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「生活費をできるだけ抑えたい」と思っている方は多いのではないでしょうか。
携帯料金や光熱費、食費などの生活費はできるだけ少ないに越したことはありません。その中でも携帯料金はお使いのキャリアのホームページで確認できますし、食費はレシートを保管して家計簿をつけるなどして管理することができます。
一方で管理が難しいのが光熱費です。
特に水道料金やガス料金は「使わないように節約する」と心掛けることは可能ですが、前月の請求書が届かなければ分かりづらく、使いながら計算することは容易ではありません。
しかし、電気代については電化製品の「消費電力」が分かれば計算することが可能です。
この記事では電気代の計算方法のほか、電気代を安くするコツをご紹介します。

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消費電力とは?

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よく耳にする「消費電力」とはどういったものを指すのでしょうか。
消費電力とは文字通り電化製品が消費する電力のことで、単位はW(ワット)で表示されます。
ワット数が高い電化製品はその製品を起動するために多くのパワー(電力)が必要ということです。そして多くのパワー(高い消費電力)を必要とする電化製品であるほど電気代は高くなります。
一般的に暖房やヒーターなど、熱を発するものが消費電力が高くなる傾向にあります。
また消費電力には「定格消費電力」と「年間消費電力」の2つがあります。それぞれについて説明していきましょう。

定格消費電力とは

「定格消費電力」とは、電化製品の最大出力時における消費電力のことです。
例えば保温機能のある電化製品などは、ある一定の温度まで上昇すると加熱機能が停止しますが、加熱している間と停止している間では消費電力が異なります。
またドライヤーであれば強弱のモードによって消費電力は異なるでしょう。
したがって電化製品に「定格消費電力〇W」と記載がある場合は、実際の消費電力とは異なるので注意が必要です。電化製品によっては通常の消費電力と定格消費電力との間に大きな差が生じる場合もあるでしょう。
一方で照明などのようにシンプルな構造の電化製品は、定格消費電力と実際の消費電力の差は小さくなります。

年間消費電力とは

「年間消費電力」とは、電化製品を1年間使用した際の消費電力のことです。
頻繁にオン・オフされるテレビやドアの開閉により電力が変わる冷蔵庫などの消費電力を、その都度計算するのは困難です。
したがってそのような電化製品には、1年間の使用を想定した消費電力が「年間消費電力」として記載されています。
年間消費電力はメーカーに限らず標準的な使用に基づいて電化製品ごとに定められています。電化製品を選ぶ際の参考になるでしょう。
もちろん生活環境によっても使用状況は異なるため、あくまでも目安となります。

消費電力にまつわる単位

電力を表す単位は先述したW(ワット)以外にもさまざまなものがあり、消費電力を計算するにはそれぞれの意味を把握しておくことが重要です。
ここからは消費電力にまつわる単位とその意味について紹介します。

W(ワット)

消費電力を表す単位で、単位時間あたりに消費される電気エネルギーのことです。
先述のように電化製品などに表記されている消費電力はワット(W)で表示されます。
当然ながらワット数が大きい方がよりエネルギーを必要とします。例えば電球のワット数が大きいほど明るいのは、よりエネルギーを消費するためです。
消費電力(W)は以下の計算式で求められます。
W(ワット)=A(アンペア)×V(ボルト)

kW(キロワット)

キロワット(kW)とは、ワット(W)と同様に消費電力を表す単位で、1kW=1000Wとなります。これは重さの単位kgや長さの単位kmと同じ考え方です。
例えば、1.5kW=1500Wとなります。

Wh(ワットアワー)

電気代を計算するにあたり消費電力と一緒に覚えておく必要があるのが「消費電力量=Wh(ワットアワー)」です。
消費電力量は、消費電力に使用した時間をかけることで算出できます。

kWh(キロワットアワー)

kWh(キロワットアワー)はWh同様、電化製品を動かし続けるために必要な電力量です。例えば1kW(=1000W)の電力を1時間使うときに使用する電力量は1kWhです。
電気の検針票や電力メーターなどに記載されていることから、馴染みのある単位ではないでしょうか。
電力会社が提示する電気料金も、1kWhあたりの料金が表示されています。

V(ボルト)

V(ボルト)は電圧を表す単位です。
一般的にご家庭で使用されるのは100Vですが、業務用の電化製品は200V仕様のものもあります。
電圧は国によって異なり、日本製品を電圧の異なる国で使用する場合はそのまま使用すると壊れてしまうため電圧変換器が必要です。
ボルト(V)は以下の計算式で求められます。
V(ボルト)=W(ワット)÷A(アンペア)

A(アンペア)

A(アンペア)は電気が流れる量を表す単位です。電力会社と契約するアンペア数は10、15、20、30、40、50、60Aから選択でき、アンペア数が大きいほど同時の多くの電化製品を使うことができます。
例えば30Aの契約をしていた場合、15Aの電子レンジと13AのIHジャー炊飯器を同時に使うと合計28Aになりますが、これに12Aのヘアドライヤーを使うと合計が40Aとなり、契約アンペア数をオーバーするためブレーカーが落ちてしまいます。複数の電化製品を使う場合は、契約アンペア数を意識することが大切です。
アンペア(A)は以下の計算式で求められます。
A(アンペア)=W(ワット)÷V(ボルト)

消費電力の計算方法

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ここからは上記で説明したことをふまえて具体的な電化製品の計算方法について解説します。
例えば、基本的な電気代の計算方法は以下の式で算出できます。
電気代=1時間あたりの消費電力(kW)×使用時間(時間)×料金単価(円/kWh)
例えば、料金単価が27円/kWhとすると、0.1kWの電化製品を1時間使用した場合「0.1kW×1時間×27円/kWh」で1時間あたりの電気代は2.7円となります。
これを1日あたり6時間使用するのであれば「2.7円×6時間=16.2円」となり、1日あたり16.2円です。これを毎日同じように使用するのであれば1カ月を30日として「16.2×30日=468円」で、1カ月あたり468円となります。
また、冷蔵庫やテレビ、エアコンなどの電気代を計算する場合は年間消費電力量を用います。
例えば年間消費電力量が100kWhの電化製品を使用する場合「100kWh×27円/kWh」で年間2,700円となります。
電気代の算出方法がわかったところで、ご家庭にある電化製品の電気代をみていきましょう。

冷蔵庫(1日あたり)

冷蔵庫はサイズによって電気代が異なりますが、年間消費電力の目安は概ね以下の通りです。

冷蔵庫の容量 年間消費電力 年間電気代
200~250L 約316kWh 8,542円
300~350L 約363kWh 9,795円
400~450L 約311kWh 8,406円
500L~ 約296kWh 7,984円

※1kWhあたりの料金単価を27円/kWhとして計算
※出典:資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2020年版」

表から分かるように、300L以上のサイズは冷蔵庫は大きくなる程年間消費電力が小さくなっています。1日あたりの電気代は年間の電気代を365日で割ると算出できます。
200~250Lの冷蔵庫であれば「8,542円÷365日」で、1日あたり約23円となります。

電子レンジ(1分あたり)

電子レンジは500Wや700Wなど出力切替が可能ですが、電子レンジに表示されているワット数は温める力のことで、実は消費電力ではありません。
電子レンジは調理するワット数によって異なり、消費電力は概ね1000~1400Wです。
そのため、電子レンジの電気代は以下のようになります。
前提として、電気代の計算式を「1時間あたりの消費電力(kW)×使用時間(時間)×料金単価(円/kWh)」、電気料金単価を27円/kWhとしています。
1.4kW×1時間×27円/kWh=37.8円(1時間あたりの電気代)
37.8円÷60分=0.6円(1分あたりの電気代)

掃除機(30分あたり)

最近では紙パック式の掃除機だけでなくサイクロン式を使う方も多くなってきているようです。最大消費電力は紙パック式850~1150W(※1)、サイクロン式で720W(※2)です。
紙パック式を1100W、サイクロン式を720Wとして1日30分間毎日掃除機を使用すると、1年間あたりの電気代は以下のようになります。

掃除機のタイプ 最大消費電力 30分間使用 1年間使用
紙パック式 1150W 15.52円 5,667円
サイクロン式 720W 9.45円 3,450円

※1kWhあたりの料金単価を27円/kWhとして計算
※1、※2 出典:掃除機・クリーナー 商品比較 | Panasonic

電気代の算出方法は、紙パック式の例で言えば以下のとおりです。

  • 1.15kW(1150W)×1時間×27円/kWh=31.05円(1時間あたりの電気代)
  • 31.05円×0.5時間=15.52円(30分あたりの電気代)
  • 15.52円×365日=5,667円(1年間毎日30分使ったときの電気代)

年間の電気代は紙パック式で約5,402円、サイクロン式で約3,942円となり、サイクロン式の方が電気代が安くなることがわかります。

テレビ(1時間あたり)

テレビはサイズ・画質によって消費電力が異なり、サイズが大きく画質が良くなるに伴い消費電力も大きくなります。画面の大きさで比較した年間消費電力・年間の電気代は以下のようになります。

画面の大きさ 年間消費電力 1年あたりの電気代 1時間あたりの電気代
24インチ 約43.7kWh 1,180 円 0.134円
32インチ 約56.4kWh 1,522円 0.174円
42インチ 約106kWh 2,862円 0.32円
55インチ 約155kWh 4,185円 0.478円

※1kWhあたりの料金単価を27円/kWhとして計算
※出典:資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2020年版」

電気代の算出方法は、24インチの例で言えば以下のとおりです。

  • 43.7kWh×27円/kWh=1,180円(1年あたりの電気代)
  • 864円÷365日=3.23円(1日あたりの電気代)
  • 3.23円÷24時間=0.134円(1時間あたりの電気代)

テレビにかかる電気代は年間を通してみても高くありませんが、より節約したい場合はこまめにオン・オフをし、長時間見ないときは主電源を切る、電源プラグを抜くなどの対策をすると良いでしょう。

エアコン(1時間あたり)

エアコンは暖房や冷房など季節によって電気代が異なるため、計算するのは非常に困難です。したがってエアコンには、1年間冷暖房を使用した際にかかる電力量の目安として「期間消費電力量」が算出されています。
以下の表は期間消費電力量と1時間あたりの電気代(冷暖房)、年間電気代の目安です。

部屋の広さ 期間消費電力量 1時間あたりの電気代 年間電気代
冷房 暖房
14~18畳 958〜1,471kWh 2.8~54.5円
(消費電力105W〜2020W)
2.8~99.1円
(消費電力105W〜3670W)
25,866〜39,717円
20~23畳 1,702〜2,035kWh 2.8~74.3円
(消費電力105W〜2750W)
2.8~104.8円
(消費電力105W〜3880W)
45,954〜54,945円
26~29畳 2,402〜3,040kWh 3.6~89円
(消費電力135W〜3300W)
3.6~107円
(消費電力135W〜3960W)
64,854〜82,080円

※1kWhあたりの料金単価を27円/kWhとして計算
※出典:エアコンFZシリーズ 詳細(スペック) | 三菱電機

通常、冷房よりも暖房の方が電気代が高くなることがわかります。
例えば14畳の場合の計算式は以下のとおりです。
・958kWh×27円/kWh=25,866円(1年あたりの電気代)

基本料金や最低料金も計算に含める

電化製品を使う分の電気代は計算で求められ、おおよその金額を把握することができますが、その際に忘れてしまいがちなのが基本料金やそのほかに含まれる料金です。
毎月の電気料金の内訳には

  • 電力会社との契約内容によって決まる基本料金(最低料金)
  • 実際に使用する電力量料金
  • 再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)
  • 燃料調整費
  • 容量拠出金相当額

が含まれています。
「基本料金(最低料金)」は電気を使わなくても最低限発生する固定料金です。
「再エネ賦課金」は、電力会社が再生可能エネルギーにより発電された電気を買い取る際に発生した費用が電気料金に上乗せして請求されます。
「燃料調整費」は、火力発電のための燃料(原油、液化天然ガス、石炭)の価格変動に応じて毎月の電気料金に反映されるもので、燃料の価格の増減に従い加算・減算される費用です。
「容量拠出金」は、将来の発電所の新設や維持を促し、電力の安定を維持するために負担する費用です。
電化製品の電気代を算出する際にはこうした費用も含まれるため「予想してたよりも電気代が高い」ということにならぬよう注意が必要です。

電気料金を節約する方法

電気代の計算方法が分かったら次に知りたいのは電気代の節約方法ではないでしょうか。ここからはすぐに実践できる電気代の節約法を紹介します。

電源やスイッチをこまめに切る

最も簡単な方法が、電源をこまめに切ることです。
照明やテレビなど毎日使う電化製品はこまめに電気を消す・電源を切ることを習慣づけるだけでもランニングコストを抑えることができます。
また待機電力を抑えることも重要です。
待機電力とは電化製品を使用していない時に微量に消費される電力のことを言います。これは未使用の際にコンセントからプラグを抜いておくことで待機電力の発生を防ぐことが可能です。
待機電力は年間消費電力の約5%を占めていると言われているため、使わない時はできるだけコンセントを抜いておきましょう。
しかし、電化製品によってはプラグを抜くとトラブルの検知機能が働かなくなったり故障の原因になったりすることもあります。電化製品によってプラグを抜いても問題ないか確認することが重要です。

電気代の安い時間帯を意識する

電力会社ではさまざまな電気料金プランが用意されており、プランによって深夜や特定の時間帯に電気料金が安くなるように設定されています。
自分のライフスタイルに合わせて、どの時間に電気をよく使うか確認し電力会社のプランを選ぶと良いでしょう。

契約しているプランやアンペア数を見直す

電気代に含まれる基本料金は契約しているアンペア数によっても変わります。
アンペア数が大きいほど基本料金が高くなりますが、世帯人数やライフスタイルによっては、契約アンペア数が大きすぎて無駄が生じているケースがあるかもしれません。
必要以上に高いアンペア数で契約している場合は下げてみるのも良いでしょう。10アンペア下げるだけで月200円~300円程度節約することも可能です。
契約アンペア数を変更した際は、ブレーカーが落ちてしまわないよう、電子レンジやオーブントースターなど電圧が高い電化製品を同時にいくつも使わないように注意しましょう。

ライフスタイルによってはオール電化がおすすめ

ライフスタイルによってはオール電化にすることを検討しても良いでしょう。オール電化とはガスを使わずに、入浴や調理などもすべて電気で賄うシステム(住宅)のことです。ガスを使わないため光熱費を安くできる傾向にあります。
オール電化の場合、夜の時間帯に電気料金が安くなるプランもあるため、給湯や暖房は夜の電気料金が安い時間に使用すれば光熱費の節約にもつながります。ガス漏れや一酸化炭素中毒の心配も無いため、安全面も優れていると言えるでしょう。
一方で「昼間の電気代が高くなる」「火を使った調理ができない」「停電になると調理や給湯ができない」などのデメリットもあります。オール電化にする場合は自身のライフスタイルを把握しておくことが重要です。

まとめ

毎月の電気代をできるだけ節約するには消費電力から電気代を算出する方法だけではなく、電気料金プランや電気代に含まれる費用を把握しておく必要があります。

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