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ポットからお湯を入れる画像 ポットからお湯を入れる画像

電気ポットと電気ケトルは、ともにお湯を沸かす役割を持つ便利な電化製品です。どちらも電気によって発生する熱でお湯が沸きますが、電気ポットは保温能力に優れ、電気ケトルは短時間でお湯を沸かせられるなど、それぞれの機能で異なる部分があります。

それでは、電気ポットと電気ケトルは具体的にどう違うのでしょうか。また、それぞれの電気代はどのくらいかかるのでしょうか。

この記事では、電気ポットと電気ケトルの具体的な違いや電気代の差、電気ポットの選び方などをご紹介します。

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電気ポットの電気代

空気清浄機の空気状態を表すメーターの画像 空気清浄機の空気状態を表すメーターの画像

まずは、電気ポットを使うときの電気代を計算します。

ここでは日本電機工業会自主基準による測定にしたがい、室温23度、湯沸かしは1日に2回、再沸騰は1日1回、保温90度の設定で、1日に23時間使用したときの電気ポットの電気代を計算してみましょう。(1kWhあたりの電気料金単価を27円/kWhとして計算)

容量2.2リットル~3.0リットルの一般的な電気ポット(※1)では、1日あたりの消費電力量は約0.62~0.72kWhです。

これを電気代に換算したとき、1日、1カ月、1年あたりの電気代を見てみましょう。

0.62kWh〜0.72kWh×27円/kWh=17.74〜19.44円(1日あたりの電気代)
17.74〜19.44円×30日=532.2〜583.2円(1カ月あたりの電気代)
532.2〜583.2円×12カ月=6,386〜6,998.4円(1年あたりの電気代)

表にすると以下のようになります。

電気代
1日あたり 17.74〜19.44円
1カ月あたり 532.2〜583.2円
1年あたり 6,386〜6,998.4円

※1 出典:PIW-A220/PIW-A300 詳細(スペック) | TIGER

また、保温状態で長時間使用した場合と、一度プラグを抜いて保温せず再沸騰させた場合では、再沸騰させた方が消費電力は低く抑えられます。

資源エネルギー庁の「省エネ性能カタログ2015」(※2)によると、容量2.2リットルの電気ポットに満タンのお湯を入れ沸騰させて1.2リットル使用した後、保温させておいた場合とプラグを抜いて保温せずに再沸騰させた場合では、電気代は再沸騰させた方が年間で約2,900円節約できるとされています。

長時間お湯を使わないのであれば、一度プラグを抜いておけば電気代が余計にかかる心配もなくなります。

※2 出典:資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2015年冬版」

電気ケトルの電気代は?

ポットの画像 ポットの画像

短時間で沸騰させられる電気ケトルは実際にどれだけの電気代がかかるのでしょうか。 一般的な電気ケトルでは、1.0リットルタイプで満タンのお湯を沸かす時間が5分26秒(スイッチオフまで)、消費電力は1250Wとあります(※)。このとき、1.0リットルのお湯を沸かすのに必要な電気代は以下の通りです。

電気代は「1時間あたりの消費電力(kW)×使用時間(時間)×料金単価(円/kWh)」で求めるものとし、1kWhあたりの電力量料金単価を27円/kWhとして計算します。

1.25kWh×(約5.5分/60分=0.091時間)×27円/kWh =0.113kWh×27円/kWh =3.07円

つまり、容量1.0リットルの電気ケトルでお湯を沸かすときの消費電力は1回あたり0.113kWh、電気代は約3円となります。

電気ポットと比べて安く感じられますが、同じ条件で考えるとそうは言い切れない部分もあります。沸騰させるまでの消費電力だけで計算したとき、電気ポットも1リットルあたりの電気代に換算すると約3円となり、電気代は大差ありません。

このデータから見ても、電気ポットの方が1日あたりの電気代が高くなるのは、保温をするために電力を消費しているからだと説明できます。電気ケトルの場合、必要なお湯の量をその都度沸騰させるため、沸かすお湯の量が多くなればそれだけ電気ポットとの消費電力の差も少なくなります。

容量 消費電力 電気代
電気ポット 2.2リットル 約0.64~0.74kWh(1日) 約17~20円(1日)
電気ケトル 1.0リットル 0.113kWh(1回) 約3円(1回)

※出典:ジャスティン プラス ロック ホワイト 1.0L 詳細(スペック) | T-fal

電気ポットと電気ケトル、どちらがいいの?

お湯を沸かす電化製品の購入を考えているものの、電気ポットにするか電気ケトルにするか迷う方も多いのではないでしょうか。

電気ポットと電気ケトルは使用する目的によって使い勝手が異なります。それぞれの特徴を把握しておけば、どちらを使用した方が便利かイメージできます。

どういった使い方をするのか、どのくらいの頻度で使用するのかなどをある程度決めてから判断しましょう。

電気ポットの特徴

電気ポットを続けて使った場合、電気ケトルよりも電気代は高くなります。一日中保温していれば、さらに電気代は高くなるでしょう。しかし、容量が大きい電気ポットは一度に多くのお湯を使用できます。家族の人数が多いのであれば使う量も増えるため、電気ポットを使用した方が便利です。

また、保温や再沸騰機能によって、ポットの中にお湯を入れておけばいつでも使用可能です。お湯の使用頻度が高いご家庭では、ポットの保温機能が役立ちます。乳児がいるご家庭ではミルクを作るときなどお湯の温度にもこだわらないといけません。

多くのお湯を高い頻度で使用し、お湯の温度にもこだわりたいときには、電気ポットがおすすめです。

電気ケトルの特徴

電気ケトルの良さは、少ない電気代で必要な量のお湯を短時間で沸かせる点です。水もその都度入れるため清潔に使うことができます。使用する水の量も必要なだけ入れることから、水道料金の節約にもつながります。

日常生活でお湯を使う機会が少ないのであれば電気ケトルがおすすめです。

電気ポットの選び方

電気ポットの画像 電気ポットの画像

家電量販店などで電気ポットを見ると、さまざまな種類や容量のものが売られています。いざ選ぶとなると、モデルごとに機能が異なるためかえって迷ってしまいます。

それでは、電気ポットを選ぶときにはどのポイントを意識したら良いのでしょうか。ここでは、暮らしに適した電気ポットを選ぶために意識するポイントをご紹介します。

容量で選ぶ

家庭用の電気ポットは一般的に2~4リットルのサイズが使用されています。具体的に何に使うのか確認すると、最適なサイズが確認できます。

例えば、カップラーメンを作るときに必要なお湯の量は約300~500mlが一般的です。4~6人のファミリー世帯であれば、一般的に2~4リットルのサイズで十分でしょう。電気ポットは1リットルから4リットルを超えるものまで幅広いサイズがあります。

ご家庭で1日にどれだけお湯を使うのか確認して、最適な容量のモデルを選びましょう。

給湯タイプで選ぶ

電気ポットの給湯タイプには、主に「エア式」「電動式」「電動&エア式」の3種類があります。

・エア式
ふたの部分にあるプレートを押してお湯を出すタイプです。電気を使わず空気圧によってお湯を出すため、スイッチを切っても使用できます。そのため、コンセントのない場所で使用したい場合などにおすすめです。ただし、大量にお湯を出したいときにはプレートを複数回押さなければなりません。

・電動式
電気を利用して給湯します。ボタンも電気で反応するため、力を使わずに給湯できます。ご高齢の方や一度に多くのお湯を使いたい方におすすめです。電動式には、お湯を設定温度に調節してくれるなどの機能がついたモデルも多くあります。

・電動&エア式
電動式の良さを取り入れながら、コンセントのない場所でも利用できるエア式の機能も備えられています。バッテリーを搭載して、コンセントを抜いても一定時間使用できるモデルもあり、高価な上位モデルに多いタイプです。

機能で選ぶ

電気ポットには「温度調整」や「蒸気レス」などの機能が備えられたモデルがあります。用途や家族構成に応じて選べば、より実用的に使えます。

・温度調整
保温の際にお湯を指定の温度に保つ機能です。保温の設定温度は70~98度でモデルによって異なりますが、多くは3~5段階に分かれています。

・蒸気レス
沸騰させるときに発生する蒸気を最小限に抑える機能です。蒸気によるカビの発生リスクを抑えてくれるため、棚の中などにも電気ポットを設置できるようになります。

安全性で選ぶ

電気ポットは、家族構成に合わせて安全面に考慮して選ぶと日常生活でも安心して使用できるでしょう。特に、ペットや小さな子どもがいるご家庭では、安全面に気を配らなければなりません。

ボタンを誤って押してしまったりいたずらしたりしてやけどしないよう、安全性にこだわった機能のついたものを選ぶ必要があります。チャイルドロックやお湯漏れ防止機能が備えられていれば安心です。

また、中身が空のまま電源を入れていると火災の原因にもなり危険です。そこで、空焚き防止機能が備えられていれば火災の心配も軽減できます。蒸気レスはやけどの防止にも役立つ機能です。沸騰しているときの蒸気に触れる心配が減るため、置く場所にそれほど気を遣わず使用できます。

電気ポットの電気代を節約する方法

女性電卓コンセントの画像 女性電卓コンセントの画像

保温しながら電気ポットを使用する場合、電気ケトルよりも多くの電気代がかかります。それでは、電気代を節約しながら電気ポットを使用するためには、どのようなことを心がければ良いのでしょうか。

ここでは、電気ポットの電気代を節約するために注意すべき点をご紹介します。

保温するときは低い温度に設定する

お湯を頻繁に使用するご家庭では、電気ポットの中は常に温かいお湯が入った状態に保っておきたいものです。しかし、設定温度を高くしていると何度も沸騰させなければならず、電気代もかさみます。

そこで、保温しておく場合でも温度設定を低めにしておけば、何度も沸騰させずに済むため節約につながるでしょう。熱いお湯が必要となる場合でも、ある程度の温度に保たれているため、短時間でお湯が沸かせられます。ただし、お湯の入れ過ぎには注意が必要です。

お湯の量が多ければそれだけ沸騰にも時間を要するため、その分電気代も高くなります。

再沸騰の回数を極力減らす

電気ポットで最も電力を消費するのが沸騰させるときです。保温するだけであれば電力もそれほど消費しませんが、再沸騰により多くの電力が消費されて電気代が高くなります。

そのため、電気代を節約するのであれば再沸騰の回数を極力減らすよう心がけましょう。再沸騰の回数を減らす方法は、設定温度を低く保つ以外にもいくつかあります。

使用する回数が少ない日や時間帯があるならば、その間は電源を切っておきましょう。そうしておけば、使用していない時間帯での再沸騰を抑えられます。また、次に使用する際に再沸騰させる電気代は、その間何もせずに保温していた場合よりも安くなります。

そのほか、魔法瓶機能など優れた保温機能を持つ電気ポットを利用すれば、再沸騰させる時間を短縮でき、それだけ電力の消費も抑えることができるでしょう。

節電タイマーを使う

電気ポットの中には節電タイマーの機能がついたモデルがあります。

節電タイマーはお湯を沸かす時間帯を設定できる機能です。ポットを使用する時間帯が決まっているご家庭であれば、購入時に節電タイマーの機能がついたモデルを探してみるのも良いでしょう。

就寝時や家族全員が外出している時間帯など、こまめに電源の確認を行わなくても自動でオフにできるため、電気代の節約に役立ちます。経済産業省の報告(※)によると、節電タイマー機能のついたモデルを使用した場合、通常よりも約2~3割電気代を安く抑えられるとされています。

※出典:資源エネルギー庁「家庭の省エネ徹底ガイド2017春夏秋冬」

長時間の保温はしない

お湯を沸騰させるときに最も電力を消費する電気ポットですが、長時間保温するのであれば再沸騰させた方が良いケースもあります。

電気ポットを使用する時間帯が決まっている場合、それ以外の時間帯も常に保温しておくのは効率的ではありません。

仮に、朝食・昼食・夕食の時のみで使用するご家庭であれば、それ以外の時間帯は電源を切っておいた方が電気代の節約になります。長時間使用しないのであれば一度電源を切り、再度使用するときに電源を入れ直すのがよいでしょう。

また、保温性能に優れた電気ポットを検討してみるのもおすすめです。電源を切った後もしばらくの間はお湯が使用でき、再沸騰の際に消費する電力も抑えられます。

保温しないときはプラグを抜いておく

電気ポットは保温していないときにも待機電力がかかります。保温していないときに電源プラグを抜いておけば待機電力はかからず、その分電気代の節約になります。

ただし、さまざまな機能が搭載されている電気ポットを使用している場合には注意が必要です。再沸騰やタイマー機能など、電源プラグを抜くと使えなくなる機能が含まれている可能性があるため、使用している電気ポットの説明書を確認しておきましょう。もし機能面で問題がなければ、電気代の節約につながるでしょう。

まとめ

電気ポットは一度に多くのお湯を使ったり、お湯の使用頻度が高いご家庭で特に能力を発揮します。また、赤ちゃんのミルクを作るときなど、お湯を常に保温しておきたいときにも有効です。

しかし、電気ポットは電気ケトルよりも電気代が多くかかります。

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以下は、ピークシフト・ピークカットの取り入れ方の例です。

  • 電気料金が安い時間帯に「電化製品を使用する家事」を済ませる
  • タイマー機能の付いた洗濯機や食洗機などを導入し、電気料金が安い時間帯を狙って稼働させる
  • 電気料金が高い時間帯には、外出を楽しむ

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