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ドラム式洗濯機の写真 ドラム式洗濯機の写真

日々の生活に欠かせない洗濯機。現在使用している洗濯機を買い替えたとき、電気代や水道代がどれくらい安くなるのか気になる方も多いのではないでしょうか?電気代や水道代の節約を考えるとき、まずはよく使う電化製品のランニングコストを把握することが大切です。洗濯機には縦型とドラム式、乾燥機能の仕組みでタイプが分かれ、それぞれ使う水の量や消費電力に違いがあります。

また電化製品の省エネ化は近年どんどん進んでおり、環境にも家計にも優しい設計で、なおかつ優秀な性能のものが数多く発表されています。洗濯機を新しく購入するなら、電気代や水道代がより節約できるものを選びたいですよね。

今回は洗濯機のタイプ別に1回あたりの電気代や水道代を試算し、どんなタイプの洗濯機が光熱費のカットに効果的なのか徹底検証します。新しい洗濯機の購入を考えている方は、ぜひ洗濯機選びに役立ててくださいね。

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押さえておきたい洗濯機のタイプ

まずは、洗濯機にどのようなタイプがあるのかを整理しましょう。洗濯機には洗濯槽の向きや洗い方、乾燥機能の有無やその種類によっていくつかのタイプに分かれているのをご存じでしょうか?それぞれの仕組みに応じて、1回の洗濯で使う水の量や消費電力に大きく差が出ます。

ここからは、洗濯機のタイプ別にその特徴とメリット・デメリットを解説していきます。タイプによって一長一短ですが、洗濯機を使う頻度や家族構成、ライフスタイルによっておすすめのタイプが変わるので、ご自分の生活に合った洗濯機がどのようなものなのか、選ぶ参考にしてみてください。

洗濯機の代表的なタイプ「縦型」と「ドラム式」

洗濯機のタイプは「縦型」と「ドラム式」の2つに分かれます。

・縦型タイプ
洗濯槽が縦に付いている、昔ながらの長方形の洗濯機です。洗濯槽の回転軸が縦になっており、運転時には遠心力を利用し、洗濯物同士をこすり合わせて汚れを落とす「もみ洗い」があります。縦型タイプは比較的コンパクトで置き場所を取らず、価格も手頃なものが多いのが特長です。泥汚れなどの洗濯に強いので、スポーツが好きなお子さんがいるご家庭におすすめです。

一方で縦型のデメリットは、衣類が傷みやすいこと、衣類の出し入れ口が狭く毛布など大きな洗濯物に向かないことなどが挙げられます。

・ドラム式タイプ
洗濯槽が斜めや横向きになっている洗濯機で、洗濯槽の回転軸も斜めや横になっています。ドラム式は洗濯槽の回転で持ち上がった衣類を落とす「たたき洗い」と、小刻みな動きによる「もみ洗い」が組み合わされています。ドラム式は縦型より使用する水の量が少なく、洗剤の濃度が高いので皮脂汚れをよく落としてくれるのが特長です。また衣類が絡みにくく、傷みにくいメリットもあります。

ドラム式のデメリットとしては、縦型より置き場所をとることや、価格の高いものが多いことが挙げられます。

さらに「乾燥機能つき」も

最近では洗濯物を干す手間を省いたり、天気を気にせずに洗濯ができる便利さに惹かれて、洗濯機に乾燥機能を求めるご家庭も増えています。縦型、ドラム式両方に乾燥機能つきがありますが、その仕組みには大きな違いがあります。

・縦型洗濯機の乾燥機能
「簡易乾燥タイプ」と「ヒーター乾燥タイプ」の2つがあります。 簡易乾燥タイプは、常温の風をタンク内に送り込む簡単な仕組みで、洗濯物が完全に乾くことはありません。干した洗濯物が早く乾く、あくまで補助的な機能です。ヒーター乾燥タイプはヒーターで熱した温風を洗濯槽内に送り込み乾かす仕組みで、出た水蒸気をそのまま排出するものと、水蒸気を水で冷却して結露させ、排気の湿気を取る水冷除湿式の2種類があります。

・ドラム式洗濯機の乾燥機能
縦型と同じ仕組みの「ヒーター式」と「ヒートポンプ式」の2種類があります。ヒートポンプ式は空気中の熱を集めてエネルギーを得るエコ技術で、ヒーター式よりも消費電力が大幅に抑えられるのが特長です。

こうした乾燥機能の有無や種類も、洗濯機を選ぶときのポイントになります。

縦型洗濯機の電気代と水道代は?

ドラム式洗濯機で洗濯をする女性の画像 ドラム式洗濯機で洗濯をする女性の画像

洗濯機の種類や機能がわかったところで、タイプ別にかかる電気代と水道代を試算してみましょう。まずは縦型から。一般的な縦型タイプの洗濯機を例として計算してみましょう。

<縦型洗濯機の計算に用いるモデルスペック>

  • 洗濯・脱水容量:10kg、乾燥容量:5kg
  • 洗濯時の消費電力:320W、乾燥時は最大で1100W
  • 消費電力量:定格洗濯時60Wh、定格洗濯乾燥時(20℃時)2290Wh
  • 使用水道量:定格洗濯時110L、定格洗濯乾燥時131L

以上のスペックをふまえて、1回あたりの電気代と水道代を計算します。

※このモデルは乾燥時に水で排気の除湿を行う「水冷除湿タイプ」のため使用水道量も多くなります。
※定格洗濯時とは、標準的な使い方で一回洗濯した場合を指します。
※定格洗濯乾燥時とは、標準的な使い方で一回洗濯と乾燥をした場合を指します。

※出典:洗濯乾燥機 NA-FW100K8 詳細(スペック) | 洗濯機/衣類乾燥機 | Panasonic

電気代の計算方法

まずは洗濯機能のみを使った場合で計算してみましょう。
電気代は「消費電力量(Wh)÷1000×電気料金単価(円/kWh)」で求められます。
<縦型洗濯機の定格洗濯時の電気代>
・消費電力量は1kW単位に換算するため、60Wh÷1000=0.06kWh
・電気料金単価:27円/kWh
この数値で計算すると、洗濯1回あたりの電気代は0.06×27=1.62円となります。

次に、乾燥機能を使った場合です。

<縦型洗濯機の定格洗濯乾燥時の電気代>
・消費電力量を1kWhに換算すると2290Wh÷1000=2.29kWh
・電気料金単価:27円/kWh
この数値で計算すると、洗濯乾燥1回あたりの電気代は2.29×27=61.83円となります。

※平成26年4月公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 新電力料金目安単価より

水道代の計算方法

次に、縦型洗濯機の1回の使用でかかる水道代を計算します。水道代の計算方法は電気代の計算より単純で、標準使用水量に1Lあたりの水道単価をかけるだけで1回の運転にかかる水道代がわかります。

<縦型洗濯機の定格洗濯時の水道代>
・1Lあたりの水道単価は0.24円で算出(東京都水道局より) この数値で計算すると、縦型洗濯機の1回あたりの水道代は、110×0.24=26.4円となります。
試算では東京都の水道単価を用いていますが、正確に知りたい方はお住まいの地域の水道単価で計算してみましょう。 また、乾燥機能を使った場合についても計算してみましょう。

<縦型洗濯機の定格洗濯乾燥時の水道代>
131×0.24=31.44円となり、洗濯のみの使用より1回あたり約5円高い試算になります。

※水冷除湿タイプの乾燥機能では、水道使用量は洗濯のみを使った場合より高くなります。

洗濯1回あたりの電気代・水道代は?

洗濯1回あたりの電気代と水道代の合計も計算してみましょう。

<縦型洗濯機の定格洗濯時の電気代+水道代>
1.62円(1回あたりの電気代)+26.4円(1回あたりの水道代)=28.02円

乾燥機能まで使用したときはいくらになるでしょうか。

<縦型洗濯機の定格洗濯乾燥時の電気代+水道代>
61.83円(1回あたりの電気代)+31.44円(1回あたりの水道代)=93.27円

洗濯のみの運転よりも、乾燥まで含めた電気・水道代が約65円高い結果となりました。
毎日洗濯機を使う場合の1カ月にかかる電気・水道代は、洗濯機能のみの使用なら28.02×30=840.6円、毎回洗濯乾燥機能を使うと93.27×30=2,798.1円。今回ご紹介したモデルでは、乾燥機能の使用で3倍以上もの光熱費の差が出ることがわかります。

ドラム式洗濯機の電気代+水道代は?

ドラム式洗濯機のスイッチを押す女性の画像 ドラム式洗濯機のスイッチを押す女性の画像

続いて、ドラム式洗濯機にかかる電気代と水道代はいくらくらいでしょうか。縦型と同様、一般的な機種のスペックを参考にチェックしてみましょう。

<ドラム式洗濯機の計算に用いるモデルスペック>

  • 洗濯・脱水容量:11kg、乾燥容量:6kg
  • 洗濯時の消費電力:電動機230W、電熱装置1000W、最大1190W(温水時)
  • 消費電力量:定格洗濯時68Wh、定格洗濯乾燥時(標準モード)890Wh、定格洗濯乾燥時(省エネモード)620Wh
  • 標準使用水量:定格洗濯時78L、定格洗濯乾燥時55L

※出典:ななめドラム洗濯乾燥機 NA-VX900BL 詳細(スペック) | 洗濯機/衣類乾燥機 | Panasonic

電気代の計算方法

それでは、ドラム式洗濯機にかかる電気代を実際に試算してみましょう。

<ドラム式洗濯機の定格洗濯時の電気代>

  • 消費電力量は1kWに換算するため68Wh÷1000=0.068kWh
  • 電気料金単価:27円/kWh

以上の数値を使って計算すると、洗濯1回あたりの電気代は0.068×27=1.836円となります。
乾燥機能を使用した場合も計算してみましょう。

<ドラム式洗濯機の定格洗濯乾燥時(標準乾燥モード)の電気代>

  • 消費電力量を1kWに換算すると890Wh÷1000=0.89kWh

同じように計算すると、洗濯乾燥1回あたりの電気代は0.89×27=24.03円となります。

さらに、省エネモードの洗濯乾燥運転にかかる電気代も計算してみましょう。

<ドラム式洗濯機の定格洗濯乾燥時(省エネ乾燥モード)の電気代>

  • 消費電力量を1kWに換算すると620Wh÷1000=0.62kWh

計算すると、省エネ乾燥モードでの洗濯乾燥1回分にかかる電気代は0.62×27=16.74円。1回あたり、標準乾燥モードより約7円安い結果となりました。

水道代の計算方法

次に、ドラム式の水道代も計算してみましょう。縦型タイプのときと同様に算出していきます。

<定格洗濯時の標準使用水量約78Lの製品の場合>

  • 1Lあたりの水道単価は0.24円で算出(東京都水道局より)

計算すると、洗濯1回あたりの水道代は78×0.24=18.72円となります。

縦型タイプの洗濯乾燥運転の水道代が約31円でしたので、ドラム式との差は13円ほど。1回あたりの誤差はわずかに感じられますが、毎日の使用だと1カ月で13円×30=390円、1年で4,680円もの差と、見過ごせない金額になりますね。


本体価格はドラム式の方が高いので、使用頻度が高いご家庭ほど初期費用の元を取ることができそうです。反対に使用頻度があまり高くない方は、購入価格の低い縦型タイプのほうがお得かもしれません。

洗濯1回あたりの電気代・水道代は?

ドラム式タイプでも、電気代と水道代の合計を試算してみましょう。

<ドラム式の定格洗濯時の電気代+水道代>
1.836円(電気代)+18.72円(水道代)=20.556円

<ドラム式の定格洗濯乾燥時の電気代+水道代>
24.03円(電気代)+18.72円(水道代)=42.75円

<ドラム式の省エネ乾燥モードでの洗濯乾燥時の電気代+水道代>
16.74円(電気代)+18.72円(水道代)=35.46円

洗濯のみの運転だと縦型タイプとあまり変わりませんが、乾燥を含めるとドラム式タイプの方が2~3分の1ほど電気・水道代が安くなることがわかりました。乾燥運転を毎回使用したい方や、洗濯機の使用頻度が高い方にはドラム式洗濯機の使用がおすすめです。

賢い洗濯機の選び方とは

ここまでご紹介した縦型、ドラム式タイプそれぞれの特長や電気代、水道代をふまえると、どのようなタイプの洗濯機が自分に合っていて、水道・光熱費の節約につながるのかが見えてくるのではないでしょうか。洗濯物の汚れの種類や素材、使用頻度などご自身のライフスタイルからトータルコストを試算して、希望に合った洗濯機を探してみましょう。

ここからは、さまざまな切り口から賢い洗濯機の選び方について解説していきます。ご紹介いたしますポイントをヒントにして、洗濯機選びに生かしてみてくださいね。

ライフスタイルに合ったものを選ぶ

洗濯機にかかる電気代や水道代がどんなに安くても、その性能がライフスタイルに合っていなければ満足することはできません。たとえばタオル一つでも、柔らかくふわっとした仕上がりが好きなら低い温度で乾燥を行うヒートポンプ式乾燥のドラム式洗濯機、カラッと硬めの仕上がりが好みならばヒート式乾燥の洗濯機がおすすめです。

おしゃれ着を自宅で洗いたいのであれば、衣類を傷めにくいヒートポンプ式乾燥機能を持つドラム式洗濯機の中でも、高品質なドライコースがあるものが良いでしょう。また、汚れの多い洗濯物をたくさんの水でしっかりと洗いたいのであれば、縦型洗濯機がおすすめです。

好みの使い心地であること、ライフスタイルにあっていることが洗濯機を選ぶうえでは重要です。

トータルコストで選ぶ

洗濯機本体の価格とランニングコスト(電気代・水道代)両面をはかりにかけて選ぶことも大切です。洗濯だけの場合だと、縦型・ドラム式であまり電気代は変わらないので、乾燥機能は特に使わないという方は本体価格の低い縦型タイプがトータルでお得です。

反対に乾燥機能を活用したいという方は、電気代や水道代が安いヒートポンプ式のドラム式タイプがおすすめです。本体価格はドラム式の方が高いですが、洗濯機の耐使用年数と1年間にかかる電気代・水道代の差を考えると、乾燥機能の使用頻度が高いほどドラム式洗濯機の方が結果的にコストを抑えられます。

洗濯、乾燥だけでなくおしゃれ着洗いやダニ退治機能など、さまざまな機能がオプションとして搭載されている製品も数多くあるので、使いたい機能が消費する電力量や水量もできればチェックしておきたいところです。

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