けるタイプの室外機カバーも販売されています。

室外機自体をこまめに掃除することも重要です。室外機に汚れが溜まると熱を排出しにくくなるため、定期的なメンテナンスを意識しましょう。

エアコンの室外機カバーについてもっと詳しく知りたい方はこちら

部屋の広さに合ったエアコンを選ぶ

エアコンを買い替える際は、部屋の広さに合った製品を選びましょう。エアコンには「畳数の目安」が設定されており、適正サイズを選ぶことが大切です。

例えば、6畳用のエアコンを6畳より広い部屋で使うと、設定温度になるまで時間がかかるため電気代も高くなります。逆に、6畳の部屋で使うエアコンとして10畳用を選んだ場合、購入費用が無駄になってしまいます。

同じ製品の適正サイズが木造住宅と鉄筋住宅で異なる点にも注意しましょう。鉄筋住宅は木造住宅より気密性が高いため、同じ製品でもより広い部屋で使えるのです。

部屋の広さに合わせたエアコンの選び方についてもっと詳しく知りたい方はこちら

エアコンの電気代のよくある疑問

エアコンの電気代について疑問に感じやすいことをまとめました。電気代を考える際やエアコンを買い替える際の参考にしましょう。

エアコンはつけっぱなしにした方がいい?

外出中もエアコンをつけたままにしていると、電気代が無駄になるのではないかと思いがちです。しかし、エアコンをつけっぱなしにした方が節約につながるケースもあります。

エアコンが最も電力を消費するタイミングは、設定温度になるまでの時間帯です。外出するたびにエアコンをオフにすると、室温が変化した場合に余計な電力を消費するため、短時間の外出ならつけっぱなしのほうが電気代を安く抑えられます。

1時間以内の外出時や1日中家にいるときは、つけっぱなしがお得です。1時間以上外出する場合は、外出中につけっぱなしにした分だけ電気代が高くなる可能性があるため、オフにして出かけましょう。

エアコンのつけっぱなしについてもっと詳しく知りたい方はこちら

夏は扇風機と併用した方がいい?

エアコンと扇風機を併用することで、冷房の設定温度を上げることが可能です。一般的に、設定温度を1℃高くすると、電力の消費を10%程度抑えられるとされています。

扇風機をうまく使うことによって、エアコンの冷たい空気を部屋に行き渡らせると、部屋全体を涼しく保てるようになります。その結果、冷房の設定温度を高くし、電力の消費を抑えられるようになるのです。

エアコンと扇風機についてもっと詳しく知りたい方はこちら

冬はほかの暖房器具と併用すべき?

冬場の寒い時期は、エアコン以外にも暖房器具を使うことがあるでしょう。代表的な暖房器具としては、こたつ・ヒーター・床暖房・ホットカーペットなどが挙げられます。

それぞれの特性を生かして使うことで、エアコンとの併用効果を高めることが可能です。ただし、エアコンは暖房器具の中でもコスパが高いため、上手に併用することが重要になります。

エアコン以外で電気代を抑えやすい暖房器具はこたつです。電気代の節約を考えるなら、こたつとエアコンをどちらも弱くして使うとよいでしょう。

古いエアコンを買い替えるタイミングは?

一般的なエアコンの設計上の寿命は10年です。現実的な寿命に関しても、使用期間が10年を過ぎると不具合が発生しやすくなります。

古いエアコンは10年を目安に買い替えるのがおすすめです。頻繁に故障し始めると、購入費より修理代のほうが高くつく恐れがあります。

新しいエアコンに買い替える際は、省エネ性能をチェックしましょう。電化製品の省エネ性能は年々高くなっているため、省エネ性能が高いエアコンに買い替えるだけでも、電気代の節約につながります。

エアコンの寿命についてもっと詳しく知りたい方はこちら

電力会社を変えると電気代は下がる?

電力会社を見直すことで電気料金の単価が安くなることがあるため、電気代が下がる可能性もあります。電気代を節約したいなら、電力会社の乗り換えも検討しましょう。

電力小売自由化により、電力会社を自由に変更できるようになっています。電気料金プランやサービスも新しいものが提供されているため、自宅に合ったプランやサービスを探してみるのがおすすめです。

電力会社の変更で電気料金の単価が安くなれば、わざわざ節電を頑張る必要はありません。エアコンを含めた電化製品を今まで通りに使えます。

エアコンの電気代は工夫次第で安くなる

エアコンの電気代は冷房と暖房で異なります。電気代を抑えるためには推奨設定温度を意識し、風量は自動運転にするのがおすすめです。

フィルターを掃除したり、室内の空気を循環させたりすることでも、電気代が下がる可能性があります。エアコンの使い方を見直して電気代を節約しましょう。

電化製品の電気料金が気になる方は、家電の買い替えや使い方を工夫するだけでなく、電力会社の変更や電気料金プランの見直しも検討してみましょう。

Looopでんきでは、市場価格に合わせて電気料金が変わる「スマートタイムONE」を提供しています。

ご自宅で電気を使用するタイミングを工夫したり、使用量を調整したりすれば電気料金の節約につながります。これを「ピークシフト」や「ピークカット」と呼びます。

以下は、ピークシフト・ピークカットの取り入れ方の例です。

  • 電気料金が安い時間帯に「電化製品を使用する家事」を済ませる
  • タイマー機能の付いた洗濯機や食洗機などを導入し、電気料金が安い時間帯を狙って稼働させる
  • 電気料金が高い時間帯には、外出を楽しむ

ピークシフト・ピークカットを実際に普段の生活へ取り入れているお客様の声を紹介します。

(40代 / 女性 / 5人暮らし)
電気の使用量アプリをうまく使い、節電出来ているので、おすすめしたいです。アプリは分かりやすいし、使用料金もでているので目安になりやすいです。

(40代 / 女性 / 3人暮らし)
ゲーム感覚で電気の節約を楽しめたのは初めてで楽しんでいた自分がいました。
周りの友人にもこの楽しさを共有したいので100%勧めたい。

まずは、市場連動型のプランを無理なく生活サイクルへ取り入れられるかどうかイメージしてみてはいかがでしょうか。

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