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昨今のコロナ禍によりご家庭で過ごす時間が多くなったことや、万が一の災害時に備蓄にもなるよう日常生活の食料を多めに備えておくローリングストックが推奨されていることなどから、冷蔵庫に加えて冷凍庫の購入を検討している方も多いのではないでしょうか。子どもが多いご家庭や、共働きで週末に食材をまとめ買いする家庭にとって、保存がきく冷凍庫は魅力的な電化製品です。

しかし、購入を検討しても電気代が気になるという方も少なくありません。冷蔵庫と同様に常に電源を入れっぱなしにする電化製品であるため、購入前に調べておきたいものです。

この記事では、冷凍庫におけるサイズ別の電気代を紹介した上で、冷凍庫を選ぶポイントや電気代の節約方法などをご紹介します。

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サイズ別!冷凍庫の電気代は?

情報が比較的少ない冷凍庫ですが、おおよその電気代を調べる方法があります。それが商品カタログやWebサイトの商品スペックを調べて計算する方法です。

商品のスペック表には「年間消費電力」という項目があり、これに1kWhあたりの料金単価を掛けることで、ある程度の年間電気代を把握できます。それぞれの数値を以下の計算式にあてはめると算出可能です。

年間消費電力(KWh) × 1kWhあたりの料金単価(円/kWh) = おおよその年間電気代(円)

例えば、年間消費電力が300kWh、1kWhあたりの料金単価が27円/kWhの場合は、以下のように計算できます。

300kWh×27円/kWh = 8,100円(1年間あたりの電気代)

1カ月あたりの電気代を求めるときは12カ月で割ればいいので、以下のようになります。

8,100円÷12カ月=約675円(1カ月あたりの電気代)

1kWhあたりの料金単価は、ご家庭に届く「電気ご使用量のお知らせ(検針票)」または電力会社のWebサイトのマイページから確認できます。

次に、家庭用冷凍庫の容量サイズ別に年間電気代の目安をご紹介します。ご家庭の必要サイズがわかれば、おおよその年間電気代を把握できるので参考にしてみてください。

・38L
ビジネスホテルに備え付けられているような小型の冷蔵庫ほどの大きさで、年間の電気代は2,000~5,000円前後が目安です。小型で使いやすいため冷蔵庫の冷凍室のサブとして利用するのも良いでしょう。

・39~66L
年間の電気代は4,000円~5,500円前後が目安です。モデルによって電気代に幅があるためカタログの年間消費電力量を確認しましょう。

・67~85L
年間の電気代は4,400~5,800円前後が目安です。容量は増えますが、1つ下のサイズ帯と電気代に大きな差がないのも特徴です。

・86~110L
年間の電気代は5,000~8,000円前後が目安です。性能によって消費電力が大きく変わるので、電気代にも幅があります。

・111L~
年間の電気代は7,000〜10,000円前後が目安です。容量次第でかなり多くのものを冷凍保存できますが、1年間の電気代が10,000円を上回る機種もあります。家族が多いご家庭ではとても使い勝手が良いサイズです。

このように、冷凍庫はサイズによって電気代が異なります。性能やタイプなどにより、サイズが同程度でも電気代が大きく変わるため、冷凍庫を購入する前には何を重視するかを明確にすることが大切です。

家庭用冷凍庫を選ぶときに意識したいポイント

冷蔵庫のそばで人差し指を立てる女性の画像 冷蔵庫のそばで人差し指を立てる女性の画像

家庭用冷凍庫は大きさによって電気代が異なりますが、用途や使いやすさに応じて適したものを選ぶ必要があります。
家庭用冷凍庫を選ぶときに意識したいポイントは以下の4点です。

  • 容量で選ぶ
  • 冷却方式
  • ドアの開閉方式
  • 間仕切りの数

ここでは、それぞれの冷凍庫選びのポイントについてご紹介します。

容量で選ぶ

どれくらいの食材を冷凍保存するのかによって、冷凍庫の容量を選びましょう。

大容量タイプのメリットは、入る食材の量や作り置きの料理を多く入れられる、また通販で取り寄せた冷凍食品を梱包されたまま入れられるなど、さまざまな用途に使えることです。

一方、小型冷凍庫のメリットは、安いときにたくさんまとめ買いしたときなど、冷蔵庫の冷凍室では足りないときのサブ的な保存場所として利用でき、設置スペースもそれほど取りません。

冷凍庫は「大は小を兼ねるから大きいものを買っておけば良い」というわけではなく、ご家庭に適した容量を選ばなければ効率的に冷凍保存ができません。

詳しくは後述しますが、冷凍庫には隙間なく食材を詰めた方が保冷効果を高められます。そのため、入れる食材の形や大きさ、量などがある程度決まっているなら、それに合わせて容量を選ぶのがポイントです。

また、選ぶポイントの補足として、冷凍庫を置く場所は、背面と天面に10cm、側面には2~5cmくらいの放熱スペースが必要となります。

冷却方式

冷凍庫には機種によって冷却方式が異なり、「直冷式」「ファン式」などの冷却方式があります。それぞれの特徴やメリット・デメリットなどを知り、ご家庭に合ったものを選びましょう。

・直冷式
直冷式は冷凍庫内の冷却器によって直接庫内を冷やす方式です。庫内に冷気を満たし、自然対流によって食材を冷凍します。庫内で直接冷やすので、ファン式と比較しても冷却効率に優れていて、さらに消費電力も低いため電気代を安く抑えられる方式です。

また、自然対流で直接食材に冷気をあてないため、食材の鮮度を長く保てます。ファンがないので音が静かなのも特徴です。 しかし、ファンがついていないため、自動霜取りはできません。年に数回、定期的に霜取りをする必要があります。

・ファン式
ファン式は、冷凍庫の奥に壁で仕切って冷却器を設置し、ファンを回すことで冷凍庫内へ冷気を回す方式です。壁で仕切って直接冷気が庫内に入らないため、霜取りする必要はありません。ファンによって冷気を庫内の隅々まで回すので、食材をまんべんなく冷凍させられるのもメリットです。

しかし、直冷式に比べ電気代は高くなる傾向があります。また、ファンが回るので運転音がするのも特徴です。
そして直冷式のように自然対流ではなく、ファンで冷気を回すため食材に直接冷気をあててしまいます。そのため、鮮度を保つことを優先したい方は直冷式を選択する場合が多いようです。

ドアの開閉方式

「チェスト式」「引き出し式」「前開き式」など、ドアの開閉方式で選ぶのもポイントです。以下ではそれぞれの特徴やメリット・デメリットなどを紹介します。

・チェスト式(上開き)
チェスト式は冷蔵庫のような側面ではなく上側にあるドアを開閉します。冷凍庫手前のスペースを必要とせず、狭い場所にでも置けることから、設置スペースに不安がある方におすすめです。開口部が広く大量の食材を入れられたり、大きめの梱包のまま入れられたりできます。

しかし、食材を下から上に重ねるように保存することになるため、上手く並べないと取り出しづらくなります。前方のスペースが狭くても開閉できますが、スペースが狭すぎても食材を取り出しづらくなるので、購入前に冷凍庫のサイズと設置スペースの確認は必要です。

・引き出し式
引き出し式は、真ん中に取っ手があり手前に引き出します。上から全体を見渡せるため、庫内の様子が確認しやすく、食材を出し入れしやすいのが特徴です。また、本体上部スペースを利用することもできます。例えば、電子レンジやオーブントースターなどを置くことも可能です。

・前開き式
前開き式は、一般的な冷蔵庫と同様に扉を手前に引いて開けます。正面からどのような食材が保存されているかが確認できて、取り出しやすいのが特徴です。また、開きやすいので清掃がしやすく、庫内を清潔に保つこともできるでしょう。

電気代の観点で判断すると、チェスト式は開口部が広く冷気が逃げやすくなり温度を戻すために電力を消費します。引き出し式や前開き式は、冷気が逃げにくいので消費電力も比較的抑えられるタイプです。しかし、あくまでも開閉の頻度や時間が大きく影響するので一概には言えません。

間仕切りの数

冷凍庫内の間仕切りも、適切な数であるかを確認する必要があります。冷却方法で説明したとおり、全体に冷気を回すのが効率的な冷凍方法です。しかし、間仕切りが多すぎてしまうと冷気の流れを遮るため非効率になってしまいます。

間仕切りが多い方が使い勝手が良いイメージがありますが、実際に冷凍させる食材などはそれほど小さなものはないのではないでしょうか。購入時は間仕切りが多くて使いやすそうだと感じていても、使っているうちに邪魔になることもあるのです。

また、間仕切りが邪魔で食材の出し入れに手間取っていると、ドアを開けている時間も長くなり電気代にも影響します。

家庭用冷凍庫の電気代を節約する方法

冷蔵庫のそばで悩む女性の画像 冷蔵庫のそばで悩む女性の画像

冷凍庫を新たに設置すると、当然ご家庭の電気代は上がってしまいます。冷凍庫の電気代をできるだけ節約するなら、以下の方法を実践しましょう。

  • 庫内にできるだけ詰め込む
  • 扉の開閉頻度を減らす
  • 新しい冷凍庫に買い替える

ここでは、電気代を節約する方法についてそれぞれ詳しく説明します。

庫内にできるだけ詰め込む

冷凍庫内は、できるだけ隙間なく食材を詰め込むようにしましょう。

「冷蔵庫」の場合、詰め過ぎてしまうと冷気が行き渡らないため食材の温度が下がりづらくなります。そのため庫内の温度が高くなってしまい、それを下げるために電力を多く消費してしまうのです。

しかし、「冷凍庫」はその反対です。冷凍された食材が保冷剤の役割をして、庫内の温度を下げるため効率的に使えます。隙間が空いてる方が庫内の温度が上がりやすくなるので、保冷剤の代わりになる食材が詰まっていた方が、庫内の温度が低く保てます。結果的に、余分な電気の消費は抑えられ節約につながるのです。

扉の開閉頻度を減らす

冷凍庫を設置する際には扉の開閉回数や時間を減らすよう意識することも大切です。

扉を開ける度に冷気が庫外へ逃げ、庫内に外気が入り込むことで温度が上がりやすくなります。その度に庫内の温度を下げるため多くの電力を消費してしまうのです。開閉回数だけでなく、開けっ放しにする時間もできるだけ短くするようにしましょう。

扉の開けっ放しは電気代が増えるだけではなく、食材を傷めてしまう可能性もあります。

新しい冷凍庫に買い替える

古いモデルの冷凍庫を使っているなら、新しい冷凍庫に買い替えるのも良いでしょう。冷凍庫の省エネ技術は年々向上しています。例えば、年間130kWh前後の消費電力を抑える(※)ことに成功しているのです。

電気代で考えると、1年間で3,510円(130kWh×27円/kWh)お得になります。
この先も冷凍庫を使い続けることを考えると、思い切って買い替えるのも長期的な節約につながるでしょう。

※出典:パナソニック「NR-FZ121W(50kHzの年間消費電力量530kWh/年)」と「NR-FZ120B(50kHzの年間消費電力量400kWh/年)」を比較

電気代の節約は契約を見直すのがおすすめ

冷凍庫の電気代を節約するのも大切ですが、ご家庭全体の電気代を節約するなら思い切って電力会社の乗り替えや電気料金プラン、契約アンペア数の見直しを検討することも重要です。

電気料金プランや契約アンペア数は一度契約するとなかなか変更する機会がありません。しかし、生活やライフステージの変化に応じて、定期的に見直すことが大切です。
例えば、夫婦と子ども2人の四人家族で生活していた場合、子ども2人が進学や就職・結婚で家を出た後は夫婦2人の生活になります。そうなると使用する電力量も減るため、これまでの契約アンペア数では多すぎて、基本料金を無駄に多く払ってしまうこともあります。

また、日中は外出していることが多く夜の時間帯に電力を多く使う場合なども料金プランを見直すことで電気代が安くなる可能性があります。
基本料金0円の電力会社もあることから、電気代を節約するためには今契約している電力会社、電気料金プラン、契約アンペア数などを見直してみることをおすすめします。

まとめ

冷凍庫はずっと稼働させるため、扉の開閉の回数や時間を気にしたり、食材を隙間なく詰め込んだりして工夫することで電気代の節約が可能です。

また、容量や開閉タイプなどに関わらず、古い冷凍庫を使い続けることも電力の消費が大きくなるため電気代が高くなる原因となります。2021年時点では省エネ技術が進み、10年前に比べ300kWh前後も消費電力を抑えられているモデルもあります。常に運転させる必要がある冷凍庫だからこそ、買い替えることで結果的に年間の電気代が安くなる可能性もあるのです。

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