引越しの後は、自動車の保管場所を管轄する警察署にて車庫証明の手続きを行うのが原則です。「車庫証明」とはどのような書類で、手続きを怠った場合はどうなるのでしょうか?申請の流れや必要書類、各申請書の書き方を詳しく解説します。
引越し後は車庫証明の手続きが必要
引越しでは、住所の変更に伴うさまざまな手続きが生じます。その1つが「車庫証明の手続き」で、自動車を所有する方が対象です。手続きを怠るとペナルティーが科せられるため、必ず期限内に済ませるようにしましょう。
車庫証明とは?
「車庫証明(自動車保管場所証明書)」とは、自動車の保管場所が確保されていることを警察署が証明する書類です。以下のケースに当てはまる場合、自動車の保管場所を管轄する警察署で車庫証明を発行する手続きを行います。
- 新車・中古車を問わず、新たに車を購入したとき
- 他人から車を譲り受けたとき
- 車の所有者が引越しをしたとき
引越し前の車庫証明を持っていても、引越しで住所が変わる限り、車庫証明を再取得しなければなりません。
軽自動車は、車庫証明ではなく「保管場所届出」となりますが、ここでは便宜上、車庫証明と表記して説明をします。手続きの手順や必要書類、手続き場所は普通車とほぼ変わりません。
普通車は手続きが必須ですが、軽自動車は「軽自動車の保管場所届出義務等の適用地域」に該当する場合にのみ手続きを行います。(※)
※出典:軽自動車に関する手続き|一般社団法人 全国軽自動車協会連合会
保管場所の要件
自動車の所有者は、保管場所を確保する必要があります。保管場所には4つの要件があり、すべてを満たさなければ交付は受けられません。(※)。
- 道路以外の場所(駐車場・車庫・空き地など)である。
- 使用の本拠の位置から2km以内にある。
- 自動車が通行できる道路から、支障なく出入りさせ、かつ自動車の全体を収容できる。
- 保管場所として使用できる権原を有している。
自動車の保管場所は、自宅から直線距離で2km以内が原則です。ただし、全長が5.7mまたは全幅が1.9mを超える一部の特殊用途自動車(キャンピングカーやキャンピングトレーラーなど)は、自宅から2km以上離れていても車庫証明を取得できます。
※出典:保管場所(車庫)の要件と使用権原書面 警視庁
手続き期限は引越しから15日以内
「自動車の保管場所の確保等に関する法律(以下、車庫法)」によると、車庫証明の手続き期限は、引越し日から15日以内です。例えば、8月1日に引越しをした場合、8月15日までに手続きを完了させなければなりません。(※1)
車庫証明に記載された場所とは異なる場所に自動車を保管することは、通称「車庫飛ばし」と呼ばれる違反行為に該当します。
期限を過ぎても手続きを行わない場合、保管場所の不届け・虚偽届け出として、10万円以下の罰金が科せられる恐れがあります。(※2)
※1 出典:自動車の保管場所の確保等に関する法律 第7条 | e-Gov法令検索
※2 出典:罰則 警視庁
手続きの流れとポイント
車庫証明の手続きは、一連の手順に沿って行います。書類の提出と車庫証明の受け取りのために、2回にわたって警察署に足を運ぶ必要がある点に留意しましょう。手続きの流れとポイントを解説します。
必要書類を準備する
手続きを始める前に、車庫証明の申請に必要な書類を準備しましょう。書類は全部で4種類あります。(※1)
- 自動車保管場所証明申請書(届出書)
- 保管場所標章交付申請書
- 保管場所の所在図・配置図
- 保管場所使用承諾証明書または保管場所使用権原疎明書面(自認書)
使用の本拠の位置が使用者の住所と異なる場合は、以下に挙げるような「使用の本拠の位置を確認できるもの」が必要です。(※2)
- 電気・ガスなどの公共料金の領収書
- 消印のある郵便物
- 運転免許証
- 自動車検査証(軽自動車の場合)
※1 出典:保管場所証明申請手続(窓口申請) 警視庁
※2 出典:自動車の使用の本拠の位置とその位置を確認できるもの 警視庁
警察署に申請をする
手続きは、自動車の保管場所を管轄する警察署で行います。交通課の「車庫証明窓口」に書類を提出すると、担当者が確認を行います。書類の不備や間違いをその場で訂正できるように、認め印を持参しましょう。
車庫証明は当日に交付されず、数日後に再び足を運ぶ必要があります。書類を提出して手数料を支払うと、その場で「納入通知書兼領収書」もしくは「手数料のお知らせ(申請者控え)」が手渡されるため、交付日まで大切に保管しましょう。
受付時間・申請手数料・交付までの日数は警視庁の場合、以下の通りです。(※)
- 警察署の受付時間:午前8時30分~午後4時30分(土日・祝日・休日・年末年始を除く) ※警察署によって多少異なる
- 申請手数料:2,100円 ※手数料も都道府県によって異なる
- 交付にかかる日数:申請日から3日~1週間前後
※1 出典:保管場所証明申請手続(窓口申請) 警視庁
車庫証明などの受け取り
交付日に再び警察署に足を運び、窓口で「納入通知書兼領収書」「手数料のお知らせ(申請者控え)」を提示しましょう。標章交付手数料として500円を支払うと、以下の書類と標章が交付されます。
- 車庫証明書(自動車保管場所証明書)
- 保管場所標章番号通知書
- 保管場所標章
保管場所標章は円形をしたシールで、自動車の保管場所が確保されていることを示す証明となります。後方から見やすいように自動車の後部ガラスの目立つ箇所に貼り付けましょう。シールが剥がれ落ちた場合は、警察署で再発行が可能です。
申請書類の入手方法・書き方
車庫証明の申請には、さまざまな書類が必要です。手続きをスムーズに完了できるように、申請書の入手方法や書き方のポイントを把握しておきましょう。
自動車保管場所証明申請書(届出書)
普通車は「自動車保管場所証明申請書」、軽自動車は「自動車保管場所届出書」を提出します。申請書は警察署の窓口でもらえますが、警視庁や警察署のWebサイトからもダウンロードが可能です。
申請者の名前・住所・電話番号などのほかに、以下のような情報を記載する欄があります。警視庁や警察署のWebサイトに、自動車保管場所証明申請書の見本があるため、書き方を参考にしましょう。
- 申請者の住所・氏名・電話番号
- 車名
- 型式
- 車台番号
- 自動車の大きさ(cm単位)
- 自動車の使用の本拠の位置
- 自動車の保管場所の位置
窓口で配布している申請書は一般的に2通4枚1組の複写式です。Webサイトからダウンロードする場合は、申請書を2枚作成する必要があります。
※出典:【自動車保管場所証明申請書】の記載例 - 警視庁
保管場所標章交付申請書
保管場所標章交付申請書は、「保管場所標章(円形のシール)」の交付を受けるための書類で、自動車保管場所証明申請書と一緒に提出します。
記載内容は、自動車保管場所証明申請書とほどんど変わりません。警視庁のWebサイトにある書き方の見本を確認しておきましょう。申請書は、警察署の窓口または、警視庁のWebサイトでダウンロードできます。
- 申請者の住所・氏名・電話番号
- 車名
- 型式
- 車台番号
- 自動車の大きさ(cm単位)
- 自動車の使用の本拠の位置
- 自動車の保管場所の位置
- 管轄の警察署
保管場所の所在図・配置図
保管場所の所在図とは、自宅と自動車の保管場所の位置関係を示すものです。フリーハンドが面倒な方は、インターネット上の地図を印刷して貼り付けても構いません。所在図には、以下の情報を記載します。
- 自宅から保管場所までの直線距離
- 目印になる建物(駅や学校など)
- 道の名前・道のり
配置図は、保管場所での自動車の配置を示す図です。フリーハンドまたは定規を使って作成しましょう。記載する内容は以下の通りです。
- 保管場所(車庫)の奥行・幅の平面寸法(高さ制限があれば、高さも記載)
- 出入り口に面する道路の幅員
- 周囲の建物
- 自宅の場合は、敷地を記載した上で車庫を明示
なお、自動車の本拠の位置と保管場所の位置が同一の場合などは、所在図の省略が可能です。警視庁のWebサイトで書き方の詳細を確認しましょう。(※)
※出典:【保管場所所在図・配置図】の記載例- 警視庁
保管場所使用承諾証明書または自認書
保管場所使用承諾証明書は、自動車の保管場所を使用する法的な権限があることを示す書類で、月極駐車場を借りている方やマンションの駐車場を使用している方などが保管場所の所有者または、委託を受けた管理者に作成を依頼して提出します。
駐車場のオーナーや管理会社に署名をもらう必要があるため、早めに書類を準備しておきましょう。主な記載項目は以下の通りです。
- 保管場所の位置
- 保管場所の使用者の住所・氏名・電話番号
- 保管場所の契約者の住所・氏名・電話番号
- 使用期限
- 駐車場の所有者または管理委託者の署名(氏名・住所・電話番号)
自認書(保管場所使用権原疎明書面)は、自分の所有地を保管場所としている方が提出する書類です。該当する項目に丸を付け、管轄の警察署・住所・氏名・電話番号を記載します。
フォーマットと見本は、警視庁や警察署のWebサイトでダウンロードできます。
※出典:【保管場所使用承諾証明書】の記載例- 警視庁
※出典:【保管場所使用権原疎明書面(自認書)】の記載例- 警視庁
車庫証明に関するQ&A
「引越し後も引き続き同じ保管場所を使う場合は?」「自分で手続きに行けない場合はどうする?」など、車庫証明の手続きに関するQ&Aを解説します。不備がないように、手続き上の不明点は警察署に確認しましょう。
引越し後も車庫が変わらない場合は?
引越し先から直線距離で2km以内であれば、引越し後も同じ保管場所を使えます。「保管場所が変わらないなら、手続きも不要なのでは?」と考える方もいますが、住所(使用の本拠の位置)が変わる限り、車庫証明も新たに取得しなければなりません。
手続きをしないまま、引き続き同じ保管場所を使用すると、車庫飛ばしと見なされてペナルティーが科せられます。保管場所がどこであろうと、引越しの際は車庫証明の手続きが必要になると覚えておきましょう。
手続きを第三者に依頼してもいい?
車庫証明の手続きは、必ず本人でなければならないという決まりはありません。平日に警察署に行くのが難しい方は、行政書士やディーラー、家族などに手続き(申請・受け取り)を依頼しましょう。
車庫証明の手続きに委任状は不要です。ただし、書類に不備や誤りがあると訂正および再提出ができないため、委任状や印鑑証明書の提出を求める代行業者もいます。
行政書士やディーラーを含む代行業者に依頼する場合、申請手数料のほかに代行手数料、標章交付手数料がかかります。
引越し時に必要な手続きはほかにも
引越し時は、車庫証明以外にもさまざまな手続きをしなければなりません。役所での手続きは基本的に平日のみなので、時間を無駄にしないように段取りよく進めていきましょう。引越し時にやるべきことをピックアップして紹介します。
住所変更の各種手続き
住所を登録しているものについては、住所変更の手続きをする必要があります。役所で行う主な手続きは、以下の通りです。
- 住民票
- マイナンバーカード
- 国民健康保険
- 国民年金
住所変更に伴う手続きの中でも「車関連の手続き」は種類が多く、さまざまな場所に足を運ぶことになります。車庫証明以外にも、以下のような手続きが必要です。
- 車検証(陸運局・軽自動車検査協会など)
- 免許証(新住所を管轄する警察署・運転免許センター・運転免許試験場)
- 自動車保険(保険会社)
電気・ガス・水道の利用停止・開始手続き
電気・ガス・水道などのライフラインについては、「旧居での利用停止の手続き」と「新居での利用開始の手続き」を行います。
旧居での利用停止の手続きは、退去する1~2週間前までに行うのが一般的です。余裕を持って、引越しの1カ月前から始める方も少なくありません。基本的に立ち会いは不要で、手続きは電話かインターネットで行います。
新居での利用開始の手続きも、引越しの1〜2週間前までに済ませるのが理想でしょう。手続きは、電話・インターネットが主流ですが、郵送での申し込みに対応しているところもあります。
入居当日は、ガス会社の担当者が自宅を訪れ、ガスの開栓作業を行います。電気・水道の利用に立ち会いは不要ですが、新居にエコキュートや電気温水器が設置されている場合、電力会社の立ち会いが必要になるケースがあります。
⇒電気の引越し手続きについてもっと詳しく知りたい方はこちら
引越しは電力会社を見直すベストタイミング
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引越しに伴う手続きは早めに確認しよう
引越しの後は、引越し日から15日以内に車庫証明の手続きを行う決まりです。軽自動車は車庫証明が必要な地域と不要な地域があるため、事前に確認しましょう。
引越しの前後は何かと慌ただしくなります。車庫手続きのほかに、住所変更の各種手続きやライフラインの解約・契約手続きも行わなければなりません。
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