引越し時の電気の契約手続きの流れは？電力会社の選び方も解説

引越しの際には、現在の住まいでの電気の解約と、新しい住まいでの契約の手続きが必要です。どちらか一方を忘れると、無駄な電気代が発生したり、新居で電気が使えなかったりする可能性があるので注意しましょう。それぞれの手続きとタイミングについて解説します。

引越し前には、現在契約している電力会社に「引越し日」または「電気を止める日」を伝えて解約を申し込みます。一般的には、引越しの1〜2週間前までに連絡しておくと安心です。多くの電力会社では、Webや電話・アプリから簡単に手続きが可能です。
解約を忘れると二重請求の原因になるため、引越し日が決まったら早めに連絡するようにしましょう。なお、電力会社によっては、解約せずに引越し先でもそのまま使える場合があるため、事前に確認しておくことが大切です。

新居で電気を使用するためには、新しい電力会社との契約が必要です。契約手続きは、入居日が決まった段階で行いましょう。引越し当日から問題なく電気を使えるように、事前に申し込みを済ませておくことが大切です。
契約の際には、新住所や入居日をはじめ、電力会社によっては「供給地点特定番号」などを伝える必要があります。Web上で完結できる場合も多く、申し込み後は、指定日に自動的に通電されるケースも少なくありません。
ただし、旧式のメーターが設置されている住宅では、スマートメーターへの交換工事が必要なこともあり、その際は立ち会いが求められることもあります。事前に条件をよく確認し、スケジュールに余裕を持って契約しましょう。

上記のように、引越し前の解約手続きは、遅くとも1～2週間前までに済ませるのが一般的です。一方、新居での契約は、引越し日が決まり次第すぐに申し込むのがおすすめです。余裕を持って連絡しておけば、当日のトラブルを防げます。
実際に電気を止めるのは退去日当日が理想で、引越し先では入居日当日から使えるようにするのが基本です。
電気の開通には通常1～3日ほどかかる場合もあるので、入居当日に確実に電気が使えるようにスケジュールを逆算して手続きしましょう。特に、繁忙期の3〜4月は申し込みが集中するため、早めの対応が重要です。

電気の解約・契約の手続きは、電話やインターネットを通じて比較的簡単にできます。しかし、必要な情報を事前に準備しておかないと、手続きがスムーズに進まない場合があるので注意が必要です。
具体的な手続きの方法と、事前に用意しておくべき情報について整理しておきましょう。

電気に関する手続きは、電力会社の窓口やWebサイト・専用アプリなどから手続きが可能です。解約の場合は使用停止日を指定し、顧客番号など必要情報を伝えるとスムーズに解約できるので、わかる範囲で用意しておきましょう。
一方で、利用開始日を指定して申し込む必要があります。インターネットからの手続きなら24時間いつでも可能であり、手続き完了後に確認メールが届くのが一般的です。
また、電力会社によっては「引越し専用窓口」や「乗り換えサポート」が設けられており、複数の手続きを一括で済ませられる場合もあります。

電気の契約手続きに必要なのは、契約者名、住所、利用開始日・停止日などの基本情報です。加えて、お客さま番号（検針票などに記載）や希望アンペア数、支払い方法（口座振替・クレジットカード払い）も求められます。
また、上記のように、供給地点特定番号などを正確に伝えることで、スムーズに契約内容を反映できます。これらの情報が不足していると、申し込み後の確認や手続きに時間がかかる場合もあるため、事前に検針票や電力会社のマイページなどで確認しておきましょう。
なお、電気と同時にガスの手続きをする場合も同様に、ガス会社への旧居での解約手続きと新居での契約手続きが必要です。特に、ガスの開栓には利用者の立ち合いが必要なので、引越し当日の予定に合わせて日時を調整しておくと安心です。
ガスの契約手続きに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。こちらを参考にしてください。
⇒ガスの契約について、もっと詳しく知りたい方はこちら

電気の契約手続きは比較的シンプルですが、いくつか注意すべきポイントもあります。以下の点を見落とすと、思わぬトラブルや余計な費用が発生する可能性があるので注意しましょう。

新居で契約の名義を同居人や家族などに変更したい場合は、名義変更の手続きが必要です。名義が異なるままにしておくと、請求書の宛名や契約内容に不備が生じる可能性があり、トラブルの原因になるため、必ず新たに契約手続きをしておきましょう。
電力会社によっては、名義変更をWebで簡単に済ませられる場合もありますが、旧契約者と新契約者の双方の同意が必要なケースもあります。
転居のタイミングは、支払い方法や契約プランを見直す良い機会でもあるため、併せて確認しておくとよいでしょう。

一部の賃貸物件やマンションでは、あらかじめ契約する電力会社が指定されている場合があります。
これは、管理会社やオーナーが特定の会社と一括契約をしているケースで、個別に電力会社を変更できない可能性があるため、入居前に必ず管理会社やオーナーに確認しておきましょう。
指定がない場合は、原則として自由に電力会社を選べるので、料金プランやサービス内容を比較して、自分のライフスタイルに合った会社を選ぶことが大切です。
電気料金プランや各種特典・支払い方法などを見直すことで、毎月の電気代を抑えられる可能性があります。

解約の連絡は、退去日の確定後にするようにしましょう。日程が曖昧なまま解約手続きをすると、実際に退去する前に電気が止まってしまう可能性があります。
特に、引越し作業中は照明や電源が必要なため、引越し当日までは電気が使えるようにしておくことが重要です。
退去日当日の作業が完了してからブレーカーを下げるようにして、電力会社の指示に従って解約を完了させましょう。

引越し先がスマートメーター未設置の物件の場合、契約手続きの際に、取り換え工事が必要になることがあります。
スマートメーターは、電力の使用量を自動で計測・送信できる機器で、多くの電力会社のサービスにおいて、遠隔検針や市場連動型プラン（時間帯別料金）を導入する際に必須です。
取り換え工事は原則無料であり、電力会社や地域の電力供給会社が実施しますが、工事の立ち会いや日程調整が求められる場合もあります。契約する電力会社を決めたら、早めに確認しておきましょう。

電力の小売完全自由化により、消費者は数多くの電力会社の中から、ご家庭に合った電力サービスを自由に選択できるようになりました。
しかし、選択肢が多いからこそ、どの電力会社を選べばよいか迷ってしまう方も多いでしょう。ご家庭に合ったサービスを選択する際、注目すべきポイントを解説します。

電力会社を選ぶ際には、まず自分の住む地域が供給エリアに含まれているかを確認する必要があります。新電力会社の中には特定の地域のみにサービスを提供している会社もあるため注意しましょう。
供給エリアが対応していることを確認したら、基本料金や従量料金を比較します。基本料金は電気の使用量に関わらず毎月固定でかかる料金で、従量料金は使用した電気量に応じて課金される料金です。
ご家庭の電気使用量に応じて、どちらのプランがお得になるかを計算してみましょう。基本料金や従量料金に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。こちらも参考にしてください。
⇒電気の基本料金や従量料金について、もっと詳しく知りたい方はこちら

電力会社によって、さまざまな料金プランが用意されています。例えば、日中の使用量が多い家庭向けや、夜間の電気代が安くなるプランなどがあるので、生活スタイルに合った料金プランを選びましょう。
まず自分や家族の生活パターンを振り返り、いつ・どのように電気を使っているかを把握した上で、最もメリットのあるプランを選ぶことが大切です。特に、季節によって使用量が大きく変わる場合は、年間を通してお得になるプランを選びましょう。

電力会社の中には、電気料金以外にも魅力的なサービスや特典を提供しているところがあります。例えば、ガスやインターネット回線とのセット割引では、複数のサービスをまとめることで、月々の支払いが割安になります。
また、ポイントプログラムを導入している電力会社では、電気料金の支払いに応じてポイントが貯まり、他のサービスや商品と交換できる場合も少なくありません。
緊急時の駆けつけサービスや電気設備のトラブルサポートを提供している会社もあるので、料金面だけでなく付帯サービスの内容も、きちんと比較・検討しておくことが重要です。

電力会社を選ぶ際には、契約期間の縛りや解約時の条件も必ず確認しておきましょう。一部の電力会社では、1年や2年といった最低契約期間が設定されており、期間内に解約すると違約金が発生する場合があるので注意が必要です。
引越しの予定がある方や、他社への乗り換えを柔軟に検討したい方は、契約期間の縛りがなく、解約金も不要なプランを選ぶとよいでしょう。また、解約の申し込み方法や、解約手続きに必要な期間についても、事前に把握しておくと安心です。

引越し時の電気の手続きは、事前準備とタイミングが大切です。特に新居での契約を早めに済ませておくことで、入居当日に電気が使えないといったトラブルを防げます。
料金や各種特典・契約期間などをよく確認した上で、ご家庭に合ったプランを検討しましょう。