寒い季節になると暖房器具が欠かせませんが、電気代が気になる方も多いでしょう。電気毛布はほかの暖房器具と比べて消費電力が低く、経済的な選択肢として注目されています。電気毛布のメリットや電気代の目安、使い方のポイントなどを確認しておきましょう。
電気毛布の電気代はどれぐらい?
電気毛布は、エアコンやストーブに比べて消費電力が低く、電気代を抑えやすい暖房器具です。しかし、使い方や種類によって費用は変わるため、おおよその目安を確認しておきましょう。
電気毛布の消費電力と1時間あたりの電気代
電気毛布の代表例として、パナソニックの「DB-UM10S-T」の消費電力と1時間あたりの電気代を計算してみましょう。同製品の消費電力は54Wであり、メーカー仕様表によると1時間あたり約0.6~1.0円の電気代がかかります。
実際に消費電力から電気代を算出するには、以下の計算式に当てはめて計算します。同製品の1時間あたりの電気代は次の通りです。なお、電気料金単価は、全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhとします。
電気代(円)=消費電力(kW)×使用時間(h)×電気料金単価(円/kWh)
=0.054 kW×1 h×31 円/kWh=1.674円
よって、1時間あたり約1.67円かかると考えられます。1日8時間使用した場合は、約13.4円の電気代です。
※出典: 詳細情報 電気しき毛布(シングルSサイズ) DB-UM10S | 電気カーペット(ホットカーペット)・暖房器具 | Panasonic
24時間つけっぱなしにした場合の電気代は?
仮に上記の電気毛布を24時間つけっぱなしにした場合、電気代は次の通りです。
電気代(円)=消費電力(kW)×使用時間(h)×電気料金単価(円/kWh)
=0.054 kW×24 h×31 円/kWh=40.176円
したがって24時間使い続けても、電気代は40.2円程度と分かります。現実的な使い方ではありませんが、これを1カ月(30日間)続けたと仮定しても、約1,205円の電気代です。
消費電力が600Wのエアコンを24時間稼働させ続けると、同じ条件で1日約446円かかる計算になるため、電気毛布はかなり電気代が安い暖房器具といえるでしょう。
種類による電気代の違い
電気毛布には敷くタイプと、掛け布団にもなるタイプ(両方で使えるタイプも)があります。タイプによって電気代にどの程度の差があるかも、簡単に確認しておきましょう。
上記の製品(DB-UM10S)は敷き毛布タイプなので、ここでは掛け布団タイプの電気毛布として、山善の「YFTKB-55」の電気代の目安を計算してみます。
同製品は消費電力55Wで、メーカー仕様表によると1時間あたりの電気代は強設定で約1.1円です。中設定では約0.8円、弱設定では約0.3円の電気代がかかるとしています。
こちらも消費電力から1時間あたりの電気代を計算すると、次のように1時間で約1.71円です。
電気代(円)=消費電力(kW)×使用時間(h)×電気料金単価(円/kWh)
=0.055 kW×1 h×31 円/kWh=1.705円
1日8時間使うと仮定すると約13.6円かかる計算となり、1カ月(30日)続けると、約409円の電気代が発生すると考えられます。上記の敷き毛布タイプと比べて、さほど消費電力に違いがないため、電気代の差もそれほどありません。
※出典: 商品情報 ふとんカバーにもなる電気毛布 | 山善の商品情報サイト | YAMAZEN BOOK
ほかの暖房器具との電気代の違い
電気毛布とほかの代表的な暖房器具との電気代の違いも、確認してみましょう。ここでは「エアコン」「こたつ」「ホットカーペット」の消費電力や、1時間あたりの電気代を比較してみます。
| 暖房器具 | メーカー・製品名 | 消費電力 | 1時間あたりの電気代(目安) |
|---|---|---|---|
| エアコン | HITACHI RAS-AJ22R | 470W | 約14.6円 |
| こたつ | YAMAZEN ESK-759 | 300W | 約9.3円 |
| ホットカーペット | Panasonic DC-2V4 | 700W | 約21.7円 |
上記のように、電気毛布は1時間あたり1.6~1.7円程度の電気代で済むため、ほかの暖房器具より安く利用できるのが分かります。ただし、部屋全体を暖める能力はないため、ほかの暖房器具とうまく組み合わせて活用することが大事です。
それぞれの暖房器具の電気代については以下の記事で詳しく紹介していますので合わせてご覧ください。
⇒エアコンの暖房代についてもっと詳しく知りたい方はこちら
⇒こたつの電気代についてもっと詳しく知りたい方はこちら
⇒ホットカーペットの電気代についてもっと詳しく知りたい方はこちら
※出典: ルームエアコン AJシリーズ : 住宅設備用エアコン : 日立グローバルライフソリューションズ株式会社
※出典: 商品情報 カジュアルこたつ | 山善の商品情報サイト | YAMAZEN BOOK
※出典: 詳細情報 かんたん床暖 DC-2V4 | 電気カーペット(ホットカーペット)・暖房器具 | Panasonic
電気毛布のメリットは?
電気毛布は低コストで手軽に使えるだけでなく、ほかにも多くのメリットがあります。省エネ性能や携帯性、効率的な保温効果といった特徴を整理し、日常生活で役立つポイントを確認しておきましょう。
省エネ性能が高く経済的
電気毛布の大きな魅力は、少ない電力で体を直接温められる点にあります。暖房器具の中でも、とりわけ電気代が安く、毎日長時間使っても家計への負担が軽いのが特徴です。特に、冬場の電気料金が高くなりがちな時期には、省エネ性能の高さが際立ちます。
エアコンやストーブの補助として組み合わせることで、部屋全体を暖める時間を短縮し、結果的に光熱費全体を削減する効果が期待できます。
コンパクトで持ち運びが簡単
軽量でコンパクトな作りのものが多く、使用場所を選ばず持ち運べる点も電気毛布のメリットです。リビングや寝室だけではなく、在宅ワーク中のデスクや冬場のアウトドアでも手軽に活躍します。
また、使わないときは折り畳んで収納でき、スペースを取らないのも魅力の一つです。一人暮らしやワンルームの住まいでは、大型暖房器具の代わりとして、省スペースで活用できる点が支持されています。
局所的な保温で効率的に使える
電気毛布は、全身ではなく体の一部を重点的に温められるため、必要な場所だけを効率的に保温できます。冷えやすい足元や腰回りを集中的に温めることで、少ない電力消費でも十分な暖かさを得られるでしょう。
また、布団と組み合わせて使えば、わずかな消費電力で快適な睡眠環境を整えられるため、冬の寒さ対策として非常に実用的です。体感温度を効率的に上げられる点は、部屋全体を暖めるタイプの暖房器具にはない魅力といえます。
電気毛布を使用する際の注意点
電気毛布は便利な暖房器具ですが、正しく使わないと健康へのリスクもあります。長時間の使用による低温やけどや、気づかないうちに脱水状態になる可能性があるため、十分注意が必要です。安全かつ快適に使うために、気をつけるべき点を押さえておきましょう。
長時間の使用による低温やけどの可能性
電気毛布は、低温でも長時間肌に接していると、低温やけどを招く恐れがあります。特に、高温設定や肌に直接触れる状態での長時間の使用は避けましょう。
就寝時はタオルやシーツを敷いたり、オフタイマーを活用したりなど、低温やけどを予防することが大切です。小さな子どもや高齢者が使う場合は、特に注意する必要があります。
脱水症状に陥るリスク
電気毛布を長時間使用すると、体が必要以上に温められて発汗が増え、知らないうちに脱水症状に陥る可能性があります。特に、睡眠中は水分補給ができないため、乾燥と相まって体調を崩しかねません。
就寝前にコップ一杯の水を飲んだり、適宜温度を下げて使ったりすることで、脱水状態にならないように注意しましょう。冬場は室内の湿度も下がりやすいため、加湿器などと併用して、体への負担を軽減することも大事です。
電気毛布の効果的な使い方
電気毛布の機能・効果を最大限に活用するには、正しい使用方法を理解することが重要です。
使用前に製品の取扱説明書をよく読み、安全な使用方法を確認することから始めましょう。基本的には、低い温度設定から始めて、自分の体感温度に合わせて徐々に調節していくことが大切です。
就寝前に使用する場合は、布団に入る30分程度前に電源を入れて、あらかじめ温めておくと、快適な睡眠環境をつくれます。寝る際には、電源を切るか低温設定にするのがよいでしょう。
さらに、タイマー機能や温度調整を活用すれば、安全性と節電を両立できます。電気毛布の上に直接寝るのではなく、薄いシーツやカバーを間に挟むことで、肌への直接的な熱の影響を和らげることも大事です。
電気毛布の電気代を抑えるポイント
電気毛布はすでに省エネ性の高い暖房器具ですが、さらに電気代を抑える工夫をすることで、より経済的に使用できます。以下のポイントを意識して、電気代をさらに節約しましょう。
設定温度を低めにする
温度設定を少し低めにするだけで消費電力が減り、電気代の節約につながります。体に直接触れないように使えば、ある程度は低めの設定でも、十分な暖かさを感じられるでしょう。
また、暖房効果を最大限に引き出すために、眠る直前に布団をあらかじめ温めておくのがおすすめです。個人の体温や寝室の断熱性に合わせて調整すれば、より効率的な省エネが可能です。
断熱性の高い寝具と組み合わせる
毛布や掛け布団など、断熱性の高い寝具と併用することで、熱を逃がさず効率的に暖かさを保てます。電気毛布単体よりも、少ない電力で快適な睡眠環境を実現できるでしょう。
さらに、毛布や羽毛布団、マットレスパッドなど、断熱性や保温性に優れた寝具を重ねることで、外気の影響を受けにくくなります。上手に組み合わせれば、電気毛布の設定温度をさらに下げられるだけではなく、快適性も大きく向上します。
就寝時は自動オフ機能を活用する
タイマーや自動オフ機能を利用して、無駄な電力の消費を防ぎましょう。寝入りばなだけ温めておき、寝ている間、自動的に電源が切れるようにセットするのがおすすめです。
特に、深夜や早朝は外気温が下がりますが、一度温まった布団の中は冷えにくいものです。断熱性の高い寝具と併用していれば、十分な保温効果を長時間持続できます。毎朝スイッチを切る手間も省けるため、手軽に節電が可能です。
電力会社を切り替える
電気毛布は比較的消費電力が小さいため、単体での電気代はそれほど大きくありません。しかし、少しでも光熱費を抑えたい場合には、電力会社の見直しも検討してみると良いでしょう。
電力小売自由化により選択肢が増え、自分のライフスタイルや電力使用量に合ったプランを選べば、家全体の電気代を節約できる可能性があります。
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電気毛布を上手に使って快適に過ごそう
電気毛布は、少ない電力で体を効率的に温められる経済的な暖房器具です。1時間あたりの電気代は数円程度と非常に安く、長時間使用しても家計への負担は軽めです。
ただし、低温やけどや脱水症状などのリスクがあるため、温度調整やタイマー機能をうまく活用しながら、安全・快適に利用しましょう。省エネ性の高さと手軽さを生かしながら、ほかの暖房器具と組み合わせて使用すれば、寒い季節も快適に過ごせます。
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