電気代を節約したいと考えたときは、毎日使用する電化製品の使い方をまず見直しましょう。毎日使用する電化製品の電気代を抑えられれば、月々かかる電気代に大きな影響を与えます。今回は炊飯器にかかる電気代について解説します。
炊飯器の種類
炊飯器の電気代について解説する前に、炊飯器にはどのようなタイプがあるのかを知っておきましょう。炊飯器の種類を解説します。それぞれのタイプの特徴を把握しておきましょう。
マイコン炊飯器
マイコン炊飯器とは、内釜の底に設置されたヒーターが発熱するタイプの炊飯器です。ヒーターから発せられた熱を内釜全体に伝え、お米を加熱し、炊飯します。古くから市場に出回っている炊飯器のタイプです。
マイコン炊飯器のメリットは、そのシンプルな構造にあります。仕組みがシンプルゆえに価格も比較的安価なので、コストパフォーマンスに優れた炊飯器を求める方に向いています。
マイコン炊飯器のデメリットは、火力が控えめなところです。たくさんのお米を炊こうとするとムラができやすいため、少量のお米を炊くことが多い一人暮らしや二人暮らしのご家庭に適しています。
IH炊飯器
IH炊飯器とは、近年主流になっている炊飯器のタイプです。電熱線を使って内釜全体を発熱させてお米を炊く炊飯器を指します。温度をコントロールする機能に長けているため、炊飯工程ごとに「お米がおいしく炊ける温度」を実現してくれるのが、IH炊飯器の特徴です。
IH炊飯器は、マイコン炊飯器よりも高い火力を持っているので、短時間でお米をふっくら炊き上げられます。また、内釜の中で対流が生まれるため、お米をたくさん炊いてもムラができにくいという特徴も持っています。大量に炊いてもムラが少なく、おいしいご飯が楽しめます。
IH炊飯器の販売価格はピンキリです。搭載されている機能によって価格に差が出ます。
圧力IH炊飯器
圧力IH炊飯器とは、内釜の中の空気を抜き、お米に圧力をかけて炊飯するタイプの炊飯器です。IH炊飯器よりも高温でお米を炊き上げるため、ふっくらかつもちもちとした食感のご飯が楽しめます。
また、圧力IH炊飯器はお米にかけた圧力を一気に抜くことでお米を撹拌する一面も持っています。内釜内でお米がかき混ぜられるため、より炊きムラのないご飯が楽しめるでしょう。
圧力IH炊飯器は、マイコン炊飯器やIH炊飯器よりも多機能なのが特徴です。機能が充実している分だけ価格は高めなので、「費用を度外視して極上のご飯を楽しみたい」という方に向いているタイプといえるでしょう。
炊飯器の電気代
炊飯器を使ったときにかかる電気代を解説します。マイコン炊飯器・IH炊飯器・圧力IH炊飯器から1つずつ製品を選び、電気代を比較します。炊飯を行うときと保温を行うときの電気代を解説するので、それぞれの傾向を把握しましょう。なお、電気代の計算に用いる電力料金の目安は「31円/kWh(税込)」です。
※出典: よくある質問 Q&A|公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会
炊飯にかかる電気代
タイガー魔法瓶から発売されているマイコン炊飯器「JBH-G102」の炊飯にかかる電気代は、1回あたりの炊飯時消費電力量が140Whなので、約4.34円となります。
象印マホービンから発売されているIH炊飯器「NW-VJ10」の炊飯にかかる電気代は、1回あたりの炊飯時消費電力量が149Whなので、約4.62円です。
同じく象印マホービンから発売されている圧力IH炊飯器「NW-YB10」の炊飯にかかる電気代は、1回あたりの炊飯時消費電力量が140Whなので、約4.34円です。
これらの結果を総合すると、1回の炊飯にかかる電気代は4~5円程度といえるでしょう。高機能な機種だからといって、炊飯にかかる電気代が高いというわけではないようです。
※出典: マイコンジャー炊飯器<炊きたて> JBH-G102/G182 - タイガー魔法瓶
※出典: NW-VJ10・18 | IH炊飯ジャー | 炊飯 | 商品情報 | 象印マホービン
※出典: NW-YB10・18 | 圧力IH炊飯ジャー | 炊飯 | 商品情報 | 象印マホービン
保温にかかる電気代
5時間保温した場合を例に、保温にかかる電気代を試算します。
マイコン炊飯器「JBH-G102」の保温にかかる電気代は、1時間あたりの保温時消費電力量が19.1Whなので、1時間あたりの電気代は約0.59円、5時間あたりの電気代は約2.96円です。
IH炊飯器「NW-VJ10」の保温にかかる電気代は、1時間あたりの保温時消費電力量が16.1Whなので、1時間あたりの電気代は約0.50円、5時間あたりの電気代は約2.50円となります。
圧力IH炊飯器「NW-YB10」の保温にかかる電気代は、1時間あたりの保温時消費電力量が16.8Whなので、1時間あたりの電気代は約0.52円、5時間あたりの電気代は約2.60円となります。
これらの結果を総合すると、5時間ご飯を保温したときにかかる電気代は2~3円程度といえそうです。
炊いたご飯は保温すべき?それとも冷凍すべき?
炊飯や保温にかかる電気代を考えるときに気になるのが、「炊いたご飯は保温し続けるのと冷凍するのとではどちらが省エネなのか」というテーマです。炊いたご飯を冷凍し、食べるときに解凍する場合にかかる電気代を解説します。低コストなご飯の保存方法を理解しましょう。
炊いたご飯を冷凍してレンチンした場合の電気代
1回炊飯したご飯を冷凍した後、電子レンジを使って3分加熱した場合を想定して電気代を試算します。なお、5時間保温した場合と電気代を比べるため、「昼に炊いたご飯を昼に食べ、残りのご飯を冷凍し、夜に解凍して食べる場合」を考えます。なお、解凍に使用する電子レンジは、パナソニックの「NE-FL1C」です。
電子レンジを3分使用した場合の電気代は、約2.17円です。一方で、炊いたご飯を5時間保温した場合に消費される電気代は、約2.50~2.96円となっています。
昼に炊いたご飯を夜も食べるといったように、一度炊飯したご飯をもう一度食べるというシーンでは、ご飯を一度冷凍して保存した方が、電気代が安いことがわかります。
ただし、3時間以下程度の短い時間だけご飯を保存する場合には、保温機能を使った方が省エネといえそうです。保温する時間に合わせて保存方法を選ぶと良いでしょう。
※出典: 詳細情報 単機能レンジ NE-FL1C | オーブンレンジ・単機能レンジ | Panasonic
いつでもおいしいご飯を食べたいなら冷凍がおすすめ
おいしいご飯を楽しみたいのであれば、ご飯の保存方法は保温ではなく冷凍がおすすめといえます。長時間保温をすると、炊きたてのご飯がどんどん劣化していくためです。炊きたてのご飯はすぐに冷凍した方が、炊きたての状態を維持しやすいといえるでしょう。
ご飯を長時間保温した際に懸念されるデメリットは、以下の通りです。
・水分が蒸発して食感が悪くなる:パサパサとした食感に変化する
・ご飯が黄ばむ:見た目が悪くなる
・菌が繁殖する:おいしくなさそうなニオイを発するようになる
保温は電気代がかさむだけでなく、ご飯の味や風味も落としてしまう保存方法と心得ておきましょう。
炊飯器の電気代を抑える方法
ご飯を毎日食べるご家庭であれば、当然、炊飯器を毎日使用するはずです。毎日ご飯を炊くとなると気になるのが電気代です。炊飯時に消費する電気代を節約できれば、気兼ねなくご飯を炊けるようになるでしょう。炊飯器の電気代を節約する方法を紹介します。
使用するときにだけ電源に接続する
炊飯器を使わないときは、主電源から電源を落として電気代を抑制しましょう。炊飯・保温をするときだけ炊飯器のプラグをコンセントに接続するのです。
炊飯器を使わないときも電源につないだままにしておくと、待機電力(電化製品を使っていないときに消費される電力)が発生してしまいます。
炊飯器の待機電力を0.62Wh/hと仮定すると、1日20時間コンセントに挿しっぱなしにした場合の待機電力は、1日約0.38円です。これを1年間継続したとすると、1年間で消費される待機電力は、約140.31円となります。消費される電気代はわずかでも、無駄に消費していると考えれば、節約する意義があります。
※出典: 省エネ性能カタログ゙2024年版
数回分のご飯を1回で炊いて冷凍する
炊飯時に消費する電気代を節約したいのであれば、数回分の食事で消費するご飯を一度に炊いてしまうのがおすすめです。数回分のご飯を一気に炊いてしまえば、炊飯する回数が減るので、必然的に節約が実現します。
一度に数回分のご飯を炊く際に大切なのは、炊いたご飯を保存する際に冷凍保存を活用することです。保温機能は電気代がかさむ場合があるため、炊いたご飯は冷凍保存を選びましょう。
ご飯をおいしく冷凍するポイントは以下の通りです。
・熱々の状態でラップに包む:立ち上がる蒸気ごと密閉することで、ご飯の水分を逃さない
・1食分ずつ小分けにして冷凍する:かたまりで冷凍すると解凍時に温めムラが生じてしまう
ポイントを押さえて冷凍すれば、いつでも炊き立てのようなご飯が楽しめます。
エコモードで炊飯する
炊飯器の機能として、「エコ炊飯」や「エコ炊き」と呼ばれる「エコモード」が搭載されているのであれば、積極的に活用するのがおすすめです。エコモードを使えば、手軽に炊飯にかかる電気代を抑えられます。
例えば、三菱電機から発売されていたIH炊飯器「NJ-VA107」の場合、通常炊飯(白米・ふつう)にかかる電気代は、約5.59円です。一方でエコ炊飯を選択した場合の電気代は、約4.61円となっています。
エコモードを選択する場合には、一度ご飯の炊き上がりをチェックしましょう。エコモードの場合、ご飯がかために仕上がることがあります。
※出典: おいしさの秘密|NJ-VA107|炊飯器|炭炊釜:三菱電機
炊飯器が古いなら買い替えを検討する
年季が入った炊飯器を使っているのであれば、思い切って省エネ性能が高い炊飯器への買い替えを検討しましょう。電化製品は、新しい製品ほど省エネ性能が高い傾向があります。炊飯器も例外ではありません。
特に製造されてから10年以上経過した炊飯器を使っている場合には、買い替えによって大きなメリットが得られる可能性が高いといえます。「まだ使えるから」と10年選手となった炊飯器を使用していると、電気代を無駄に消費している可能性があるので、買い替えた方がお得といえるでしょう。
上手に使えば炊飯器の電気代は節約できる
炊飯器は、使い方を工夫することで消費する電気代を抑えられます。数回分のご飯を一度に炊いて冷凍したり、エコモードを活用して炊飯したりすれば、炊飯にかかる電気代を節約可能です。毎日のように使用する炊飯器であるからこそ、日頃から実践できる節約術が効果を発揮します。小さな工夫を積み重ねて、毎日消費する電気代を節約していきましょう。
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