日本の暑すぎる夏を乗り切るには「冷房つけっぱなし」が欠かせません。しかし、四六時中エアコンをつけていると気になってしまうのが「電気代」です。24時間冷房をつけているとどれくらいの電気代がかかるのか解説します。電気代の目安を把握しましょう。
冷房をつけっぱなしにしたときの1カ月の電気代
人気のエアコンを例に、冷房をつけっぱなしにしたときの電気代を計算します。なお、計算に用いる「電力量料金単価」には、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が基準として定めている「31円/kWh(税込)」を用いています。
※出典:よくある質問 Q&A|公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会
1カ月つけっぱなしにすると電気代は14,000円前後
日立の白くまくん「RAS-AJ2225S」の消費電力(冷房)は「635W」です。よって、電気代は以下のようになります。
- 1時間あたりの電気代:約19.69円
- 1日24時間あたりの電気代:約472.44円
- 1カ月30日あたりの電気代:約14,173.2円
一方、ダイキンの「S225ATES-W」の消費電力(冷房)は「580W」です。このデータを基に電気代を計算すると、以下のようになります。
- 1時間あたりの電気代:約17.98円
- 1日24時間あたりの電気代:約431.52円
- 1カ月30日あたりの電気代:約12,945.6円
また、三菱電機の霧ヶ峰「MSZ-GV2225」の消費電力(冷房)は「655W」です。したがって、電気代は下記の通りになります。
- 1時間あたりの電気代:約20.31円
- 1日24時間あたりの電気代:約487.32円
- 1カ月30日あたりの電気代:約14,619.6円
以上から、エアコンの冷房運転を24時間使い続けた場合の1カ月の電気代は、おおよそ14,000円といえるでしょう。
※出典:仕様:ルームエアコン AJシリーズ : 住宅設備用エアコン : 日立グローバルライフソリューションズ株式会社
※出典:2025年モデル Eシリーズ 仕様(スペック) | 壁掛形エアコン | ダイキン工業株式会社
※出典:GVシリーズ | 三菱住宅設備用ルームエアコン 霧ヶ峰 | 三菱電機
⇒1時間エアコンを使ったときの電気代についてもっと詳しく知りたい方はこちら
基本的な電気代の計算方法
冷房をつけっぱなしにしたときの電気代を気にしている方の中には、「自宅に取り付けられているエアコンの電気代を知りたい」という方もいるはずです。「電気代を求める式」を知っていれば、エアコンのスペックからおおよその電気代を算出できるようになります。
電化製品の消費電力から電気代を求める式は、「消費電力(kW)×使用時間(h)×料金単価(円/kWh)」です。
多くのエアコンの消費電力は「W」表示で記載されているため、この式を用いて電気代を計算するには、まず「W」表示を「kW」表示に直す必要があります。「1kW=1000W」なので、「W」表示の消費電力を1,000で割れば「kW」表示に変換可能です。
使用時間は、エアコンを1カ月つけっぱなしにした場合には、「24(h)×30(日)=720(h)」となります。
よって、例えば600Wのエアコンをつけっぱなしにしたときの電気代は、「600(W)÷1,000×720(h)×31(円/kWh)=13,392円」となる計算です。
⇒エアコンの電気代の計算方法についてもっと詳しく知りたい方はこちら
結局「つけっぱなし」と「こまめに切る」どっちがいいの?
エアコンをつけっぱなしにしているとき、「もしかしてこまめにオン・オフした方がエコなのかな?」と不安を感じる瞬間があるでしょう。「つけっぱなし」と「こまめに切る」、どちらを選択した方が電気代がかからないのかを解説します。
「何時間外出するか」が最大のポイント
「つけっぱなし」と「こまめに切る」どちらを選択すべきかは、「どれだけの時間、冷房がついている部屋を離れるか」に左右されます。長時間外出する場合には、電源をこまめに落とした方がいいでしょう。
エアコンの冷房運転は、室温を設定温度まで下げるときに最も多くの電気を消費します。冷房をこまめに切ると、その度に室温が上がってしまい、結果的に無駄な電気を消費することになります。だからといって、長時間誰もいない部屋を冷やし続けても、無駄な電気を消費するだけです。
冷房運転の場合、30分以上外出するのであれば、エアコンの電源を落として部屋を出るのがおすすめです。
エアコンを稼働させる時間帯によっても異なる
「つけっぱなし」と「こまめにオン・オフ」、どちらがよりエコになるかは、エアコンを稼働させる時間帯によっても変わってきます。18時~23時の時間帯は、エアコンをこまめにオン・オフした方が電気代が抑えられるかもしれません。
夜間は、昼間に比べて外気温と設定温度の差が小さくなるため、エアコンの電源をこまめに落としたとしても、室温はそこまで上がらず、冷やし直しによる消費電力も小さくなります。冷房をこまめに切っても、無駄な電気は消費しないと考えられるのです。
ただし就寝時間中は、知らぬ間に室温が上昇して熱中症のリスクが高まる可能性があるため、エアコンはつけっぱなしにした方がいいといわれています。
冷房をつけっぱなしにするメリット
エアコンをつけっぱなしにするメリットは、「時と場合によっては電気代を抑えられる」だけではありません。冷房運転を24時間使い続けた場合に想定される利点を2つ紹介します。
常に快適な室温を保てる
冷房をつけっぱなしにする最大の長所は、24時間過ごしやすい室温を保てることです。
一昔前であれば、「冷房をつけっぱなしにする」などという行為は「電気代の無駄」以外の何物でもありませんでした。夏であっても日が沈めば涼しさを感じられたため、エアコンをつけっぱなしにする必要性もなかったはずです。
しかし近年は、夜間でも気温が下がりにくく、不快な暑さを感じるケースが増えています。冷房をつけっぱなしにしないと、ストレスフリーで過ごすのが難しくなっているのです。
熱中症の防止効果が期待できる
エアコンの冷房機能は、熱帯夜が続く日本の夏を安全に過ごすためにも重要な役割を果たします。冷房を24時間つけっぱなしにしていれば、室内で起きる熱中症を予防する効果が期待できるからです。
熱中症は夜間にも発症するケースが多いと指摘されています。また、夜間に熱中症を発症して亡くなる方の多くは、冷房をつけずに就寝していたともいわれています。
冷房をつけっぱなしにして就寝中の室温をエアコンでコントロールすれば、熱中症のリスクをぐっと下げる効果が期待できるでしょう。
冷房をつけっぱなしにするデメリット
エアコンを24時間運転させていると、思いもよらないデメリットにつながる可能性があります。冷房つけっぱなしによる弊害を2つ紹介します。利便性の裏にある、長時間運転ならではの注意点を確認しておきましょう。
部屋がカラカラに乾燥してしまう
冷房つけっぱなしの弱点の1つが「室内の過乾燥」です。冷房を使っていると、室温が下がると同時に湿度も下がってしまいます。そのため、冷房をつけっぱなしにしていると極端に湿度が下がり、部屋がカラカラになってしまう可能性があるのです。
乾燥が進むと懸念されるリスクの1つが「体の抵抗力の低下」です。室内の過乾燥により粘膜が乾いてしまうと、粘膜が持つ「異物の侵入を防ぐ力」が弱まり、風邪などをひきやすくなります。
冷房による乾燥の加速を食い止めるには、加湿器の併用がおすすめです。加湿器を持っていない場合には、濡れタオルを部屋にかけておくだけでも過乾燥を防ぐ効果が期待できます。
エアコンの寿命を縮める可能性がある
冷房をつけっぱなしにしていると、エアコンの寿命が短くなる恐れもあります。
エアコンは24時間運転させても安全上の問題はありません。しかし、冷房をつけっぱなしにしていると、必然的にエアコンの稼働時間が長くなります。内蔵されている各種部品を酷使することになるため、結果的に製品としての寿命が短くなる可能性があるのです。
エアコンの寿命を延ばしたいのであれば、折を見てエアコンの電源を落とし、内蔵されている各パーツを休ませる必要があるといえます。
冷房をつけっぱなしにしたときの電気代節約方法
冷房を24時間つけっぱなしにしたときの電気代が気になる方は、エアコンの電気代を抑える節電ワザを駆使して電気代を節約しましょう。冷房をつけっぱなしにするときに実践したい節電テクニックを6つ紹介します。
室温が28℃になるように設定温度を調整する
冷房をつけっぱなしにするときは、設定温度に気を配ることが大切です。冷やしすぎに注意して設定温度を調節するようにしましょう。
経済産業省資源エネルギー庁がまとめた「省エネポータルサイト」の試算では、外気温が31℃のときにエアコンの設定温度を27℃から28℃に変更すると、年間で約940円の節約になるとしています。
設定温度の目安は「室温が28℃に保たれる程度の温度」です。設定温度を28℃に合わせたからといって、室温がぴったり28℃になるわけではないので、室温が28℃になっているかに注意しながら設定温度を調整しましょう。
※出典:空調 | 無理のない省エネ節約 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト
⇒エアコンの設定温度と電気代の関係についてもっと詳しく知りたい方はこちら
風量は「自動」に設定する
節電しつつ冷房を使いたい場合には、風量は「自動」に設定するのがおすすめです。
冷房は、室温を設定温度まで下げるときに多くの電気を使います。すばやく冷やして、いち早く設定温度を維持する段階に入った方が、トータルでの消費電力が抑えられる仕組みです。
風量を「自動」にしておくと、冷やし始めは「強」ですばやく部屋を冷やし、室温が設定温度まで下がったら、自動で風量を「弱」に切り替え、消費電力を抑えてくれます。
ただし、電気代を抑えたいからといって、最初から「弱」で冷房をかけるのは好ましくありません。室温がなかなか下がらず、無駄な電気を消費する羽目になります。
⇒エアコンの風量と電気代の関係についてもっと詳しく知りたい方はこちら
サーキュレーターを併用する
エアコンの冷房機能を使うときは、サーキュレーターとの併用がおすすめです。エアコンだけで部屋を冷やそうとすると、冷房効率がなかなか上がらず、余分な電気を消費してしまう可能性があります。
冷房運転をしていると、どうしても部屋の中に「温度むら」が発生します。暖かい空気は冷たい空気よりも軽いため、エアコンだけを使って部屋の空気を冷やしていると、冷やしきれていない暖かい空気が部屋の上側に溜まりやすいのです。
部屋の上部に溜まった暖かい空気を感知したエアコンは、「まだ部屋が冷えていない」と判断し、必要以上に部屋を冷やしてしまいます。
サーキュレーターを使って部屋の空気を循環させれば、部屋の温度むらが解消され、部屋の冷やしすぎが起こりにくくなります。
⇒サーキュレーターの基礎知識についてもっと詳しく知りたい方はこちら
こまめにフィルターの掃除をする
節電を意識するのであれば、エアコンのフィルターはこまめに掃除しましょう。
室内機に内蔵されているフィルターにほこりが蓄積すると、エアコンが持っている空気を吸い込む力が弱まり、部屋を冷やす能力も落ちてしまいます。部屋を設定温度まで冷やすために無駄な電気を消費するようになるのです。
理想的なフィルター掃除の頻度は「2週間に1回程度」といわれています。
フィルター掃除の基本は掃除機がけです。フィルターを取り外して表側からほこりを吸い取ります。汚れがひどいときは、台所用の中性洗剤を溶かしたぬるま湯で洗うのがおすすめです。水洗いする場合にはカビの発生を防ぐため、しっかりと陰干ししてフィルターを乾燥させてから本体に戻します。
室外機に日除けを設置する
冷房効率を高めて節電を実現するには、室外機周りの気温が低くなるように工夫しましょう。室外機周辺の気温が高まると、エアコン本来の冷却効率が下がってしまいます。
室外機周辺の温度が高温にならないようにするには、室外機に日除けを設置することが有効です。直射日光を避けることで、室外機本来の性能を維持する効果が期待できます。
室外機の日除けになるアイテムの一例は以下の通りです。
- すだれ
- ゴーヤやヘチマなどで作る緑のカーテン
- 専用の日除けカバー
アイテムを上手に使って室外機を直射日光から守りましょう。
⇒エアコンの室外機カバーについてもっと詳しく知りたい方はこちら
断熱効果が高いカーテンを設置する
節電を意識しつつ冷房を使いたいのであれば、カーテンは断熱効果の高い製品を選ぶのが賢い選択です。
冷房で室温をコントロールしているとき、住宅の外から入ってくる熱の約73%が開口部である窓から侵入してきます。窓の断熱性能を高めれば、入ってくる熱をある程度遮断できるため、エアコンの効きを高める効果が期待できるのです。
窓の断熱性を高めたいときに頼りになるのが、断熱効果の高いカーテンです。カーテンは窓に取り付けるだけでいいので、最小限の費用負担で窓の断熱性を高められます。
断熱を意識してカーテンを選ぶのであれば、厚みのある素材を採用した製品を選びましょう。窓の大きさに合ったサイズを選べば、さらに断熱効果を高められます。
※出典:開口部からの熱の出入り割合はどの位か - 開口部情報 - 建産協 - (一社)日本建材・住宅設備産業協会
冷房の電気代が気になるなら電気契約の見直しもおすすめ
エアコンの電気代が気になるのであれば、思い切って電気契約の見直しを検討しましょう。電気料金が安い電力会社を選べば、エアコンを使ったときの電気代も自然とスリム化できます。電気契約を見直すときのポイントを解説します。
電気料金が安いプランを提供する電力会社に乗り換える
電気契約を見直すときに実施すべきは「電力会社の乗り換え」です。基本料金や電力量料金が安い電気料金プランを提供している電力会社を選べば、節電を意識しなくても電気代の節約がかないます。
特に今まで電気料金プランの見直しをした経験がない場合には、大手電力会社だけでなく、電力小売自由化後に電力の小売事業に参入した「新電力」のプランも検討してみることで、自分のライフスタイルに合ったプランが見つかるかもしれません。
乗り換え先の電力会社を探している方におすすめなのが「Looopでんき」です。電気をたくさん使う時間帯の電気代が自動的に安くなる「おまかせ割」を提供しているLooopでんきであれば、ご家庭の電気の使い方によっては電気代の節約につながる可能性があります。
⇒電気を切り替えるメリットとデメリットについてもっと詳しく知りたい方はこちら
冷房をつけっぱなしにするなら節電の工夫をしよう
冷房つけっぱなしは、夏の平均気温が上がっている日本で健康的に暮らすためには、欠かせない生活の工夫の1つです。しかし冷房を24時間つけていると、どうしても電気代が高くなってしまいます。電気代の割高感を解消するには「冷房の節電ワザ」が必要といえるでしょう。適切な工夫をすれば、電気代を抑えつつ快適性を保つことができます。テクニックを駆使して、体にも家計にも優しい夏を実現しましょう。
電化製品の電気料金が気になる方は、家電の買い替えや使い方を工夫するだけでなく、電力会社の変更や電気料金プランの見直しも検討してみませんか。
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