空気清浄機は、モード(風量)によって消費電力が変わります。1日中つけっぱなしにした場合、1カ月ではどのくらいの電気代になるのでしょうか?メーカー別の電気代を比較してみましょう。運転効率を上げて電気代を抑える方法も紹介します。
空気清浄機の電気代はどのくらい?
空気清浄機は、部屋の気になるにおいやほこり、花粉などを除去してくれる便利な電化製品です。24時間つけっぱなしにすることが多いため、月々の電気代が気になる方は多いでしょう。空気清浄機の仕組みと電気代の計算方法を解説します。
空気清浄機の仕組み
空気清浄機は、空気と一緒に浮遊物質を吸い、フィルターに吸着して、きれいになった空気を排出する仕組みです。フィルターの目は非常に細かく、目に見えない花粉やちり、ウイルスなども除去できます。
空気清浄機は、「ファン方式」「電気集塵方式」「イオン方式」の3つに大別されます。それぞれの特徴を押さえておきましょう。
- ファン方式:ファンで空気を取り込み、フィルターでろ過する
- 電気集塵方式:高圧放電で浮遊物質を帯電させ、フィルターで集塵する
- イオン方式:ファンを使わず、イオンを放出させて空気を清浄する
消費電力はモードによって異なる
空気清浄機の電気代を計算するには、「消費電力(W)」を調べる必要があります。消費電力とは、電化製品を動かすのに必要な電力です。
空気清浄機の場合、消費電力はモード(風量)によって変わります。例えば、ダイキンの製品には、「ターボ」「強」「標準」「弱」「しずか」の5種類のモードがあります(搭載モードは機種によって異なる)。
風量が大きいほど、効率的に空気を清浄できますが、消費電力も大きくなります。強やターボで稼働し続ければ、それだけ電気代も高くなるでしょう。
電気代の計算方法
空気清浄機をはじめとする電化製品の電気代は、以下の計算式で算出します。
- 電化製品の電気代=消費電力(W)÷1,000×1日の使用時間(時間)×1kWhあたりの電力料金単価(円/kWh)
消費電力の単位には「W(ワット)」や「kW(キロワット)」が使われます。空気清浄機の消費電力は、Wで表記されているケースがほとんどでしょう。
1kmが1000mであるのと同様に、1kWは1000Wです。計算時は、消費電力(W)を1,000で割り、電力料金単価に単位をそろえます。
1kWhあたりの電力料金単価は、電力会社によって異なりますが、「全国家庭電気製品公正取引協議会」が示す「新電力料金目安単価」が1つの指標となります。2024年6月時点では、31円/kWh(税込)です。
※出典: よくある質問 Q&A|公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会
メーカー別の電気代を調査
パナソニック・シャープ・ダイキンの空気清浄機から適用床面積(目安)が23~25畳の製品をピックアップし、電気代を比較します。モードによって、電気代はどのように変わるのでしょうか?
パナソニックの空気清浄機
パナソニックの「F-VXW55」には、トリプルフローの新・花粉撃退気流とイオンの力で有害物質をスピーディーに抑制する「ナノイーX」が搭載されています。適用床面積は約25畳です。
1kWhあたりの電力料金単価を31円/kWhとして、各モードの電気代を計算してみましょう。24時間・30日の電気代は、1時間あたりの電気代(小数点第3位で四捨五入)を基に算出します。
モード | 1時間 | 24時間 | 30日 |
強(53.0W) | 約1.64円 | 約39.36円 | 約1,180.80円 |
中(8.0W) | 約0.25円 | 約6.00円 | 約180円 |
静音(5.0W) | 約0.16円 | 約3.84円 | 約115.2円 |
※出典: 加湿空気清浄機 F-VXW55 [適用床面積]空気清浄:25畳(41㎡) 商品概要 | 空気清浄機 | Panasonic
シャープの空気清浄機
シャープの「FU-S50」には、「プラズマクラスター7000」と呼ばれる独自技術が搭載されています。イオンの力でカビ菌や浮遊菌を抑制する仕組みで、花粉や微細な粒子が壁に付着するのを防ぐ効果もあります。
プラズマクラスター約14畳、モードは、強・中・静音の3種類です。各モードで運転したときの電気代を比較してみましょう。
モード | 1時間 | 24時間 | 30日 |
強(49W) | 約1.52円 | 約36.48円 | 約1,094.40円 |
中(13W) | 約0.40円 | 約9.60円 | 約288.00円 |
静音(2.6W) | 約0.08円 | 約1.92円 | 約57.60円 |
※出典: FU-S50 | 空気清浄機:シャープ
ダイキンの空気清浄機
ダイキンの「MC554A-W」は、2023年10月に発売された2024年モデルです。場所を取らないコンパクトタイプで、適用床面積は~25畳です。加湿機能も付いているため、部屋の電化製品を増やしたくない方にはぴったりでしょう。
運転モードは4種類で、弱運転よりも消費電力が小さい「しずか」が搭載されています。それぞれの電気代を比較してみましょう。
モード | 1時間 | 24時間 | 30日 |
ターボ(46W) | 約1.43円 | 約34.32円 | 約1029.60円 |
標準(15W) | 約0.47円 | 約11.28円 | 約338.4円 |
弱(9W) | 約0.28円 | 約6.72円 | 約201.6円 |
しずか(6W) | 約0.19円 | 約4.56円 | 約136.8円 |
空気清浄機の電気代が高くなる原因
空気清浄機の電気代は、使用するモードだけでなく、使用環境や製品の状態によっても左右されます。電気代が高くなる3つの原因をチェックしましょう。
部屋の広さに合っていない
電気代が高くなる1つ目の原因は、製品に記載されている「適用床面積」が実際の部屋よりも大きすぎることです。
適用床面積とは、日本電機工業会規格の基準に基づいて測定された「30分できれいにできる部屋の広さ」です。適用床面積が大きい機種ほど集塵のスピードは上がりますが、その分消費電力も大きくなります。
効率的に空気をきれいにしたい方は、適用床面積が「部屋の広さ(畳数)の2倍」の製品を選びましょう。例えば、10~12畳のリビングであれば、適用床面積が20~24畳の製品を選びます。
清浄のスピードを上げたいからといって、適用床面積が3倍以上のものを選ぶと、無駄な電気代が増えてしまいます。
フィルターが汚れている
2つ目の原因は、フィルターの汚れです。多くの空気清浄機は、フィルターで空気をろ過することで、目に見えない汚れを取り除きます。
手入れを怠るとフィルターが目詰まりし、運転効率が下がります。フィルターに付着したほこりにセンサーが反応し、常にフル稼働状態になるケースもあるようです。
無駄な消費電力を生じさせないためにも、フィルターの汚れは小まめに取り除きましょう。メーカーや機種によって異なりますが、2週間程度が目安です。少なくとも1カ月に1回はしっかりと手入れをするのが望ましいといえます。
寿命が近い
3つ目の原因は、寿命が近いことです。あらゆる電化製品は、寿命が近くなると運転効率が悪くなり、より多くの電力を消費するようになります。
空気清浄機の「法定耐用年数」は6年ですが、あくまでも減価償却を定めた税法上の目安であるため、寿命としては「10年」が目安とされます。
古くなったと感じたら、壊れるのを待たずに買い替えましょう。近年の空気清浄機は「省エネ性能」が非常に高く、買い替えるだけで電気代を削減できます。
空気清浄機の運転効率を上げるコツ
空気清浄機の電気代を抑えるには、運転効率を上げることが重要です。フィルターを小まめに掃除するほかに、どのような点に留意すればよいのでしょうか?
24時間つけっぱなしが基本
細かいちりやほこりは、床に落ちるまでに時間がかかります。電気代がかさむからといって、頻繁にスイッチをオン・オフすると、空気中の浮遊物質を効率的に取り除けません。
空気清浄機の本来の機能を発揮させるためにも、24時間つけっぱなしにするのが基本です。電気代が気になる方は、消費電力が最も小さい弱モードや静音モードで運転するか、省エネモードや自動モードを使います。
弱モードや静音モードの電気代はごくわずかですが、旅行や出張で2日以上家を空けるときは、スイッチを切った方がよいでしょう。
設置場所を工夫する
空気清浄機は、空気中の浮遊物質に対して効果を発揮します。床に落ちた物質を除去する機能は持っていないため、できるだけ空気の循環が良い場所に置く必要があります。
リビングであれば、家具や壁で吸気口をふさがないように、できるだけ部屋の中央に設置します。人が集まりやすいソファーやダイニングテーブルの近くに置いてもよいでしょう。
花粉が多い季節は、玄関や部屋の出入り口付近に設置するのがおすすめです。においが気になるときは、においの発生源の近くに置くのがベストでしょう。エアコンや扇風機と併用すれば、空気の循環が促され、より効率的に空気が清浄されます。
花粉飛散の少ない時間帯に換気する
空気清浄機は、室内の空気を清浄する能力はありますが、換気システムのように空気を入れ替える機能は持ち合わせていません。空気清浄機を使用していても、定期的な換気が必要です。
花粉の時期は、花粉飛散量が少ない時間を狙って窓を開けましょう。外から大量の花粉や汚染物質が部屋に入ってくると、空気清浄機がフル稼働するため、電気代も上がりやすくなります。
レースのカーテンには花粉の侵入を防ぐ効果があります。カーテンをしたまま、窓を10cmほど開けて換気しましょう。
月々の電気代を抑えるには?
現代人は、多くの電化製品に囲まれて暮らしています。数が増えれば相応の電気代になるため、何らかの対策が必要です。過度な節約をせずに、電気代を抑える方法を紹介します。
電気の契約アンペアを見直す
大手電力会社の一般的な料金プランは、主に「基本料金」と「従量料金」で構成されています。
基本料金は、電気の使用にかかわらず、毎月必ず支払わなければならない固定料金です。「アンペア制」を採用している場合、契約アンペアに比例して基本料金が高くなります。
電気の無駄遣いをやめて契約アンペアを1つ下げれば、電気代が月間で数百円ほど安くなるでしょう。適正な契約アンペアは、同時に使用する電化製品のアンペア(A)を足し合わせることで算出できます。
⇒アンペア変更についてもっと詳しく知りたい方はこちら
電力会社や料金プランを変える
電力小売自由化の後は、多くの事業者が電力事業に参入し、利用者の選択肢が大きく広がりました。特に「新電力」は、プランの豊富さや料金の安さを武器に大手に対抗しています。以下はプランの一例です。
- ガスやインターネットとのセット割
- 基本料金が無料のプラン
- 時間帯によって電力の料金単価が変わるプラン
- 支払いに応じてポイントが付与されるプラン
これまで、電力会社を一度も変えたことがない方は、電力会社や料金プランを見直すことで、今よりも電気代が大幅に安くなる可能性があるでしょう。
Looopでんきの「スマートタイムONE」は、基本料金や燃料費調整額が0円です。電力料金単価の一部である電源料金単価が30分ごとに変動するのが特徴で、時間帯によっては0.01円/kWhにまで下がる場合があります。
⇒Looopでんきの料金プランをチェック
空気清浄機の電気代は使い方で変わる
空気清浄機の電気代は、モードや使用環境、製品の状態などによって変わります。弱モードや静音モードであれば、1カ月の電気代はそれほど高額にはなりません。
逆に、強モードやターボモードで運転し続けたり、部屋の広さに見合わない製品をフル稼働させたりすると、電気代がかさみます。
まずは、使い方や置き場所を工夫するとともに、現在のアンペアを見直しましょう。6年以上経過しているものは、新しい機種に買い替えた方が電気代が抑えられます。
電化製品の電気料金が気になる方は、家電の買い替えや使い方を工夫するだけでなく、電力会社の変更や電気料金プランの見直しも検討してみませんか。
Looopでんきでは、基本料金・燃料費調整額・解約手数料0円の「スマートタイムONE」を提供しています。
このプランは基本料金が0円のため、ご自宅で使用する電気の量が多い方や、現在のプランで基本料金が高い方に最適です。
また、解約手数料が0円で契約期間の縛りもないため、お試しで数か月間、Looopでんきをご利用いただき、現在の電力会社と比較することも可能です。
Looopでんきをご利用いただいているお客さまの声を紹介します。
(30代 / 女性 / 3人暮らし)
基本料金がかからないので、大きいアンペアで契約していてもお得感がある。
でんき予報などアプリが充実していて、自分の使い方で料金を安くすることも出来る。
(40代 / 男性 / 1人暮らし)
明らかに他社より安くなるし、色々なイベントもあり楽しい。基本料金が無いのも魅力です。
まずは、電気料金プランを見直して、今の生活のままで電気代が安くなるのか試してみてはいかがでしょうか。