電子レンジは毎日のおかずの温めや冷凍食品の解凍など、調理を時短するために重宝する便利な電化製品です。しかし、「電子レンジをほかの電化製品と一緒に使ったらブレーカーが落ちてしまった」という経験をされた方も多いのではないでしょうか。
実際に電子レンジは消費する電力量が大きく、使う回数が多くなると電気代も高くなることは間違いありません。
この記事では、電子レンジの電気代をほかの電化製品と比較し、電子レンジの電気代を節約する方法などを詳しくご紹介します。
電子レンジの電気代は?
電子レンジには500Wや600Wなど、製品によって異なる消費電力(W)が表示されています。これは「定格高周波出力」のことを指し、庫内の食品を温めるために必要な電力です。
実際には、定格高周波出力のほかにターンテーブルを回転させる電力なども含まれるため、一般的に電子レンジの消費電力は表示されているワット数の1.5倍程度の電力が必要とも言われています。
それでは、500Wと600Wの電子レンジを1分間使用したときの電気代はどれくらいなのでしょうか。ここでは電子レンジに表示されている消費電力(W)を使い、おおよその目安を算出し、100Wの違いでどれだけ電気料金が変わるのか比較します。
電気代を求める計算式は以下のとおりです。
電気代=1時間あたりの消費電力(kW)×使用時間(時間)×料金単価(円/kWh)
電気料金は1kWhあたり27円kWh、500W=0.5kW、600W=0.6kWとして計算します。
<消費電力が500Wの電化製品を1分間使用したときの電気料金>
0.5kW(500W)×1時間×27円/kWh=13.5円(1時間あたりの電気代)
13.5円÷60分=0.225円(1分あたりの電気代)
<消費電力が600Wの電化製品を1分間使用したときの電気料金>
0.6kW(600W)×1時間×27円/kWh=16.2円(1時間あたりの電気代)
16.2円÷60分=0.27円(1分あたりの電気代)
以下では、電子レンジの電気代を求める方法を詳しく説明します。
電気代の求め方
電子レンジの電気代は、電子レンジの消費電力と1kWhあたりの電気料金を用いて算出するため、電子レンジの消費電力によって料金は変わります。電気料金はkWhあたりで示されているので、Wの場合は1,000で割ればkWh単位に直すことができます。
一般的な目安としては500Wの表示で1300W程度の消費電力になる電子レンジが多いと言われています。一例として、1300Wの消費電力を1時間使用するときの電気料金を計算してみましょう。
電気料金単価を1kWhあたり27円と仮定した場合、電子レンジの1時間あたりの電気料金は以下のような式で求められます。(1kWhは1000Wh)
<消費電力が1300Wの電子レンジを1分間使用したときの電気料金>
1.3kW(1300W)×1時間×27円/kWh=35.1円(1時間あたりの電気代)
35.1円÷60分=0.585円(1分あたりの電気代)
このほか、1000Wと1200Wの電子レンジを1分間使用したときの電気料金のおおよその目安を計算してみましょう。
<1000Wの電子レンジを使用したときの1分間の電気料金>
1kW(1000W)×1時間×27円/kWh=27円(1時間あたりの電気代)
27円÷60分=0.45円(1分あたりの電気代)
<1200Wの電子レンジを使用したときの1分間の電気料金>
1200W÷1,000×27円/kWh=32.4円(1時間あたりの電気代)
32.4円÷60分=0.54円(1分あたりの電気代)
ご家庭にある電子レンジの本体やカタログに記載されている消費電力を調べ、1分あたりの電気代を求めてみると、どれくらいの電気代がかかっているかがわかるでしょう。
表示ワット(W)数が家の電子レンジと違うときの対処法
コンビニエンスストアのお弁当や冷凍食品の外袋には、電子レンジで温める際の目安としてワット(W)数が記載されています。中には「1500Wで1分30秒」のように示されていることもあり、ご家庭の電子レンジとワット(W)数が異なる場合は、どれくらい温めるべきか迷ってしまいます。
適当に温めてしまうと、十分に温まっていない場合や、反対に温めすぎておいしくなくなってしまうこともあるでしょう。
表示ワット(W)数が違うときには、ちょうど良い時間を算出する方法があるので知っておくと便利です。
基本的には記載されているワット(W)数に温めたい食品などの外袋に表示された時間を掛けてから、ご家庭の電子レンジのワット(W)数で割ることで、温める時間の目安が分かります。
例えば「1500Wで2分」と表示されている商品を500Wの電子レンジで温める場合であれば、次のような式になります。
1500W×2分÷500W=6分
この場合は、500Wの電子レンジで6分温めるのが適正な調理時間だとわかります。
もし、1分30秒や2分45秒など計算しにくい加熱時間が表示されていた場合は、秒単位にして計算しましょう。最後に分単位に換算すればわかりやすくなるでしょう。
例えば「1500Wで2分45秒」と表示されている商品を500Wの電子レンジで温める場合、計算方法は以下となります。
1500W×2分45秒(120秒+45秒)÷500W=495秒
495秒÷60秒=8.25分=8分15秒
この場合、8分15秒温めれば良いことがわかります。
温めにかかる電気代、どちらがお得?
毎日の生活の中で電子レンジはさまざまな使われ方をしています。
例えば、ご飯を温める方法として、冷蔵庫に保存していた冷たいご飯を電子レンジで温める場合と、冷凍していたご飯を解凍する場合とで異なる使い方をしているのではないでしょうか。
また、食品を温める方法には、電子レンジ以外にも炊飯器の保温機能やお湯を沸かす電気ケトルのような電化製品もあります。
ここでは電子レンジとほかの電化製品を使うときの電気代を比較して、どちらが安いのかを解説します。
同じ食品を温めるとき、電化製品によって電気代は異なるのでしょうか。ご飯を温める場合とコップ1杯の水を温めるときの電気代を比べてみましょう。
ご飯を温める場合
お茶碗1杯分のご飯を電子レンジで温めるときに、炊飯器の「保温機能」にしておくのとどちらが良いのか疑問に思った方もいるのではないでしょうか。
電子レンジを使った場合、冷蔵庫で保存したご飯を温めると、700Wで1分間加熱したとき0.27円かかります。冷凍保存したご飯なら、700Wで3分間加熱すると約1.35円が目安です。
一方で、炊飯器の保温機能を13.7Whすると1時間で0.37円になり、冷蔵庫のご飯を電子レンジで温めるのとあまり変わりありません。
しかし、炊飯器の保温機能は保温の時間が長くなるにつれて電気代も増えていきます。例えば、炊飯器の保温機能で4時間保温すると電気代は約1.48円です。
お茶碗1杯分程度の少量のご飯を温めるなら、電子レンジの方が電気代は安いです。
ただし、ご飯の量が多い場合は一度に電子レンジで加熱するので、電気代は増えます。温めるご飯の量と保温する時間に応じて使い分けをすると電気代の節約になるでしょう。
ご飯を温めるときの電子レンジと炊飯器の電気代 | ||||
---|---|---|---|---|
電化製品 | ご飯の保存方法 | 消費電力 | 時間 | 電気代 |
電子レンジ | 冷蔵 | 700W | 1分 | 0.27円 |
冷凍 | 3分 | 1.35円 | ||
炊飯器 | 保温 | 13.7Wh | 1時間 | 0.37円 |
4時間 | 1.48円 |
コップ1杯の水を温める場合
コップ1杯の水を温める場合の電気代は、電子レンジとほかの電化製品でどれくらいの違いがあるのでしょうか。
お湯を沸かすためには電子レンジのほかに電気ケトルを活用しているご家庭も多いことでしょう。ここでは、電子レンジと電気ケトルでコップ1杯(140ml)の水を温めるときの電気代を比較します。
700Wの電子レンジで140mlの水を1分間温めるときの電気代の目安は、約0.27円です。電気ケトルの場合は、1分間で140mlの水を沸かせるタイプもあり、その場合の電気代の目安は1分間で約0.5円が目安と計算できます。
電子レンジの電気代は電気ケトルの半分程度ですが、1分ではお湯を沸かすほどにはなりません。短時間に熱いお湯を沸かすのが目的のときは、電子レンジよりも電気ケトルがおすすめです。
ただし、電気代は電子レンジよりも高くなり、1分あたりの電気代がほぼ2倍になることも押さえておくと良いでしょう。
電子レンジの電気代を節約するポイント
電子レンジは消費電力が大きいため、電気代がかかる電化製品の一つです。しかし、電子レンジを効果的に使う方法を知っていれば電気代をある程度節約できます。
例えば、解凍する食品の大きさによって電子レンジの解凍時間は変わります。電子レンジの中が汚れている場合も、きれいな状態より消費電力は大きくなるので注意が必要です。ほかにも食品を置く位置や庫内に入れる量などにも、節約できるポイントはいくつかあります。
また、ご家庭で契約している電気料金プランも、時間帯によって料金が変わるタイプなら安く使える可能性があります。ここでは、電子レンジの電気代を安く抑えるためのポイントを説明します。
大きな塊を解凍するときは小分けする
電子レンジで肉などの大きな塊を解凍する場合には、小さなものよりも多くの時間がかかります。買い物から帰って食材を冷凍保存するときには、塊の大きな肉などは小さく切り分けてから冷凍しましょう。
多忙な方は調理する目的に応じた大きさに小分けしておくことをおすすめします。小分けにして冷凍すれば、電子レンジで解凍する時間が短くなり調理の時短にもつながります。
また、ローストビーフなど大きな塊のまま調理する場合は、あらかじめ冷凍庫から冷蔵庫に移しておけば解凍時間を短縮できます。使う食材が決まっていれば冷蔵庫などで事前解凍しておくと電気代を節約できるでしょう。
レンジの庫内をまめに掃除する
意外に忘れがちですが、電子レンジの庫内を定期的に掃除することも大事です。毎日使っていれば、電子レンジの庫内に汚れが付着することは避けられません。
電子レンジは庫内のものに対してマイクロ波を出して温める仕組みです。そのため、電子レンジを使うたびに付着した汚れに対しても電力が消費されてしまいます。食材を効率よく温めるため、庫内の汚れはまめに拭き取っておきましょう。
庫内を掃除する方法は、固く絞ったふきんなどで拭き取るだけなので簡単です。ターンテーブルが外せる場合は食器用洗剤で洗ってから拭きましょう。
油汚れなどの落ちにくい汚れは、水を入れた耐熱容器を庫内に置き、2~3分程度加熱すると蒸気で汚れが浮いて落ちやすくなります。
庫内に食材の汚れが残っていると、効率が落ちるだけでなく加熱されて発火の原因にもなりかねません。食材を出し入れする際には、庫内の汚れにも目を向けてきれいに使うように心がけましょう。
食品を置く位置を意識する
ターンテーブルがセットされているタイプの電子レンジの場合は、食品を置く位置も意識しましょう。食材を温めるときには、ターンテーブルの中央よりも少し外側に置く方が温まりやすいとされています。食品を温めるマイクロ波は庫内の壁に反射・拡散する特徴があり、外側の方に置くことで中央に置くよりも壁面で反射した電磁波が多く当たるためです。
しかし、ターンテーブルではないフラットタイプは中央に置く方が良いとされています。フラットタイプはセンサーによって食品をムラなく加熱するように設計されているためです。
ご家庭にある電子レンジのタイプに応じて置く場所を意識してみると節約につながるでしょう。
一度に詰め込みすぎない
時短調理をしようとするあまり、電子レンジの中に食材をたくさん詰め込むのは避けた方が良いでしょう。一度に食材を入れ過ぎると熱が通りやすいものと通りにくいものでムラが生じるため全体を温めるにはかえって効率が下がってしまいます。
急いでいるからといって一度に解凍しようとせず、小分けにして何回かに分けて温めた方が効率的と言えます。
電気代の安い時間帯に使う
時間帯によって電気料金単価の異なる電気料金プランを契約しているご家庭の場合は、電気代が安い時間帯を意識して電子レンジを使うのがポイントです。今契約しているプランはどの時間帯が安いのかを改めて確認しておくことをおすすめします。
生活スタイルはご家庭によって異なります。現在契約している電気料金プランが、電子レンジをよく使う時間帯に高い料金単価になっているなら、プランの見直しをすると良いでしょう。
また、ライフスタイルは年々変化していくものなので、契約している電力会社の電気料金プランは定期的に見直すことも必要です。電気代が高いのが気になっている方はライフスタイルに合う電気料金プランを探し、プランの変更や電力会社の乗り換えを検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
電子レンジは消費電力が大きく電気代がかかる電化製品のため、必要に応じてほかの電化製品で代用するのも一つの方法です。毎日の生活で工夫して電子レンジの電気代を安くする努力は大切ですが、無理をすれば続かないこともあるでしょう。
また、1kWhにかかる電気料金は、どの電力会社でも同じわけではありません。毎月の電気代を節約してお得に使うなら「Looopでんき」がおすすめです。
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(30代 / 女性 / 3人暮らし)
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明らかに他社より安くなるし、色々なイベントもあり楽しい。基本料金が無いのも魅力です。
まずは、電気料金プランを見直して、今の生活のままで電気代が安くなるのか試してみてはいかがでしょうか。