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IHクッキングヒーターはガスを使わず安全に調理ができ、掃除もしやすいため、多くのご家庭で導入が広まっています。ガスコンロとの費用の差や導入のメリットと注意点、IHクッキングヒーターの電気代を節約するポイントを押さえておきましょう。

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IHクッキングヒーターの電気代の目安

IHクッキングヒーターは、電磁誘導の原理により調理器具を加熱するシステムです。ガスではなく電気を使用するので、これから導入を検討するならば、電気代がどの程度かかるのか知っておく必要があります。

火力によって電気代は大きく異なる

火力の設定によって、IHクッキングヒーターは電気代が大きく変わってきます。例えば、Panasonicの「KZ-KB21B」の場合、設定「弱」の消費電力は100~370Wです。「中」設定では500~1,000Wの消費電力となり、さらに「強」設定では1,450~2,500Wの電力を消費します。
これらを電力料金の目安単価31円/kWh(税込)として、1時間使用した場合の電気代を、大まかに計算してみましょう。
(※電力料金の目安単価は、「公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会」が令和4年7月22日時点で算出している金額を採用しています)
KZ-KB21Bの場合、「弱」設定では消費電力100W÷1,000×31円、消費電力370W÷1,000×31円となりますので、1時間に約3.10~11.47円の電気代がかかります。
「中」設定の場合は同様に消費電力500W÷1,000×31円、消費電力1,000W÷1,000×31円ですので、約15.5~31.0円となります。さらに1時間「強」設定で使い続けた場合は消費電力1,450W÷1,000×31円、消費電力2,500W÷1,000×31円ですので、約44.95~77.5円の電気代がかかる計算です。
当然、製品によって火力の設定による消費電力は変わってきますが、使い方次第で、1時間でも電気代に70円ほどの差が出る可能性があります。
※出典: よくある質問 Q&A|公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会
※出典: はじめてのIHブック(KZ-KB21B 取扱説明書)|Panasonic

IHクッキングヒーターの特徴や使い方

IHクッキングヒーターは調理器具に渦電流を発生させ、器具の底部分を発熱させる仕組みです。器具自体を直接加熱するため伝導効率が良く、多くの場合、ガスコンロよりも素早く調理できます。無駄なエネルギーの消費が少なく、正確な温度調整が可能です。
多くのIHクッキングヒーターは、上記のように「弱」「中」「強」と加熱を調整できますが、設定によってかなり電気代が変わってきます。省エネモードを搭載した製品が多いので、うまく活用しながら、できるだけ電気代を抑えて使用することが大事です。

ガスコンロとの費用の差はどれぐらい?

ガスコンロとIHクッキングヒーターの利用にかかる費用を、比較してみましょう。ガスコンロは、ほとんど電力は消費しないため、基本的にはガス代のみの負担と考えて差し支えありません。
そこでガスコンロのガス代の目安と、IHクッキングヒーターの電気代を比較し、ご家庭でどちらを利用すべきか検討することが大事です。

ガスコンロのガス代の目安

ガスコンロに使用されるガスは、都市ガスとプロパンガス(LPガス)の2種類です。どちらも出力はkW(キロワット)で示されますが、ガス代を計算する場合には1時間あたりの発熱量(MJ:メガジュール)に換算し、次の計算式で導き出します。

出力(kW)× 3.6MJ/h×時間(h)÷ガスの発熱量(MJ/㎥)×ガス料金(円/㎥)

上記の3.6MJは1kWhに相当するエネルギー量です。電力使用量をkWhで表すのと同様、ガスもエネルギー量で比較できるように変換するため、この数値が使用されます。また、一般的な都市ガスの発熱量は45MJ/㎥で、プロパンガスは99MJ/㎥です。
ここで、パロマの都市ガス用のコンロ(PA-380WA-L 12A13A)を標準火力(2.95kW)で1時間使用した際の、大まかなガス代を計算してみましょう。都市ガスの料金を全国平均の150円/㎥とすると、計算式は次の通りです。

ガス代=2.95kW×3.6MJ/h×1h÷45MJ/㎥×150円/㎥=35.4 円

したがって、1時間使用した際のガス代は約35.4円です。
また、仮に同じ出力(2.95kW)のプロパンガス用のガスコンロを使用したとすると、1時間あたりのガス代は次の通りです。プロパンガスの料金は、全国平均の709円/㎥(2024年2月時点)として計算します。

ガス代=2.95kW×3.6MJ/h×1h÷99MJ/㎥×709円/㎥=76.06 円

1時間あたり約76.06円のガス代となり、都市ガスに比べてプロパンガスの方が料金が高くなることがわかります。
※出典: everychef[エブリシェフ]|ガス調理器・給湯器の【パロマ】

電気代とガス代を比較してみよう

IHクッキングヒーターとガスコンロは、同じ程度の火力設定でも、IHクッキングヒーターの方が強い火力で調理できる傾向にあります。したがって、同程度の火力設定での比較は難しく、実態を反映しない可能性があります。
そこで、両者の1kWhあたりのランニングコストを比較してみましょう。石油連盟の調査によると、電気(昼間と夜間)および、都市ガスとプロパンガス(LPガス)のエネルギー単価(円/kWh)は、それぞれ次の通りです。

エネルギー品目 エネルギー単価(円/kWh)
電気(昼間) 36.66円
電気(夜間) 23.86円
都市ガス 16.10円
プロパンガス(LPガス) 23.84円

これは2024年8月時点の全国平均であり、同時点では都市ガスを利用したガスコンロのランニングコストが最安といえるでしょう。
プロパンガス(LPガス)を使ったガスコンロと、夜間の電力を使ったIHクッキングヒーターのコストは同程度です。単純にエネルギー単価を比較した場合、最もランニングコストが高いのは、昼間の電力を使用したIHクッキングヒーターといえます。
ただし、日頃の電気・ガスの使い方や、契約している電気・ガスの料金プランによって、実際のコストパフォーマンスは変わってきます。あくまでも参考程度に押さえておきましょう。
※出典: 1kWhあたりのエネルギー別単価比較!!|ほかほかアカデミー

IHクッキングヒーターのメリット・デメリット

IHクッキングヒーターを導入するメリットとともに、デメリットや注意点を解説します。加熱制御や掃除・メンテナンスがしやすい一方で、IH対応の調理器具が必要です。

加熱制御がしやすく安全性が高い

IHクッキングヒーターは、ガスコンロに比べて加熱制御がしやすいのがメリットです。ガスコンロより加熱効率が高く、自動で火力を調整できる製品も多くあります。温度設定が細かくできるため、調理の幅が広がりやすく、繊細な温度管理が必要な料理に適しています。
また火を使わないので安全性も高く、火災のリスクが低いため、高齢者や子どものいるご家庭でも、安心して利用が可能です。

掃除・メンテナンスがしやすい

掃除やメンテナンスがしやすいのも、IHクッキングヒーターの特徴です。ガスコンロの「天板」や「ごとく」などが不要で、掃除のためにパーツを取り外す必要もありません。基本的に平面なので、簡単な拭き掃除で済むケースが多く、清潔な状態を保ちやすいのがメリットです。
シンプルでスタイリッシュなデザインの製品が多く、キッチン全体のインテリアに調和しやすいのも、導入するご家庭が増えている理由の1つです。

IH対応の調理器具をそろえる必要がある

IHクッキングヒーターは多くのメリットがある一方で、IH対応の調理器具が必要となる点は、デメリットといえるでしょう。鉄やステンレス製の鍋などは利用できますが、銅製や耐熱ガラス・アルミ・陶器製の調理器具は使用できません。
また、メーカーや製品によって、使用できる調理器具の材質や形状が異なる場合もあるので、事前によく確認する必要があります。ご家庭によっては、これまでガスコンロで使用してきた器具が使えず、新たに購入しなければならないケースもあるでしょう。

IHクッキングヒーターが向いているご家庭

IHクッキングヒーターは以下のように、子どもや高齢者のいる世帯や、キッチンに清潔感を持たせたいご家庭などにおすすめです。ただし、さまざまな製品がリリースされているため、実装されている機能や消費電力などをよく確認した上で、環境に合ったものを導入しましょう。

子どもや高齢者のいる世帯

調理に火を使わないシステムなので、IHクッキングヒーターは、子どもや高齢者のいるご家庭におすすめできます。加熱面が調理器具にしか反応しない仕組みのため、直接火に触れてしまうリスクのあるガスコンロに比べて、安全な利用が可能です。
また、一定時間操作がないと自動で電源が切れる機能や、過熱防止機能などが標準実装されている製品が多くあります。事故によるやけどのリスクが少なく、ガス漏れの心配もありません。

キッチンに清潔感も持たせたい方

すっきりしたデザインを好み、キッチンに清潔感を持たせたいならば、掃除がしやすく、デザイン性の高いIHクッキングヒーターがおすすめです。
平面のガラスパネルは汚れが付きにくく、基本的には拭き掃除だけで美しい状態を保てます。さらに、ガスコンロのような複雑なパーツがなく、すっきりとした外観を維持できるので、キッチン全体をシンプルかつ洗練された印象に見せられます。
毎日欠かさず料理をするご家庭でも、手軽に清潔感を維持できるのは、IHクッキングヒーターの大きな魅力です。

IHクッキングヒーターの電気代を節約するには?

IHクッキングヒーターの電気代を節約するために、押さえておくべきポイントを解説します。上記のように使い方次第で、1時間でも電気代が50円以上も変わる可能性もあるので、常に節電を意識することが大事です。

消費電力を抑えて利用する

できるだけ「弱」や「中」の設定で調理するように心掛けるとともに、節電モードもうまく活用して、毎月の電気代を抑えるようにしましょう。
IHクッキングヒーターは「弱」設定と「強」設定とでは、1,000W以上の消費電力の差が出るケースもあります。火力を意識しないまま使用していると、予想以上に電気代が高くなる可能性があるので、注意しなければいけません。
火力の自動調整モードが実装されている製品もありますが、機能ばかりに頼らず、自分できちんと調整することが大切です。

電子レンジと使い分ける

電子レンジをはじめ、ほかの加熱器具とうまく使い分けて調理をすることで、全体の電力消費を抑えられる可能性があります。
例えば、下ゆでをする野菜をあらかじめ電子レンジで加熱すれば、IHクッキングヒーターでの調理時間を短縮でき、結果的に電気代の節約につながるでしょう。別途、お湯を沸かして使用することで、加熱時間を短くするのもおすすめです。必要に応じて、カセットコンロなども併用しましょう。

調理器具を工夫する

調理器具を工夫するのも、IHクッキングヒーターの節電に効果的です。基本的に底がフラットで、磁性を持つ調理器具に適しているので、底が広めで均等に熱を伝えやすい器具を使用すれば、効率的にエネルギーを利用できます。IH対応の調理器具を選ぶ際は、材質や形状にも目を向けるようにしましょう。
また、圧力鍋や無水鍋などの利用もおすすめです。これらは内部を密閉しながら加熱できるので、一般的な鍋よりも調理時間をかなり短縮できます。近年は、IH対応の圧力鍋も数多くリリースされているので、導入を検討してみましょう。

電気の使用時間や電力会社の見直しも有効

電力単価が安くなる夜間に集中して使用すれば、毎月の電気代を抑えられる可能性があります。夜間電力が安くなるプランを契約しているならば、使用時間を工夫してみましょう。IHクッキングヒーターだけではなく、すべての電化製品による電気代の負担を軽減できます。
また、電力会社の乗り換えも有効です。新電力をはじめとして、より安い単価で電気を利用できるサービスがないか探してみましょう。安く電気が利用できるだけではなく、さまざまな特典を得られるサービスも多くあります。
新電力について、詳しくは以下の記事で解説しています。こちらも参考にしてみましょう。
新電力についてもっと詳しく知りたい方はこちら

IHクッキングヒーターの使い方を工夫する

IHクッキングヒーターは、火力の設定によって消費電力が大きく異なります。100Wから2,000W程度まで消費電力の差があるので、使い方次第で、毎月の電気代の負担が変わってきます。省エネモードなどをうまく活用しながら、常に節電を意識した使い方を心掛けましょう。
ほかの加熱器具と併用したり、熱を伝えやすい調理器具を導入したりするのもおすすめです。さらに、電化製品の電気代が気になる方は、使い方を工夫するだけではなく、電力会社の変更や電気料金プランの見直しも検討してみましょう。

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