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引越しに伴う手続きは多岐にわたりますが、中でも生活に大きく関わるのが「ガスの手続き」です。新生活が不自由なくスタートできるように、使用停止と使用開始の手続きを行いましょう。お申し込み方法や手順、留意点を解説します。

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引越し時に行うガスの手続きとは?

引越し時はライフラインの手続きを早めに済ませておく必要があります。新居に引越した当日からコンロやお風呂が使えるように、ガスの手続きはきちんと行いましょう。

使用停止と使用開始の手続きが必要

引越しに伴うガスの手続きは、「旧居での使用停止手続き(解約手続き)」と「新居での使用開始手続き(契約手続き)」の2つです。
手続きが遅れると、引越し当日にガス機器が使えなかったり、本来支払う必要がない月額料金が発生したりするため、ガス会社への連絡は早めに行う必要があります。
基本的にガスの閉栓・開栓は作業員が行いますが、開栓時のみ入居者がその場で確認をしなければなりません。ガス会社に連絡して引越し日を伝え、作業員の訪問日を調整する流れとなるでしょう。

申し込むタイミングについて

大抵のガス会社では、引越しの約1カ月前から申し込みを受け付けています。引越しの直前ではなく、1カ月~1週間前までに済ませておくのが理想です。
引越し日が近くなると片付けで慌ただしくなり、申し込みをするのを忘れてしまう方もいます。賃貸住宅の場合、退去の1カ月以上前に管理会社や大家に退去通知をするのが一般的です。退去通知をするついでにガス会社にも連絡を入れましょう。
また、2~4月の引越しシーズンはガス会社が混雑します。自分が希望する日時に作業の予約が取れない場合があるため、引越し日が決まったらできるだけ早めに連絡するのが望ましいでしょう。

手続き前に確認すべきこと

ガスの使用停止手続きは比較的簡単に済みますが、新居における使用開始手続きでは、使用できるガスの種類を確認した上で、ガス会社を決める必要があります。手続き前は、「ガスの種類」と「ガス会社の選択の可否」を必ず確認しましょう。

新居で使うガスの種類は何か

ガスにはさまざまな規格があり、ご家庭では「プロパンガス」または「都市ガス」のいずれかが使われています。
ガスの種類によって、契約できるガス会社や使用できるガス機器が異なるため、申し込み前に「新居でどのようなガスが使われているか」を確認しましょう。
プロパンガスは全国エリアで供給されていますが、都市ガスは人口が密集した都市部に限られています。なお、旧居と新居で使うガスの種類が適合していれば、同じガス会社やガス機器を引き続き利用できます。

ガス会社を選択できるかどうか

ご家庭向けの都市ガスは、地域ごとに決められた特定の事業者としか契約できないルールでしたが、2017年4月に都市ガスの小売りが全面自由化されました。
現在はプロパンガス・都市ガスともに、ご家庭のニーズに合ったガス会社を自由に選択できます。ただし賃貸住宅では、以下のような場合にガス会社の変更ができないケースがあるため、引越し先の管理会社や大家に事前に確認しましょう。

  • ガス会社が指定されている
  • プロパンガスが使われている
  • 住戸ごとのガスメーターがない
  • 引越し先のエリアにガス会社が1つしかない
プロパンガスを使用している賃貸住宅は、ガス会社の変更ができません。都市ガスと違い、プロパンガスには専用のガスメーターやガス管が使われています。同じ建物のガス設備を別々のガス会社が管理するのは現実的ではないでしょう。
住戸ごとのガスメーターが付いていない賃貸住宅は、管理会社や大家が全戸の電気代を一括して支払っている場合が多く、ガス会社の変更は困難です。あらかじめ賃貸契約書の内容を確認しておきましょう。

使用停止までの手順

ガスの使用停止は、「手続きの申し込み」「閉栓作業」「ガス代の精算」の順番で行います。手続きを忘れると、引越し後もガス代を請求されてしまうため、引越しが決まったら早めに連絡をしましょう。

使用停止の申し込み

まずは、契約中のガス会社に使用停止の申し込みを行います。申し込み方法は、電話・FAX・インターネットの3パータンが多いでしょう。引越し日が迫っているときは、電話での申し込みがおすすめです。
申し込み時は、手元に以下の情報を用意しておきましょう。

  • 契約者の名前
  • ガスの使用を停止する場所の住所
  • 建物の形態
  • 使用停止の希望日時
  • ガス代の精算方法
  • ガスの検針票(ガスご使用量のお知らせ)に記載された「お客さま番号」
  • 連絡先(転居先の住所・電話番号)

ガスの閉栓作業

使用停止の当日は、作業員が旧居を訪問し、閉栓作業を行います。閉栓作業後は旧居のガスは使えなくなる点に注意しましょう。以下のケースでは立ち会いが求められます。

  • 作業員がガス設備に立ち入れないケース(オートロック式のマンションや屋内にガスメーターがある場合など)
  • ガス代の精算方法を「現金精算」にした場合
  • ガス会社にガス機器の取り外しを依頼した場合
ガス会社から事前に作業日時を伝えられるため、スケジュールを調整しておきましょう。閉栓作業は10分程度で完了します。

ガス代の精算

退去日は、作業員がガスメーターを確認し、ガス代を精算します。ガス会社にもよりますが、精算方法は「クレジットカード払い」「口座引き落とし」「現金精算」から選択が可能です。
クレジットカード払いや口座引き落としを選択した場合、支払いが終わるまではクレジットカードや口座を解約しないようにしましょう。
引越しをした月のガス代は、「ガス使用停止直前の検針日翌日~使用停止日まで」の使用日数および使用量から日割り計算します。精算が終われば、一連の手続きは完了です。

使用開始までの手順

新居でガスを使用するにあたっては、ガスの使用開始手続きが必要です。使用停止手続きと異なり、開栓作業に立ち会いを求められます。引越し直後は何かと慌ただしいですが、立ち会いのスケジュールは必ず確保しましょう。

使用開始の申し込み

新居で使用できるガスの種類(プロパンガス・都市ガス)を確認した上で、ガス会社に使用開始手続きの申し込みをします。
ガス会社にもよりますが、申し込み方法は、電話・FAX・インターネットが基本です。手元に以下の情報を用意しましょう。

  • 契約者の名前
  • ガスの使用を開始する場所の住所
  • 使用開始の希望日時
  • 立ち会いの希望日時(作業員の訪問日)
  • 備え付けガス機器の有無
  • 持ち込みガス機器の有無
  • ガス代の支払い方法
  • 連絡先
引越し日の直前に手続きの申し込みをすると、希望の立ち会い日に予約が取れない可能性があります。遅くとも1週間前には連絡を済ませましょう。引越し日が迫っているときは、電話での申し込みがおすすめです。

ガスの開栓作業とガス機器の点検

ガスメーターの栓を開く作業は「開栓作業」と呼ばれます。退去時の閉栓作業と異なり、開栓時は入居者がそばで作業を確認しなければなりません。
当日は、予約した時間に作業員が自宅を訪れます。ガス周辺の点検を行った後、ガスメーターの栓を開いて、安全に火を使えるかどうかをチェックする流れです。作業時間は15~20分と見ておきましょう。
開栓作業は、コンロなどのガス機器が設置されていない状態でも行えます。ほかの作業を依頼しなければ、出張費や作業費などはかかりません。

ガスの手続きに関するQ&A

引越しの機会が少ないと、手続きに手間取ってしまうものです。「開栓作業に立ち会えないときはどうする?」「ガス機器の取り外し・取り付け作業は誰が行う?」など、ガスの手続きに関するQ&Aをまとめました。

本人が立ち会えないときは?

ガスの開栓作業は、入居者が立ち会わなければなりません。当日、本人が立ち会えないときは、ガス会社に事前に連絡をした上で、立ち会いを依頼できる代理人を探しましょう。
代理人は血縁者や配偶者である必要はなく、ガス会社からの連絡事項や注意事項を入居者にきちんと伝えられる方であれば、基本的に誰でも構いません。家族・友人・管理会社・大家に依頼をする方が多いようです。
ガスは使い方を誤ると大事故につながります。年齢や国籍の制限があるわけではありませんが、小さな子どもや日本語ができない外国人を代理人にするのは避けた方がよいでしょう。

前日や当日でも手続きは可能?

引越し日の前後は片付けで忙しく、手続きの申し込みをするのを忘れてしまう方も珍しくありません。申し込みをせずに、引越しの前日や当日を迎えてしまった場合は、できるだけ早くガス会社に連絡をしましょう。
必ずしも自分が希望する日時に作業をしてもらえるとは限りませんが、手続きの申し込み自体はいつでも可能です。
閉栓作業が引越し日の後になれば、余計なガス代がかかります。新居では、開栓作業を行うまでガスが使用できないため、申し込みはできるだけ早めにするのがベストです。

ガス機器の取り外し・取り付けは誰が行う?

ガスコンロやガス炊飯器、ガスストーブといった「ガス機器」の取り外し・取り付けは、入居者が行うのが基本です。
ガス機器の接続口にガスコードを接続するだけのシンプルな作業ですが、取り付け方を間違えるとガス漏れを引き起こす恐れがあります。有償で作業を行ってくれるガス会社が多いため、不安な方は事前に相談をしましょう。
「ガス湯沸かし器」は、専門の資格がなければ、取り外しや取り付けができません。ガス会社に手続きの申し込みをする際、「ガス機器の種類」と「設置状況」を伝えましょう。

その他のライフラインの手続きも忘れずに!

引越しの際は、水道と電気の手続きも欠かせません。ガス同様に、旧居での使用停止手続きと新居での使用開始手続きが必要です。手続きの内容とポイントを解説します。

水道の手続き

引越し日が決まったら、電話やインターネットなどの方法で、管轄の水道局に手続きを申し込みます。ガスと同様、引越しの1週間前までに連絡を済ませておくのが望ましいでしょう。旧居と新居を管轄する水道局が同じ場合は、申し込みが1回で済みます。
申し込みの際は、契約者の氏名や住所、連絡先のほかに「お客さま番号」や「水栓番号」が必要です。
お客さま番号は、「水道の検針票(水道ご使用量のお知らせ)」や「使用料金の領収書」に記載があります。水栓番号は、水道の検針票のほか、玄関のドア上部や郵便ポスト、水道メーターなどにある「水栓番号のシール」で確認ができます。
オートロックの住宅などを除き、引越し当日の立ち会いは原則不要です。退去時の閉栓と入居時の開栓は自分で行いましょう。

電気の手続き

電気の手続きも、引越しの1週間前までに行うのが基本です。引越し日が決まったらできるだけ早めに連絡しましょう。
手続きはシンプルで、電話やインターネットなどで、使用停止や使用開始の申し込みをするだけです。検針票(電気ご使用量のお知らせ)やWebサイトのマイページにある「お客さま番号」を手元に用意しておくとスムーズでしょう。
オートロックや電気工事などが必要な場合を除いては、基本的に立ち会いの必要はありません。入居後に初めて電気を使う場合は、アンペアブレーカー・漏電遮断器・配線用遮断器のスイッチをONにしましょう。
近年は、遠隔操作で電気の供給をコントロールできる「スマートメーター」への切り替えが進んでいます。スマートメーターの場合、ブレーカーの操作は必要なく、使用開始手続きが済んでいれば、電気が使えます。
電気の引越し手続きについてもっと詳しく知りたい方はこちら

引越しを機に電力会社を見直そう

引越しは、電力会社や料金プランを見直す良いチャンスです。これまで、大手の電力会社を利用していた方は、「新電力」への切り替えを検討するのもよいでしょう。
新電力は、独自のサービスやプランを展開しているところが多く、自分のライフスタイルに合ったものを選べば、電気代が抑えられます。
Looopでんきの「スマートタイムONE」は、30分ごとに料金単価が変動するのが特徴で、基本料金や燃料費調整額がかかりません。電力量料金の単価が安い時間帯に電気を使う「ピークシフト」を実行すれば、無理のない節電が可能です。
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賃貸物件に引越す場合は、電力会社の選択が可能かどうかを事前に確認した方がよいでしょう。「高圧一括受電契約」は、契約が1棟単位となるため、入居者は電力会社を選べません。

引越しに伴う手続きは段取りが重要

引越しに伴うガスの手続きを忘れると、引越し当日にガスを使えなかったり、引越し後も旧居のガス代を支払う羽目になったりといった不都合が生じます。段取りをしっかりと組んだ上で、ライフラインの手続きは早めに済ませましょう。
ガス代や電気代を少しでも安く抑えたい方は、引越しの機会にサービス会社を見直すことをおすすめします。新電力が展開するプランの中には、電気とガスが一緒になったお得なセットプランもあります。
東京電力エリアで都市ガスを使っている方は、Looopでんきの「スマートタイムONE(電灯)+Looopガス」をチェックしましょう。
スマートタイムONEは、電気料金の単価が市場価格に合わせ時間帯で変動する市場連動型プランです。単価が安い時間帯に集中して電気を使うようにすれば、電気代が安くなります。ガス割の1円は、スマートタイムONE(電灯)の固定従量料金単価から割り引かれます。
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