電気ケトルは、手軽にお湯を沸かせる電化製品です。電気ケトルは手軽で便利ですが一方で、電気代がどれくらいかかるのかイメージしにくいと感じる方も少なくありません。
電気ケトルの購入を検討している方は、まずは製品の特徴やお湯を沸かすためにかかる電気代、さらに電気ポットとの違いを理解しておくことがポイントです。
今回は、電気ケトルとほかのお湯を沸かす手段にかかる電気代を比較し、それぞれの方法がどのような方に向いているのか解説します。電気ケトルの選び方や便利な活用法、ご家庭の電気代を節約する方法もご紹介するため、電気ケトルの購入を検討している方は、ぜひこの情報を参考にしてみてください。
電気ケトルの電気代は?電気ポット、やかんと比較!
お湯を沸かすためのコストを抑えるなら、まずは電気ケトル、電気ポットにかかる光熱費を比較しましょう。沸かしたお湯をどのように活用するかによってもコストパフォーマンスは変わってくるため、用途をイメージした上でご家庭に合った方法を選びましょう。
電気代の求め方を「1時間あたりの消費電力(kW)×使用時間(時間)×料金単価(円/kWh)」として「電気ケトル」「電気ポット」「やかん」にかかる光熱費をそれぞれ算出します。
電気ケトルの電気代
電気ケトルでお湯を沸かす場合、1回あたりの電気代を求めてみましょう。
電気代は以下の条件を仮定し算出しています。
- 電気ケトルの消費電力:1250W(1.25kW)
- お湯を沸かす時間:140ml(コーヒーカップ1杯分)で50秒(=50/3600時間)、1Lで5分(5/60時間)
- 1kWhあたりの料金単価:27円/kWh
沸かすお湯の量 | 1回あたりの電気代 |
---|---|
140ml※ | 約0.5円(1.25kW×50/3600時間×27円/kWh=約0.46) |
1L | 約2.8円(1.25kW×5/60時間×27円/kWh=約2.81) |
電気ポットの電気代
電気ポットは、電気ケトルに比べて一度に大量のお湯を沸かすことができるのが特徴です。
電気ポットでお湯を沸かす場合、1日あたりの電気代を求めてみましょう。
電気代は以下の条件を仮定し算出しています。
- 電気ポットの1日あたりの消費電力:容量2.2Lで990W、容量3Lで1180W(湯沸かし2回、再沸騰1回、保温90度を想定)
- 電気代の単位:1日あたり
- 1kWhあたりの料金単価:27円/kWh
沸かすお湯の量 | 1日あたりの電気代 |
---|---|
2.2L | 約27円(0.99kWh/日×27/kWh=26.73) |
3L | 約32円(1.18kWh/日×27/kWh=31.86) |
やかんでお湯を沸かすガス代
やかんでお湯を沸かす場合にかかる1回あたりのガス代を求めてみましょう。
ガス代は以下の条件を仮定し算出しています。
- 都市ガスの従量料金:130.46円/立方メートル(※)
- やかんの容量:3L
- 3Lの水を沸かすガス量:0.064立方メートルと仮定
沸かすお湯の量 | 1回あたりのガス代 |
---|---|
3L | 約8.35円 (0.064立方メートル×130.46円/立方メートル=約8.35円) |
3Lのお湯を沸かすのに8.35円、つまり1Lのお湯では約2.78円のガス代がかかります。
ご家庭で契約しているガスの種類によっては、1回あたりのガス代が高くなることもあるでしょう。また、電気ケトルや電気ポットのように自動で電源がオフになったり保温になることがないため、お湯が沸いたタイミングで火を止めなければなりません。
電気ケトル、電気ポット、やかんはどれがおすすめ?
電気ケトル、電気ポット、やかんにはそれぞれメリット・デメリットがあります。製品を購入後に不便を感じることがないように、特徴やどのような方に向いているのかをあらかじめ確認しておきましょう。
以下では、お湯を沸かす方法ごとに、製品の特徴やメリット・デメリットを詳しく解説し、おすすめの使用シーンをご紹介します。
電気ケトルの特徴
電気ケトルの特徴とメリットは、以下の通りです。
- 操作方法がわかりやすい
- 電気代が安い
- 本体が軽い
- 保温機能付きの製品もある
電気ケトルの最大容量は、0.6~1.2Lが一般的ですが、2Lのお湯を沸かせる大容量タイプもあります。コップ1杯分のお湯なら約50秒で沸かすことができ、本体がコンパクトかつ軽量なため部屋の移動もスムーズです。
また、火を使わずにお湯を沸かせるため、比較的安全に使うことができます。忙しい朝の時間を有効的に使いたい方や、電気代やガス代を節約したい方におすすめです。
保温機能付きの製品なら、いつでも適温のお湯を使えます。
やかんの特徴
やかんの特徴とメリットは、以下の通りです。
- 石油ストーブなどの上でお湯を沸かすことができる
- 素材がさまざまで好みに合ったやかんを選べる
- 丸洗いできるためお茶を煮出せる
やかんは1Lタイプもあれば大容量の5Lタイプもあります。1Lのお湯を強火で沸かす場合、沸騰するまでの時間は約3分です。やかんは一度に大量のお湯を早く沸かせることがメリットですが、保温機能がないため適温に保つことができません。
家族の人数が多いご家庭やスポーツをしていてたくさんのお茶が必要な方には、やかんの活用がおすすめです。また、冬場に石油ストーブを使うご家庭の場合、やかんを乗せてお湯を沸かせばガス代の節約になります。
電気ポットの特徴
電気ポットの特徴とメリットは、以下の通りです。
- 保温機能があるためお湯を沸かす回数を減らせる
- 一度にたくさんのお湯を沸かすことができる
- お湯の温度設定ができる
電気ポットは、容量1.5~3Lの製品が主流となっています。一方で、一人暮らし向けの1Lタイプやファミリーまたはオフィス向けの3~5L大容量タイプもあり、ニーズに合わせて選ぶことが可能です。
電気ポットは保温機能や温度設定機能が付いているため、一度にたくさんのお湯を沸かしておきたい方やいつでも適温のお湯を使いたい方におすすめです。家族の人数が多いご家庭やオフィスなど、個人のタイミングでお湯を使う場所にも向いています。
電気ケトルの選び方
電気ケトルは、複数のメーカーで販売しているため種類が豊富です。コスパと満足度が高い電気ケトルを探している方は、以下のポイントをチェックしておきましょう。
安全性
電気ケトルの安全性は、やかんより優れているものの電気ポットに比べるとやや劣ります。沸騰したお湯がこぼれて火傷をする可能性もあるため、特に小さな子どもやペットがいるご家庭では注意が必要です。
多くの電気ケトルは、本体の外側が高温にならないように二重構造になっています。また、電気ケトルが倒れたときにお湯がこぼれない特殊な構造となっている製品なら、万が一のときにも被害を最小限にできるでしょう。
内部の素材
電気ケトルは製品によって内部の素材が異なることが特徴です。内部素材は、主にプラスチック・ガラス・ステンレスに分類されます。強度や手入れのしやすさなど、素材によって特徴があるため、しっかり比較した上で選びましょう。
<プラスチック>
- 転倒による大きなダメージを受けにくい
- 付着した汚れが落ちにくい
- プラスチック特有のにおいが気になる場合がある
<ガラス>
- 汚れを落としやすい
- においや味がお湯に移らない
- 落下や衝撃に弱く破損しやすい
<ステンレス>
- 落下や衝撃に強く破損しにくい
- 軽量化を図った製品も多い
- 金属特有のにおいが気になる場合がある
価格
電気ケトルの価格は製品によってさまざまです。安全性に配慮した製品ほど価格は高くなりやすい傾向にあります。容量や機能にもよりますが、電気ケトルの価格相場は約3,000~10,000円です。リーズナブルな製品を購入する場合は、安全性や素材に問題がないかどうかしっかり確認しましょう。
電気ポットを購入するなら魔法瓶タイプがおすすめ
電気ポットは一度に大量のお湯を沸かせることが大きなメリットです。しかし、保温に電気代がかかるため、電気代の節約をしたい方にはデメリットとなる可能性があります。
電気代を節約しつつ電気ポットを使うなら、魔法瓶機能が付いた製品がおすすめです。魔法瓶タイプの電気ポットは内部に真空断熱層があることが特徴で、保温性が高く通常の電気ポットより消費電力量を減らせます。
また、電気ポットの購入にあたり、以下のポイントを押さえておくことも大切です。
出湯方式
電気ポットは製品によってお湯の出し方が異なります。電気ポットの出湯方式は、「エア式」「電動式」「エア式+電動式」の三つです。
ボタンを押す圧力でお湯を出せるエア式は、コードレスで使えます。ただし、エア式はボタンを押し込む力が必要です。簡単にお湯を出したい方は電動式、状況に応じて使い分けをしたい方はエア式+電動式など、用途に合わせて出湯方式を選びましょう。
安全性
電気ポットの使用時には、本体が倒れてお湯がかかったり蒸気口に触れたことによる火傷に注意が必要です。多くの電気ポットには「蒸気レス機能」「ロック機能」が付いています。
さらに「空焚き防止機能」や本体の外側が熱くならないように工夫された製品なら、小さな子どもやペットがいるご家庭でも安心です。
電気ケトルの便利な活用法
電気ケトルは沸かすお湯の量を調整しやすく、カップ麺を作ったりコーヒーを1杯だけ飲みたいといったときにも大活躍します。ほかにも、使い方次第で料理や家事の時間短縮にも効果的です。
例えば、電気ケトルで必要量のお湯を沸かし、鍋や加熱容器に移し替えてから野菜や麺類を茹でることで調理時間を短縮できます。特に冬場は水温や室温が低くガスコンロだとお湯が沸くまでに時間がかかるため、電気ケトルを活用すれば時短とガス代の節約ができて一石二鳥です。
また、レトルト食品の加熱にも役立ちます。土鍋や保温性の高い鍋に電気ケトルで沸かしたお湯を注ぎ、レトルト食品を入れるだけで加熱が可能です。
ただし、電気ケトルの中に直接食品を入れて加熱するのは避けましょう。食材の破裂や吹きこぼれによって火傷や事故が起こる可能性があり危険です。電気ケトル内部への着色やにおい移りの原因にもなります。
電気ケトルを料理や家事に活用する場合は、必ず沸かしたお湯を別容器に移し替えてから使いましょう。
ご家庭の電気代を節約する方法
電気ケトルでお湯を沸かすためにかかる電気代は、それほど高くありません。それでも電気代が気になる方は、ご家庭全体の電気代を節約する方法を実践してみましょう。
家の電気代を節約するには、まず電力会社との契約内容を見直す必要があります。契約内容を見直して最適なプランに変更するだけで、長期的な電気代の節約が可能です。
ここでは、電力会社との契約で見直すべき「契約アンペア数」と「電気料金プラン」について詳しく解説します。
契約アンペア数の見直し
契約アンペア(A)数は、ご家庭で必要とする電気量に応じて決められます。世帯人数が多いご家庭やオール電化などで使用電力量が多いご家庭ほど、契約アンペア数は高くなる仕組みです。
実際に使っている電気量よりも多いアンペア数で契約している場合、アンペア数を下げることで電気代を節約できます。現在の契約アンペア数がライフスタイルに合っているか判断する目安として、以下を参考にしてみましょう。
- 30A…単身者、2人世帯
- 40A…3人世帯
- 50A…4人世帯、消費電力が多いご家庭
契約アンペア数の変更は無料で行えます。ただし、一度変更すると1年間変更できない場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
電気料金プランの見直し
電力会社によって電気料金プランの内容が異なります。「基本料金+従量料金」で電気代が決まる電力会社もあれば、基本料金不要で使った分だけ電気代が発生する電力会社もあります。
電気料金プランの見直しでは、料金の仕組みがライフスタイルに合っているかのチェックも大切です。使用電力量が多いオール電化住宅向けのプランや電気の使用時間帯によって電気代が安くなるプランなど、ニーズに合ったプランを選びましょう。
まとめ
お湯を沸かす電化製品には、電気ケトル、電気ポット、やかんなどがあります。それぞれにメリット・デメリットがありますが、沸かしたお湯を保温する必要がないのであれば、電気代の節約効果が高い電気ケトルがおすすめです。
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でんきナビでは市場連動型プランって何?という方に向けて、様々な疑問に答える記事をご用意しています。
市場連動型のメリット・デメリットについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
電気の市場連動型とは?メリット・デメリットから電気の上手な使い方まで
市場連動型プランの節約方法について詳しく知りたい方は、以下の記事で詳しく紹介しています。
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