200Vのエアコンは100Vに比べて、どのような点が優れているのでしょうか?200Vのエアコンが向いている部屋や購入前のチェックポイントを解説します。「100Vから200Vに変更すると電気代が倍になる?」の疑問にも答えます。
エアコンの200Vと100Vは何が違う?
エアコンは各メーカーからさまざまな機種が販売されていますが、大きく分けると200Vと100Vのエアコンがあります。部屋の大きさや間取りに合ったエアコンを選ぶ上で、両者の違いをはっきりさせておきましょう。
電気を押し出す力が2倍
エアコンをはじめとする電化製品には、200Vと100Vの機種があります。以前は100Vが主流でしたが、近年は200Vに対応する機種が増えてきました。多くの電気を使う工場や商業施設などでは、200Vが一般的です。
V(ボルト)とは、電気を押し出す力(電圧)を表します。200Vのエアコンは100Vのエアコンに比べて電圧が2倍のため、部屋を冷やす(暖める)力もパワフルです。例えば、100Vで6分かかる場合、200Vはその半分の3分で済むでしょう。
200Vのエアコンは電気代も2倍に?
電気代は、1時間あたりの消費電力※(kW)×使用時間(時間)×料金単価(円/kWh)で計算します。電圧が100Vから200Vになったからといって、電気代が単純に2倍になるわけではありません。
※消費電力の計算式:消費電力(W)= 電圧(V)× 電流(A)
エアコンは稼働開始から設定温度に到達するまでに最も電力を消費します。200Vのエアコンは部屋の温度をスピーディに調節できるため、部屋の広さや建物の構造によっては、100Vのエアコンよりも電気代がわずかに安くなる可能性があるでしょう。
コンセントの形状が違う
100Vの電化製品に200Vの電圧を供給した場合、電圧が強すぎて破損する恐れがあります。プラグやコンセントを同じ形状にすると、電源の挿し間違えによる事故が多発するため、200Vと100Vをあえて区別しているのです。
200Vのエアコンを使うときは、200Vのコンセントが自宅に設置されているかどうかを確かめましょう。100Vのコンセントは基本的に穴が2つですが、200Vは3つです。アンペア数(15A・20A)によっても穴の形状が変わります。
- 100V(15A):縦長の穴が2つ
- 100V(20A):縦長の穴が1つ・L字型またはT字型の穴が1つ
- 200V(15A):縦長の穴が2つ・半月型の穴が1つ
- 200V(20A):縦長の穴が1つ・L字型の穴が1つ・半月型の穴が1つ
200Vのエアコンがおすすめの部屋は?
200Vのエアコンはパワーが強く、設定温度に効率良く到達します。ただし、部屋によっては200Vよりも100Vの方がよいケースもあり、一概に200Vのエアコンがおすすめとは言えません。200Vのエアコンのパワーが最大限発揮できるのはどのような部屋なのでしょうか?
部屋の広さが10畳以上
広い部屋は設定温度に到達するまでに時間がかかります。何畳という決まりはありませんが、同条件の部屋であれば100Vのエアコンは8畳以下、200Vのエアコンは10畳以上の部屋に向いています。
6畳の部屋で200Vのエアコンを使っても問題はありませんが、部屋が狭い分、100Vとの空調効果の差はあまり感じられないかもしれません。エアコンのカタログには畳数の目安が記載されています。迷ったときは売り場の販売員にアドバイスを求めましょう。
住宅構造でエアコンの効きが変わる
畳数の目安を見てエアコンを選んだのに、パワーが足りないと感じた経験はありませんか?同じ部屋の広さでも、住宅構造や室内の状況によってエアコンの効きが変わります。
畳数の目安に「暖房6~7畳」の記載があった場合、多くの方は「6~7畳の部屋に対応するエアコン」と勘違いしがちです。
メーカーでは「木造平屋南向き(和室)なら6畳」「鉄筋アパート南向き中間階(洋室)なら7畳」という意味で表記しているため、くれぐれも読み違えないようにしましょう。鉄筋住宅は木造住宅よりも機密性が高く、冷暖房効率がよい傾向があります。
天井が高い・吹き抜けがある
同じ畳数でも天井が高かったり、吹き抜けがあったりすれば、設定温度に到達するまでに時間を要します。畳数にこだわらず、200Vのエアコンを選択した方が快適かもしれません。
「吹き抜け」とは、1階の天井と2階の床を抜いた設計で、空間容積が大きいのが特徴です。明るく開放感があるのはメリットですが、通常の部屋よりも冷暖房の効率が下がるため、電気代が高くなりやすい傾向があります
どこにどのようなエアコンを取り付けるかを慎重に検討する必要があるでしょう。
エアコン購入前に確認すること
100Vのコンセントしかない家で、200Vのエアコンは使えません。200Vのエアコンを購入する場合、自宅の配線方式や契約電流容量を確認しましょう。場合によっては工事や契約電流容量の変更が必要です。
配線方式が単相3線になっているか
「単相3線式」とは、2本の電圧線と1本の中性線を利用した配線方式です。200Vのエアコンは、分電盤に引かれている配線が単相3線式でなければ使えません。
ブレーカーに、赤(電圧線)・白(中性線)・黒(電圧線)の3本が接続されていれば単相3線式ですが、2本しかない場合は単相2線式です。
「単相3線式だが、200Vのコンセントがない」という家では、簡単な屋内配線工事によって200Vのエアコンが使用できるようになります。一方、単相2線式の場合は単相3線式への改修工事が必要です。
契約アンペア容量はどのくらいか
契約電流容量(アンペア容量)とは、一度に使える電気の最大容量のことで、アンペア(A)の単位で示されます。電気を同時使用するご家庭や消費電力量の大きい電化製品を使うご家庭では、契約電流容量が小さいとすぐにブレーカーがダウンしてしまいます。
200Vエアコンを使用する際は、少なくとも30~40Aは必要でしょう。一般家庭で契約できる契約電流容量の選択肢は、10A・15A・20A・30A・40A・50A・60Aが一般的です。
アンペア数が大きくなるほど電気の基本料金が高くなるため、ライフスタイルに合った容量を選択しましょう。契約電流容量の適切な選び方については、以下のコラムで詳しく解説しています。
⇒契約アンペアの変更についてもっと詳しく知りたい方はこちら
電気工事の流れと費用の目安
部屋に200Vのコンセントがあれば、すぐにでも200Vのエアコンが購入できますが、100Vのコンセントしか見当たらない家は少なくありません。「単相3線式」と「単相2線式」では工事の手順や費用が変わります。
単相3線式の場合
家の配線方式が単相3線式であれば、工事に時間はかかりません。既に線がブレーカーまで引き込まれているため、以下の手順で工事を進めます。
- 配電盤内で電圧の切り替え
- 配電盤内ブレーカーの取り換え
- 200Vコンセントの設置
電圧の切り替えからコンセントの設置まで、工事費用は1万円~が相場です。家ごとに状況が異なるので、必ず見積もりを出してもらいましょう。
なお、電気工事には第二種電気工事士の資格が必要です。安易に配電盤やコンセントをいじると感電を招くため、DIYは控えましょう。
単相2線式の場合
配線方式が単相2線式の場合、屋外から単相3線式を引き込まなければなりません。家の軒下まで3線式がきている場合、分電盤までの配線工事と分電盤の交換をした上で、屋内配線工事を行います。
家の軒下まで3線式がきていない場合は、3線式を軒下に引き込む工事が必要です。電力会社に工事を依頼しなければならないケースもあり、やや手間がかかるでしょう。
単相2線式の工事費用は数万~数十万円です。家の状況によって工事費用が大きく変わるため、事前の実地調査は必須です。
エアコン選びは構造や間取りを考慮して
特に、10畳以上の広い部屋や吹き抜けのリビングでは、エアコンを100Vから200Vに変えると冷暖房の効率がグンと上がります。
エアコンを選ぶ際は、部屋の広さだけでなく、建物の構造や間取りを考慮する必要があります。200Vと100Vで電気代がいくら変わらないからといって、すべての部屋に200Vのエアコンが適しているわけではありません。
エアコンは電化製品の中でも消費電力量がダントツに高いのが特徴です。選び方・使い方を間違えると、電気代はすぐにかさんでしまいます。
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