記事をシェアする

ソーラーパネルのある家の写真 ソーラーパネルのある家の写真

太陽光発電システムを導入するご家庭が増えています。太陽光パネルによる発電量や売電で得られる収入を知り、システムの導入を検討しましょう。

ここでは、太陽光発電システムの導入に伴う発電量や売電収入について解説します。発電量を左右する要因や、発電量を増やす方法もご紹介します。効果的な太陽光発電システムの導入にお役立てください。

再エネ由来の電気をフル活用
料金プランはこちら

太陽光発電はどのくらい発電できる?

太陽光パネルの設置により、どれほどの発電量が見込まれるのでしょうか。ここでは、太陽光パネルの発電量や、発電容量の単位、発電量の求め方などを解説します。太陽光発電システムの導入に向け、費用対効果を考えましょう。

太陽光パネルの発電量

ご家庭に太陽光発電システムを設置すると、ご自宅で発電できるようになり、発電した電気は、ご家庭で使ったり、売電して収入を得たりすることが可能です。太陽光パネルが生み出す発電量を計算してみましょう。

住んでいる地域や設置する条件によって左右されますが、日本の平均年間発電量は1kWあたり約1000~1200kWhです。また、住宅用太陽光発電の全国的な平均積載量は4.4~4.5kWとされています(※)。つまり、平均的な発電条件であれば、年間5000kWhほどの発電量が見込めるのです。
また、年間5000kWhの発電量ということは、1日あたり14kWh前後の発電量を得られる計算です。

※出典:実環境における発電量│産総研 太陽光発電技術

発電容量の単位

太陽光発電システムの発電量について調べる際に、発電容量kW(キロワット)と発電量kWh(キロワットアワー)の違いについて理解しておきましょう。

一般的に、kWは瞬間的に生み出せる電力を指し、太陽光モジュールやパワーコンディショナーの性能を表す際に用いられる単位です。太陽光発電システムでのkWとは設置容量を指します。kWの数値が大きければ大きいほど、より発電力に優れた太陽光発電システムといえます。

天候などの外部要因が変わっても設置容量の値は一定です。ただし経年劣化や故障などで、太陽光発電システム自体が性能を発揮できなければ、設置容量が落ちる恐れがあります。

一方kWhは、実際に生み出した発電量を示す単位です。例えば、出力が1kWの設備を1時間動かすのに必要な電力量は1kWhになります。電気料金における従量料金も1kWhあたりの料金を定めている場合がほとんどですので、発電量を計算するうえで重要になります。

設置容量の大きい太陽光発電システムであっても、天候などの理由で電力量が落ちると、kWhが低くなります。

発電量の計算については以下で詳しく解説します。

発電量の求め方

太陽光の発電量は以下の式で算出可能です。

発電量(kWh)=太陽光発電システムの設置容量(kW)×日射量(太陽光の強さ)×損失係数(ロス)

日射量とは太陽光発電システムに届くエネルギーの大きさを指します。日射量を調べる際は、独立行政法人NEDOが調査したデータを確認しましょう。また損失係数とは、太陽光発電システムの出力係数です。

損失係数は、外的要因によって発生する一定の発電量の損失を意味します。一般的には、年間を通した損失係数として0.7〜0.9程度が使用されます(※)。
ただし、より詳細な損失係数を知りたい場合は以下の式で計算しましょう。

損失係数=パワーコンディショナーの変換効率×気温による影響×その他の損失

発電量の計算方法が難しいと感じる方もいるでしょう。そういった場合は各メーカーのシミュレーションサイトなどで手軽に発電量を計算できます。

各ご家庭の条件を入力し、見込まれる発電量を割り出してみましょう。

※出典:発電電力量│KYOCERA Japan

パネル1枚の発電効率はどのくらい?

太陽光発電システムにおける発電効率とは、太陽光のエネルギーのうち電気に変換できたものの割合です。太陽光パネルの発電効率はメーカーや商品ごとに異なりますが、高いものでは20%前後です。

屋根のスペースは決まっているため、1枚あたりの大きさが小さく、より発電効率が高いパネルを選んで発電量を増やしましょう。

発電量に影響する要因

青空の写真 青空の写真

発電量に影響する要因はさまざまです。発電容量を高めるためには以下でご紹介する因子について知り対策を立てましょう。また発電量が振るわないときの原因を考える際にも、以下の情報をお役立てください。

季節の影響

太陽光発電システムは太陽光のエネルギーを利用する発電システムです。そのため、季節により日照時間が変われば発電量も影響を受けます。

発電量が多い季節は春の4月・5月、次いで8月です。夏場に最も発電量が多くならない理由は、太陽光パネルが温度にも影響を受けるためです(※)。

夏の太陽光の熱により、太陽光パネルの表面温度が高くなりすぎると、パネルの出力が低下してしまいます。

一方で冬は外気温が低く、発電効率自体は高い傾向にあります。特に12~3月は発電効率の損失が少ないでしょう。ただし冬は日射量が少ないため、朝の7時から夕方5時頃までしか太陽光発電システムは稼働しません。トータルの発電量は低下します。

※出典:日射に関するデータベース│NEDO

天気の影響

日射量が減ると太陽光発電システムの発電量も低下します。そのため晴天よりも曇天のときのほうが、発電量は低下すると考えられます。

ただし直射日光が太陽光パネルに当たらなくても、ある程度の明るさがあれば発電量は0にはなりません。直射日光の割合が少なくても、大気中に散乱日光が充満しているためです。気象庁のデータを見ても、曇天の日の紫外線は快晴の日に対して60%程度ほどとされています(※)。
このように、曇天のときの発電量の低下はそれほど心配する必要はありません。

一方、雨天や降雪の日は雲が太陽光を覆い隠してしまい、日光が太陽光パネルに当たらないため、発電力の著しい低下は免れません。

降雪が多い12月や1月には、1kWの設置容量の太陽光発電システムを使っていても、発電量は1kWhに達しないときがあります。また6月・7月も梅雨の季節のため日照量が低下し、発電量が多い4月・5月・8月に比べると、発電量は低下しがちです。

※出典:雲と紫外線│気象庁

地域の影響

地域によって日照時間や日射量は異なるため、太陽光発電システムの発電量にも地域差があります。基本的に日照時間が長い地域ほど、太陽光発電システムによる発電量が多い地域と考えられます。一方、日本海側や山間地域は比較的日照時間が少ない地域が多い傾向にあります。

地域の日照時間を調べる際は、気象庁のサイトで確認しましょう。住所から近い観測地点のデータを見ると、実情に近い日照時間のデータがわかります。

例えば、2022年1月27日から前90日間の合計日照時間は、東京都の府中地点で626.1h、長野県の白馬地点で290.5h、新潟県の長岡地点で232.2hでした。
太平洋側に対し、日本海側や山間地域の日射量の少なさがわかります(※)。

※出典:期間合計日照時間一覧表│気象庁

時間帯の影響

1日の中でも太陽光発電システムの発電量は変化します。発電量は日射量が多いほど増加するため、11~13時の時間帯で弧を描くように発電量は増減します。正午頃が発電量のピークです。

1日のうちで発電量が多いのは昼間の時間帯とされ、11~13時の時間帯における発電量は、1日の約4割ともいわれます。ただし夏場は太陽光パネルの温度上昇の影響により、午後になると発電量が低下するケースがあります。その他に、1日を通して気温が変わらなくても午前中からパネルに蓄熱された熱の影響により、午後の発電効率が低下する可能性があるでしょう。

※出典:日射に関するデータベース│NEDO

その他の影響

太陽光パネルの公称最大出力とは、気温25度の環境下で測定された数値です。気温が25度を超えると徐々に発電量が低下していきます。

パワーコンディショナーは、太陽光発電で生み出された直流電流を、交流電流に変換する役割を担う機器です。パワーコンディショナーが直流から交流に変換する際に電気量は数%のロスが発生します。このパワーコンディショナーの変換効率は、いずれのメーカーも95%程度です。メーカーごとの性能の差はほぼないといえるでしょう。

太陽光パネルに汚れが付くと発電量の損失、低下につながります。部分的な汚れであっても、発電量の低下がそのパネルを接続している回路全体に影響します。土ぼこりや鳥のフン、花粉、水垢などの汚れは定期的に洗浄が必要です。ささいな汚れにより大幅な発電量低下につながるため注意しましょう。

また、パネルの経年劣化によっても発電量は低下します。各メーカーは独自の検査により発電量を評価し、パネル設置から一定期間における出力を保証しています。

太陽光発電の売電について

次に太陽光発電の売買について、固定価格買取制度(FIT)や売電で得られる収入を増やす方法について解説します。固定価格買取制度終了後の余剰電力の扱いについても考えましょう。

太陽光発電の売電と固定価格買取制度(FIT)

太陽光発電には売電制度があります。売電制度とは、発電した電力のうち余った分を電力会社に買い取ってもらえる制度です。

固定価格買取制度(FIT)とは、売電の際の買取価格が一定期間保証される制度です。固定価格買取制度では調達価格等算定委員会の意見を反映し、経済産業大臣が売電価格を決定します。一般家庭が対象となる余剰電力買取では、保証期間は10年と決められています(※)。

固定期間が過ぎると、以前よりも買取価格が低下する、電力を買い取ってもらえない、などのリスクがあります。

※出典:【太陽光発電】利用者は要チェック!『FIT制度』のこれから|資源エネルギー庁

2022年4月にはFIP制度が開始

日本は「2050年カーボンニュートラル」の実現に向けて、温室効果ガスの削減が急務な課題です。温室効果ガスを発生する発電方法に変わり、太陽光のような再生可能エネルギーを主力電源とする必要があります。

再生可能エネルギーの活用に向けて、2020年6月にFIP制度の導入が決定され、2022年4月からスタートします(※)。

FIT制度では、売電価格を保証するために再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)が使われてきました。再エネ賦課金は、毎月の電力料金に上乗せされるため、FIT制度では国民や企業の負担の大きさが課題といえます。

一方FIP制度では、再生可能エネルギーを売電する際に、電力の市場価格に対し一定の補助金を上乗せして売電価格とする制度です。FIP制度が始まると、国民や企業の負担を抑えつつ再生可能エネルギーの使用が活発化すると期待されています。

※出典:再エネを日本の主力エネルギーに!「FIP制度」が2022年4月スタート│経済産業省・資源エネルギー庁

売電で得られる収入はどのくらい?

太陽光発電における、月々の売電収入は以下の式で算出されます。

売電収入=発電単価(円/kWh)×発電量(kWh)

太陽光発電システムの設置から10年が経過すると、固定価格買取制度の対象期間は終了します。買取価格は市場価格と同等まで低下してしまうため、売電のメリットは少なくなるでしょう。

2021年度の10kW未満の住宅用太陽光発電の売電価格は、1kWhあたり19円です。国の方針で売電価格は徐々に低下していくことが決まっています。太陽光発電システムを導入する予定があれば、なるべく早く踏み切ったほうが売電で得られる収入が増えると考えられます(※)。

売電収入が減少した場合は、蓄電池の導入により発電した電力を家庭内で全て使い切るのが良いでしょう。自家消費により電気料金を抑えられると、売電で収入を得るよりも家計が潤う可能性があるためです。

日中に太陽光発電システムで電力を作っておけば、電気料金の高い時間帯に電気を買わずに済みます。また災害時に電力供給がストップした場合にも、蓄電池の電力で生活できるでしょう。

※出典:FIT制度における2021年度の買取価格・賦課金単価等を決定しました│経済産業省

太陽光発電の発電量を増やす方法

ソーラーパネルと作業員の写真 ソーラーパネルと作業員の写真

太陽光パネルを設置したあとは、太陽光パネルの向きや角度の調整、パネルの稼働状態を確認するなど、定期的なメンテナンスを実施しましょう。太陽光発電システムの発電量を増やす方法を解説します。

太陽光パネルの向きや角度を調整する

太陽光パネルは、より日光が当たるように設置しましょう。屋根の形状や勾配、太陽光パネルを設置する方角・角度の観点から、より発電量を稼げる条件を解説します。

太陽光発電に向いている屋根は、切妻屋根・片流れ屋根・段違い屋根・陸屋根のような、フラットな部分が広い屋根です。また、屋根の勾配が3.5寸〜4寸(19.29〜21.8度)のときに太陽光パネルを設置しやすくなります。

太陽光パネルを設置するベストな方角は真南。太陽の軌道を考えると、真南が最も日光が当たるためです。なお北側は太陽光を反射してしまうため、基本的には太陽光パネルを設置すべきではありません。また東側と西側を比べると、発電量は同等です。

太陽光パネルを設置する角度は、太陽光の入射角が直角に近くなるほど良いとされています。水平方向に対して30度を目安に太陽光パネルの傾きを調整しましょう。

以上まとめると、真南向き・水平方向に対して30度の傾きが、発電力にとって理想的な太陽光パネルの設置条件といえます(※)。

※出典:発電電力量│KYOCERA Japan

定期的なメンテナンスを行う

太陽光パネルは経時劣化するため、経時劣化に伴い徐々に設置容量は低下していきます。ときには太陽光発電システムの設備自体に不具合が生じるケースもあるため、定期的なメンテナンスを実施しましょう。

定期メンテナンスではパネルの汚れや設置状況、太陽光パネルやパワーコンディショナーに不具合がないか、などを調べます。

なお、一般的に、太陽光発電システムは3〜4年に1回以上のメンテナンスが推奨されています(※)。

※出典:令和3年度以降の調達価格等に関する意見(案)│ 調達価格等算定委員会

太陽光発電の導入はLooopにご相談ください

太陽光発電システムを導入すると、売電による収入が見込めます。固定価格買取制度により、太陽光発電システムの設置から10年間は一定の売電価格が保証されています。

発電量は、季節や天気・地域・時間帯などの影響を受けます。少しでも発電量を高めるために、太陽光パネルの向きや高さ調整、定期的なメンテナンスを実行しましょう。

Looopの「とくするソーラー」は、「初期費用0円」で太陽光発電システムをお得に導入できます。蓄電池付きプラン・太陽光のみプランからご家庭にあったプランをお選びください。太陽光発電システムについては、ぜひ、「とくするソーラー」をご検討ください。

国内初!太陽光+蓄電池のセットでトータルコストがおトク「とくするソーラー」をチェック